JP6951851B2 - 高層耐震建物 - Google Patents

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本発明は、高層建物の架構構造において、建物内周部と建物外周部に其々、平面視においてロ型状をなすように、狭い間隔にて複数の柱列体が配置されたダブルチューブ構造(外殻構造)による高層耐震建物に関する。
高層ビルディング等の建築構造物において、建築構造物の躯体を、上下方向に連続するチューブ状の架構(以下、これをチューブ架構と称する)を用いて構成し、耐震性能を高めたものがある。
特許文献1〜3には、建築構造物の外周部に設けられた外周チューブ架構と、外周チューブ架構の内側に設けた内周チューブ架構とからなる2重のチューブ構造とした構成が開示されている。このような構成によれば、躯体を2重のチューブ構造とすることで、高い耐震性能を実現している。
しかし、特許文献1〜3に開示されたような2重のチューブ構造を有する建築構造物では、各チューブ架構の強度を高めるために、柱や耐震壁を増やしたり、柱の太径化を図る必要がある。その結果、太径柱や厚肉化された耐震壁が配置された建築構造物では、居室等のレイアウトが制限されるとともに、大空間を設けることが困難となっている。
特開平2−35138号公報 特開2004−169420号公報 特開2005−68794号公報
本発明は、建物の外周部構面と、内周部構面に其々複数の柱が集中的に配置されたダブルチューブ構造において、内周チューブ架構の曲げ変形を抑制するとともに、居住空間にブレース材を突出させることなく、大空間居室を設けることが可能な高層耐震建物を提供することを課題とする。
本発明者らは、吹き抜け部を有する建物において、吹き抜け部を囲む柱梁構面に、複数階に跨ぐ大規模ブレースを併用する内周チューブ架構を設置するとともに、建物の外周柱梁構面には外周チューブ架構を設けて、双方のチューブ架構同士を建物上層階に設置されるメガトラス層で連結させることで、建物内に設ける柱や耐震壁の設定数を低減し、かつ柱や耐震壁の断面が縮小化されるために、居室空間の平面計画を阻害しない点に着眼して、本発明の高層耐震建物に至った。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、第一の発明の高層耐震建物は、建物内周部と建物外周部に2重にチューブ構造を有する高層耐震建物であって、前記建物内周部は、複数階に跨ぐ大規模ブレースと複数の鉛直部材が併設された内周チューブ架構で形成され、前記建物外周部には、複数の鉛直部材が並設された外周チューブ架構を備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、内周チューブ架構に複数階に跨ぐ大規模ブレースと複数の鉛直部材を併設させることで、内周チューブ架構を形成する複数の鉛直部材と、大規模ブレースによって建物内周部の柱梁構面の強度と剛性が高められるために、建物の曲げ変形を抑制できる。
また、複数階を跨ぐ大規模ブレースは、複数階の其々に、大規模ブレースと同様の材料強度と断面形状を有するブレース材を設置する場合に比べて、せん断変形に対するせん断強度とせん断剛性は高く、優れた建物の耐震安全性能が確保できる。
具体的には、複数階に亘って各階ごとに設置されたブレースは、各階ごとのブレース材が直列バネ形式で連結された等価なせん断剛性モデルとしてせん断抵抗することになり、結果として、全体のせん断剛性が個々のブレース材の剛性より低下することになる。
これに対して、大規模ブレースは、各階を横切るブレース位置は限定されるものの、せん断強度、及びせん断剛性は単体の断面形状と部材長さより決定されるために、ブレースを配置する建物部分(例えば、上層階部)に必要な強度と剛性を確保するには、ブレース材単体を設計することで実現できる。
また、大規模ブレースは、建物コア部に相当する内周チューブ架構の複数の鉛直部材に併設させて、ブレース材下端部の下層階よりブレース材上端部の上層階に至る建物の上層階部分(例えば、上層階部)に設置することで、上層階部分を単一構造体として地震荷重に対してせん断抵抗させることができるために、地震時に生じる建物の曲げ変形を低減できる。
上記のように、大規模ブレースによって効率的に強化した内周チューブ架構と、外周チューブ架構とを備えて構成した立体的なフレーム群によって、地震力に対して効果的に抵抗することができる。これにより、高層耐震建物内に設ける柱や耐震壁の設置数を低減し、柱や耐震壁を細径化することが可能となる。したがって、高層耐震建物内に形成する居室等の空間を、より大きく形成することができる。
また、第二の発明の高層耐震建物では、前記内周チューブ架構と前記外周チューブ架構は、上層階に設置されたメガトラス層により連結されているとともに、当該内周チューブ架構は建物の上層階部に形成され、該内周チューブ架構の下端は、前記外周チューブ架構に接合されていることを特徴とする。
このような構成によれば、上述の作用効果に加えて、内周チューブ架構と外周チューブ架構がメガトラス層によって連結されていることで、内周チューブ架構と外周チューブ架構を其々鉛直抵抗要素とし、メガトラス層で一体化された立体的なフレーム群で構成されたダブルチューブ構造による高層耐震建物が実現される。ダブルチューブ構造は、地震荷重や風荷重に対する耐震抵抗要素が建物内周構面と建物外周構面に集約されたメガストラクチャーであり、居室の平面計画上の自由度を確保することができる。
また、内周チューブ架構を上層階部に設けることで、内周チューブ架構の下層階側で異なる構造形式で高層耐震建物を実現できるために、建物内の居室の設計自由度を高めることができる。
また、内周チューブ架構は、下端部が外周チューブ架構に接合されることで、内周チューブ架構が負担している鉛直荷重や地震荷重を、建物外周部の外周チューブ架構にスムーズに伝達することができる。その結果、建物下層階では、内周チューブ架構が設けられていなく、建物外周部の外周チューブ架構のみが主要な構造抵抗機構となるために、建物内の平面計画を阻害する柱や耐震壁などの構造部材を低減することができる。
第三の発明の高層耐震建物では、前記内周チューブ架構は、吹き抜け部を形成する柱梁構面に設けられ、かつ当該柱梁構面の構面厚さ内に大規模ブレースが収容されていることを特徴とする。
このような構成によれば、上述の作用効果に加えて、内周チューブ架構を、吹き抜け部を形成する柱梁構面内に設けることで、高層耐震建物内における居室等のレイアウトの自由度を高めることができる。また、大規模ブレースは、内周チューブ架構を備えた柱梁構面の構面厚さの内側に設置され、ブレース材が居室側に突出していないことで、居室等の配置計画を阻害しない形式のダブルチューブ構造による高層耐震建物を実現することができる。
本発明によれば、内周部構面に、複数階に跨ぐ大規模ブレースと内周チューブ架構を併設するとともに、建物の外周部構面に外周チューブ架構を設けることで、建物内に大空間居室を確保することが可能な、高層耐震建物を実現することができる。
本発明の実施形態に係る高層耐震建物の構成を示す正面図である。 図1の高層耐震建物の概略構成を示す斜視図である。 図1の高層耐震建物の内周部柱梁構面に設置された大規模ブレースと内周チューブ架構を示す斜視図である。 図3の内周チューブ架構を示す正面図である。 図3の大規模ブレースの交差部分を示す拡大図である。 図1の高層耐震建物の上層階部の平面図である。
本発明は、吹き抜け部を有する高層建物において、吹き抜け部に接する内周部構面に、複数階に跨ぐ大規模ブレースが併設された内周チューブ架構を設けるとともに、建物の外周部構面に外周チューブ架構を設けられ、双方のチューブ架構同士がメガトラス層で連結されたダブルチューブ構造による高層耐震建物である。
本発明の特徴の1つは、吹き抜け部に接する内周部構面に、複数階に跨ぐ大規模ブレースが併設された内周チューブ架構を設けるとともに、建物の外周部構面に外周チューブ架構を配置されたダブルチューブ構造である点である。また、2つ目の特徴は、大規模ブレースを併設する内周チューブ架構が上層階部に設けられ、かつ当該内周チューブ架構の下端が外周チューブ架構に接合された高層耐震建物である点である。
以下、添付図面を参照して、本発明による高層耐震建物を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態に係る高層耐震建物の構成を示す正面図を図1に示す。図1の高層耐震建物の概略構成を示す斜視図を図2に示す。
図1、図2に示されるように、高層耐震建物1は、下部構造部10と、上部構造部20と、を備えている。
下部構造部10は、地盤G中に構築された基礎杭(図示無し)上に支持されている。下部構造部10は、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造からなる複数本の下部柱11と、互いに隣接する下部柱11どうしの間に架設された下部梁12と、を備えている。
上部構造部20は、下部構造部10上に支持されている。上部構造部20は、上下方向に複数階を有している。上部構造部20は、下部構造部10上に設けられた下層階部20Lと、下層階部20Lの上方に設けられた中間階部20Mと、中間階部20Mの上方に設けられた上層階部20Hと、第一構造切換層30と、第二構造切換層40と、を備えている。
上部構造部20の下層階部20Lは、鉛直方向の上下に延びる柱21Lと梁22Lとからなるラーメン構造である。下層階部20Lの角部には、鉛直方向の上下に延びる柱21Lcが配置されている。下層階部20Lを構成する各柱21Lは、下部構造部10の各下部柱11上に支持され、各柱21Lで支持する荷重が各下部柱11に伝達されている。
上部構造部20の中間階部20Mは、鉛直方向の上下に延びる柱21Mと、互いに隣接する柱21M間に架設された梁22Mと、を備えたラーメン構造である。中間階部20Mにおいて、各階の角部23Mには、上下方向に延びる柱21Mは配置されておらず、柱21Mは、角部23Mから、中間階部20Mの外側面に沿って水平方向にオフセットした位置に配置されている。
図2に示されるように、上部構造部20の上層階部20Hは、建物外周部1Aに設けられた外周チューブ架構50と、建物内周部1Bに設けられた内周チューブ架構60と、を備えている。すなわち、内周チューブ架構60は建物1の上層階部20Hに形成されている。
図1、図2に示されるように、外周チューブ架構50は、鉛直方向の上下に延びる柱51と、互いに隣接する柱51,51間に架設された梁52と、を備えている。この外周チューブ架構50は上層階部20Hの建物外周部1Aに沿って設けられ、平面視矩形で上下方向に連続する筒状をなしている。外周チューブ架構の柱51は、450mm×450mmのロ型状の建築構造用プレス成形角形鋼管BCP325(鋼材厚さ19mm)で形成されている。
図1の高層耐震建物に設けられた内周チューブ架構を示す斜視図を図3に示す。図3の内周チューブ架構を示す正面図を図4に示す。
図3、図4に示されるように、内周チューブ架構60は、鉛直方向の上下に連続する柱61と、互いに隣接する柱61,61間に架設された梁62と、大規模ブレース65と、を備えている。内周チューブ架構60は、外周チューブ架構50の内側に、外周チューブ架構50とは水平方向に間隔を空けて設けられている。内周チューブ架構の柱61は、外周チューブ架構の柱より地震荷重を多く負担させるために、外柱サイスより大口径とし、600mm×600mmのロ型状の建築構造用プレス成形角形鋼管BCP325(鋼材厚さ22mm)で形成されている。
大規模ブレース65は、内周チューブ架構60の四方の各構面に設けられている。各構面において、大規模ブレース65は、上層階部20Hの最下階から上層階部20Hの上部に設定された所定階までの複数階に跨がるように連続して設けられている。大規模ブレース65はX字状に交差する2本のブレース材66,66から構成されている。各ブレース材66は、内周チューブ架構60の各構面に沿って斜め方向に延び、上端部66aが上層階部20Hの上部に設定された所定階の柱61と梁62との接合部に接合され、下端部66bが上層階部20Hの最下階の柱61と梁62との接合部に接合されている。ブレース材66は、600mm×450mmのロ型状の工場溶接構管(鋼材厚さ55mm)であり、各階の梁との接合位置では、鋼管内外に補強用構板が補剛溶接されている。
内周チューブ架構に備えた大規模ブレースの交差部分を示す拡大図を図5に示す。
図5に示されるように、二本一対のブレース材66が交差する部分においては、X字状の仕口部材69が設けられ、この仕口部材69に、各ブレース材66と柱61と梁62がそれぞれ接合されている。
図3、図4に示されるように、上層階部20Hには、大規模ブレース65の直上階に、メガトラス層67が設けられている。
メガトラス層67は、内周チューブ架構60においては、上下に位置する2本の梁62,62と互いに隣接する2本の柱61,61との間に斜め方向に延びて設けられたトラスビーム68を備えている。
また、図4に示されるように、メガトラス層67は、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50の間においては、トラス状の連結ブレース27を備えており、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50は、連結ブレース27によって連結されている。
更に、図2に示されるように、メガトラス層67は、外周チューブ架構50において、トラスビーム68と同様にトラス状に設けられた外周トラスビーム58を備えている。
このようなメガトラス層67が設けられることで、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50は、その上部が強固に補強されている。
内周チューブ架構の平面図を図6に示す。図6は、図1のA−A部分の断面図である。
図6に示されるように、内周チューブ架構60の内側には、連結架構70が設けられている。連結架構70は、内周チューブ架構60において互いに対向する二つの構面60A,60Bに平行に設けられている。連結架構70は、これら二つの構面60A,60Bを結ぶ方向において間隔を空けて二組が配置されている。各連結架構70は、内周チューブ架構60において、残る二つの構面60C,60D同士を結ぶように設けられている。各連結架構70は、上下方向に連続する柱71と、互いに隣接する柱71,71間に架設された梁72とから構成されている。
ここで、連結架構70を構成する柱71は、中間階部20Mの柱21M、および下層階部20Lの柱21Lの鉛直上方に設けられている。
ここで、上層階部20Hの各階において、互いに対向する連結架構70、70同士を小梁73で連結し、これらの小梁73上に図示しない床版を敷設して床面を形成することができる。
上層階部20Hには、内周チューブ架構60の内側に、吹き抜け部Hが形成されている。吹き抜け部Hは、内周チューブ架構60の内側で、連結架構70、70を挟んでその両側にそれぞれ設けられている。このようにして、内周チューブ架構60は、吹き抜け部Hの内周面Hfを形成する柱梁構面に設けられている。内周チューブ架構60の四方の各構面に設けられている大規模ブレース65は、居室側にブレース材66が突出しないように、内周チューブ架構60の柱梁構面60A、60B、60C、60Dの構面厚さ内に収納されている。
また、上層階部20Hの各階において、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50との間に、小梁55を設け、これらの小梁55上に図示しない床版を敷設することで、各階の床面を形成することができる。
図3に示されるように、第一構造切換層30は、上部構造部20の下層階部20Lと中間階部20Mとの間に設けられている。第一構造切換層30は、連結柱31と、連結ビーム32と、を備えている。
連結柱31は、中間階部20Mの各柱21Mと、その鉛直下方に位置する下層階部20Lの各柱21Lとを連結する。
連結ビーム32は、中間階部20Mの角部23Mにおいて、角部23Mを挟んでその両側にオフセットして設けられた2本の柱21Me,21Meと、下層階部20Lの角部に位置する1本の柱21Lcとを連結する。この連結ビーム32は、V字状をなし、その上端部32a,32aが中間階部20Mの角部23Mの両側に設けられた2本の柱21Me,21Meにそれぞれ連結され、下端部32bが、下層階部20Lの角部に位置する1本の柱21Lcに連結されている。
第二構造切換層40は、図3に示されるように、上部構造部20の中間階部20Mと上層階部20Hとの間に設けられている。第二構造切換層40は、上層階部20Hの内周チューブ架構60と中間階部20Mとを連結するため、連結ビーム41(第2の連結ビーム)と、角部連結ビーム42と、を備えている。
連結ビーム41は、下方に向かって外周側に傾斜して延び、上層階部20Hの内周チューブ架構60の柱61の下端部と、中間階部20Mの外側面に位置する柱21Mの上端部(外周チューブ架構60の柱)とを連結する。角部連結ビーム42は、下方に向かって外周側に傾斜して延び、上層階部20Hの内周チューブ架構60の角部に設けられた柱61c及び大規模ブレース65のブレース材66の下端部66bと、中間階部20Mの角部23Mの両側にオフセットして設けられた2本の柱21Me,21Meとを連結する。この角部連結ビーム42は、逆V字状をなし、その上端部42aは、内周チューブ架構60の角部の柱61c及び大規模ブレース65の下端部66bに接続されている。角部連結ビーム42の下端部42bは、中間階部20Mの角部23Mの両側に設けられた2本の柱21Me,21Meの上端部にそれぞれ連結されている。
また、図2に示されるように、第二構造切換層40は、上層階部20Hの外周チューブ架構50と中間階部20Mとを連結するため、連結柱45と、連結ビーム46(第1の連結ビーム)と、を備えている。連結柱45は、鉛直上下方向に延び、外周チューブ架構50の柱51と、中間階部20Mの柱21Mとを連結する。連結ビーム46は、逆V字状をなし、外周チューブ架構50の角部に設けられた柱51cと、中間階部20Mの角部23Mの両側にオフセットして設けられた2本の柱21Me,21Meとの間に設けられている。この連結ビーム46は、その上端部46aが外周チューブ架構50の角部に設けられた柱51cの下端部に接続され、下端部46bが中間階部20Mの角部23Mの両側に設けられた2本の柱21Me,21Meの上端部にそれぞれ連結されている。
このような構成の高層耐震建物1において、上層階部20Hは外周チューブ架構50と内周チューブ架構60とからなる二重のチューブ構造をなしている。この上層階部20Hでは、内周チューブ架構60に大規模ブレース65が併設され、建物内周部では強固に一体化されている。さらに、内周チューブ架構60の上部にはメガトラス層67が設けられているので、内周チューブ架構60はさらに強固に構成されている。
そして、このような内周チューブ架構60のメガトラス層67と外周チューブ架構50とは、メガトラス層67にて、互いに連結されている。これにより、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50とが、その上部において強固に連結されている。
さらに、第二構造切換層40に設けられた連結ビーム41,角部連結ビーム42,連結柱45,連結ビーム46によって、内周チューブ架構60は、その下端において外周チューブ架構50に接合されている。これにより、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50とは、その上下において強固に連結されている。
また、第二構造切換層40に設けられた連結ビーム41、角部連結ビーム42によって、内周チューブ架構60の鉛直荷重の一部は、中間階部20Mの外側面に位置する柱21Mに伝達される。
また、中間階部20Mにおいては、その角部23Mからオフセットした位置に柱21Mが設けられているので、中間階部20Mの角部23Mの室内レイアウトの自由度を高めることができる。
さらに、第一構造切換層30に設けられた連結ビーム32によって、中間階部20Mで角部23Mの両側にオフセットして設けられた柱21Me,21Meの荷重を、下層階部20Lの角部に設けられた柱21Lcに伝達することができる。
上述したような高層耐震建物1によれば、建物内周部1Bと建物外周部1Aに2重にチューブ構造であって、建物内周部1Bは、複数階に跨ぐ大規模ブレース65と複数の柱61が併設された内周チューブ架構60で形成され、建物外周部1Aには、複数の柱51が並設された外周チューブ架構50を備えている。
このような構成によれば、内周チューブ架構60に複数階に跨ぐ大規模ブレース65と複数の柱61を併設させることで、内周チューブ架構60を形成する複数の柱61と、大規模ブレース65によって建物内周部の柱梁構面60A、60B、60C、60Dの強度と剛性が高められるために、建物1の曲げ変形を抑制できる。
また、複数階を跨ぐ大規模ブレース65は、複数階の其々に、大規模ブレース65と同様の材料強度と断面形状を有するブレース材を設置する場合に比べて、せん断変形に対するせん断強度とせん断剛性は高く、優れた建物1の耐震安全性能が確保できる。
具体的には、複数階に亘って各階ごとに設置されたブレースは、各階ごとのブレース材が直列バネ形式で連結された等価なせん断剛性モデルとしてせん断抵抗することになり、結果として、全体のせん断剛性が個々のブレース材の剛性より低下することになる。
これに対して、大規模ブレース65は、各階を横切るブレース位置は限定されるものの、せん断強度、及びせん断剛性は単体の断面形状と部材長さより決定されるために、ブレースを配置する建物部分(例えば、上層階部20H)に必要な強度と剛性を確保するには、ブレース材単体を設計することで実現できる。
また、大規模ブレース65は、建物コア部に相当する内周チューブ架構60の複数の柱61に併設させて、ブレース材66下端部66bの下層階よりブレース材66上端部66aの上層階に至る建物の上層階部分(例えば、上層階部20H)に設置することで、上層階部分を単一構造体として地震荷重に対してせん断抵抗させることができるために、地震時に生じる建物1の曲げ変形を低減できる。
さらに、大規模ブレース65は、複数階を跨ぐように配置され、個々のブレース材66の材端部66bを建物外周部の角部23Mの柱21Mに連結されることで、大規模ブレース65に負担された地震荷重が建物の下層階部分の柱21Mへ伝達されるために、地震発生時に作用する建物1の浮き上がり回転に伴う建物1の角部23Mの柱21Mに加わる上向き引き抜き力を抑止させることができる。
上記のように、大規模ブレース65によって効率的に強化した内周チューブ架構60と、外周チューブ架構50とを備えて構成した立体的なフレーム群によって、地震力に対して効果的に抵抗することができる。これにより、高層耐震建物1内に設ける柱や耐震壁の設置数を低減し、柱や耐震壁を細径化することが可能となる。したがって、高層耐震建物1内に形成する居室等の空間を、より大きく形成することができる。
また、高層耐震建物1においては、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50は、上層階に設置されたメガトラス層67で連結されているとともに、内周チューブ架構60は建物1の上層階部20Hに形成され、内周チューブ架構60の下端は、外周チューブ架構50に接合されている。
このような構成によれば、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50がメガトラス層67によって連結されていることで、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50を其々鉛直抵抗要素とし、メガトラス層67で一体化された立体的なフレーム群で構成されたダブルチューブ構造による高層耐震建物1が実現される。ダブルチューブ構造は、地震荷重や風荷重に対する耐震抵抗要素が建物内周構面と建物外周構面に集約されたメガストラクチャーであり、居室の平面計画上の自由度を確保することができる。
また、内周チューブ架構60を上層階部20Hに設けることで、内周チューブ架構60の下層階側で異なる構造形式で高層耐震建物を実現できるために、建物内の居室の設計自由度を高めることができる。
また、内周チューブ架構60は、下端部が外周チューブ架構50に接合されることで、内周チューブ架構60が負担している鉛直荷重や地震荷重を、建物外周部の外周チューブ架構50にスムーズに伝達することができる。その結果、建物下層階では、内周チューブ架構60が設けられていなく、建物外周部の外周チューブ架構50のみが主要な構造抵抗機構となるために、建物内の平面計画を阻害する柱や耐震壁などの構造部材を低減することができる。
また、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50とを、メガトラス層67で連結することで、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50との間に設けられる各階の床スラブ断面内にて高密度配筋を行い、双方のチューブ架構50、60同士を一体化させる必要はなく、一般的な接合方法で建物1を形成できる。したがって、小梁55の細径化や床スラブの薄肉化を図ることができ、部材の軽量化、各階の天井高の増加を図ることもできる。
また、高層耐震建物1の内周チューブ架構60は、吹き抜け部Hを形成する柱梁構面に設けられ、かつ柱梁構面の構面厚さ内に大規模ブレース65が収容されている。
このような構成によれば、内周チューブ架構60を、吹き抜け部Hを形成する柱梁構面内に設けることで、吹き抜け部Hを形成するために柱梁架構を別途設ける必要が無く、高層耐震建物1内における居室等のレイアウトの自由度を高めることが可能となる。また、大規模ブレース65は、内周チューブ架構60を備えた柱梁構面の構面厚さの内側に設置され、ブレース材66が居室側に突出していないことで、居室等の配置計画を阻害しない形式のダブルチューブ構造による高層耐震建物1を実現することができる。
また、内周チューブ架構60と外周チューブ架構50とは、その上部に設けられたメガトラス層67と、その下部に設けられた第二構造切換層40の連結ビーム41,角部連結ビーム42,連結柱45,連結ビーム46によって、上下において強固に連結されている。これによって、高層耐震建物1の耐震性をさらに高めることができる。
また、上記したような内周チューブ架構60と外周チューブ架構50は、高層耐震建物1の上層階部20Hに設けられている。このように、高層耐震建物1の上層階部20Hの強度を高めることで、地震力や風による上層階部20Hの揺れを抑えることができる。これによって、高層耐震建物1全体の耐震性を有効に向上させることができる。
1 高層耐震建物 61 柱(鉛直部材)
1A 建物外周部 62 梁
1B 建物内周部 65 大規模ブレース
50 外周チューブ架構 67 メガトラス層
51 柱(鉛直部材) H 吹き抜け部
60 内周チューブ架構
41 連結ビーム(第2の連結ビーム) 45 連結柱
42 角部連結ビーム 46 連結ビーム(第1の連結ビーム)

Claims (3)

  1. 建物内周部と建物外周部に2重にチューブ構造を有する高層耐震建物であって、
    前記建物内周部は、複数階に跨ぐ大規模ブレースと複数の鉛直部材が併設された内周チューブ架構で形成され、
    前記建物外周部には、複数の鉛直部材が並設された外周チューブ架構を備え、
    前記内周チューブ架構と前記外周チューブ架構は建物上層階のみに設けられ
    前記内周チューブ架構と前記外周チューブ架構の各々、前記上層階部より下方の階層とは、構造切層で連結され
    前記構造切換層には、前記大規模ブレースの下端部から下方に向かって外周側に傾斜して延びるように設けられ、前記大規模ブレースの前記下端部と、前記下方の階層の外側面に位置する柱の上端部とを連結する、角部連結ビームが設けられ、
    前記構造切換層には、さらに、鉛直上下方向に延びて、前記外周チューブ架構の前記鉛直部材と前記下方の階層の柱とを連結する連結柱と、傾斜して延び、前記外周チューブ架構の角部に設けられた前記鉛直部材と、前記下方の階層の角部からオフセットして設けられた、前記下方の階層の外側面に位置する柱とを連結する第1の連結ビームが設けられていることを特徴とする高層耐震建物。
  2. 前記内周チューブ架構と前記外周チューブ架構は、さらに、当該内周チューブ架構の上部に設置されたメガトラス層により連結されているとともに、
    前記構造切層では、前記内周チューブ架構が、前記角部連結ビームに加え、下方に向かって外周側に傾斜する第2の連結ビーム介して前記下方の階層の外側面に位置する柱に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の高層耐震建物。
  3. 前記内周チューブ架構は、吹き抜け部を形成する柱梁構面に設けられ、かつ当該柱梁構面の構面厚さ内に大規模ブレースが収容されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高層耐震建物。
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