JP2008208612A - 外部耐震補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】
既存建物の内部空間と干渉しない構造物によって既存建物の耐震補強を行う。
【解決方法】 既存建物の2つの外壁面に沿って設けられ、該2つの外壁面に連結された一対の補強壁と、該一対の補強壁を、既存建物の屋根の上部で相互に連結し、該既存建物の屋根と連結された補強屋根を有する耐震補強構造であって、前記補強屋根は水平方向または既存建物の屋根と平行な構面を形成する平面架構によって構成されている耐震補強構造。
【選択図】 図3

Description

本発明は既存建物の耐震補強構造に関するものであり、より具体的には、既存建物の建物内部に補強構造を設けることなく、外部のみから有効な耐震補強を行うことができる耐震補強構造に関するものである。
既存の建物について耐震評価を行った場合、現在の厳しい耐震基準に照らせば耐震性が不十分なために耐震補強を要すると判断されることがある。このような場合の耐震補強の方法としては、柱、ブレースや耐震壁を追加する、柱の断面を増大させる、柱脚等大きな応力が発生する部位に補強版を設けるか鋼板を巻く、建物全体を免震構造化するなどの方法が取られるが、免震構造化を除いて一般に建物内部の工事を伴うために、建物内部に稼動中の生産設備が設けられているような場合には障害が多い。また、免震構造化は、建物内部の補強が不要ではあるが、工事全体が極めて大掛かりで費用も大きい。
上記の点に鑑みて、建物の内部構造に手を加えず、免震構造化に比較すれば簡易に耐震補強を行う方法として、特許文献1には、既存建物の外部からこれを補強する方法として、建物の外部に耐震補強用の構造物を建設し、既存の建物と耐震補強用の構造物を剛結することによって既存建物に発生する地震時の水平荷重を耐震補強用の構造物に負担させる方法が開示されている。
特許第3369387号公報
特許文献1に記載の方法に代表される従来の、既存建物を外部から補強する耐震補強構造物の考え方は、既存建物の外側に隣接して剛性と耐力の高い構造物を構築し、これと既存建物を結合することによって既存建物を支持するという考え方である。したがって、特許文献1の方法等による場合、耐震補強用の構造物は、それ自体で自立し、かつ、既存建物の荷重を支持するために必要な剛性と強度を持った構造物であることが必要になる。
この方法によって耐震補強を行なうと、既存建物の形状によっては耐震補強用の構造物自体が非常に不合理な構造となってしまう場合がある。すなわち、既存建物が、高さに比較してスパンの大きな、工場建屋や体育館などに見られる形状の建物の場合である。この種の既存建物を耐震補強する場合、耐震補強用の構造物は、既存建屋の上部を跨ぐ大スパン構造物として自立することが必要になるために、耐震補強用の構造物は梁または屋根構造自体が極めて大掛かりなものになる。このような状況で従来の耐震補強方法を用いると、耐震補強用の構造物自体のために、仮に既存建物が最初から必要な高い耐震性を有するように設計されていたとしたら必要となっていたであろう柱、梁、壁等の物量をはるかにしのぐ、物量を投入することが必要になってしまうのである。
上記の課題を解決するために、本発明は、既存建物の2つの外壁面に沿って設けられ、該2つの外壁面に連結された一対の補強壁と、該一対の補強壁を、既存建物の屋根の上部で相互に連結し、該既存建物の屋根と連結された補強屋根を有する耐震補強構造であって、前記補強屋根は水平方向または既存建物の屋根と平行な構面を形成する平面架構によって構成されている耐震補強構造を提供する。
本発明によって耐震補強が行われる既存建物は、剛性あるいは耐力が不十分な工場建屋等であって建物の高さに対して幅または長さが大きい建物が典型的な例であるが、耐震補強を必要とする建物であればこれに限定されない。既存建物の2つの外壁面に沿ってあるいは対抗する位置に設けられた一対の補強壁は、既存建物の該壁面と平行であっても良いし、垂直であっても良い。補強壁の構造は、鉄骨ラーメン構造、鉄骨トラス、鉄骨鉄筋コンクリート、鉄筋コンクリート等であってよく、特に制限はない。補強屋根は、前記一対の補強壁を相互に連結すること、および必要に応じて既存建物の屋根の面内を補強することが主たる目的なので、防水等通常の屋根としての機能を持たせる必要は無い。
補強壁と既存建物は、直接連結されていてもよいし、第1の連結部材によって連結されていてもよい。補強屋根と既存建物についても同様である。第1または第2の連結部材は、剛接合のための型鋼等であってもよいが、補強壁が特定の方向についてのみ耐震補強を行うものである場合には、該補強方向以外の方向には相対変位を許容する構造であってもよい。また、耐震補強構造又は連結部材は、履歴型、粘性型、それらの組み合わせ、あるいはこれらの何れにも属さない形式のエネルギー減衰機構を有してもよい。さらに、補強壁あるいは補強屋根は既存建物に対して溶接等によって直接連結あるいは接合されたものであってもよい。
特に、既存建物が桁行方向に長い建物である場合等には、既存建物の桁行方向に間隔をあけて、前記耐震補強構造を複数設けることもできる。
あるいは、前記外壁面は既存建物の桁行方向壁と梁間方向壁であって、一対の補強壁は互いに連続するように既存建物の隅部に設けることもできる。建物の四隅部に耐震補強壁を設けることも有効である。
また、前記一対の補強壁のうちの少なくとも一方は、前記一対の補強壁と直交する方向にも補強壁を有してもよい。例えば、一対の補強壁のうちの一方は、建物の桁行方向に設けられた鉄骨フレームであり、補強壁のうちの他方は、建物の桁行方向と梁間方向に補強壁を有するボックス型の平面を有する構造である。
前記補強屋根と既存建物の屋根を第2の連結部材によって相互に連結することもできる。また、前記既存建物の梁の位置に補強壁の梁を設け、既存建物の柱梁接合部と補強壁の柱梁接合部とを第1の連結部材で連結してもよい。
前記第1又は第2の連結部材がエネルギー吸収機構として作用するように構成してもよい。エネルギー吸収機構として作用するとは、連結部材自体が履歴ダンパー等として作用する場合と、連結部材とは別に粘性ダンパー等のエネルギー吸収機構を直列または並列に併設したものを含む。
前記補強壁が履歴ダンパーあるいは粘性ダンパー等のエネルギー吸収機構を有することもできる。この場合、さらに水平連結部材がエネルギー吸収機構を有するか否かは任意である。
本発明によれば、既存建物の内部工事が不要なので、建物内部の設備の稼動を中断させずに耐震補強を行うことができる。また、有効な耐震補強を行いつつ、耐震補強構造自体を最も合理的な構造とすることができる。本耐震補強構造は、高さに比較して幅が大きい既存建物を建物外部から耐震補強する際に特に有効で、耐震補強構造自体の補強屋根を軽快な構造にすることができ、全体として補強構造の物量を低減することができる。さらに、既存建物の屋根の面内合成を有効に補強することができる。
補強屋根は、水平面内の平面架構または既存建物の屋根と実質的に平行な平面架構から構成され、補強屋根の重量は必ずしも補強壁によって全て支持されることは必要でなく、補強屋根の重量の一部又は全部は既存建物の柱壁によって支持されていてもよい。このことは、補強屋根が平面架構であって重量が小さいことによって初めて可能になったものであり、補強構造を自立型にしなければならないと考える従来の発想からは到達できない考えである。
以下に、従来技術において考えられていた自立型の耐震補強構造が、既存建物が横幅に対して高さの高いものである場合には合理的であるが、横幅が高さに対して大きな場合には不合理となることについて説明する。
図1は、横幅に対して高さの高い既存建物を、従来技術において提案されている自立型の耐震補強構造によって補強した状態を模式的に示したものである。仮に、耐震補強構造600の屋根(あるいは梁)部分610が無い、あるいは屋根部分の面内(図面において紙面に平行な面)剛性が低いとすると、地震時に水平荷重を受けた際の2つの補強壁620の挙動は、ペンシルビルのように曲げ変形が支配的で、変形量の大きなものになる(図1B)。これに対して補強壁620の頂部をある程度剛性の高い屋根または梁によって連結すると、補強壁620頂部の変形は抑制される(図1C)。つまり、既存建物が高さの高いものである場合は、補強壁の頂部を補強屋根で連結することは耐震補強構造自体の変形を抑制する上で必要かつ合理的である。換言すれば、この耐震補強構造から補強屋根を取り除くと、補強壁を非常に強固なものにする必要が生じ、全体として合理的な構造にならない。
これに対して、建物の横幅が高さよりも大きい既存建物に上記の従来型耐震補強構造を適用した状態を模式的に示したものが図2である。図から明らかなように、補強屋根(あるいは梁)710は自重を支持するために非常に梁背の大きなものになり、全体として耐震補強構造の内の大きな物量が補強屋根710に費やされることになる。ところが、既存建物が幅広で相対的に高さの低いものである場合には、もともと剛性が高い補強壁720を実現することは容易で、補強壁720を補強屋根710で連結することで補強壁710の変形を抑制することは不要であるばかりか、補強屋根710で連結すると屋根の重量が補強壁720に加わることになるために補強壁720の設計上は反って不利益である。
一方、幅広で相対的に高さの低い既存建物は必然的に屋根面積が大きくなるために、屋根の面内剛性を補強することが必要になる。既存建物の屋根の面内剛性を補強するためには、水平面あるいは当該屋根の面と平行な面内に高い剛性を有する平面架構を用いることが最も合理的である。当該平面架構は、面外方向(つまり紙面の面内方向)の曲げ剛性は低いが、幅に対して高さの高い既存建物を耐震補強する場合と違って、補強屋根710が紙面の面内方向に高い剛性を有することは必要にならない。さらに、補強屋根710が平面架構であって重量が小さいことを考えると、補強屋根710の自重は、一部あるいは全部既存建物の柱に支持させることもできる。
第1の連結部材を、補強方向以外の方向には相対変位を許容する構造とした場合、例えば補強壁を既存建物の桁行方向に設け、水平連結部材を桁行方向の変形に対しては剛であるが梁間方向の変形にはスライド可能な部材とした場合には、既存建物から補強壁に対して梁間方向の荷重が加わることがないので、補強壁には梁間方向に高い耐力を持たせる必要が無い。これは、梁間方向に狭い敷地に補強壁を建設しなければならないような場合に好都合である。
特に、既存建物が桁行方向に長い建物である場合等において、既存建物の桁行方向に前記耐震補強構造を、相互に一定の間隔をあけて複数設ければ、桁行方向の壁面から既存建物へのアクセスを確保することもできる。この場合、耐震補強構造の桁行方向の幅と間隔の大きさは、主として補強壁の縦横比、既存建物の屋根の面内剛性が支配的パラメータである。つまり、1つの補強壁は縦横比が、1/1以下であることが望ましく、1/2以下であることがさらに望ましい。間隔の大きさは、既存建物の補強屋根と連結されていない部分の面内剛性・耐力によるが、当該剛性・耐力が高ければ耐震補強構造の間隔を大きく取ることができる。
例えば、1スパン補強屋根である平面架構は、建物の長手(桁行き)方向と直交する短手(スパン)方向に既存建物を跨ぐように設けられる。耐震補強として力の処理は、長手方向と短手方向で若干違うが、屋根面平面架構の間隔について以下のようになる。すなわち、長手(桁行き)方向の力に対しては、屋根面平面架構と直結している長手方向の既存梁へ軸力として伝わり、同一構面の柱に伝わるので、当該既存梁の軸耐力が十分であれば、補強屋根面平面架構の耐力さえあれば補強屋根の長手方向の間隔を大きくすることができる。短手(スパン)方向の力に対しては、屋根面平面架構からの力を耐力不足の柱へ、既存屋根面ブレースを介して伝えるため、既存屋根面ブレースの耐力に依存する。もし1スパン隣りあるいは2スパン隣りに伝達するには既存屋根面ブレースの耐力が不十分な場合は、伝達できない柱の短手(スパン)方向同一構面内の建物外部に追加補強フレームを構成することになる。
他の構造形態として、一対の補強壁を互いに連続するように既存建物の隅部、特に、建物の四隅部に設ければ、補強壁に高い合成を持たせることが可能であって合理的である。
また、例えば、一対の補強壁のうちの一方は、建物の桁行方向に設けられた鉄骨フレームであり、補強壁のうちの他方は、建物の桁行方向と梁間方向に補強壁を有するボックス断面構造あるいは立体フレームとすれば、既存建物の桁行方向については既存建物の両側に設けた鉄骨フレームとボックス構造で補強し、梁間方向についてはボックス構造あるいは立体フレームによって補強することができる。この構造も、鉄骨フレームを設けた側の敷地が制限されているような場合に好適である。
前記補強屋根と既存建物の屋根を鉛直連結部材によって連結すれば、必要に応じて既存建物の屋根の面内、面外剛性を補強することができる。また、前記既存建物の梁の位置に補強壁の梁を設け、既存建物の柱梁接合部と補強壁の柱梁接合部とを水平連結部材で連結することで、連結部位への応力集中を緩和することができる。
前記水平連結部材がエネルギー吸収機構として作用するように構成すれば、補強壁がエネルギー吸収を行う必要は無いので、補強壁として鉄筋コンクリート壁等のようにそれ自体はエネルギー吸収能力を持たない構造であっても、既存建物の振動エネルギーを有効に吸収することができる。補強壁が履歴ダンパーあるいは粘性ダンパー等のエネルギー吸収機構を有する場合には、水平連結部材がエネルギー吸収機構を有しなくても、既存建物の振動エネルギーを有効に吸収することができる。
図3は、既存建物を本発明に基づく耐震補強構造によって補強した状態を示す概念図である。例示した既存の建物は、桁行方向に長い平面形状を有する工場建物10である。当該工場建物10の桁行方向と梁間方向の水平耐力を補って耐震補強を行うために、既存建物を梁間方向にまたぐように、第1の耐震補強構造100と第2の耐震補強構造200とが設けられている。
第1の耐震補強構造100の一方の補強壁110は、既存建物10の桁行方向に2スパンを有する鉄骨フレーム平面架構であり、既存建物の梁間方向にはフレームを有しない。鉄骨フレーム内にはブレース120を有し、ブレース120が設けられている。補強壁110は、既存建物10の梁12および軒14の位置で、第1の連結部材130によって既存建物10と連結されている。
水平連結部材130は、既存建物10と補強壁110との間の、桁行方向の相対変形を伝達するが、梁間方向の相対変形を伝達することは必ずしも必要ではない。梁間方向に連結しないことによって、補強壁110が、地震時に既存建物10の梁間方向の荷重を負担することが無いので、補強壁110の断面設計が容易になる。梁間方向の荷重は、後に記載するように、他方の補強壁140が負担する。
他方の補強壁140は、既存建物10の桁行方向と梁間方向にフレームとブレース150を有し、したがってこれらの方向に高い剛性と耐力を有する鉄骨フレーム架構である。補強壁140は、第1の連結部材(図示しない)によって既存建物と連結されている。補強壁140は、また、桁行方向と梁間方向に設けたブレース150にダンパー(図示しない)を有するような構造であってもよい。ダンパーを有する構造の場合には、他方の補強壁140は、既存建物10の桁行方向および梁間方向の変形を拘束すると同時に、該補強壁140が何れの方向に変形した場合にも変形エネルギー(振動エネルギー)を吸収する。
地震時には、第1の耐震補強構造100が、既存建物10の桁行方向および梁間方向の変形を拘束するので、地震時に既存建物に生じる変形を有効に抑制することができる。補強壁110と140の桁行方向のブレースの数をそろえるなどして、同方向の剛性を実質的に同じにしておけば、捩れ振動の発生を抑制することができる。
第1の耐震補強構造100において、第1の連結部材130、160は内部にダンパーを有するものであってもよい。水平連結部材そのものが塑性変形等によってエネルギー吸収を行うものであってもよいし、弾性変形する水平連結部材と並列又は直列に履歴ダンパーが設けられていてもよい。また、エネルギー吸収部材は粘性ダンパーであってもよい。補強壁が鉄筋コンクリート壁のような内部のエネルギー吸収が小さい構造体であるような場合、水平連結部材130にエネルギー吸収部材を設けることが有効である。
補強壁110、140は、水平架構170からなる補強屋根180によって相互に連結されており、補強屋根180と既存建物の屋根部分16は、第2の連結部材190によって連結されている。図示した例の場合には、補強屋根180は、高い面内剛性を有し、既存建物の屋根の面内変形を拘束するが、補強壁110、140を連結するだけであって特に高い面内剛性を有しないものであってもよい。この場合は、補強屋根180と既存建物の屋根部分16は連結されていなくてもよい。
第2の耐震補強構造200は、既存建物10の該壁面に対向して設けられた一対の補強壁210、220が、何れも既存建物の桁行方向と梁間方向とにスパンを有する立体骨組みである点が第1の耐震補強構造100と異なっているが、それ以外の点においては第1の耐震補強構造100と同じである。補強壁210、220は、水平連結部材130、140を介して既存建物の桁行方向および梁間方向の変形を拘束する。
図4は、本発明の第2の実施例を示す概念図である。図に示した実施例では、耐震補強構造300は、既存建物50の桁行方向に設けられた補強壁310と梁間方向に設けられた補強壁320および、既存建物300の屋根の上部で補強壁310と320とを連結する補強屋根330から構成され、補強壁310と320は端部において互いに連続しており、全体として既存建物50の隅部を覆う形状である。既存建物の四隅に耐震補強構造300を設けているので、既存建物50を有効に補強すると共に、耐震補強構造300自体も、鉤型の平面と三角錐状の立体形状を有するので、高い剛性を確保するためには有利である。さらに、耐震補強構造300を建設するために、既存建物の桁行方向および梁間方向共に大きな敷地を必要としないので、敷地面積および形状に制約があるような場合にも建設が容易である。
図5は、本発明の第3の実施例を示す概念図である。図に示した実施例では、耐震補強構造400は、既存建物60の桁行方向に設けられた鉄筋コンクリート製の一対の補強壁410、420および既存建物の屋根62上部で該一対の補強壁410、420を連結する補強屋根430を有する。補強壁410、420は、既存建物60と補強壁410、420の間の水平相対変位に対して、弾塑性変形によってエネルギー吸収を行う水平連結部材440によって既存建物60と連結されている。したがって、既存建物60に桁行方向の地震動が作用した際、地震荷重が比較的小さい間は、既存建物60は補強壁410、420によって水平連結部材440によって支持されるが、地震荷重が一定の値を超えると水平連結部材440の段塑性変形によって振動エネルギーが吸収されるので有効な耐震補強が行われる。該水平連結部材440は、既存建物の梁間方向に関しては、既存建物60と補強壁410、420を剛に連結するものでもよいが、両者の相対変位を吸収する構造であることが一層望ましい。
以上、本発明の理解を容易にするために上記の実施例を示したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書の記載に基づいて当業者が容易に考えることのできるバリエーションは本発明に含まれるものであることはいうまでもない。
従来技術を幅に対して高さの高い建物に適用した場合の概念図 従来技術を高さに対して幅の大きい建物に適用した場合の概念図 本発明に基づく耐震補強構造の第1の実施例を示す概念図 本発明に基づく耐震補強構造の第2の実施例を示す概念図 本発明に基づく耐震補強構造の第1の実施例を示す概念図
符号の説明
10、50、60 既存建物
12 既存建物の梁
14 既存建物の軒
16 既存建物の屋根部分
100、200、300、400 本発明に基づく耐震補強構造
110、140、310、320、410、420 本発明に基づく補強壁
120、150 補強壁のブレース
130、160 水平連結部材
170 水平架構
180 補強屋根

Claims (7)

  1. 既存建物の2つの外壁面に沿って設けられ、該2つの外壁面に連結された一対の補強壁と、
    該一対の補強壁を、既存建物の屋根の上部で相互に連結し、該既存建物の屋根と連結された補強屋根を有する耐震補強構造であって、
    前記補強屋根は水平方向または既存建物の屋根と平行な構面を形成する平面架構によって構成されている耐震補強構造。

  2. 前記補強壁と前記既存建物の外壁面は第1の連結部材で連結され、
    前記補強屋根と前記既存建物の屋根とは第2の連結部材で連結されている前記請求項1に記載の耐震補強構造。
  3. 前記外壁面は既存建物の桁行面であって、既存建物の桁行方向に前記耐震補強構造を複数設けた請求項1または2に記載の耐震補強構造。
  4. 前記外壁面は既存建物の桁行方向壁と梁間方向壁であって、一対の補強壁は互いに連続するように既存建物の隅部に設けた請求項1または2に記載の耐震補強構造。
  5. 前記一対の補強壁のうちの少なくとも一方は、前記一対の補強壁と直交する方向にも補強壁を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の耐震補強構造。
  6. 前記既存建物の梁の位置に補強壁の梁を設け、既存建物の柱梁接合部と補強壁の柱梁接合部とを水平連結部材で連結した請求項1ないし5のいずれかに記載の耐震補強構造。
  7. 前記水平連結部材がエネルギー吸収機構として作用する請求項1ないし6のいずれかに記載の耐震補強構造。
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