JP4719119B2 - 既設建築構造物の耐震改修工法 - Google Patents

既設建築構造物の耐震改修工法 Download PDF

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Description

本発明は、既設建築構造物の耐震改修工法に関し、特に既設鉄筋コンクリート製建築物または既設鉄骨鉄筋コンクリート製建築物の耐震改修工法に関するものである。
既存建物の制震・耐震補強構造としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
特開2003−49546号公報
さて、上記特許文献1に開示されている発明では、鉄骨(H形鋼)と柱(または梁)とが、スタッドボルト、接続用コッター、およびモルタルを介して接合(結合されている)。そのため、鉄骨のウェブ面に対して垂直方向の荷重(力)が加わった場合に、柱(または梁)とモルタルとの接合が柱(または梁)の表面のところで容易に切れてしまうおそれがある。そして、柱(または梁)とモルタルとの接合が切れてしまうと、鉄骨のウェブ面に対して垂直方向の荷重(力)を接続用コッターのみで受けなければならず、鉄骨が柱(または梁)に対して大きく変位してしまうといった問題点があった。
また、上記特許文献1に開示されている発明では、鉄骨の一フランジ面が柱(または梁)の表面と対向するように配置されている。そのため、鉄骨のウェブ面に対して垂直方向の荷重(力)が加わった場合に、鉄骨のウェブ面が湾曲して、鉄骨が柱(または梁)に対してさらに大きく変位してしまうといった問題点もあった。
そして、このような鉄骨と鉄骨との間に制震ダンパーが配置されているような場合には、鉄骨のウェブ面に対して垂直方向の荷重(力)が加わって、鉄骨が柱(または梁)に対して大きく変位するとともに、鉄骨のウェブ面が湾曲した後、すなわち、柱および梁が大きく変化した後に、制震ダンパーを作動させるための変位が制震ダンパーに伝達されることとなり、制震ダンパーを効果的に作動させることができない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、地震等により柱および梁に水平力が加わり、これら柱および梁が水平方向に変形した場合の、鉄骨と柱および梁との相対変位を低減させることができる既設建築構造物の耐震改修工法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明による既設建築構造物の耐震改修工法は、鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリートからなる、柱と、これら柱と柱の間に渡された梁とを備えてなる既設建築構造物の耐震改修工法であって、前記柱の外面に、複数本のアンカーボルトを打ち込み、これらアンカーボルトに対して複数個のボルト孔を有する接合用鋼板を、その裏面が前記柱の外面と対向するように配置した後、各アンカーボルトに前記接合用鋼板を固定するための第1のナットを締め付けていき、前記複数本のアンカーボルトに対して複数個のボルト孔をウェブに有する縦鉄骨を、前記ウェブの裏面が前記接合用鋼板の表面と対向するように配置した後、各アンカーボルトに前記縦鉄骨を固定するための第2のナットを、前記縦鉄骨の端面と前記接合用部材の表面とが密着するように締め付けていき、前記縦鉄骨の端面周縁部と前記接合用部材の表面とを溶接接合して、前記接合用鋼板の表面と前記縦鉄骨との間にグラウトを充填することによって、前記柱の長手方向に沿って縦鉄骨を取り付ける段階と、前記梁の外面に、その長手方向に沿って横鉄骨を取り付けるとともに、この横鉄骨の一端面を、隣接配置された一の縦鉄骨に接合し、この横鉄骨の他端面を、隣接配置された他の縦鉄骨に接合する段階と、前記横鉄骨の上方または下方の少なくともいずれか一方に、前記梁の長手方向に沿うように少なくとも一つの制震部材を配置し、この制震部材を、隣接配置された一の縦鉄骨と隣接配置された他の縦鉄骨との間に接合する段階とを備えている。
また、本発明による建築構造物は、鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリートからなる、柱と、これら柱と柱の間に渡された梁とを備え、前記柱の外面に、その長手方向に沿って縦鉄骨が取り付けられ、前記梁の外面に、その長手方向に沿って横鉄骨が取り付けられているとともに、この横鉄骨の一端面が、隣接配置された一の縦鉄骨に接合され、この横鉄骨の他端面が、隣接配置された他の縦鉄骨に接合されており、前記横鉄骨の上方または下方の少なくともいずれか一方に、前記梁の長手方向に沿うように少なくとも一つの制震部材が配置され、この制震部材が、隣接配置された一の縦鉄骨と隣接配置された他の縦鉄骨との間に接合されている建築構造物であって、前記柱と前記縦鉄骨とが、前記柱の外面に打ち込まれた複数本のアンカーボルトと、前記アンカーボルトに対して複数個のボルト孔を有する接合用鋼板と、前記接合用鋼板を前記アンカーボルトに固定するための第1のナットと、前記縦鉄骨のウェブを前記アンカーボルトに固定するための第2のナットと、前記接合用鋼板の表面と前記縦鉄骨との間に充填されたグラウトとを介して接合されているとともに、前記縦鉄骨のフランジの周縁部と前記接合用部材の表面とが、溶接接合されている
これら本発明による既設建築構造物の耐震改修工法または本発明による建築構造物によれば、地震等により柱および梁に水平力が加わり、これら柱および梁が水平方向に変形した場合に、柱に対して縦鉄骨と接合用鋼板とが一体物として挙動することとなる。すなわち、制震部材(例えば、制震ダンパー)の取り付けられた縦鉄骨と、柱とのズレ(変位)が、接合用鋼板の裏面と補強すべき柱の外面との間に形成された(わずかな)隙間のところだけで行われることとなる。
これにより、柱に打設されたアンカーボルトのせん断変形を、接合用鋼板の裏面と補強すべき柱の外面との間に形成された隙間のところだけで起こさせることができ、制震部材が取り付けられた縦鉄骨と、柱とのズレ量を微小なもの(例えば、1mm程度)とすることができる。
また、図4に示すように、縦鉄骨と、柱との間に微小の変形δが生じただけで、制震部材の降伏荷重を超える荷重Pが加わることとなるので、地震等により柱および梁に水平力が加わり、柱および梁が水平方向にわずかに変形した場合でも、制震部材によりそのエネルギーを確実に吸収させることができて、その耐震性を向上させることができる。
上記建築構造物において、前記接合用鋼板が、前記柱の外面を覆う第1の接合用鋼板と、前記柱の側面の一部を覆う第2の接合用鋼板とを備えているとさらに好適である。
このような建築構造物によれば、地震等により柱および梁に水平力が加わり、これら柱および梁が水平方向に変形した場合の、制震部材の取り付けられた縦鉄骨と、柱とのズレ(変位)が、第2の接合用鋼板により拘束(制限)されることとなる。
これにより、柱に打設されたアンカーボルトのせん断変形を、前述した形態のものよりもさらに微小なものとすることができ、制震部材をより効果的に作動させることができて、その耐震性をさらに向上させることができる。
上記建築構造物において、前記第2の接続用鋼板が、第2のアンカーボルトおよび第3のナットを介して前記柱の側面に結合されているとさらに好適である。
このような建築構造物によれば、地震等により柱および梁に水平力が加わり、これら柱および梁が水平方向に変形した場合の、制震部材の取り付けられた縦鉄骨と、柱とのズレ(変位)が、第2のアンカーボルトおよび第3のナットによりさらに拘束(制限)されることとなる。
これにより、柱に打設されたアンカーボルトのせん断変形を、前述した形態のものよりもさらに微小なものとすることができ、制震部材をより効果的に作動させることができて、その耐震性をさらに向上させることができる。
上記建築構造物において、前記接合用鋼板の表面または前記第1の接合用鋼板の表面と、前記縦鉄骨のフランジの表面とが、リブを介して互いに結合されているとさらに好適である。
このような建築構造物によれば、地震等により柱および梁に水平力が加わり、これら柱および梁が水平方向に変形した場合の、縦鉄骨および接合用鋼板の変形が、リブにより抑制(低減)されることとなる。
これにより、柱および梁の水平方向への変形を制震部材により効果的に伝達することができて、制震部材を、前述した形態のものよりもさらに効果的に作動させることができて、その耐震性をさらに向上させることができる。
本発明によれば、地震等により柱および梁に水平力が加わり、これら柱および梁が水平方向に変形した場合の、鉄骨と柱および梁との相対変位を低減させることができるという効果を奏する。
以下、本発明に係る建築構造物(例えば、鉄筋コンクリート製建築物)の第1実施形態を、図1ないし図4を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る建築構造物の一部を示す概略斜視図、図2は図1の要部を拡大した図で、(a)は正面図、(b)は(a)のII−II矢視断面図、図3(a)〜図3(e)は図2(b)と同様の図で、柱と縦鉄骨とを接合する接合方法を説明するための図、図4は柱と縦鉄骨との接合部における力学的特性を説明するためのグラフである。
図1に示すように、建築構造物1は、鉄筋コンクリート(RC(reinforced concrete))からなる、柱2と、これら柱2と柱2の間に渡された梁3とを主たる要素として構成されたものである。
なお、図1中の符号4は腰壁を示しており、図1中の符号5は垂れ壁を示している。
補強すべき柱2の外面には、柱2の長手方向(図1において上下方向)に沿って下層階から上層階まで延びる縦鉄骨(例えば、H形鋼)6が取り付けられている(固定されている)。
また、補強すべき梁3、すなわち、補強すべき柱2と補強すべき柱2との間に渡された梁3の外面には、梁3の長手方向(図1において左右方向)に沿って、縦鉄骨6と縦鉄骨6とを結ぶように延びる横鉄骨7(例えば、H形鋼)が取り付けられている(固定されている)。横鉄骨7の一端面(図1において左側の端面)は、一側(図1において左側)に位置する縦鉄骨6の一フランジ面(図1において右側に位置するフランジ面)に連結(接続)されている。一方、横鉄骨7の他端面(図1において右側の端面)は、他側(図1において右側)に位置する縦鉄骨6の一フランジ面(図1において左側に位置するフランジ面)に連結(接続)されている。
これにより、建築構造物1の外面(外側)には、鉄骨による枠組構造物8が設置されることとなる。
横鉄骨7の下方には、この横鉄骨7および梁3に沿って制震ダンパー(制震部材)9a,9bが配置されている。制震ダンパー9aの一端面(図1において左側の端面)は、一側(図1において左側)に位置する縦鉄骨6の一フランジ面(図1において右側に位置するフランジ面)に連結(接続)されている。一方、制震ダンパー9aの他端面(図1において右側の端面)は、横鉄骨7の中央付近に設置された接合部材10に連結(接続)されている。また、制震ダンパー9bについても同様に、一端面(図1において右側の端面)は、他側(図1において右側)に位置する縦鉄骨6の一フランジ面(図1において左側に位置するフランジ面)に連結(接続)されており、制震ダンパー9bの他端面(図1において左側の端面)は、横鉄骨7の中央付近に設置された接合部材10に連結(接続)されている。
制震ダンパー9a,9bは、圧縮力に対しても引張力と同等の塑性変形性能を有するものであり、縦鉄骨6と縦鉄骨6とを結合する横鉄骨7と平行する梁としての役目も果たすものである。このような制震ダンパー9a,9bとしては、例えば、本出願人が先に出願した特開2000−81085号公報に開示されている斜材、あるいは特願2004−369973に開示されている履歴ダンパー等を用いることができる。また、耐震性向上に関する効果が十分に得られる場合は、上記制震ダンパー9a,9bのいずれか一つのみを設置してもよい。
ここで、図2および図3を用いて、縦鉄骨6、横鉄骨7、制震ダンパー9a,9b、および接合部材10を、既設(または建設中)の建築構造物1の外面に接合する接合方法を説明する。
接合方法としては、まず、図3(a)に示すように、既設(または建設中)の建築構造物1の、補強すべき柱2の外面(一側面)に、複数本のアンカーボルト(第1のアンカーボルト)11を打ち込む。
つぎに、図3(b)に示すように、補強すべき柱2の外面に打設されたアンカーボルト11と対応した複数個のボルト孔(図示せず)を有する接合用鋼板12を、その裏面が補強すべき柱2の外面と対向するように配置した後、各アンカーボルト11の略中央部にナット(第1のナット)13を締め付けていく。そして、接合用鋼板12の裏面と補強すべき柱2の外面との間に所定(例えば、10〜20mm程度)の隙間(わずかな隙間)tができるように(接合用鋼板12の裏面と補強すべき柱2の外面との間が所定距離(例えば、10〜20mm程度)離間(わずかに離間)するように)ナット13を締め付けたら、ナット13の周縁部と接合用鋼板12の表面とを溶接接合する。
つづいて、図3(c)に示すように、補強すべき柱2の外面に打設されたアンカーボルト11と対応した複数個のボルト孔(図示せず)をウェブ6aに有するとともに、ウェブ6aの裏面と、フランジ6bとで囲まれた空間S内に、ウェブ6aの裏面に立設されたスタッドボルト14を介してスパイラル筋15が予め取り付けられた縦鉄骨6を、ウェブ6aの裏面が接合用鋼板12の表面と対向するように配置した後、各アンカーボルト11の先端部にナット(第2のナット)13aを締め付けていく。そして、フランジ6bの端面と接合用鋼板12の表面とが密着するようにナット13aを締め付けたら、ナット13aの周縁部とウェブ6aの表面とを溶接接合する。
つぎに、図3(d)に示すように、フランジ6bの周縁部と接合用鋼板12の表面とを溶接接合する。なお、図3(d)中の符号16はビードである。
そして、ウェブ6aおよび/またはフランジ6bに別途設けられたグラウト注入孔(図示せず)から空間S内にグラウト(無収縮モルタル)17を充填するとともに、接合用鋼板12に別途設けられたグラウト注入孔(図示せず)および/または接合用鋼板12の周縁部から接合用鋼板12の裏面と補強すべき柱2の外面との間に形成された隙間t内にグラウト(無収縮モルタル)17を充填した後、養生する。
つづいて、既設(または建設中)の建築構造物1の、補強すべき梁3の外面に、横鉄骨7を取り付けるが、この手順は、上述した既設(または建設中)の建築構造物1の、補強すべき柱2の外面に、縦鉄骨6を取り付ける手順と同じであるので、ここではその説明を省略する。
既設(または建設中)の建築構造物1の、補強すべき梁3の外面への横鉄骨7の取り付けが完了したら、横鉄骨7の一端面と、一側に位置する縦鉄骨6の一フランジ面とを、そして、横鉄骨7の他端面と、他側に位置する縦鉄骨6の一フランジ面とを、例えば、溶接接合する。
そして、横鉄骨7の下方に接合部材10を設置し、さらに制震ダンパー9a,9bを配置し、制震ダンパー9aの一端面と、一側に位置する縦鉄骨6の一フランジ面とを、そして、制震ダンパー9aの他端面と、横鉄骨中央付近に設置された接合部材10とを、例えば、高力ボルト等の締結部材を介して、縦鉄骨6および接合部材10に固定されたガセットプレート18(図2(a)参照)に結合する。
接合方法については、これ以外にも縦鉄骨6、横鉄骨7、接合部材10をそれぞれ、例えば溶接接合などにより予め一体化しておき、それを吊り上げて柱2、梁3に取り付ける等してもよい。
本実施形態に係る建築構造物1によれば、地震等により柱2および梁3に水平力が加わり、これら柱2および梁3が水平方向に変形した場合に、柱2に対して縦鉄骨6と接合用鋼板12とが一体物として挙動することとなる。すなわち、制震ダンパー9a,9bの取り付けられた縦鉄骨6と、柱2とのズレ(変位)が、接合用鋼板12の裏面と補強すべき柱2の外面との間に形成された隙間tのところだけで行われることとなる。
これにより、柱2に打設されたアンカーボルト11のせん断変形を、接合用鋼板12の裏面と補強すべき柱2の外面との間に形成された隙間tのところだけで起こさせることができ、制震ダンパー9a,9bが取り付けられた縦鉄骨6と、柱2とのズレ量を微小なもの(例えば、1mm程度)とすることができる。
また、図4に示すように、縦鉄骨6と、柱2との間に微小の変形δが生じただけで、制震ダンパー9a,9bの降伏荷重を超える荷重Pが加わることとなるので、地震等により柱2および梁3に水平力が加わり、柱2および梁3が水平方向にわずかに変形した場合でも、制震ダンパー9a,9bによりそのエネルギーを確実に吸収させることができて、その耐震性を向上させることができる。
本発明に係る建築構造物の第2実施形態を、図5を用いて説明する。
図5は本実施形態に係る建築構造物の要部を拡大した図で、(a)は正面図、(b)は(a)のV−V矢視断面図である。
本実施形態に係る建築構造物20は、接合用鋼板12の代わりに接合用鋼板21が設けられているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
接合用鋼板21は、補強すべき柱2の外面を覆う第1の接合用鋼板22と、補強すべき柱2の側面の一部(補強すべき柱2の外面の側に位置する側面)を覆う第2の接合用鋼板23とを備えるとともに、図5(b)に示すように、断面視コ字状を呈する部材である。また、接合用鋼板21は、図5(b)に示すように、補強すべき柱2の外面に取り付けた際に、接合用鋼板21の裏面と補強すべき柱2の外面との間に所定(例えば、10〜20mm程度)の隙間tができるように(接合用鋼板21の裏面と補強すべき柱2の外面との間が所定距離(例えば、10〜20mm程度)離間するように)構成されている。
本実施形態に係る建築構造物20によれば、地震等により柱2および梁3に水平力が加わり、これら柱2および梁3が水平方向に変形した場合の、制震ダンパー9a,9bの取り付けられた縦鉄骨6と、柱2とのズレ(変位)が、第2の接合用鋼板23により拘束(制限)されることとなる。
これにより、柱2に打設されたアンカーボルト11のせん断変形を、前述した第1実施形態のものよりもさらに微小なものとすることができ、制震ダンパー9a,9bをより効果的に作動させることができて、その耐震性をさらに向上させることができる。
本発明に係る建築構造物の第3実施形態を、図6を用いて説明する。
図6は本実施形態に係る建築構造物の要部を拡大した図で、(a)は正面図、(b)は(a)のVI−VI矢視断面図である。
本実施形態に係る建築構造物30は、第2の接合用鋼板23が、アンカーボルト(第2のアンカーボルト)31およびナット(第3のナット)32を介して補強すべき柱2の側面に結合されているという点で前述した第2実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第2実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第2実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。また、ナット32の周縁部と第2の接合用鋼板23の表面とは溶接接合されている。
本実施形態に係る建築構造物30によれば、地震等により柱2および梁3に水平力が加わり、これら柱2および梁3が水平方向に変形した場合の、制震ダンパー9a,9bの取り付けられた縦鉄骨6と、柱2とのズレ(変位)が、アンカーボルト31およびナット32によりさらに拘束(制限)されることとなる。
これにより、柱2に打設されたアンカーボルト11のせん断変形を、前述した第2実施形態のものよりもさらに微小なものとすることができ、制震ダンパー9a,9bをより効果的に作動させることができて、その耐震性をさらに向上させることができる。
本発明に係る建築構造物の第4実施形態を、図7を用いて説明する。
図7は本実施形態に係る建築構造物の要部を拡大した図で、(a)は正面図、(b)は(a)のVII−VII矢視断面図である。
本実施形態に係る建築構造物40は、フランジ6bの表面(外側面)と第1の接合用鋼板22の表面とが、リブ41を介して互いに結合されているという点で前述した第3実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第3実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第3実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。また、リブ41の周縁部と、フランジ6bの表面および第1の接合用鋼板22の表面とは、溶接接合されている。
本実施形態に係る建築構造物40によれば、地震等により柱2および梁3に水平力が加わり、これら柱2および梁3が水平方向に変形した場合の、縦鉄骨6および接合用鋼板21の変形が、リブ41により抑制(低減)されることとなる。
これにより、柱2および梁3の水平方向への変形を制震ダンパー9a,9bにより効果的に伝達することができて、制震ダンパー9a,9bを、前述した第3実施形態のものよりもさらに効果的に作動させることができて、その耐震性をさらに向上させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態のものに限定されるものではなく、上述した実施形態における柱2(および梁3)は、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC(steel framed reniforced concrete))からなるものであってもよい。
また、上述した実施形態では、接合用鋼板12,22の裏面と補強すべき柱2の外面との間に所定の隙間tができるように(構成)しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、接合用鋼板12,22の裏面と補強すべき柱2の外面とが当接(あるいは密着)するように(構成)してもよい。
さらに、接合用鋼板12,22の裏面と補強すべき柱2の外面との間の隙間に注入する材料はグラウトではなく、エポキシ樹脂等の樹脂系材料でもよい。
さらにまた、上述した実施形態では、横鉄骨7の下に制震ダンパー9aおよび/または制震ダンパー9bを設置するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図8に示すように、横鉄骨7の上下に制震ダンパー9a,9b,9c,9dを設置することもできる。
本発明に係る建築構造物の第1実施形態を示す一部概略斜視図である。 図1の要部を拡大した図で、(a)は正面図、(b)は(a)のII−II矢視断面図である。 (a)〜(e)は図2(b)と同様の図で、柱と縦鉄骨とを接合する接合方法を説明するための図である。 柱と縦鉄骨との接合部における力学的特性を説明するためのグラフである。 本発明に係る建築構造物の第2実施形態を示す要部拡大図で、(a)は正面図、(b)は(a)のV−V矢視断面図である。 本発明に係る建築構造物の第3実施形態を示す要部拡大図で、(a)は正面図、(b)は(a)のVI−VI矢視断面図である。 本発明に係る建築構造物の第4実施形態を示す要部拡大図で、(a)は正面図、(b)は(a)のVII−VII矢視断面図である。 本発明に係る建築構造物の他の実施形態を示す一部概略斜視図である。
符号の説明
1 建築構造物
2 柱
3 梁
6 縦鉄骨
6a ウェブ面
7 横鉄骨
9a 制震ダンパー(制震部材)
9b 制震ダンパー(制震部材)
9c 制震ダンパー(制震部材)
9d 制震ダンパー(制震部材)
11 アンカーボルト
12 接合用鋼板
13 ナット(第1のナット)
13a ナット(第2のナット)
17 グラウト
20 建築構造物
21 接合用鋼板
22 第1の接合用鋼板
23 第2の接合用鋼板
30 建築構造物
31 アンカーボルト(第2のアンカーボルト)
32 ナット(第3のナット)
40 建築構造物
41 リブ

Claims (5)

  1. 鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリートからなる、柱と、これら柱と柱の間に渡された梁とを備えてなる既設建築構造物の耐震改修工法であって、
    前記柱の外面に、複数本のアンカーボルトを打ち込み、これらアンカーボルトに対して複数個のボルト孔を有する接合用鋼板を、その裏面が前記柱の外面と対向するように配置した後、各アンカーボルトに前記接合用鋼板を固定するための第1のナットを締め付けていき、前記複数本のアンカーボルトに対して複数個のボルト孔をウェブに有する縦鉄骨を、前記ウェブの裏面が前記接合用鋼板の表面と対向するように配置した後、各アンカーボルトに前記縦鉄骨を固定するための第2のナットを、前記縦鉄骨の端面と前記接合用部材の表面とが密着するように締め付けていき、前記縦鉄骨の端面周縁部と前記接合用部材の表面とを溶接接合して、前記接合用鋼板の表面と前記縦鉄骨との間にグラウトを充填することによって、前記柱の長手方向に沿って縦鉄骨を取り付ける段階と、
    前記梁の外面に、その長手方向に沿って横鉄骨を取り付けるとともに、この横鉄骨の一端面を、隣接配置された一の縦鉄骨に接合し、この横鉄骨の他端面を、隣接配置された他の縦鉄骨に接合する段階と、
    前記横鉄骨の上方または下方の少なくともいずれか一方に、前記梁の長手方向に沿うように少なくとも一つの制震部材を配置し、この制震部材を、隣接配置された一の縦鉄骨と隣接配置された他の縦鉄骨との間に接合する段階とを備えていることを特徴とする既設建築構造物の耐震改修工法。
  2. 鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリートからなる、柱と、これら柱と柱の間に渡された梁とを備え、
    前記柱の外面に、その長手方向に沿って縦鉄骨が取り付けられ、
    前記梁の外面に、その長手方向に沿って横鉄骨が取り付けられているとともに、この横鉄骨の一端面が、隣接配置された一の縦鉄骨に接合され、この横鉄骨の他端面が、隣接配置された他の縦鉄骨に接合されており、
    前記横鉄骨の上方または下方の少なくともいずれか一方に、前記梁の長手方向に沿うように少なくとも一つの制震部材が配置され、この制震部材が、隣接配置された一の縦鉄骨と隣接配置された他の縦鉄骨との間に接合されている建築構造物であって、
    前記柱と前記縦鉄骨とが、前記柱の外面に打ち込まれた複数本のアンカーボルトと、
    前記アンカーボルトに対して複数個のボルト孔を有する接合用鋼板と、
    前記接合用鋼板を前記アンカーボルトに固定するための第1のナットと、
    前記縦鉄骨のウェブを前記アンカーボルトに固定するための第2のナットと、
    前記接合用鋼板の表面と前記縦鉄骨との間に充填されたグラウトとを介して接合されているとともに、
    前記縦鉄骨のフランジの周縁部と前記接合用部材の表面とが、溶接接合されていることを特徴とする建築構造物。
  3. 前記接合用鋼板が、前記柱の外面を覆う第1の接合用鋼板と、前記柱の側面の一部を覆う第2の接合用鋼板とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の建築構造物。
  4. 前記第2の接続用鋼板が、第2のアンカーボルトおよび第3のナットを介して前記柱の側面に結合されていることを特徴とする請求項3に記載の建築構造物。
  5. 前記接合用鋼板の表面または前記第1の接合用鋼板の表面と、前記縦鉄骨のフランジの表面とが、リブを介して互いに結合されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の建築構造物。
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