JP5280720B2 - ユニット式建物及びユニット式建物の施工方法 - Google Patents
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Description
このユニット式建物において下階用の建物ユニットが基礎の上に並べられるが、この基礎が敷地の関係で段違いに形成されることがある。
また、従来例2では、敷地に高い平面部と低い平面部との間を接続する傾斜部がある場合、この傾斜部を削って低い平面部の敷地にしなければならないので、傾斜した敷地の有効利用を図れないという問題がある。
また、建物ユニット3,31,5の間をパネル92で閉塞しているので、段違い基礎2の傾斜部2Sに対応して容易に製造することができる。
その上、段違い基礎2の高い側の建物ユニット3,5と段違い基礎2の低い側の建物ユニット31,5とを連結するための登り梁921を備えているため、建物ユニット間3,31,5を高い剛度で接合することができる。
また、この登り梁921は、屋根等で用いられる登り梁921を利用しているので、当該ユニット式建物1の建設コストの増加を低減できる。
このため、上記と同様の作用効果を達成するユニット式建物1を提供できる。
この発明によれば、パネル正面が平行四辺形もしくは台形であるので、傾斜部2Sの斜度に合わせてパネル92を建物ユニット3,31,5の間に亘らせることができる。このため、側面パネル92を平行四辺形もしくは台形にすることで、2枚の平行四辺形もしくは台形の側面パネル92を組み合わせるだけで済み、長方形のパネルと2枚の三角形のパネルを組み合わせる場合に比べ側面パネルの部材点数を少なくすることができ、かつ、パネルを組み合わせる目地の全長を短縮することができるため、ユニット式建物1の製造コストを削減することができる。
また、ユニット式建物1の側面が傾斜部2Sの傾斜に合わせて形成されるので、ユニット式建物1の外観を美しくすることができる。
図1〜図11には第1実施形態のユニット式建物1が示されている。
図1は、本実施形態のユニット式建物を示した斜視図である。図2は、前記実施形態のユニット式建物を示した側面図である。図3は、図1におけるIII−III線に沿った断面図である。
なお、屋根部は、小屋枠7Aとこの小屋枠7Aに支持される図示しない屋根パネルとを含み構成され、ユニット式建物1の外周側壁には外壁材8が設けられている。
これと同様に、4個の上階建物ユニット5のうち、それぞれ2個ずつが、各建物ユニット5の短辺同士が対向する方向の一方向に隣り合うとともに、この一方向と交差する方向に所定間隔Lで離れて配置されている。
そして、これら4個の下階建物ユニット3は、後に詳細を述べるように、それぞれ1本の柱10が省略された柱省略コーナ部Aを有し、4個の上階建物ユニット5は、柱10や梁11,12が省略されていない通常の骨組み13から構成されている。
これと同様に、2個の上階建物ユニット5が建物ユニット5の短辺同士と対向する方向の一方向に隣り合っている。
そして、平面高部2Hと平面低部2Lとを接続する傾斜部2Sには、平面高部2Hと平面低部2Lとに設けられた建物ユニット3,31,5の間を閉塞するパネルとしての側面連結パネル92、天井連結パネル93及び図示しない床パネルが備えられている。
そのため、下階部4には、4個の下階建物ユニット3により、柱なしの部分と所定間隔の隙間の部分とを合計した広さの大空間居室Rが形成されるようになっている。
また、中央部の補強プレート22は、一方向に隣り合い、かつ、所定間隔L離れた下階建物ユニット3における各柱省略コーナ部Aの頂部を構成する仕口14同士を連結するようになっている。
そして、上階建物ユニット5及び下階建物ユニット3の仕口14にあけられたボルト結合用孔14A、補強プレート21,22にあけられたボルト結合用孔21Cにボルト17を挿通させるとともに、このボルト17にナット18を螺合させて、補強梁20を水平方向に挟み込み、補強プレート21,22を上下方向に挟み込んで、上階建物ユニット5と下階建物ユニット3とを連結、固定する。
なお、本実施形態では、2つの建物ユニット3を跨いで形成される長尺の外周用補強梁30に代えて、隣り合う建物ユニット3の隙間Lに対応して建物ユニット3の柱10の仕口14を連結する連結部材を用いてもよい。
また、4個の上階建物ユニット5の上端面は、図3に示すように、一方向に隣り合う上階建物ユニット5の柱10同士を連結する上階用としての前記補強梁20で連結され、各上階建物ユニット5の外側外周は、上階用としての前記外周用補強梁30で連結されている。
そして、平面高部2Hの上の建物ユニット3,5と、平面低部2Lの上の建物ユニット31,5とを接続するように傾斜部2Sの上に側面連結パネル92及び天井連結パネル93が設けられている。
これにより、平面高部2Hから傾斜部2Sを介して平面低部2Lに連続した空間が形成されている。
そして、平面高部2Hと平面低部2Lとにそれぞれ配置される下階建物ユニット3の仕口であって、側面連結パネル92と固定されない8つの仕口には、傾斜部2Sを挟んで対向するそれぞれの仕口同士の垂直面を連結する連結梁94が取り付けられている。また、上階建物ユニット5も同様に8つの仕口を図示しない連結梁が連結している。
さらに、下階建物ユニット3と下階標準建物ユニット31との上に離し置きされる上階建物ユニット5の間の上部は、天井連結パネル93(図1参照)で塞がれている。
そして、建物ユニット31,5と側面連結パネル92とは、係合孔924にボルト17が挿通され、仕口14を挟んでナット18が螺合されることにより、一体に連結固定されている。
まず、段違い基礎2の平面高部2Hの上に、柱省略コーナ部Aを有する4個の下階建物ユニット3の各柱省略コーナ部A同士を突き合わせるとともに、4個の下階建物ユニット3のうち2個ずつを、一方向に隣合わせ、かつ、所定間隔Lをあけて配置し、アンカーボルト等で固定する。
配置された側面連結パネル92は、連結固定部923が建物ユニット3,31,5の仕口14の垂直面に当接する。
その後、上階部6の上階建物ユニット5の上方に、小屋枠7Aを介して図示しない屋根パネル等を設けて図示しない屋根部を構成し、ユニット式建物1を完成させる。
(1)段違い基礎2の平面高部2Hに設けられる4個ずつの下階建物ユニット3及び上階建物ユニット5と、傾斜部2Sを挟んだ平面低部2Lの上に2個ずつの下階標準建物ユニット31及び上階建物ユニット5とが設けられている。
そして、平面高部2Hの上の筋交いが設けられた建物ユニット3,5と、平面低部2Lの上の筋交いが設けられた建物ユニット31,5と、を接続するように傾斜部2Sの上に側面連結パネル92及び筋交いが設けられた天井連結パネル93が設けられている。
また、建物ユニット3,31,5及び天井パネル93には、筋交いが設けられているので、ユニット式建物1は、水平方向に力を受けた場合にも各建物ユニット3,31,5へと力を伝達することができる。
このため、側面連結パネル92は、屋根等で用いられる登り梁921を転用して製造することができるので、容易に製造できるだけでなく、その製造コストを低減することもできる。
さらに、面材922は容易に加工できるので、傾斜部2Sの斜度に合わせて側面連結パネル92を製造することができる。
このため、連結固定部923に設けられた係合孔924と、仕口14の垂直面に設けられた係合孔924に対応する図示しない係合孔とにボルト17が挿通され、この反対側よりナット18が螺合されるので、側面連結パネル92と建物ユニット3,31,5を容易に連結固定することができる。
このため、ユニット式建物1は、地震等により力を受けた場合に、離し置きされた建物ユニット3,31,5の間で力を相互に伝達することができる。また、平面高部2Hの建物ユニット3,5と平面低部2Lの建物ユニット31,5とを登り梁921により連結することでユニット式建物1全体の剛性を向上させることができる。よって、ユニット式建物1の耐震性及び耐久性を向上させることができる。
このため、側面連結パネル92は傾斜部2Sの斜度に沿った平行四辺形のパネルに形成されるので、天井高さが同じ建物ユニット3,31,5を連結することができる。
よって、複数種の建物ユニット3,31,5を製造する必要がなく、容易、かつ、安価にユニット式建物1を構築することができる。
本実施形態では、全ての建物ユニット3,5の高さが同一となっていたが、これに限らない。例えば、図12に示すように、平面低部2Lの上に配置される上階建物ユニット5が他の建物ユニット3,5に比べて柱の長さが長く階高となっており、全ての上階建物ユニット5の天井面が同一平面状に位置するユニット式建物1であってもよい。この場合、平面低部2Lに配置される上階建物ユニット5は階高に形成されるため、その空間は開放感のある居住空間とすることができる。また、平面低部2L上に階高の建物ユニット3を配置し、その上に建物ユニット5を配置してもよい。
例えば、断面矩形状の角パイプを用いてもよい。このような実施形態では、角パイプの厚さを適宜大きくすることで、板状部材よりその差の分だけでも居室面積を大きくすることができる。
例えば、平面高部2Hを中央として、その両側に平面低部2Lと傾斜部2Sとをそれぞれ2つずつ備える構成としてもよい。
2…段違い基礎
2H…平面高部(高い平面部)
2L…平面低部(低い平面部)
2S…傾斜部
3,31,5…建物ユニット
10…柱
11…天井梁(梁)
12…床梁(梁)
13…骨組み
92…側面連結パネル(パネル)
93…天井パネル
921…登り梁
922…面材
Claims (3)
- それぞれ柱と梁とを仕口を介して接続した略直方体状の骨組みを有する複数の建物ユニットを低い平面部と高い平面部とこれらの平面部を接続する傾斜部とを有する段違い基礎の上に配置したユニット式建物であって、
前記段違い基礎の高い平面部と低い平面部とにそれぞれ前記建物ユニットを配置し、これらの前記建物ユニットの間をパネルで閉塞し、前記パネルは、その上縁端部と下縁端部とにそれぞれ配置される登り梁と前記登り梁に接合される面材とを有し、前記登り梁は、その両端に前記仕口と当接する連結固定部を有し、前記連結固定部には係合孔が設けられ、前記建物ユニットと前記パネルとは、前記係合孔に挿通されたボルトとナットとを螺合することで連結されることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項1に記載のユニット式建物であって、
前記パネルは側面パネルを備え、前記側面パネルは正面が平行四辺形もしくは台形であることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項1又は請求項2に記載のユニット式建物を施工する方法であって、
前記段違い基礎の高い平面部と低い平面部とにそれぞれ前記建物ユニットを配置し、その後、前記段違い基礎の傾斜部の上であって、前記建物ユニット同士の間に形成された隙間を前記パネルで閉塞したことを特徴とするユニット式建物の施工方法。
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