JP5053137B2 - ユニット式建物 - Google Patents
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Description
この発明によれば、梁側突起22とユニット側突起14Bとが高い剛度で接合されるため、隣り合う建物ユニット3,3の間の補強強度をより大きくすることができる。つまり梁側突起22が水平部22Aと鉛直部22Bとを備えて構成されているため、地震によって互いに連結される建物ユニット3,3同士が水平方向と垂直方向とに相対的に移動しても梁側突起22が変形することなく建物ユニット3,3同士を補強できる。
この発明によれば、ユニット側突起14Bが水平に延びて形成されているので、このユニット側突起14Bに補強梁20を置くことができるから、補強梁設置工事を容易に行うことができる。
この発明によれば、梁側突起22をコ字状に形成することで、上下建物ユニット3,5と補強梁20との補強をより大きなものにできる。
図1,2に示すように、本実施形態のユニット式建物1は、基礎2の上に設けられた例えば4個の下階建物ユニット3からなる下階部4と、下階部4の下階建物ユニット3の上に載置された4個の上階建物ユニット5からなる上階部6と、この上階部6の上方に設けられる屋根部7とを備えて構成されている。なお、屋根部7は、小屋枠7Aとこの小屋枠7Aに支持される屋根パネル7Bとを含み構成されている。
そして、4個の下階建物ユニット3は、後に詳細を述べるように、それぞれ1本の柱 が省略された柱省略コーナ部Aを有し、4個の上階建物ユニット5は、柱や梁が省略されていない通常の骨組みから構成されている。
上階建物ユニット5は、四隅に立設される4本の柱10と、これらの柱10の上端間同士を結合する4本の天井梁11と、各柱10の下端間同士を結合する4本の床梁12とを含む骨組み13を有し、略直方体状に形成されている。
そして、天井梁11は各2本の長辺天井梁11A及び短辺天井梁11Bで構成され、床梁12は各2本の長辺床梁12A及び短辺床梁12Bで構成されている。2本の長辺天井梁11A間、及び2本の長辺床梁12A間には、図示しないが、複数本の天井小梁、複数本の根太がそれぞれ架け渡されている。また、柱10と天井梁11及び床梁12とは、仕口14を介して接続されている。
なお、各下階建物ユニット3において、柱省略コーナ部Aには、輸送時や組み立て時等に下階建物ユニット3が変形しないように、仮柱10Aを設けてもよい。また、下階建物ユニット3において、前記上階建物ユニット5と同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化している。
なお、一方向に隣り合う下階建物ユニット3,3は、構造は同じであるが勝手違いになっており、これらと所定間隔離れた下階建物ユニット3,3は、上記一方向に隣り合う下階建物ユニット3,3が180度向きを変えて配置された状態である。
また、所定間隔Lの寸法は、製作基準寸法であるモジュールが、例えば、1モジュール910mmである場合、本実施形態では、1/2モジュールの450mm程度に設定されている。ただし、この寸法は任意であるが、あまり小さいと間隔をあけた意味がなくなり、あまり大きいと建物の強度上の問題が生じる。
補強プレート21は平面が略正方形状に形成されており、この平面は仕口14の上面と略同じ面積とされている。
梁側突起22は上下対の水平部22Aと鉛直部22Bとを有するコ字状部材と、この鉛直部22Bの中央から水平部22Aとは反対方向へ水平に延びたプレート部22Cとを備えている。そして、長さ方向両端部の補強プレート21は、一方向に隣り合う下階建物ユニット3における外側の各柱10の頂部を構成する仕口14同士を連結するようになっている。
具体的には、梁側突起22の水平部22A及び鉛直部22Bは、その端部が垂直に溶接で接合されることでコ字状に形成されている。また、ユニット側突起14Bは下階建物ユニット3の仕口14の側面に溶接で接合されている。
そして、鉛直部22Bは、建物ユニット3,5のそれぞれのユニット側突起14Bが設けられている仕口14の垂直面に当接されている。さらに、鉛直部22Bの長さ、つまり上下対の水平部22A幅寸法は、上下に対向する建物ユニット3,5のそれぞれのユニット側突起14Bの幅寸法と略同じである。
すなわち、柱10の頂部及び柱省略コーナ部Aの仕口14の上端部には、係合ピン15,16が立設され、この係合ピン15,16に隣接してボルト結合用孔14Aがあけられており、ユニット側突起14Bには、ボルト結合用孔14Cがあけられている。これに対して、補強プレート21及び梁側突起22には、係合孔21A,21B、及び係合孔22G,22Eがあけられ、さらに、ボルト結合用孔21C,22D,22Fがあけられている。
そのため、まず、それぞれ、柱10の頂部及び柱省略コーナ部Aの仕口14の上端部に立設された係合ピン15,16に、補強プレート21及び梁側突起22にあけられた係合孔21A,21B、及び係合孔22G,22Eをそれぞれ差し込み、その後、下階建物ユニット3の仕口14のボルト結合用孔14Aとプレート部22Cのボルト結合用孔22Fとに図示しないボルトを挿通させるとともに、このボルトに図示しないナットを螺合させて、プレート部22Cと仕口14の水平面とを上下方向に挟み込んで固定し、さらに、仕口14から突出したユニット側突起14Bにあけられたボルト結合用孔14Cと梁側突起22にあけられたボルト結合用孔22Dとに図示しないボルトを挿通させるとともに、このボルトに図示しないナットを螺合させて、梁側突起22とユニット側突起14Bとを上下方向に挟み込んで固定し、補強梁20、補強プレート21及び梁側突起22と、下階建物ユニット3とを位置決めして連結できるようになっている。
その後、上階建物ユニット5及び下階建物ユニット3の仕口14にあけられたボルト結合用孔14Aと補強プレート21のボルト結合用孔21C及び梁側突起22にあけられたボルト結合用孔22Fに図示しないボルトを挿通させるとともに、上階建物ユニット5のユニット側突起14Bにあけられたボルト結合用孔14Cと水平部22Aにあけられたボルト結合用孔22Dにボルトを挿通させる。
そして、これらの図示しないボルトに図示しないナットを螺合させて、補強梁20を水平方向に挟み込み、補強プレート21及び梁側突起22を上下方向に挟み込んで、上階建物ユニット5と下階建物ユニット3とを連結、固定する。
この結果、上下に各4個の建物ユニット3,5が、補強プレート21及び梁側突起22と一体となった補強梁20によって互いに連結され、ユニット式建物1の全体の強度が確保されるようになっている。
その後は、上階建物ユニット5及び下階建物ユニット3の仕口14のボルト結合用孔14Aと、外周用補強梁30のボルト結合用孔30Cにボルト17を挿通させるとともに、このボルト17にナット18を螺合させて、外周用補強梁30を水平方向に挟み込んで、上階建物ユニット5と下階建物ユニット3とを連結、固定できるようになっている。
また、所定間隔Lで離し置きされた下階建物ユニット3間の上部の隙間は、閉塞用パネルである天井パネル33(図1参照)で塞がれている。
また、4個の上階建物ユニット5の上端面は、図2に示すように、一方向に隣り合う上階建物ユニット5の柱10同士を連結する上階用としての前記補強梁20で連結され、各上階建物ユニット5の外側外周は、上階用としての前記外周用補強梁30で連結されている。
それぞれ柱省略コーナ部Aを有する1個の上階建物ユニット5Aが、一方向に隣り合って設けられるとともに、これらの上階建物ユニット5Aと直交する方向に、所定間隔Lをあけて、他の2個の上階建物ユニット5Aが離し置きされている。
すなわち、上階建物ユニット5Aは、4本の柱10のうち1本を省略して形成された柱省略コーナ部Aを備えて構成されている。
なお、柱省略コーナ部Aには、輸送用、組み立て用のために、仮柱10Aを設けてもよい。
(1)4個の下階建物ユニット3が、各下階建物ユニット3の柱省略コーナ部Aを突き合わせて配置されており、しかも、一方向に隣り合う2個の下階建物ユニット3と所定間隔L離れて別の2個の下階建物ユニット3が配置されているので、4個の下階建物ユニット3で、柱なしで形成される空間と、所定間隔分だけ広くなった空間とを合計した大空間の居室Rを得ることができる。その結果、従来と同じ大きさ及び同じ数の建物ユニットでより広い居室空間を形成できる。
このため、補強梁20の設置工事の際、補強梁20を容易に仮置きすることができ、ユニット側突起14Bと梁側突起22とを容易に高い剛度で接合することができ、補強梁20の設置工事を容易に行うことができる。
このため、上下対の水平部22Aとユニット側突起14Bとが当接することに加えて、鉛直部22Bと仕口14の接合されている垂直面とが当接することで、水平方向と垂直方向とに補強ができるので、建物ユニット3,5と補強梁20との補強をより大きなものにすることができる。
このため、プレート部22Cは、上下建物ユニット3,5に挟まれるので、ユニット側突起14Bを有するそれぞれの仕口14から延びる短辺天井梁11Bの上面と短辺床梁12Bの底面とに当接することができるから、建物ユニット3,5と補強梁20との補強をさらに大きなものにすることができる。
例えば、前記実施形態では、補強梁20が、所定厚さの板状部材で形成されているが、これに限らない。例えば、断面矩形状の角パイプを用いてもよい。このような実施形態では、角パイプの厚さを適宜大きくすることで、板状部材よりその差の分だけでも居室面積を大きくすることができる。
3…下階建物ユニット
4…下階部
5…上階建物ユニット
6…上階部
10…柱
11…天井梁
11A…長辺天井梁
11B…短辺天井梁
12…床梁
12A…長辺床梁
12B…短辺床梁
13,13A…骨組み
14B…ユニット側突起
20…補強梁
20A…梁本体
21…補強プレート
22…梁側突起
22A…水平部
22B…鉛直部
30…外周用補強梁
32…閉塞用パネルである壁パネル
A…柱省略コーナ部
Claims (3)
- 柱及び梁から略直方体状の骨組みを有し1本の柱が省略された建物ユニットを離し置きして大空間を形成するとともにこれらの建物ユニットの間を補強梁で補強するユニット式建物であって、前記補強梁は、隣り合う建物ユニットの少なくとも離し置きした部分に配置される梁本体と、前記骨組みの側面に突出して設けられるユニット側突起に連結固定される梁側突起とを備え、前記梁側突起は前記梁本体の長手方向に沿った水平部と前記水平部に一体に形成された鉛直部とを備え、かつ、前記ユニット側突起に高い剛度で接合されることを特徴とするユニット式建物。
- 請求項1に記載のユニット式建物であって、前記ユニット側突起は水平に延びて形成されており、前記梁側突起は水平部が前記ユニット側突起と接合されることを特徴とするユニット式建物。
- 請求項1または請求項2に記載のユニット式建物であって、前記ユニット式建物は下階建物ユニットと上階建物ユニットとを備え、前記下階建物ユニットの上方側面に前記ユニット側突起を設け、前記上階建物ユニットの下方側面に前記ユニット側突起を設け、前記梁側突起は、前記上下のユニット側突起にそれぞれ接合される水平部と、これらの水平部の端部に連結された鉛直部とを備えたコ字状に形成されることを特徴とするユニット式建物。
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