JP4056137B2 - ユニット式建物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一部の床面が他の床面と異なる高さレベルに設定されたスキップフロア部を有するユニット式建物に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、工場で製造された建物ユニットを、建築現場で複数組み合わせて形成されるユニット式建物が利用されている。
建物ユニットは、通常、四隅に立設される柱と、これらの柱の上端間、下端間に架設される上梁、下梁とから構成されるフレームを有し、このフレームには、床面材、壁面材、その他必要な設備部材が予め工場で取り付けられる。
このようなユニット式建物によれば、予め建物ユニットに床面材等が取り付けられているので、建築現場において、揚重機等により建物ユニットを配置するだけでユニット式建物を形成することができ、建築現場における工期を大幅に短縮することができるという利点がある。
【0003】
ところで、上述したユニット式建物において、一部の床面が他の床面と異なる高さレベルに設定されたスキップフロア部を設けることがあり、例えば、特開平3−161631号公報に記載されるスキップフロア部を有するユニット式建物等が知られている。
このようなスキップフロア部を有するユニット式建物は、スキップフロア部となる部分の基礎を、他の部分の基礎より高さレベルを異なるものとし、その上に建物ユニットを積層配置することにより形成できる。また、基礎の高さレベルが一定であっても、スキップフロア部と対応する位置に、通常の建物ユニットよりも高さ寸法の少ない低建物ユニットを配置し、その上に通常の建物ユニットを積層配置することによっても形成することができる。
【0004】
上述したスキップフロア部を有するユニット式建物によれば、一部の床面を垂直方向にずらして形成できるので、ユニット式建物の設計自由度を大幅に向上できる。
ここで、従来のスキップフロア部を有するユニット式建物では、スキップフロア部および通常部の境界部分において、通常部を構成する建物ユニットとスキップフロア部を構成する建物ユニット(スキップフロア建物ユニット)とは直接接続されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のスキップフロア部を有するユニット式建物では、次のような問題がある。
▲1▼ すなわち、通常部の床面とスキップフロア部の床面とは階段等で連絡する必要がある。しかしながら、従来の構成では、スキップフロア部および通常部の境界部分において、スキップフロア建物ユニットの境界部分の梁位置と、通常の建物ユニットの境界部分の梁位置とが上下にずれてしまうので、これらの梁が連絡用の階段を設置の障害となってしまう。このため、従来は、境界部分の梁を水平方向に後退させた階段設置用の建物ユニットを、建築現場に応じて作製することにより対応していたが、工場における製造管理および建築現場における現場管理が煩雑となってしまうという問題がある。
▲2▼ また、スキップフロア建物ユニットと、通常の建物ユニットとを境界部分で接合する場合、前述と同様に、隣接する柱の端部の上下位置がずれてしまうため、通常の接合方法とは異なる専用の接合構造を設けなければならず、この点でも工場における製造管理および建築現場における現場管理の煩雑化を招くという問題がある。
▲3▼ さらに、スキップフロア建物ユニットおよび通常の建物ユニットの接合部では、いずれか一方の柱端部といずれか他方の柱の中間部とを接合することとなる。従って、ユニット式建物に地震等により水平力が作用した場合、いずれか一方の端部に作用した水平力が他方の柱の中間部に伝達されることとなり、ユニット式建物の剛性面からも好ましくない。このため、ユニット式建物の規模等によっては、通常部およびスキップフロア部の境界部分に配置される建物ユニットの柱の径等を変更したり、柱の補強等を行わなければならず、上述と同様に製造管理、現場管理の煩雑化を招くという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、一部の床面が他の床面と異なる高さレベルに設定されたスキップフロア部を有するユニット式建物において、建物ユニットの製造管理および建築現場における現場管理の煩雑化を招くことがなく、建物ユニットの補強等を行わなくとも十分に剛性を確保することのできるユニット式建物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るユニット式建物は、図面の符号を参照して説明すれば、一部の床面が他の床面と異なる高さレベルに設定されたスキップフロア部8を有するユニット式建物1であって、前記一部の床面を構成するスキップフロア建物ユニット81と、前記他の床面を構成する建物ユニット71と、互いに隣接配置される前記スキップフロア建物ユニットおよび前記建物ユニットの間に介装されるスキップフロアジョイントユニット91、92、93、94、191、291とを備え、前記スキップフロア建物ユニットおよび前記建物ユニットは、四隅に立設される柱と、これらの柱の上端間、下端間を連結する梁712、713とを含んで構成され、スキップフロアジョイントユニットは、前記スキップフロア建物ユニットを構成する柱711の端部と、前記建物ユニットを構成する柱711の端部とを連結する斜材912を含んで構成されているとともに、前記スキップフロア建物ユニットおよび前記建物ユニットのいずれか一方の一対の柱と対応して配置される一対の柱材913と、この一対の柱材の上端、下端を連結する梁材914とから構成される枠パネル911を含んで構成されていることを特徴とする。
【0008】
このような本発明によれば、スキップフロアジョイントユニットを備えているので、スキップフロア部とユニット式建物の他の部分との連絡用階段を、このスキップフロアジョイントユニットの内部に形成することができる。従って、スキップフロア部に配置される建物ユニット、および他の部分に配置される建物ユニットの構造仕様等を変更する必要もなく、工場における製造管理および建築現場における現場管理の煩雑化を招くこともない。
【0009】
また、上述したスキップフロアジョイントユニットがスキップフロア建物ユニットの柱の端部と、通常部分の建物ユニットの柱の端部とを連結する斜材を含んで構成されているので、スキップフロア建物ユニットおよび通常の建物ユニットのいずれか一方の柱端部に作用した水平力は、斜材を介して他方の柱端部に伝達されることとなり、ユニット式建物の剛性面からも好ましい。
さらに、スキップフロアジョイントユニットがこのような斜材を複数備えていれば、複数の斜材によるトラス構造を形成することができ、通常部、スキップフロア部間の水平力を適切に伝達することができるので、極めて剛性の高いユニット式建物とすることができる。
【0011】
加えて、スキップフロアジョイントユニットが建物ユニットの一対の柱と対応して配置される一対の柱材を備えているので、この柱材の上端、下端で建物ユニットの柱との接合を行うことができる。従って、現場におけるスキップフロアジョイントユニットを、隣接する建物ユニット同士の通常の接合構造を利用して接合することができ、建築現場における作業を軽減することができる。
そして、スキップフロアジョイントユニットが一対の柱材および梁から構成される枠パネルを備えているので、上述した斜材とともに、スキップフロアジョイントユニットの剛性が向上し、通常部およびスキップフロア部の間の境界部分の構造強度が大幅に向上する。
【0012】
また、上述した枠パネルの柱材の中間部分には、いずれか他方の建物ユニットの柱の端部位置に応じて水平架設材917が設けられているのが好ましい。
すなわち、柱材の中間部分に水平架設材が接合されているので、水平力の伝達を、斜材および水平架設材を介して行うことができ、ユニット式建物の剛性を一層向上することができる。
【0013】
さらに、上述した水平架設材には、当該水平架設材の端部を上述した他方の建物ユニットの柱の端部と接合するための接合手段95が設けられているのが好ましい。具体的な接合手段としては、水平架設材の延出方向に沿って水平に突出する平板状部材951Aと、この平板状部材の水平面に突設されるピン状部材951Bと、このピン状部材を挿通する孔952Aが形成された接合用プレート952とを含んで構成される接合手段を採用することができる。
すなわち、接合手段が設けられているので、水平架設材の端部を前記他方の建物ユニットの柱の端部とを強固に接合することが可能となり、水平力の伝達を確実に行うことが可能となる。
【0014】
そして、上述したスキップフロアジョイントユニットとしては、柱材と、この柱材に設けられる斜材とからなる側面略三角形状に構成されたスキップフロアジョイントユニット191を採用するのが好ましい。
すなわち、スキップフロアジョイントユニットが側面略三角形状に構成されているので、同一形状のスキップフロアジョイントユニットを、三角形の一辺を対向させて上下に積み上げるだけで、床面の高さレベルが異なる通常部とスキップフロア部との接続を行うことができる。従って、1種類のスキップフロアジョイントユニットでスキップフロア部を備えたユニット式建物を形成することが可能となり、製造管理および現場管理の効率化が一層図られる。
【0015】
また、上述したスキップフロアジョイントユニットが上面および下面のいずれかに斜材により規定される傾斜面92Aを有している場合、この傾斜面には、方立て状の輸送治具926が着脱可能とされているのが好ましい。
すなわち、傾斜面に方立て状の輸送治具が着脱可能とされているので、実際の施工状態と同様の姿勢でトラック等に積載して輸送することができ、無理な姿勢で積載して、スキップフロアジョイントユニットに損傷が生じることを防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係るユニット式建物の部分を表す立面図が示されている。
このユニット式建物1は、一部の床面が他の床面と異なる高さレベルに設定されたスキップフロア部を有する平面長方形状のユニット式建物であり、建物基礎2と、建物基礎2上に設置される建物本体3とを含んで構成されている。
建物基礎2は、通常の住宅用の布基礎部4、建物本体3の載置面がこの布基礎部4よりも高い位置に設定され、内部に車庫5が形成された高基礎部6とを有し、建物本体3は、前記布基礎部4上に設置される通常部7と、前記高基礎部6上に設置されるスキップフロア部8と、通常部7およびスキップフロア部8を接続するジョイント部9とを含んで構成される。
【0017】
通常部7は、直方体状のフレームを有する建物ユニット71を複数組み合わせることにより形成される。
この建物ユニット71は、図2に示すように、四隅に立設される柱711と、これらの柱の上端間、下端間を連結する上梁712、下梁713とを含んで構成される。尚、図2では図示を略したが、この建物ユニット71の柱711と、上梁712および下梁713との接合は、箱状の接合ボックスを介して行われる。そして、この接合ボックスの上面又は下面には、隣接する建物ユニット71との接合のために、ボルト挿通孔、ピン等の接続構造が設けられている。
【0018】
そして、直方体状のフレームの長手方向に配置される一対の下梁713の間には、複数本の床根太714が架設され、複数本の床根太714の上面には、床面材715が取り付けられている。
また、直方体状のフレームの長手方向に配置される一対の上梁の間には、複数本の天井小梁716が架設され、複数本の天井小梁716の下面には、天井面材717が取り付けられている。
尚、図示を略したが、隣接する建物ユニット71の接続は、各建物ユニット71の隣接する部分で密集する柱711の上部にシアプレートを配置し、ボルトナット等で締結することにより行われる。
【0019】
このような構成を有する建物ユニット71は、予め工場で床面材715、天井面材717、その他必要な設備部材が取り付けられた状態で出荷され、建築現場では、揚重機等で建物ユニット71を配置し、隣接する建物ユニット71を接続するだけでよい。従って、ユニット式建物1によれば、必要な設備部材等が工場で建物ユニット71に取り付けられた状態で出荷されるので、建築現場におけるこれら設備部材等の取り付けを軽減することができ、現場工期を大幅に短縮することができる。
【0020】
スキップフロア部8は、前記通常部7の床面とは異なる高さレベルに設定され、床面の高さレベルの違いは、上述した布基礎部4および高基礎部6の高さレベルの差によって生じている。スキップフロア部8は、通常部7と同様に、複数のスキップフロア建物ユニット81を組み合わせて構成される。スキップフロア建物ユニット81は通常部7の建物ユニット71と同様の構成を有し(図2参照)、柱711、上梁712、下梁713、接合ボックス等を含んで構成される。また、隣接するスキップフロア建物ユニット81の接続も、通常部7の場合と同様である。
【0021】
ジョイント部9は、図1に示すように、床面高さの異なる通常部7およびスキップフロア部8の間を連絡するために設けられ、スキップフロアジョイントユニット91、下部スキップフロアジョイントユニット92、および上部スキップフロアジョイントユニット93を組み合わせることにより形成される。そして、本実施形態では、スキップフロアジョイントユニット91および下部スキップフロアジョイントユニット92の内部に階段94が設けられ、この階段94が通常部7およびスキップフロア部8の連絡用階段とされる。
【0022】
スキップフロアジョイントユニット91は、ジョイント部9の中層部分を構成するユニットである。このスキップフロアジョイントユニット91は、通常部7を構成する建物ユニット71の側面に応じて設置され、建物ユニット71の柱711の端部から、スキップフロア部8のスキップフロア建物ユニット81の柱711の端部に架設される斜材912を含んで構成される。
具体的には、スキップフロアジョイントユニット91は、図3に示すように、建物ユニット71の側面に対向配置される枠パネル911と、この枠パネル911の上下端部から斜めに延びる斜材912とを含んで構成される。
【0023】
枠パネル911は、前記建物ユニット71の一対の柱711と対応して配置される一対の柱材913と、この一対の柱材913の上端、下端間を連結する梁材914とを含んで構成され、柱材913の上端および下端には、柱材913を上下方向、水平方向に連結するために接合ボックス913Aが設けられている。尚、この接合ボックス913Aは、建物ユニット71およびスキップフロア建物ユニット81の柱711の上端、下端に設けられる接合ボックスと略同様の構造を有している。
前記斜材912は、この枠パネル911が規定する面から突出するように2本設けられ、柱材913の上端から下方に、下端から上方に延設されている。
【0024】
また、スキップフロアジョイントユニット91は、枠パネル911と離間して配置され、かつ上下に延びる一対の垂直部材915を備えている。この一対の垂直部材915の上端は、対応する柱材913の上端と水平部材916によって連結されている。
また、垂直部材915の中間部分には、垂直部材915の径方向断面を補強するために、ボックス金物915Aが介装されている。このボックス金物915Aには、上述した2本の斜材912の端部が接合されているとともに、2本の斜材912の交差部分には、垂直部材915と、柱材913との間に架設される水平架設材917が設けられている。さらに、一対の垂直部材915は、水平部材等によっては連結されておらず、連結しないことにより、スキップフロアジョイントユニット91の内部に前記階段94を設けることが可能となる。
【0025】
下部スキップフロアジョイントユニット92は、ジョイント部9の底層部分を構成し、図1における布基礎部4および高基礎部6の間に設定される建物基礎2の斜面部分に設置される。この下部スキップフロアジョイントユニット92は、図4に示すように、上述したスキップフロアジョイントユニット91と同様に、枠パネル911および2本の斜材912を備えているが、枠パネル911と対向配置される一対の垂直部材925が短くなっている点が相違する。
【0026】
このため、下部スキップフロアジョイントユニット92の下面には、一対の柱材913のそれぞれの下端から上方に延設される2本の斜材912によって規定される傾斜面92Aが形成されている。
そして、一対の垂直部材925の下端面は、方立て状の輸送治具926が取り付けられるようになっていて、これにより、傾斜面92Aには、該輸送治具926が着脱可能とされている。
【0027】
上部スキップフロアジョイントユニット93は、ジョイント部9の上層部分を構成するユニットである。この上部スキップフロアジョイントユニット93は、図5に示すように、略三角柱状のフレームを有し、スキップフロアジョイントユニット91および下部スキップフロアジョイントユニット92のように枠パネルは備えていない。すなわち、上部スキップフロアジョイントユニット93は、2つの接合ボックス931と、この2つの接合ボックス931と離間して配置される2本の垂直部材935と、接合ボックス931および垂直部材935の上端を連結する2本の斜材912とを含んで構成される。尚、2つの接合ボックス931の間、および2本の垂直部材935の間には、水平部材936が架設されている。また、輸送時、上部スキップフロアジョイントユニット93の変形を防止するために、垂直部材935の下端と、接合ボックス931との間には、輸送治具937が着脱可能とされている。
【0028】
次に、上述したスキップフロアジョイントユニット91、下部スキップフロアジョイントユニット92、および上部スキップフロアジョイントユニット93の接続構造について説明する。
通常部7を構成する建物ユニット71と、これらのスキップフロアジョイントユニット91、92、93とは、建物ユニット71同士の接続と同様の構造により接続される。すなわち、例えば、スキップフロアジョイントユニット91であれば、枠パネル911の柱材913と建物ユニット71の柱711の密集部分にシアプレートを配置し、ボルトナット等で締結して接続される。そして、この上に配置される上部スキップフロアジョイントユニット93は、シアプレート上に接合ボックス931を対応配置することにより上下方向の接続が達成される。
【0029】
スキップフロア部8を構成するスキップフロア建物ユニット81と、スキップフロアジョイントユニット91、92、93とは、図6に示すように、ジョイント部9の中層部分を構成するスキップフロアジョイントユニット91の水平架設材917の先端とスキップフロア建物ユニット81の柱711の上部とを連結して接続される。
すなわち、スキップフロアジョイントユニット91およびスキップフロア建物ユニット81の接続は、水平架設材917が接合されるボックス金物915Aの反対側側面に設けられる接合用ブラケット951と、接合用プレート952とを備えた接合手段95によって行われる。
【0030】
この接合用ブラケット951は、水平方向に延びる水平面951Aを有し、この水平面951Aと、スキップフロア建物ユニット81の柱711の上端の接合ボックス711Aとの間に、接合用プレート952を配置して不図示のボルトナット等により締結することにより、接合される。
接合用ブラケット951は、水平面951A上に位置決めピン951Bが突設されているとともに、その下面には、たわみ防止用のリブ951Cが設けられている。また、接合用プレート952には、位置決めピン951Bおよび柱711の上端面に突設されるピン711Bが挿通される孔952Aが形成されている。
【0031】
スキップフロアジョイントユニット91、下部スキップフロアジョイントユニット92、および上部スキップフロアジョイントユニット93の上下方向の接続は、上述した枠パネル911および接合ボックス931間の接合構造により達成され、垂直部材915、925、935は、上面および下面が当接し、上下に荷重を伝達する構造をとっている。
【0032】
このような構造を有するユニット式建物1において、地震等により通常部7に作用した水平力は、ジョイント部9を介してスキップフロア部8に伝達される。すなわち、通常部7の建物ユニット71に作用した水平力は、シアプレートを介して、図3に示されるスキップフロアジョイントユニット91の枠パネル911の接合ボックス913Aに伝達される。さらに、接合ボックス913Aに伝達された水平力は、一部が斜材912、および図6に示される接合手段95を介して、スキップフロア建物ユニット81の柱711上端に設けられる接合ボックス711Aに伝達される。水平力の他の一部は、図6に示すように水平架設材917、接合手段95を介してスキップフロア建物ユニット81に伝達される。
【0033】
前述の第1実施形態に係るユニット式建物1によれば、次のような効果がある。すなわち、ユニット式建物1がスキップフロアジョイントユニット91、92、93を備えているので、スキップフロア部8とユニット式建物1の通常部7との連絡用階段94を、このスキップフロアジョイントユニット91、92の内部に形成することができる。従って、境界部分に配置される通常部7の建物ユニット71、スキップフロア建物ユニット81の構造仕様等を変更する必要もなく、工場における製造管理および建築現場における現場管理の煩雑化を招くこともない。
【0034】
また、スキップフロアジョイントユニット91、92、93がスキップフロア建物ユニット81の柱711の端部と、通常部7の建物ユニット71の柱711の端部とを連結する斜材912を含んで構成されているので、スキップフロア建物ユニット81および通常の建物ユニット71のいずれか一方の柱711の端部に作用した水平力は、斜材912を介して他方の柱711の端部に伝達されることとなり、ユニット式建物1の剛性を大幅に向上することができる。
さらに、スキップフロアジョイントユニット91、92、93がこのような斜材912を複数備えていれば、複数の斜材912によるトラス構造を形成することができ、通常部7、スキップフロア部8の間の水平力を適切に伝達することができるので、極めて剛性の高いユニット式建物とすることができる。
【0035】
そして、スキップフロアジョイントユニット91、92、93が建物ユニット71の一対の柱711と対応して配置される一対の柱材913を備えているので、この柱材913の上端、下端で建物ユニット71の柱711との接合を行うことができる。従って、現場におけるスキップフロアジョイントユニット91、92、93を、隣接する建物ユニット71の通常の接合構造を利用して接合することができ、建築現場における作業を軽減することができる。
【0036】
また、スキップフロアジョイントユニット91、92、93が一対の柱材913および梁材914から構成される枠パネル911を備えているので、上述した斜材912とともに、スキップフロアジョイントユニットの剛性が向上され、通常部7およびスキップフロア部8の間の境界部分の構造強度を大幅に向上することができる。
さらに、枠パネル911の柱材913の中間部分に水平架設材917が接合されているので、水平力の伝達を、斜材912および水平架設材917を介して行うことができ、ユニット式建物の剛性を一層向上することができる。
【0037】
そして、水平架設材917の先端に接合手段95が設けられているので、水平架設材917の端部をスキップフロア建物ユニット81の柱711の端部と接合することができ、水平力の伝達を確実に行うことができる。
また、下部スキップフロアジョイントユニット92の傾斜面92Aに方立て状の輸送治具926が着脱可能とされているので、実際の施工状態と同様の姿勢でトラック等に積載して輸送することができ、無理な姿勢で積載して下部スキップフロアジョイントユニット92に損傷が生じることを防止できる。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部材または部分と同一または類似の部材等については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略する。
前述の第1実施形態では、ジョイント部9は、スキップフロアジョイントユニット91、下部スキップフロアジョイントユニット92、および上部スキップフロアジョイントユニット93を備えて構成されていた。
【0039】
これに対して、第2実施形態に係るユニット式建物101におけるジョイント部109は、図7に示すように、1種類のスキップフロアジョイントユニット191複数組み合わせて構成されている点が相違する。
本実施形態におけるスキップフロアジョイントユニット191は、図8に示すように、側面三角形の三角柱状に構成され、建物ユニット71の側面に配置される枠パネル911と、この枠パネル911の柱材913の上下端に接続される斜材912と、この斜材912の交差部に設けられる2つの接合ボックス913Aと、2つの接合ボックス913A間に架設される水平部材918とを含んで構成される。
【0040】
このようなスキップフロアジョイントユニット191は、図7に示すように、枠パネル911と通常部7の建物ユニット71との接合、枠パネル911とスキップフロア部8のスキップフロア建物ユニット81との接合を交互に繰り返し、スキップフロアジョイントユニット191の側面三角形の一辺同士を対向させて積層される。尚、スキップフロアジョイントユニット191の上下の接合は、先端部分の接合ボックス913Aおよび枠パネル911の接合ボックス913Aを建物ユニット71、スキップフロア建物ユニット81とともにシアプレートで接続することにより達成される。
尚、上述したジョイント部109以外の部分の構造は、前述の第1実施形態に係るユニット式建物1と同様なので、その説明を省略する。
【0041】
このような第2実施形態に係るユニット式建物によれば、前述の第1実施形態で述べた効果に加えて、次のような効果がある。
すなわち、スキップフロアジョイントユニット191が側面略三角形状に構成されているので、同一形状のスキップフロアジョイントユニット191を、三角形の一辺を対向させて上下に積み上げるだけで、床面の高さレベルが異なる通常部7とスキップフロア部8との接続を行うことができる。従って、1種類のスキップフロアジョイントユニット191でスキップフロア部8を備えたユニット式建物101を形成することが可能となり、製造管理および現場管理の効率化を一層図ることができる。
【0042】
尚、本発明は、前述の各実施形態に限定されるものではなく、次に示すような変形をも含むものである。
すなわち、前述の第1実施形態では、ユニット式建物1は平面長方形状に構成されていたが、図9に示すように、通常部7およびスキップフロア部8の平面位置がずれた異形状のユニット式建物201に本発明を利用してもよい。この場合、スキップフロアジョイントユニット291は、平面視で平行四辺形状に構成すれば、通常部7、スキップフロア部8の構造を変更することなく、ユニット式建物201を構成することができる。
【0043】
また、前述の各実施形態では、斜材912によって規定されるスキップフロアジョイントユニット91、92、93の傾斜面は開口されていたが、この傾斜面にブレース等の補強材を架設してもよい。ブレース等を架設すれば、傾斜面を構面とすることができるので、スキップフロアジョイントユニットを一層強固にすることができる。特に、上述した異形状のユニット式建物201において、図9に示すように、平面略平行四辺形状のスキップフロアジョイントユニット291の上面に、ブレース292を対角線状に架設すれば、スキップフロアジョイントユニット291の上面が構面となって、水平力に対する剛性が著しく向上する。その他、本発明の実施の際の具体的な形状および構造等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【0044】
【発明の効果】
前述のような本発明のユニット式建物によれば、スキップフロアジョイントユニットを備えているので、スキップフロア部とユニット式建物の他の部分との連絡用階段を、スキップフロアジョイントユニットの内部に形成し、スキップフロア部、および他の部分に配置される建物ユニットの構造仕様等を変更する必要がなく、工場における製造管理および建築現場における現場管理の煩雑化を招くこともない。また、スキップフロアジョイントユニットが斜材を含んで構成されているので、スキップフロア建物ユニットおよび建物ユニットのいずれか一方の柱端部に作用した水平力は、斜材を介して他方の柱端部に伝達され、ユニット式建物の剛性面からも好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るユニット式建物を表す立面図である。
【図2】前記実施形態における建物ユニットを表す概要斜視図である。
【図3】前記実施形態における第1のスキップフロアジョイントユニットの構造を表す概要斜視図である。
【図4】前記実施形態における第2のスキップフロアジョイントユニットの構造を表す概要斜視図である。
【図5】前記実施形態における第3のスキップフロアジョイントユニットの構造を表す概要斜視図である。
【図6】前記実施形態におけるスキップフロアジョイントユニットおよび建物ユニットの接続構造を表す概要斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るユニット式建物を表す立面図である。
【図8】前記実施形態におけるスキップフロアジョイントユニットの構造を表す概要斜視図である。
【図9】前述の第1実施形態の変形となるユニット式建物の平面図である。
【符号の説明】
1、101、201 ユニット式建物
8 スキップフロア部
71 建物ユニット
81 スキップフロア建物ユニット
91、92、93、94、191、291 スキップフロアジョイントユニット
92A 傾斜面
95 接合手段
711 柱
712、713 梁
911 枠パネル
912 斜材
913 柱材
914 梁材
917 水平架設材
926 輸送治具
Claims (5)
- 一部の床面が他の床面と異なる高さレベルに設定されたスキップフロア部を有するユニット式建物であって、
前記一部の床面を構成するスキップフロア建物ユニットと、前記他の床面を構成する建物ユニットと、互いに隣接配置される前記スキップフロア建物ユニットおよび前記建物ユニットの間に介装されるスキップフロアジョイントユニットとを備え、
前記スキップフロア建物ユニットおよび前記建物ユニットは、四隅に立設される柱と、これらの柱の上端間、下端間を連結する梁とを含んで構成され、
前記スキップフロアジョイントユニットは、前記スキップフロア建物ユニットを構成する柱の端部と、前記建物ユニットを構成する柱の端部とを連結する斜材を含んで構成されているとともに、前記スキップフロア建物ユニットおよび前記建物ユニットのいずれか一方の一対の柱と対応して配置される一対の柱材と、この一対の柱材の上端、下端を連結する梁材とから構成される枠パネルを含んで構成されていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項1に記載のユニット式建物において、
前記枠パネルの柱材の中間部分には、いずれか他方の建物ユニットの柱の端部位置に応じて水平架設材が設けられていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項2に記載のユニット式建物において、
前記水平架設材には、当該水平架設材の端部を前記いずれか他方の柱の端部と接合するための接合手段が設けられていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のユニット式建物において、
前記スキップフロアジョイントユニットは、前記柱材と、この柱材の端部に設けられる前記斜材とからなる側面略三角形状に構成されていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のユニット式建物において、
前記スキップフロアジョイントユニットは、上面および下面のいずれかに前記斜材により規定される傾斜面を有し、
この傾斜面には、方立状の輸送治具が着脱可能とされていることを特徴とするユニット式建物。
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