JP2011080358A - 建物の柱梁接合構造体、建物および接合方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】PCa製柱とPCa製梁とが接合された建物の柱梁接合構造体であって、前記PCa製柱の柱頭部の上面では柱用接続鉄筋が上方に突出しておらず、且つ前記柱頭部には柱継手部材が埋め込まれており、上下方向の貫通孔が形成されたPCa製仕口を、水平方向に移動させて下階の前記PCa製柱の上に設置し、前記柱用接続鉄筋を前記PCa製仕口の前記貫通孔を貫通させ且つ前記下階のPCa製柱の前記柱継手部材で前記下階のPCa製柱の柱主筋と継手することにより、前記下階のPCa製柱と前記PCa製仕口とを直接的に接合したことを特徴とする。
【選択図】図6
Description
図10ないし図15は従来技術を示す図である。図10は、従来の第1の接合方法を使用した多層建物の平面図、図11は、この第1の接合方法による柱梁接合構造体の組立手順を示す正面断面図である。
図12は、従来の第1の接合方法による組立手順を示す説明図である。図12(A1)〜(A7)は正面断面図、図12(B1)〜(B7)は、それぞれ図12(A1)〜(A7)の側面断面図である。
一方、図13ないし図15に示すように、従来の第2の接合方法を使用した多層建物101aの柱梁接合構造体102aでは、柱用仕口部106と梁104aとが予め一体化されたPCa製水平構造体107を、PCa製柱103aの上に水平方向に取付けている。
そして、梁104a同士は、隣り合う柱と柱の間に位置する梁接合部108で現場打ちコンクリート110により接合されている。
この現場打ちコンクリート110を施工するには、型枠を設け配筋をする必要があり、これらの作業を行うための足場も必要な場合が多い。特に、PCa製柱103,103aが多層建物101,101aの外壁部に位置するときや、現場コンクリート打ち用の作業位置に床スラブが未だ施工されていないときには、足場が必要になってくる。
また、現場打ちコンクリート110の箇所が非常に多いので、現場作業の負担が大きくその作業時間も長時間になる傾向があった。
したがって、床スラブと柱梁ラーメンを同時に施工する積層工法となるのが一般的である。この積層工法では、たとえば、図11,図14に示すように、各階毎に、柱梁接合構造体を施工するとともに床スラブの施工も行い、その階における施工が完了して現場打ちコンクリート110が一定の強度を発現した後、その上の階の施工に順次移行することになる。
その結果、柱梁接合構造体の全体を、床スラブより先行して施工することは困難であった。
上記建物の柱梁接合構造体において、前記PCa製仕口側から梁主筋が突出していてもよく、その場合、前記PCa製仕口又は前記PCa製梁を、水平方向に移動させ、これらの梁主筋を梁継手部材で継手することにより、前記PCa製仕口と前記PCa製梁とを直接的に接合してもよい。
上記建物の柱梁接合構造体において、前記PCa製仕口には梁継手部材が設けられていないようにしてもよい。
また、本発明に係る建物の柱梁構造体における接合方法は、PCa製柱とPCa製梁とが接合された建物の柱梁構造体における接合方法であって、前記PCa製柱の柱頭部の上面では柱用接続鉄筋が上方に突出しておらず、且つ前記柱頭部には柱継手部材が埋め込まれており、上下方向の貫通孔が形成されたPCa製仕口を、水平方向に移動させて下階の前記PCa製柱の上に設置し、前記柱用接続鉄筋を前記PCa製仕口の前記貫通孔を貫通させ且つ前記下階のPCa製柱の前記柱継手部材で前記下階のPCa製柱の柱主筋と継手することにより、前記下階のPCa製柱と前記PCa製仕口とを直接的に接合することを特徴とする。
図1は多層建物の平面図、図2は、前記多層建物の柱梁接合構造体の組立手順を示す正面断面図、図3は、前記柱梁接合構造体の部分拡大正面断面図、図4は、前記柱梁接合構造体の組立手順を示す説明図である。図4(A1)〜(A7)は正面断面図、図4(B1)〜(B7)は、それぞれ図4(A1)〜(A7)の側面断面図である。図5は、前記柱梁接合構造体の組立手順を示す斜視図である。
図6(A),(B)は、それぞれ本実施形態の第1の変形例,第2の変形例を示す図で、図3相当図である。図7,図8および図9は、それぞれ第3の変形例,第4の変形例および第5の変形例を示す平面図である。
なお、建物の一種である多層建物1としては、集合住宅のほか、事務所ビル,ホテルなどの層状の建物であってもよい。また、建物の基準階の平面形が、ほぼ正方形の場合を示したが、片廊下方式の板状平面形や、内部に吹き抜け空間を有する形状(たとえば、ロ字形,C字形)でもよい。なお、本発明は、多層建物以外の建物にも適用可能である。
柱梁接合構造体4は、複数のPCa製柱3と、PCa製柱3の間に架設されたPCa製梁とにより構成されている。PCa製梁としての大梁5,大梁5aは、桁行方向Cや梁間方向Dを向いて配置される。
ここで、「柱梁接合構造体」とは、架構と、この架構に一体化した二次的構造部材とで構成され、地震力などの外力に対して構造設計上抵抗し得る構造体をいう。架構は、PCa製柱3,PCa製大梁5,PCa製大梁5a,その他の小型の柱や梁などの線材と、耐震壁の機能を有する壁面構造体や壁ブレースなどの面部材とを組み合わせて構成されている。
PCa製水平構造体7は、柱用仕口部6に大梁5と大梁5aが固定されて、全体がプレキャストコンクリートにより一体的に形成されている。このようなPCa製水平構造体7を使用すれば、柱梁接合部8での現場打ちコンクリートをなくすることができる。
柱用仕口部6には、複数の貫通孔29が上下方向に貫通形成されて所定の配列で配置されている。貫通孔29の内径は、柱主筋27の柱用接続鉄筋28の外径より大きい。
なお、変形例として、貫通孔29内にシース管を埋め込んでもよく、このようにすれば、貫通孔29に柱用接続鉄筋28を挿入する作業が容易になるので好ましい。
また、他の変形例として、PCa製水平構造体が複数(たとえば、二つ)の柱用仕口部6を有し、この複数の柱用仕口部6の間に大梁5(または、大梁5a)を一体的に固定し、各柱用仕口部6に、さらに別の梁(大梁や小梁)を所定方向に向けて一体的に固定した場合であってもよい。
大梁5同士(および、大梁5a同士)は、隣り合うPCa製柱3とPCa製柱3との間(たとえば、ほぼ中央部)に位置する少なくとも一つの梁接合部9で直接的に接合されて、PCa製柱3とPCa製柱3とで両端が支持される梁を構成している。
ここで、柱梁接合部8や梁接合部9における「直接的に接合」とは、現場打ちコンクリートを使用せず、継手部材などを用いて柱や梁を直接接合することをいう。
このように、PCa製柱3と各種のPCa製水平構造体7とを組み合わせることにより、柱梁接合構造体4が構成されている。この柱梁接合構造体4ではPCa製水平構造体7を使用したので、柱梁接合部8における現場打ちコンクリートと梁接合部9における現場打ちコンクリートの作業のほとんど全部または全部を省略することができ、現場作業が大幅に軽減される。
すなわち、大梁5自体に着目すると、各大梁5の一方の梁端部15には梁用スリーブ16が埋込まれ、他方の梁端部17には梁用接続鉄筋19が突出して設けられている。
そして、一方のPCa製水平構造体7の梁用接続鉄筋19を、他方のPCa製水平構造体7の梁用スリーブ16に挿入して固定することにより、大梁5同士を梁接合部9で接合している。これは大梁5aの場合も同様である。
これにより、梁接合部9における現場打ちコンクリートの作業を省略して、現場作業を大幅に軽減することができる。
したがって、柱梁接合部8における現場打ちコンクリートの作業を省略して、現場作業を大幅に軽減することができる。
これらの柱継手部材,梁継手部材には、たとえば異形鉄筋(柱主筋27または梁主筋18)同士をモルタルを介して一体化するスリーブ状の継手金具などの機械式継手金具が使用される。
このように、柱主筋27と柱用接続鉄筋28をPCa製柱3に予め取付けているので、上階のPCa製柱3を柱用仕口部6の直上で下降させれば、上階のPCa製柱3の柱用接続鉄筋28が貫通孔29を貫通し、且つ下階のPCa製柱3の柱用スリーブ26に挿入される。したがって、柱梁接合部8における現場組立作業がさらに軽減される。
すなわち、PCa製柱3は「逆挿し柱」なので、その柱頭部25の上面では、柱用接続鉄筋は上方に突出していない。したがって、PCa製水平構造体7がPCa製柱3の上部で水平移動するときに、柱用接続鉄筋が邪魔になることはない。なお、PCa製水平構造体7の水平移動の邪魔にならなければ、若干の柱用接続鉄筋が柱頭部25から上方に突出している場合であってもよい。
柱梁接合構造体4では、PCa製水平構造体7をPCa製柱3の上部で水平方向に移動させることにより、大梁5同士(および、大梁5a同士)を梁接合部9で直接的に接合している。これにより、梁接合部9における現場打ちコンクリートをなくすることができる。
図3ないし図5において、下階(ここでは、基準階)ではPCa製柱3の施工が完了し、全てのPCa製柱3の柱頭部25上は、柱主筋,柱用接続鉄筋などは突出しておらず何もない状態になっている(図4(A1),(B1))。
なお、現場工事の手順として、下階における全てのPCa製柱3の施工が完了したのちPCa製水平構造体7を取付けるのが好ましいが、一部のPCa製柱3の取付けが完了していない場合であってもよい。また、下階に床スラブ31が打設された場合を図示しているが、床スラブ31や壁躯体の施工は柱梁接合構造体4を構築した後であってもよい。
この一のPCa製水平構造体7の柱用仕口部6を、PCa製柱3の直上に位置させた状態で、PCa製水平構造体7を矢印E1に示すように下降させて、柱用仕口部6をPCa製柱3上に載置する。
この一のPCa製水平構造体7が位置決めされると、PCa製柱3の柱頭部25に配置された複数の柱用スリーブ26の位置に、柱用仕口部6の複数の貫通孔29の位置が一致した状態になっている。
次に、他のPCa製水平構造体7を、一のPCa製水平構造体7とほぼ同じ高さ位置まで下降させながら(矢印E2)、PCa製柱3の上で水平方向(たとえば、桁行方向C)に移動させる(矢印E3)。このとき、PCa製柱3の上には柱用接続鉄筋は突出していないので、柱用接続鉄筋が、他のPCa製水平構造体7の水平移動動作の邪魔になることはない。
こうして、取付け済みの一のPCa製水平構造体7の大梁5に設けられた梁用接続鉄筋19に、他のPCa製水平構造体7の大梁5に設けられた梁用スリーブ16が係合する。
その結果、両方の大梁5,5同士が、梁接合部9で直接的に接合された梁を構成する(図4(A4), (B4),図5(C))。
これと同様に、さらに他のPCa製水平構造体としての大梁5aを、矢印E5に示すように水平方向(たとえば、梁間方向D)に移動させて、取付済みの他のPCa製水平構造体7の大梁5aと梁接合部9で直接的に接合する(図4(A4), (B4),図5(C),(D))。このとき、各梁接合部9では、梁用接続鉄筋19に梁用スリーブ16が係合する。こうして接合された二つの大梁5aは、二つのPCa製柱3上にそれぞれ取付けられた二つのPCa製水平構造体7の大梁5に対して、平面視で直角に配置される。
なお、図4,図5では、大梁5に対して直角に取付けられる二つのPCa製水平構造体が大梁5aのみにより構成された場合を示しているが、PCa製水平構造体は、大梁5のみにより構成された場合、柱用仕口部に大梁(または、小梁)が一体的に取付けられた場合などであってもよい。この柱用仕口部に大梁(または、小梁)が取付けられた場合には、柱用仕口部が、さらに他のPCa製柱の上に位置決めされることになる。
たとえば、最初のPCa製水平構造体7を、符号A1に示すように位置決めする。この最初のPCa製水平構造体7は平面視でL字状をなして、その柱用仕口部6がPCa製柱3の上に位置決めされている。
次いで、平面視で直線状をなす二番目のPCa製水平構造体7(符号A2)を、矢印Eに示すように水平方向(ここでは、桁行方向C)に移動させ、PCa製柱3上に位置決めして、大梁5同士を梁接合部9で直接的に接合する。
次に、平面視でT字状をなす三番目のPCa製水平構造体7(符号A3)を、矢印Eに示すように水平方向(ここでは、桁行方向C)に移動して、PCa製柱3上に位置決めし、大梁5同士を梁接合部9で直接的に接合する。
次いで、平面視で直線状をなす四番目のPCa製水平構造体7(符号A4)を、矢印Eに示すように水平方向(ここでは、梁間方向D)に移動して、PCa製柱3上に位置決めし、大梁5同士を梁接合部9で直接的に接合する。その後は同じようにして、その階における多数のPCa製水平構造体7が順次組み立てられる。
ところで、隣り合うPCa製水平構造体7の間の梁接合部のうち、どうしても大梁5同士(または、大梁5a同士)を直接的に接合することができない箇所が必然的に生じる。
これは、PCa製水平構造体7の水平移動方向が、その箇所の梁接合部における梁用接続鉄筋19と梁用スリーブ16との係合方向に対して直角になるからである。
このような箇所は、現場打ちコンクリートによる接合部となり、図1中の黒三角印(▲)Bで示されており、図1の例では9箇所の現場打ちコンクリート接合部が生じている。
この現場打ちコンクリート接合部では、コンクリートを現場打ちして大梁5同士(および、大梁5a同士)を接合することになる。
これらPCa製柱3には、柱用接続鉄筋28が、柱脚部30から下方に突出して設けられている。上階のPCa製柱3は、柱用仕口部6の直上に配置されたのち真っ直ぐ下方に移動することにより(矢印E6,E7)、柱用仕口部6上に載置されて位置決めされる。すると、上階のPCa製柱3の柱用接続鉄筋28は、柱用仕口部6の貫通孔29を貫通し、且つ下階のPCa製柱3の柱用スリーブ26に挿入される。
これと同様に、各梁接合部9においても、目地および梁用スリーブ16にグラウトを注入(または、圧入充填)して固定する(図4(A7),(B7))。
柱梁接合部8や梁接合部9に充填されるモルタルの強度が高いので、十分な接合強度が発揮される。モルタルは、現場打ちコンクリートと比べると、硬化して十分な強度が発現するまでの時間が短時間(たとえば、3日間)なので、柱梁接合構造体4を構築するのに要する期間が短縮される。
現場作業の負担が軽減し、組み立てに要する期間も短縮されるので、工程管理が容易になるとともに建設コストも低減される。
柱梁接合部8や梁接合部9で接合作業のための型枠,配筋,足場が不要なので、これらの作業を行うための床スラブ31は打設されていなくてもよい。したがって、図2(A)〜(D)に示すように、多層建物1の主要構造体である柱梁接合構造体4のみを、床スラブ31や壁躯体などの施工に先行して立ち上げることができる。すなわち、いわば鉄骨造の多層建物と同じような組み立て手順で、柱梁接合構造体4を上層に向かって各階毎に順次組立施工することができる。
現場打ちコンクリート接合部となる箇所は9箇所と少ないので、この9箇所では、コンクリートが硬化して所定の強度を発現するまで補強用の鉄骨部材などを仮設して大梁5同士(および、大梁5a同士)を仮に接合しておけばよい。そして、その階(基準階,下階)における柱梁接合構造体4の組立が完了した後、上階での柱梁接合構造体4の組立工程に順次移行することができる。
このようにすれば、床スラブや壁躯体の施工を待たなくても、柱梁接合構造体のみを先行して立ち上げることができる。なお、補強用に仮設した鉄骨部材などは、後日取り除けばよい。
図6ないし図9に示す各変形例においても、多層建物の柱梁接合構造体4は、柱用仕口部6と大梁5,大梁5aとを予め一体化したPCa製水平構造体7が、PCa製柱3の上に水平方向に取付けられている。
柱用仕口部6は、柱梁接合部8で少なくとも下階のPCa製柱3に直接的に接合されている。大梁5同士(および、大梁5a同士)は、隣り合うPCa製柱3とPCa製柱3の間(たとえば、ほぼ中央部)に位置する少なくとも一つの梁接合部9で直接的に接合されている。
いずれにしても、両方の梁接合部9で挟まれる中間梁(大梁5)において、一方の梁端部には梁用スリーブ16が埋込まれ、他方の梁端部から梁用接続鉄筋19が水平方向に突出している。
PCa製柱3,3間の二つの梁接合部9では、梁用接続鉄筋19を梁用スリーブ16に挿入して固定することにより、大梁5同士(すなわち、右側の大梁5と中間梁(大梁5)同士、および中間梁(大梁5)と左側の大梁5同士)を梁接合部9で接合している。柱梁接合部8の構成は前記実施形態と同じである。
このようにすれば、現場で取り扱うユニット(すなわち、PCa製水平構造体7,大梁5)が軽量化するので、小型の重機を使用することができ、現場作業がさらに容易になる。
柱主筋27の柱用接続鉄筋28を、柱用仕口部6の貫通孔28を貫通させ、下階のPCa製柱3の柱頭部25の柱用スリーブ26と、上階のPCa製柱3の柱脚部30の柱用スリーブ26とに挿入して固定している。
柱用接続鉄筋28を、柱用仕口部6の貫通孔28を貫通させて、下階のPCa製柱3の柱頭部25の柱用スリーブ26と、上階のPCa製柱3のシース管41に挿入して固定している。なお、シース管41を設けないで貫通孔40のみを形成した場合でもよい。
このようにすれば、取付け前のPCa製柱3には柱用接続鉄筋が突出していないので、この柱用接続鉄筋が運搬中や作業中に曲がったりする恐れがなくなる。したがって、PCa製柱3の取扱いや組立作業の際にそれほど気を使う必要がなくなる。
このように、現場打ちコンクリート接合部を全くなくせばコンクリートを現場打ちする必要がなくなり、これら現場打ちコンクリート接合部で大梁同士,小梁同士を補強用の鉄骨部材などで仮に接合する作業が不要になる。その結果、柱梁接合構造体の組立作業がさらに簡略化する。
または、梁間方向の大梁5aを鉄骨部材とし、この鉄骨部材でPCa製水平構造体を連結して、全体として平面視でコ字状,H字状などの所定の形状のPCa製水平構造体7としてもよい。
また、梁間方向Dを向く大梁5aにおいて、大梁5a同士を接合する梁接合部9に制振デバイス50(または、鉄骨部)を取付けて、大梁5a同士を制振デバイス50を介して接続している。制振デバイス50は、非RC構造であり制振ダンパなどが使用される。
なお、図7で上述のように大梁5aを鉄骨部材とした場合や、図8で梁間方向Dを向く大梁5aにおいて制振デバイス50の代わりに鉄骨部を梁接合部9に設けた場合には、RC造と鉄骨造とが併存することになる。
PCa製水平構造体7は平面視で直線状であり、これを矢印Eに示すように水平方向に移動させることにより、梁接合部9で大梁5同士が直接的に接合される。この場合には、桁行方向Cに延びて互いに平行な二列のラーメン構造体が構成され、両方のラーメン構造体を梁間方向Dの耐震壁51で接続することになる。
図6ないし図9に示す各変形例においても、前記実施形態と同じ作用効果を奏する。
なお、前記実施形態の構成と前記各変形例の構成とを適宜組み合わせて、PCa製水平構造体を構成してもよい。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
3 PCa製柱
4 柱梁接合構造体
5 大梁(梁)
5a 大梁(梁)
6 柱用仕口部
7 PCa製水平構造体
8 柱梁接合部
9 梁接合部
50 制振デバイス
51 耐震壁
Claims (4)
- PCa製柱とPCa製梁とが接合された建物の柱梁接合構造体であって、
前記PCa製柱の柱頭部の上面では柱用接続鉄筋が上方に突出しておらず、且つ前記柱頭部には柱継手部材が埋め込まれており、
上下方向の貫通孔が形成されたPCa製仕口を、水平方向に移動させて下階の前記PCa製柱の上に設置し、前記柱用接続鉄筋を前記PCa製仕口の前記貫通孔を貫通させ且つ前記下階のPCa製柱の前記柱継手部材で前記下階のPCa製柱の柱主筋と継手することにより、前記下階のPCa製柱と前記PCa製仕口とを直接的に接合したことを特徴とする建物の柱梁接合構造体。 - 前記PCa製仕口側から梁主筋が突出しており、
前記PCa製仕口又は前記PCa製梁を、水平方向に移動させ、これらの梁主筋を梁継手部材で継手することにより、前記PCa製仕口と前記PCa製梁とを直接的に接合したことを特徴とする請求項1に記載の建物の柱梁接合構造体。 - 前記PCa製仕口には梁継手部材が設けられていないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建物の柱梁接合構造体。
- PCa製柱とPCa製梁とが接合された建物の柱梁構造体における接合方法であって、
前記PCa製柱の柱頭部の上面では柱用接続鉄筋が上方に突出しておらず、且つ前記柱頭部には柱継手部材が埋め込まれており、
上下方向の貫通孔が形成されたPCa製仕口を、水平方向に移動させて下階の前記PCa製柱の上に設置し、前記柱用接続鉄筋を前記PCa製仕口の前記貫通孔を貫通させ且つ前記下階のPCa製柱の前記柱継手部材で前記下階のPCa製柱の柱主筋と継手することにより、前記下階のPCa製柱と前記PCa製仕口とを直接的に接合することを特徴とする建物の柱梁接合構造体における接合方法。
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