JP2006274613A - 耐震補強構造 - Google Patents

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【課題】 既存建物に対する十分な耐震補強効果が得られる有効な耐震補強構造を提供する。
【解決手段】 既存建物の妻側に桁行方向の耐震補強のための耐震補強架構1を新設する。耐震補強架構は、新設柱5a、5bと新設梁6とによるラーメン架構からなる主架構2と、新設梁と水平ブレースからなる副架構からなり、主架構の新設柱と副架構の新設梁を既存建物に全長にわたって後施工アンカー8等により一体化する。主架構の各層の制震ダンパー4をブレースの形態で組み込む。制震ダンパーを各層に2基ずつハ状または逆ハ状をなすように架設し、2層ごとに4基の制震ダンパーをX状に架設する。既存あるいは新設の階段室等の突出部の架構を副架構の一部として利用する。制震ダンパーとしてはブレースダンパーが好適である。
【選択図】 図3

Description

本発明は既存建物を対象とする耐震補強構造、特に妻側に耐震補強架構を新設することで桁行方向の耐震補強を行うようにした耐震補強構造に関する。
周知のように、中高層の集合住宅建物の形態としては一方向(長辺方向=桁行方向)に長いいわゆる板状形と称される形態が一般的であり、そのような形態の建物の構造形式としては、長辺方向をラーメン架構による純ラーメン構造、他方向(短辺方向=スパン方向)をラーメン架構に耐震壁を併用した構造とすることが一般的である。
ところで、上記のような形態で上記のような構造とされる建物では、耐震壁を多く設けたスパン方向に比較して純ラーメン構造とされる桁行方向の耐震性能が充分でない場合が多く、過去に建設されたものでは現在の耐震基準を満足し得ない場合もあるので、そのような既存建物に対しては桁行方向の耐震補強が必要とされる。
既存建物に対する上記のような耐震補強を既存建物の内部に対して行うことは、特に集合住宅建物の場合には居住しながらの改修工事が不可能であるので現実的ではないから、一般的には長手方向の外壁面(集合住宅建物ではバルコニーが設けられる南面、あるいは共用廊下が設けられる北面であることが多い)に頑強な補強フレームを新設して既存建物に一体化するという手法が考えられている。しかし、集合住宅建物のバルコニー面に対して新たな外周フレームを設けることは各住戸への採光が大きく阻害されてしまうので好ましくないし、各住戸に対する工事騒音や振動も無視し得ないので、居住しながらの改修工事はやはり困難である。
そのため、たとえば特許文献1に示されるように、既存建物の妻側に補強フレームを設けることで桁行方向の補強を行うことも提案されている。これは、新設柱と新設梁と制震ダンパーからなる補強フレームを既存建物の両妻側に設けることにより、それらの補強フレームをバットレスとして機能せしめて既存建物の変形を抑制し、かつ制震ダンパーにより地震時の振動を軽減し抑制して優れた制震効果が得られるというものである。これによれば、補強フレームを両妻側に設けるだけなので居住しながらの改修が可能であるし、さしたる設置スペースも必要とせず、改修後も居住性が損なわれることもないので、特に集合住宅建物に適用するものとして有効であると考えられている。
特開2004−176460号公報
しかし、特許文献1に示される耐震補強構造は既存建物の両妻側にそれぞれ補強フレームを設けることを前提としており、したがって両妻側に十分な設置スペースが確保できないといった制約から補強フレームを片側の妻側にしか設置できない場合には、既存建物全体に対する十分な補強効果や制震効果が得られず、その点で改善の余地があった。
上記事情に鑑み、本発明は十分な耐震補強効果が得られるより有効な耐震補強構造を提供することを目的としている。
本発明は、既存建物の桁行方向の耐震補強を行うためにその妻側に耐震補強架構を新設した耐震補強構造であって、前記耐震補強架構は、既存建物の桁行方向の既存架構を妻側に延長した形態の桁行方向のラーメン架構からなる主架構と、該主架構をスパン方向から補剛する副架構と、前記主架構に組み込んだ制震ダンパーからなり、前記主架構は、少なくとも一対2本の新設柱と該新設柱間の各層に架設された新設梁とを主体として、一方の新設柱を既存建物の妻面に設けられている既存柱に対して全高にわたって一体に緊結してなり、前記副架構は、前記主架構における一方の新設柱に一端が接合された各層のスパン方向の新設梁と、該新設梁と前記主架構との間に架設された水平ブレースとを有して、前記新設梁を既存建物の妻面の各層に設けられている既存梁の側部に対して全長にわたって一体に緊結してなり、前記制震ダンパーを、前記主架構における新設柱とそれらの間の各層に架設した桁行方向の新設梁との間の各層にブレースの形態で架設してなることを特徴とする。
本発明においては、制震ダンパーを各層に2基ずつハ状または逆ハ状をなすように桁行方向に並べて架設することが好ましく、その場合には、各層の制震ダンパーの向きを1層ごとに交互に逆向きとすることにより2層ごとに4基の制震ダンパーをX状に架設することが好ましい。
本発明においては、既存建物の妻側に既存の階段室等の突出部がある場合、あるいは階段室等の突出部を新設する場合には、その突出部の架構と主架構との間に副架構の一部としての水平ブレースを架設することが考えられる。
本発明における制震ダンパーとしては、ブレースとして機能するとともに軸方向に降伏して鋼材ダンパーとしても機能する帯板状の鋼板からなるダンパー本体と、該ダンパー本体の外側に装着されてその座屈を拘束する拘束部材からなるブレースダンパーが好適に採用可能である。
本発明によれば、耐震補強架構を主架構と副架構とにより構成し、主架構における新設柱と副架構における新設梁をそれぞれ既存建物における既存柱と既存梁に対して全長にわたって一体に緊結したので、耐震補強架構がバットレスと同様に機能して既存建物の桁行方向の変形が有効に抑制されるとともに、耐震補強架構に組み込んだ制震ダンパーによって地震時の振動が効果的に抑制かつ減衰され、それにより優れた耐震補強効果と制震効果が得られる。
特に、各層にそれぞれ2基の制震ダンパーをハ状もしくは逆ハ状に設置することにより、さしたるスペースを必要とせずに多数の制震ダンパーを支障なく設置でき、耐震補強架構を片側の妻側にのみ設置する場合であっても既存建物全体に対する優れた制震効果が得られる。その場合、制震ダンパーを全体として2層ごとのX状に架設することで、それらの交点の位置に設けることが通常である中間柱を省略することが可能であるし、デザイン的にも大胆で好ましい外観が得られる。
また、既存あるいは新設の階段室等の突出部の架構を副架構の一部として利用することにより、主架構のスパン方向の剛性を合理的に確保することができる。
さらに、制震ダンパーとしてブレースダンパーを採用することにより、主架構に対してブレースの形態で容易に設置でき、かつ優れた補強効果と制震効果を併せて得ることができる。
本発明の一実施形態を図1〜図6を参照して説明する。本実施形態における補強対象の既存建物は、南面側がバルコニー、北面側が共用廊下とされ、中間部において雁行してはいるが全体として板状の形態とされた地上10階建ての集合住宅建物であって、その構造は鉄筋コンクリート造のラーメン構造を基本として桁行方向が純ラーメン構造、スパン方向が耐震壁構造とされたものであり、スパン方向に較べて桁行方向の耐震性能が充分ではないことから、桁行方向の耐震性能を向上させるべく本発明の耐震補強構造を適用するものである。
なお、このような雁行部を有する形態の建物では、雁行部の両側が構造的には実質的にそれぞれ独立の建物として挙動するものであることから、本実施形態では双方の妻側にそれぞれ耐震補強架構1(1A、1B)を設けるものとしている。それらの耐震補強架構1A、1Bは基本的には同様の構造のものであるが、後述のように東側(図示右側)に設けた耐震補強架構1Bは西側(図示左側)に設けた耐震補強架構1Aに較べてやや簡略化されたものとなっているので、以下では耐震補強架構1Aについて詳細に説明し、耐震補強架構1Bについてはそれと同一構成要素に同一符号を付して説明を簡略化する。
耐震補強架構1Aは、既存建物の南面側(バルコニー側)の桁行方向の既存架構を妻側に延長した形態の主架構2と、その背後側に設けられた副架構3と、主架構1に組み込まれた制震ダンパー4からなるものである。
図3〜図4に詳細を示すように、主架構2は鉄骨鉄筋コンクリート造の一対2本の新設柱5(5a、5b)と、それら新設柱5a、5b間の各層に架設された桁行方向の鉄骨造の新設梁6とによる一方向ラーメン架構を主体とするものであり、それら2本の新設柱5a、5bのうち既存建物側の新設柱5aは既存建物の妻面に設けられている鉄筋コンクリート造の既存柱7に対して多数の後施工アンカー8により全長にわたって一体に緊結され、他方の新設柱5bは新設基礎9(図1参照)から自立する独立柱として設置されている。なお、後施工アンカー8は施工時に大きな騒音や振動を発生するものではないし、新設柱5aと既存柱7とを簡単な手法で確実に一体化できるものであるが、新設柱5aの施工に際しては既存柱7の表層部に目荒らしを行うことでそれらの一体化強度をより高めることができる。
上記の主架構2はそれ自体がラーメン架構であって桁行方向の水平剛性を十分に確保できるが、スパン方向の剛性はそれ自体では確保し難いことから、そのために主架構2の背後側には副架構3が付設されている。本実施形態における副架構3は、図4〜図5に示すように、一端が上記の新設柱5aに接合された鉄骨鉄筋コンクリート造のスパン方向の新設梁11と、その新設梁11の中間部と上記主架構2における桁行方向の新設梁6の中間部との間に斜めに架設された鉄骨造の水平ブレース12とを主体としている。新設梁11は、上記の新設柱5aと同様に、既存建物の妻面各層に設けられているスパン方向の既存梁13の側部に対して多数の後施工アンカー14により全長にわたって一体に緊結されており、その新設梁11の施工に際しては既存梁13の表層部に目荒らしを行ってそれらを確実に一体化させると良い。
加えて、本実施形態では図2に示すように妻面より突出する状態で既存の階段室15が設けられていることから、その階段室15の架構と主架構2および副架構3との間にも水平ブレース16を架設することにより、それら水平ブレース16および階段室15の架構を副架構3の一部として利用している。その場合、水平ブレース16を主架構2に対してできるだけ直交するように架設することにより主架構2に対する補剛効果が効果的に得られる。
そして、図1および図3に示すように、上記の主架構2には多数の制震ダンパー4が全体としてX状をなすように組み込まれている。すなわち、図3に示すように、主架構2における双方の新設柱5a,5bと各層の新設梁6とにより囲まれるフレームの内側には、各層に2基の制震ダンパー4がハ状あるいは逆ハ状をなすように配置され、それらの一端部が新設柱5a,5bと新設梁6との接合部にガセットプレート20を介して接合され、他端部が直上階または直下階の新設梁6の中央部に対してガセットプレート21を介して接合されている。そして、各層の制震ダンパー4の向きを1層ごとに交互に逆向きとすることにより、2層ごとに4基の制震ダンパー4がガセットプレート21を中心としてその周囲にX状をなすように架設されたものとなっている。本実施形態では、図1に示すように各層の2基ずつの制震ダンパー4が奇数階では逆ハ状に架設され、偶数階ではハ状に架設されることにより、2層分の4本ずつの制震ダンパー4が全体として5段のX状をなすように架設されている。
本実施形態では、制震ダンパー4として図6に示す構造のいわゆるブレースダンパーが採用されている。この制震ダンパー4は帯板状の平鋼板からなるダンパー本体30と、その外側に装着されて座屈を拘束する拘束部材31からなる。ダンパー本体30は上記のようにその両端がそれぞれガセットプレート20,21を介して主架構2に対してボルト締結されることによりこれ自体がブレースとして機能するものであるが、その中央部には幅寸法が狭められた降伏部30aが形成されていて、所定の軸力を受けた際には降伏部30aが降伏して塑性変形して鋼材ダンパーとして機能し、それにより振動エネルギーを吸収して優れた制震効果が得られるものとなっている。なお、ダンパー本体30の素材としては、普通鋼の他、低降伏点鋼が好適に採用可能であるし、いずれにしてもダンパー本体30の材質や厚み、長さ、降伏部の形状等を設定することで所望の制震効果を得ることができるものである。
拘束部材31は、図6(b)に示すようにダンパー本体30を両面側から挟み込む対のチャンネル鋼材32と、チャンネル鋼材32のフランジに装着されてボルト締結されることで双方のチャンネル鋼材32を全体としてH形に連結する対のカバープレート33からなり、この拘束部材31によりダンパー本体30の軸方向変形が許容されつつ面内変形および面外変形が拘束されて座屈が確実に防止されるものとなっている。
以上で説明した本実施形態の耐震補強構造によれば、桁行方向の耐震性能が充分でない既存建物の妻側に上記のような耐震補強架構1Aを設けることのみで、その耐震補強架構1Aがバットレスと同様に機能して既存建物の桁行方向の変形を有効に抑制し、優れた耐震補強効果が得られる。
特に、主架構2の新設柱5aを既存柱7に対して全高にわたって一体に緊結するのみならず、主架構2を補剛する副架構3を設けてその副架構3の新設梁11も既存梁13に対して全長にわたって緊結したので、耐震補強架構1Aの全体を既存建物に対して構造的に確実堅個に一体化して既存建物の地震力をその耐震補強架構1Aに対して確実に伝達し、その主架構2に組み込んだ制震ダンパー4を効果的に作動させて優れた制震効果が確実に得られる。
また、制震ダンパー4としてのブレースダンパーを各層にそれぞれ2基ずつハ状もしくは逆ハ状に設置することにより、さしたるスペースを必要とせずに多数の制震ダンパー4を支障なく設置できるし、それらの制震ダンパー4を全体として2層ごとのX状に架設することにより中間柱を必要とせず、デザイン的にも大胆で好ましい外観が得られる。
勿論、本実施形態の耐震補強構造は、上記のような耐震補強架構1Aを既存建物の妻側に設けるだけであるので、改修に伴って居住性が損なわれるようなことは全くないし、さしたる設置スペースを必要とせず、改修工事も居住しながら短期間で安価に実施することが可能であるので、特に集合住宅建物に適用するものとして最適である。
以上で本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、妻側に耐震補強架構1を新設する限りにおいて、たとえば以下に列挙するような様々な変形や応用が可能である。
上記実施形態は補強対象の既存建物が雁行していることから、一方の妻側に上記の耐震補強架構1Aを設け、他方の妻側にはそれよりもやや簡略化した耐震補強架構1Bを設けたが、たとえば図7〜図8に示すような単純な板状の既存建物に対しては片側の妻側にのみ耐震補強架構1Cを設けることで十分である。いずれにしても耐震補強架構1は補強対象の既存建物の形態や規模、要求される耐震補強性能に応じて設計すれば良い。
たとえば、上記の耐震補強架構1Bは、耐震補強架構1Aに較べて新設柱5a,5b間の間隔を小さくし、制震ダンパー4を各層に1基ずつブレースとして単独に設置したものである。また、図7〜図8に示す耐震補強架構1Cは、主架構2および制震ダンパー4については耐震補強架構1Aと同様であるが、副架構3をより増強したものとなっていて、図9〜図10に示すように副架構3として新設柱40や新設梁41、水平ブレース42を設置することでその耐震補強架構全体1C自体を両方向ラーメン架構のごとく構成したものである。なお、この耐震補強架構1Cでは階段室15の架構を特に利用していないが、利用するようにしても勿論良い。
また、上記実施形態における耐震補強架構1A、1Cのように制震ダンパー4を各層に2基ずつハ状あるいは逆ハ状に設ける場合、それらの交点の位置に中間柱を設けることも考えられる。すなわち、上記実施形態の耐震補強架構1A、1Cにおける一対2本の新設柱5a、5bの間に他の新設柱である中間柱を設け、それら3本の新設柱の間に1基ずつ制震ダンパー4を設けることが考えられ、本発明ではそのように構成することも妨げるものではないが、各層に並設する2基の制震ダンパーの応力が互いに釣り合うような設計、あるいは2層ごとにX状をなす4基の制震ダンパーが相互に釣り合うような設計とすれば中間柱は敢えて設けることはなく、上記実施形態のように中間柱を省略した形態とする方が合理的である。
上記実施形態では主架構2における各新設柱5を鉄骨鉄筋コンクリート造とし、新設梁6を鉄骨造とし、副架構3における新設梁11を鉄骨鉄筋コンクリート造とし、水平ブレース12を鉄骨造としたが、耐震補強架構1の構造は任意であり、所望の剛性、耐力が得られるものであれば、鉄筋コンクリート造、コンクリート充填鋼管構造、プレキャストコンクリート構造、その他の構造を単独であるいは任意に組み合わせて採用することが可能である。
上記実施形態では主架構2の新設柱5aと副架構の新設梁11とを既存柱7および既存梁13に対して後施工アンカー8、14によりそれぞれ緊結するものとし、それによりそれらを簡単な手法で確実に一体化でき、かつ施工時にも大きな騒音や振動を発生することがないので有効であるが、それに限るものでもなく、新設柱5aや新設梁11の構造および既存建物の構造に応じて、それらを構造的に確実強固に一体化するために最適な手法を適宜採用すれば良い。
上記実施形態では既存の階段室15の架構を副架構3の一部として利用するものとしたが、階段室がない場合にはそれを新設しても良く、その場合には耐震補強架構1内に階段室を組み込む形態で新設したり、双方の架構を兼用する架構とすることも考えられる。勿論、階段室に限らず設備機械室や設備シャフト、エレベータ室、あるいはそれらを集約配置したコア部等が妻側に突出部として設けられている場合、もしくは新設する場合にも、その躯体を副架構3の一部として利用することが可能である。
上記実施形態のように制震ダンパー4を各層にハ状あるいは逆ハ状に配置し、全体としてはX状に配置することが好ましいが、それに限るものでもなく、所望の制震効果が得られるように適正台数の制震ダンパー4を適正位置に適正配置すれば良く、必要であれば制震ダンパー4を主架構2のみならず副架構3にも組み込むことも考えられる。また、制震ダンパーとしては上記実施形態において採用したようなブレースダンパーが好適であるが、それに限るものでもなく、所望の制震効果が得られるものであれば他の形式のダンパーも採用可能である。
上記実施形態における補強対象の既存建物は鉄筋コンクリート造の地上10階建ての集合住宅であるが、本発明は様々な構造、規模、用途の建物を対象として広く適用できるものであることは言うまでもない。
本発明の耐震補強構造の一実施形態を示すもので、妻部に耐震補強架構を設置した既存建物を示す全体立面図である。 同、全体平面図である。 同、耐震補強架構の詳細を示す部分立面図である。 同、平面図である。 同、要部断面図(図4におけるV−V線視拡大図)である。 同、制震ダンパーの一例を示す図である。 本発明の耐震補強構造の他の実施形態を示すもので、妻部に耐震補強架構を設置した既存建物を示す全体立面図である。 同、全体平面図である。 同、耐震補強架構の詳細を示す部分立面図である。 同、平面図である。
符号の説明
1(1A、1B、1C) 耐震補強架構
2 主架構
3 副架構
4 制震ダンパー(ブレースダンパー)
5(5a、5b) 新設柱
6 新設梁
7 既存柱
8 後施工アンカー
11 新設梁
12 水平ブレース
13 既存梁
14 後施工アンカー
15 階段室(突出部)
16 水平ブレース
20、21 ガセットプレート
30 ダンパー本体
31 拘束部材
32 チャンネル鋼材
33 カバープレート
40 新設柱
41 新設梁
42 水平ブレース

Claims (5)

  1. 既存建物の桁行方向の耐震補強を行うためにその妻側に耐震補強架構を新設した耐震補強構造であって、
    前記耐震補強架構は、既存建物の桁行方向の既存架構を妻側に延長した形態の桁行方向のラーメン架構からなる主架構と、該主架構をスパン方向から補剛する副架構と、前記主架構に組み込んだ制震ダンパーからなり、
    前記主架構は、少なくとも一対2本の新設柱と該新設柱間の各層に架設された新設梁とを主体として、一方の新設柱を既存建物の妻面に設けられている既存柱に対して全高にわたって一体に緊結してなり、
    前記副架構は、前記主架構における一方の新設柱に一端が接合された各層のスパン方向の新設梁と、該新設梁と前記主架構との間に架設された水平ブレースとを有して、前記新設梁を既存建物の妻面の各層に設けられている既存梁の側部に対して全長にわたって一体に緊結してなり、
    前記制震ダンパーを、前記主架構における新設柱とそれらの間の各層に架設した桁行方向の新設梁との間の各層にブレースの形態で架設してなることを特徴とする耐震補強構造。
  2. 請求項1記載の耐震補強構造であって、
    前記制震ダンパーを各層に2基ずつハ状または逆ハ状をなすように桁行方向に並べて架設してなることを特徴とする耐震補強構造。
  3. 請求項2記載の耐震補強構造であって、
    各層に2基ずつ架設する制震ダンパーの向きを1層ごとに交互に逆向きとすることにより、2層ごとに4基の制震ダンパーをX状に架設してなることを特徴とする耐震補強構造。
  4. 請求項1,2または3記載の耐震補強構造であって、
    既存建物の妻側に位置する既存あるいは新設の突出部の架構と前記主架構との間に、前記副架構の一部となる水平ブレースを架設してなることを特徴とする耐震補強構造。
  5. 請求項1,2,3または4記載の耐震補強構造であって、
    前記制震ダンパーは、ブレースとして機能するとともに軸方向に降伏して鋼材ダンパーとしても機能する帯板状の鋼板からなるダンパー本体と、該ダンパー本体の外側に装着されてその座屈を拘束する拘束部材からなるブレースダンパーであることを特徴とする耐震補強構造。
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