JP4503982B2 - 補強梁およびその補強梁を備えたユニット式建物 - Google Patents
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このようなユニット式建物のうち、4個の前記建物ユニットそれぞれに定めた1箇所の柱省略コーナ部を、柱省略コーナ部にて突き合わせ配置して大空間を形成するユニット式建物があり、この場合、隣合う建物ユニットの間に補強梁を設けて、柱省略による梁の補強が行われている。すなわち、このユニット式建物の補強梁としては、その補強梁の中央部が柱省略コーナ部と接続されるとともに、補強梁の上部が上階建物ユニットの床梁の高さ位置まで延在する構造となっている(例えば、特許文献1)。
また、補強梁の梁本体は板状となっているので、補強梁を下階建物ユニットの上面に設けた後、その上に上階建物ユニットを設置する際、上階建物ユニットの例えば床梁や柱が補強梁に干渉するおそれがなくなる。その結果、上階建物ユニットを容易に設置できて施工時間の短縮を図ることができる。
さらに、この発明では、補強梁の下面に下部補強部が設けられているので、補強梁の強度が大きくなり、その強度の大きな補強梁で隣合う下階建物ユニット同士が補強されるので、結果的に、互いに柱省略コーナ部を有して並設される下階建物ユニットの梁をより強固に補強できる。
加えて、この発明では、補強梁の下部補強部に設けられた下部連結プレートと、補強梁の梁本体との間で、隣合う下階建物ユニットの天井梁が上下で挟持されるので、補強梁と隣合う下階建物ユニットの天井梁とが一体的に結合される結果、互いに柱省略コーナ部を有して並設される下階建物ユニットの梁をより強固に補強できる。
また、本発明の請求項2の補強梁20は、請求項1に記載の補強梁において、前記下部連結プレートは前記天井梁の下面に固定されることを特徴とするものである。
ずれかに記載の補強梁において、前記梁本体61は、隣合う下階建物ユニット2の天井梁
11に沿って平面略十字に形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6のユニット式建物は、請求項5に記載のユニット式建物において、前記下部連結プレートは前記天井梁の下面に固定されることを特徴とするものである。
図1には、第1実施形態の補強梁20を使用したユニット式建物1が示されている。
このユニット式建物1は、基礎の上に、例えば4個の下階建物ユニット2を突き合わせて配置された下階部3と、この下階部3の上に配置されるとともに例えば4個の上階建物ユニット4を有する上階部5と、この上階部5の上方に配置される図示しない屋根部とを備えて構成されている。
なお、柱省略コーナ部Aには、図4,5に示すように、輸送時や組み立て時等に下階建物ユニット2が変形しないように、仮柱10Aを設けてもよい。また、下階建物ユニット2において、前記上階建物ユニット4と同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化してある。
補強梁20は、図3〜図5に詳細を示すように、所定厚さの板部材で形成されるとともに、隣合う下階建物ユニット2と隣合う上階建物ユニット4とに挟持されるようになっており、隣合う下階建物ユニット2における同一方向に延びる平行な短辺天井梁11Bの上面を覆い、かつ、水平方向に延びて形成される板状の梁本体21を備えている。つまり、この梁本体21により本実施形態の補強梁20が構成されている。
すなわち、図3〜図5に示すように、梁本体21において、端部連結部21Aおよび中央連結部21B側に寄った部位には、それぞれ2個ずつの貫通孔21Eがあけられ、これに対して、下階建物ユニット2の短辺天井梁11Bにはボルト孔11Cがあけられており、上階建物ユニット4の短辺床梁12Bにはボルト孔12Cがあけられている。そして、両ボルト孔11C、12Cにより接合部Bが構成され、それらのボルト孔11C、貫通孔21E、ボルト孔12Cにボルト18を挿通するとともにナット19と螺合させることにより、隣合う下階建物ユニット2および上階建物ユニット4の端部側で、梁本体21、つまり補強梁20と各建物ユニット2,4とが接合されている。
まず、基礎の上に、柱省略コーナ部Aを有する4個の下階建物ユニット2を、柱省略コーナ部A同士を突き合わせて設け、アンカーボルト等で固定する。
次いで、それぞれの下階建物ユニット2における短辺天井梁11Bの柱省略コーナ部Aの上面に位置を確認しながら補強梁20を載せ、この補強梁20を挟み込んで、それぞれの下階建物ユニット2に対応させて上階建物ユニット4を設ける。
また、下階建物ユニット2の短辺天井梁11Bのボルト孔11C、梁本体21の貫通孔21E、および上階建物ユニット4の短辺床梁12Bのボルト孔12Cに、ボルト18を挿通するとともにナット19と螺合させ、これらの作業により、補強梁20を挟み込んで上階建物ユニット4と下階建物ユニット2とを連結する。
その後、上階部5の上階建物ユニット4の上方に屋根ユニット等を設けて屋根部を構成し、ユニット式建物1を完成させる。
(1)隣合う下階建物ユニット2,2の天井梁11の上面に梁本体21を備えた補強梁20が設けられているので、互いに柱省略コーナ部Aを有して並設される下階建物ユニット2の天井梁11を補強でき、柱なしの大空間の居室を構成することができる。
本実施形態の補強梁30は、梁本体31の下部に下部補強部32を設けたものである。なお、この実施形態および以下の各実施形態において、前記第1実施形態と同じ使用部材および構造には、同一符号を付すとともに、その詳細な説明は省略または簡略化する。
なお、ラチス梁32としては、丸パイプに代えて丸棒を使用してもよい。
(5)補強梁30の下面に下部補強部33が設けられているので、補強梁30の強度が大きくなり、その強度の大きな補強梁30で隣合う下階建物ユニット2,2同士が補強されるので、結果的に、互いに柱省略コーナ部Aを有して並設される下階建物ユニット2の梁をより強固に補強できる。
本実施形態は、補強梁40を、各下階建物ユニット2の柱省略コーナ部Aに設けられた中央補強片に嵌め込める形状としたものである。
(7)下階部3の柱省略コーナ部Aにおいて、各下階建物ユニット2毎の天井梁11先端に設けられた接合片7に、補強梁40の中央部に設けられた中央補強片42が重合するようになっているので、補強梁40と下階建物ユニット2とが強固に結合され、これにより、互いに柱省略コーナ部Aを有して並設される下階建物ユニット2の天井梁11をより強固に補強できる。
本実施形態のユニット式建物1Aは、下階建物ユニット2及び上階建物ユニット4が、それぞれ2個づつが互いの長辺天井梁11A、長辺床梁同士が平行となるように並んで配置され、かつ、それぞれ1個の下階建物ユニット2A及び上階建物ユニット4Aが、互いの長辺天井梁11A、長辺床梁が上記2個の下階建物ユニット2及び上階建物ユニット4の短辺天井梁11B、短辺床梁に対向するように配置され、これらの3個の下階建物ユニット2,2,2Aの柱省略コーナ部Aを突き合わせて構成されているものである。
この補強梁50は、梁本体51の中央連結部51Bが2個の下階建物ユニット2側にのみ延出しているが、前記第1実施形態の補強梁20とほぼ同様の形状となっている。そして、補強梁50の取り付けも、前記第1実施形態の補強梁20とほぼ同様に行うようになっている。下階部3の下階建物ユニット2,2,2Aの上方には、当該下階建物ユニット2,2,2Aと同じ配列で、3個の上階建物ユニット4,4,4Aが載せられてユニット式建物1Aが建てられている。
例えば、前記第1実施形態では、補強梁20の梁本体21が、その中央部と両端部とのそれぞれに、下階建物ユニット2、上階建物ユニット4の仕口14に対応する端部連結部21A、中央連結部21Bを設けた形状となっているが、補強梁の形状はこれに限らない。図12に示すように、平面十文字状の補強梁60としてもよい。
そして、この実施形態によれば、水平延出部61Cでも下階建物ユニット2の長辺天井梁11Aと連結、固定できるので、柱省略コーナ部Aの短辺天井梁11Bをより強固に補強することができる。
2…下階建物ユニット
3…下階部
4…上階建物ユニット
5…上階部
10…柱
11…天井梁
11A…長辺天井梁
11B…短辺天井梁
12…床梁
12A…長辺床梁
12B…短辺床梁
13…骨組み
20,30,40,50,60…補強梁
32…下部補強部であるラチス梁
33…下部補強片
21,31,41,51,61…梁本体
A…柱省略部
B…接合部
Claims (7)
- 複数本の柱と、これらの柱の上端間同士を結合する短辺梁及び長辺梁からなる天井梁と、前記柱の下端間同士を結合する短辺梁及び長辺梁からなる床梁とで形成された略直方体状の骨組みを有する複数の下階建物ユニットがそれぞれ柱省略コーナ部を有するとともに、それらの柱省略コーナ部同士を突き合わせて建てられたユニット式建物の、隣合う前記下階建物ユニット間に架け渡される補強梁であって、
前記隣合う下階建物ユニットにおける同一方向に延びるそれぞれの前記天井梁の上面を覆うとともに水平方向に延びて形成される板状の梁本体と、
前記隣合う下階建物ユニットの前記天井梁の下面を覆う板状の下部連結プレートと、
前記梁本体の下面に設けられるとともに前記隣合う下階建物ユニットの前記天井梁間に延在して前記梁本体と前記下部連結プレートとを繋ぐ下部補強部と、を備え、
前記梁本体は前記上面に固定されるとともに、前記下部連結プレートは前記下部補強部に締結具で締結固定されて、前記梁本体と前記下部連結プレートとは前記隣合う下階建物ユニットの前記天井梁を上下で挟持し、
前記梁本体は、前記隣合う下階建物ユニットと当該下階建物ユニットの上方に配置される上階建物ユニットとに挟持され、
かつ、前記隣合う下階建物ユニットの柱近傍と柱省略コーナ部近傍とに形成された接合部で、それぞれ前記下階建物ユニット及び上階建物ユニットに接合される
ことを特徴とする補強梁。 - 請求項1に記載の補強梁において、前記下部連結プレートは前記天井梁の下面に固定されることを特徴とする補強梁。
- 請求項1または請求項2に記載の補強梁において、
前記隣合う下階建物ユニット及び上階建物ユニットは、それぞれ2個がそれぞれの長辺
梁同士が平行となるように並んで配置され、かつ、それぞれ1個の下階建物ユニット及び
上階建物ユニットが、それぞれの長辺梁が前記2個の下階建物ユニット及び上階建物ユニ
ットの短辺梁に対向するように配置され、これらの3個の下階建物ユニットを突き合わせ
た箇所に前記柱省略コーナ部が形成されるとともに、前記1個の下階建物ユニットの長辺
梁と前記2個の下階建物ユニットの短辺梁との上面に水平方向に延びて形成される板状の
梁本体を備えていることを特徴とする補強梁。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の補強梁において、
前記梁本体は、前記隣合う下階建物ユニットの天井梁に沿って平面略十字に形成されて
いることを特徴とする補強梁。 - 複数本の柱と、これらの柱の上端間同士を結合する短辺梁及び長辺梁からなる天井梁と、前記柱の下端間同士を結合する短辺梁及び長辺梁からなる床梁とで形成された略直方体状の骨組みを有する複数の下階建物ユニットがそれぞれ柱省略コーナ部を有するとともに、それらの柱省略コーナ部同士を突き合わせて建てられた下階部と、この下階部の上に配置されるとともに、前記骨組みを有する複数の上階建物ユニットを有する上階部と、前記隣合う下階建物ユニットと前記隣合う上階建物ユニットとに挟持される補強梁とを備えたユニット式建物であって、
前記補強梁は、前記隣合う下階建物ユニットにおける同一方向に延びるそれぞれの前記天井梁の上面を覆うとともに水平方向に延びて形成される板状の梁本体と、
前記隣合う下階建物ユニットの前記天井梁の下面を覆う板状の下部連結プレートと、
前記梁本体の下面に設けられるとともに前記隣合う下階建物ユニットの前記天井梁間に延在して前記梁本体と前記下部連結プレートとを繋ぐ下部補強部と、を備え、
前記梁本体は、前記上面に固定されるとともに、前記下部連結プレートは、前記下部補強部に締結具で締結固定されて、前記梁本体と前記下部連結プレートとは前記隣合う下階建物ユニットの前記天井梁を上下で挟持し、 前記梁本体と、前記下階建物ユニットと、前記上階建物ユニットとは、これらの下階建物ユニットおよび上階建物ユニットの柱近傍と柱省略コーナ部近傍とに設けられた接合部でそれぞれ接合されていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項5に記載のユニット式建物において、前記下部連結プレートは前記天井梁の下面に固定されることを特徴とするユニット式建物。
- 請求項5または請求項6に記載のユニット式建物において、
前記上階建物ユニットは断面コ字型の床梁を備え、この床梁の開口部には補強材が設けられていることを特徴とするユニット式建物。
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