JP4722560B2 - 補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材 - Google Patents

補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材 Download PDF

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Description

この発明は、地震などによる曲げモーメントが建物の杭、柱、梁などの建築部材に作用した際に、同建築部材を構成する鉄筋などの補強鋼材を略同時期に塑性化させ、補強鋼材の耐力を有効利用する建築部材の技術分野に属する。
従来、建物の杭、柱、梁などの建築部材を構成する鉄筋などの補強鋼材の耐力を有効利用するべく、補強鋼材に着眼して工夫を施す技術は見聞することができず、等しい強度の補強鋼材を、等しい形態で設置しているだけであった。
一例を挙げると、図18に示すように、杭1の中立軸Tからの距離に関係なく、等しい強度の鉄筋2を等しい形態で設置している。
そのため、地震などで曲げモーメントMが杭1に作用すると、杭1の中立軸Tから遠い鉄筋2aに、中立軸Tに近い鉄筋2bに比べてより大きな歪みが生じる。云い替えると、杭1の中立軸Tから遠い鉄筋2aが塑性化しても、中立軸Tに近い鉄筋2bは未だ塑性化していない。つまり、中立軸Tに近い鉄筋2bは十分なエネルギー吸収機能を発揮しておらず、同鉄筋2bの耐力を十分に有効利用していない。
ちなみに、地震などによる曲げモーメントが梁に作用した際に、同梁の鉄筋を略同時に降伏させて幅広いイールドヒンジ領域を形成し、梁の圧壊を防ぐ技術が、以下の特許文献1に開示されている。しかし、補強鋼材の耐力を有効利用するための技術でない。
特開平4−118445号公報
本発明の目的は、杭、柱、梁などの建築部材を、建築部材相互の接合位置で鉄筋などの補強鋼材の応力比が略等しくなるように、建築部材の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい補強鋼材を配置し、又は建築部材相互の接合位置近傍において、補強鋼材の周辺に所定の高さ(長さ)の空隙部を形成し、同空隙部の高さ(長さ)を、建築部材相互の接合位置で、補強鋼材の歪みが略等しくなるように、建築部材の中立軸から離れるにしたがい、高く(長く)設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって補強鋼材を略同時期に塑性化させる構成とし、建築部材の中立軸から遠い補強鋼材だけでなく、中立軸に近い補強鋼材にもエネルギー吸収機能を発揮させることができ、補強鋼材の耐力を有効利用することができる、補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材を提供することである。
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、
補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート杭は、基礎との接合位置である同基礎の下面位置で鉄筋の応力比が略等しくなるように、杭の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい鉄筋を配置し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする。
請求項2に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、
補強鋼材である鋼管が多重に配置された杭は、基礎との接合位置である同基礎の下面位置で鋼管の応力比が略等しくなるように、杭の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい鋼管を配置し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鋼管を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする。
請求項3に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、
補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート柱は、梁との接合位置である下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置で、鉄筋の応力比が略等しくなるように、柱の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい鉄筋を配置し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする。
請求項4に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、
補強鋼材である鋼管が多重に配置されたコンクリート充填鋼管柱は、梁との接合位置である下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置で、鋼管の応力比が略等しくなるように、柱の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい鋼管を配置し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鋼管を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする。
請求項5に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、
補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート梁は、柱との接合位置である同柱の外周面位置で鉄筋の応力比が略等しくなるように、梁の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい鉄筋を配置し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする。
請求項6に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、
補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート杭は、基礎との接合位置である同基礎の下面位置近傍おいて、鉄筋の周辺に所定の高さの空隙部を形成しており、同空隙部の高さを、基礎の下面位置で鉄筋の歪みが略等しくなるように、杭の中立軸から離れるにしたがい、高く設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする。
請求項7に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、
補強鋼材である鋼管が多重に配置された杭は、基礎との接合位置である同基礎の下面位置近傍において、鋼管の周辺に所定の高さの空隙部を形成しており、同空隙部の高さを、基礎の下面位置で鋼管の歪みが略等しくなるように、杭の中立軸から離れるにしたがい、高く設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鋼管を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする。
請求項8に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、
補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート柱は、梁との接合位置である下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置近傍において、鉄筋の周辺に所定の高さの空隙部を形成しており、同空隙部の高さを、前記下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置で、鉄筋の歪みが略等しくなるように、柱の中立軸から離れるにしたがい、高く設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする。
請求項9に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、
補強鋼材である鋼管が多重に配置されたコンクリート充填鋼管柱は、梁との接合位置である下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置近傍において、鋼管の周辺に所定の高さの空隙部を形成しており、同空隙部の高さを、前記下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置で、鋼管の歪みが略等しくなるように、柱の中立軸から離れるにしたがい、高く設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鋼管を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする。
請求項10に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、
補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート梁は、柱との接合位置である同柱の外周面位置近傍において、鉄筋の周辺に所定の長さの空隙部を形成しており、同空隙部の長さを、柱の外周面位置で、鉄筋の歪みが略等しくなるように、梁の中立軸から離れるにしたがい、長く設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項6〜10のいずれか一に記載した補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材において、
空隙部に粘弾性体を充填していることを特徴とする。
本発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、杭、柱、梁などの建築部材を、建築部材相互の接合位置で補強鋼材の応力比が略等しくなるように、建築部材の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい補強鋼材を配置し、又は建築部材相互の接合位置近傍において、補強鋼材の周辺に所定の高さ(長さ)の空隙部を形成し、同空隙部の高さ(長さ)を、建築部材相互の接合位置で補強鋼材の歪みが略等しくなるように、建築部材の中立軸から離れるにしたがい、高く(長く)設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって補強鋼材を略同時期に塑性化させる構成とし、建築部材の中立軸から遠い補強鋼材だけでなく、中立軸に近い補強鋼材にもエネルギー吸収機能を発揮させることができ、補強鋼材の耐力を有効利用することができる。
特に、請求項1〜5に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材は、建築部材の中立軸に近い補強鋼材の強度が、中立軸から遠い補強鋼材の強度に比べて、小さくて良いので、前記建築部材の中立軸に近い補強鋼材に安価な補強鋼材を採用することができ、コストの削減に寄与できる。
補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート杭は、基礎との接合位置である同基礎の下面位置で鉄筋の応力比が略等しくなるように、杭の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい鉄筋を配置し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成とする。
請求項1に記載した発明に係る補強部材の耐力を有効利用した建築部材(以下、単に建築部材と省略する場合がある。)の実施例を、図1及び図2に基づいて説明する。
本実施例の建築部材である鉄筋コンクリート杭1(以下、単に杭1と省略する。)は、通例の鉄筋コンクリート杭と略同様に、杭1の外形に倣って配置した中立軸Tから遠い鉄筋(補強鋼材)2aと、中立軸Tに近い鉄筋2bとで補強された構成としているが、鉄筋コンクリート造の基礎梁3(但し、基礎スラブ、フーチング等の通例の基礎でも良い。)との接合位置である同基礎梁3の下面3a位置で、全て(但し、この限りでない。)の鉄筋2a、2bの応力比(発生応力/降伏応力)が略等しくなるように、杭1の中立軸Tから離れるにしたがい、強度が大きい鉄筋を配置した構成としている。すなわち、杭1の中立軸Tに近い鉄筋2bに比べて、中立軸Tから遠い鉄筋2aに強度が大きい鉄筋を採用し、各々の鉄筋2a、2bの上端部を基礎梁3に定着させている。
その結果、杭1は地震などによる曲げモーメントが作用すると、杭1の中立軸Tから遠い鉄筋2aだけでなく、中立軸Tに近い鉄筋2bも略同時期に塑性化させてエネルギー吸収機能を発揮させることができる構成となり、全ての鉄筋2a、2bの耐力を有効活用することができる。
また、杭1の中立軸Tから遠い鉄筋2aに比べて、中立軸Tに近い鉄筋2bは強度が小さくて良いので、降伏強度の小さい安価な鉄筋を採用することができ、コストの削減に寄与できる。
本実施例の杭1は鉄筋コンクリート造であるが、鉄骨鉄筋コンクリート造でも同様に実施できる。
本実施例の基礎梁3も鉄筋コンクリート造であるが、やはり鉄骨鉄筋コンクリート造でも同様に実施できる(以下の実施例2、6、7も同様)。
次に、請求項2に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材を、図3及び図4に基づいて説明する。
本実施例の建築部材である鋼管杭4(以下、単に杭4と省略する。)は、通例の三重鋼管杭と略同様に、地盤に打設した中立軸Tから遠い鋼管(補強鋼材)5aと、中立軸Tに近い鋼管5bと、その間に配置された鋼管5cとで構成しているが、基礎梁3との接合位置である同基礎梁3の下面3a位置で、全ての鋼管5a〜5cの応力比が略等しくなるように、杭4の中立軸Tから離れるにしたがい、強度が大きい鋼管を配置した構成としている。すなわち、杭4の中立軸Tから遠い鋼管5a、5c、5bの順番で強度が大きい鋼管を採用し、各々の鋼管5a〜5cの上端を基礎梁3に定着させている。
その結果、杭4は地震などによる曲げモーメントが作用すると、杭4の中立軸Tから遠い鋼管5aだけでなく、中立軸Tに近い鋼管5b、更にはその間に配置した鋼管5cも略同時期に塑性化させてエネルギー吸収機能を発揮させることができる構成となり、全ての鋼管5a〜5cの耐力を有効利用することができる。
また、杭4の中立軸Tから遠い鋼管5aに比べて、中立軸Tに近い鋼管5b、その間に配置した鋼管5cは強度が小さくて良いので、降伏強度の小さい安価な鋼管を採用することができ、コストの削減に寄与できる。
本実施例の杭4は三重鋼管杭であるが、鋼管の数は特に限定されない。また、鋼管5aと5c、5cと5bの間にコンクリートが充填されたコンクリート充填鋼管杭でも同様に実施できる。
次に、請求項3に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材を、図5及び図6に基づいて説明する。
本実施例の建築部材である鉄筋コンクリート柱6(以下、単に柱6と省略する。)は、通例の鉄筋コンクリート柱と略同様に、柱6の外形に倣って配置した中立軸Tから遠い鉄筋7aと、中立軸Tに近い鉄筋7bとで補強された構成としているが、鉄筋コンクリート造の上階梁8との接合位置である同上階梁8の下面8a位置で、全て(但し、この限りでない。)の鉄筋7a、7bの応力比が略等しくなるように、柱6の中立軸Tから離れるにしたがい、強度が大きい鉄筋を配置した構成としている。すなわち、柱6の中立軸Tに近い鉄筋7bに比べて、中立軸Tから遠い鉄筋7aに強度が大きい鉄筋を採用し、各々の鉄筋7a、7bの上端部を上階梁8に定着させ、下端部を下階梁9に定着させている。
その結果、柱6は地震などによる曲げモーメントが作用すると、柱6の中立軸Tから遠い鉄筋7aだけでなく、中立軸Tに近い鉄筋7bも略同時期に塑性化させてエネルギー吸収機能を発揮させることができる構成となり、全ての鉄筋7a、7bの耐力を十分に有効活用することができる。
また、柱6の中立軸Tから遠い鉄筋7aに比べて、中立軸Tに近い鉄筋7bは強度が小さくて良いので、降伏強度の小さい安価な鉄筋を採用することができ、コストの削減に寄与できる。
本実施例の柱6は鉄筋コンクリート造であるが、鉄骨鉄筋コンクリート造でも同様に実施できる。
本実施例の上階梁8及び下階梁9も鉄筋コンクリート造であるが、鉄骨鉄筋コンクリート造でも同様に実施できる(以下、実施例4、8、9も同様)。
次に、請求項4に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材を、図7及び図8に基づいて説明する。
本実施例の建築部材であるコンクリート充填鋼管柱10(以下、単に柱10と省略する。)は、通例のコンクリート充填鋼管柱と同様に、柱10の中立軸Tから遠い鋼管11aと、中立軸Tに近い鋼管11bと、その間に配置された鋼管11cとで補強された構成としているが、上階梁8との接合位置である同上階梁8の下面8a位置で、全ての鋼管11a〜11cの応力比が略等しくなるように、柱10の中立軸Tから離れるにしたがい、強度が大きい鋼管を配置した構成としている。すなわち、柱10の中立軸Tから遠い鋼管11a、11c、11bの順番で強度が大きい鋼管を採用し、各々の鋼管11a〜11cの上端部を上階梁8に定着させ、下端部を下階梁9に定着させている。
その結果、柱10は地震などによる曲げモーメントが作用すると、柱10の中立軸Tから遠い鋼管11aだけでなく、中立軸Tに近い鋼管11b、更にはその間に配置した鋼管11cも略同時期に塑性化させてエネルギー吸収機能を発揮させることができる構成となり、全ての鋼管11a〜11cの耐力を十分に有効利用することができる。
また、柱10の中立軸Tから遠い鋼管11aに比べて、中立軸Tに近い鋼管11b、その間に配置した鋼管11cは強度が小さくて良いので、降伏強度の小さい安価な鋼管を採用することができ、コストの削減に寄与できる。
次に、請求項5に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材を、図9及び図10に基づいて説明する。
本実施例の建築部材である鉄筋コンクリート梁12(以下、単に梁12と省略する。)は、通例の鉄筋コンクリート梁と略同様に、梁12の外形に倣って配置した中立軸Tから遠い鉄筋13aと、中立軸Tに近い鉄筋13bとで補強された構成としているが、鉄筋コンクリート造の柱14との接合位置である同柱14の外周面14a位置で、全て(但し、この限りでない。)の鉄筋13a、13bの応力比が略等しくなるように、梁12の中立軸Tから離れるにしたがい、強度が大きい鉄筋を配置した構成としている。すなわち、梁12の中立軸Tに近い鉄筋13bに比べて、中立軸Tから遠い鉄筋13aに強度が大きい鉄筋を採用し、各々の鉄筋13a、13bを左右の柱14、14に通し定着させている。
その結果、梁12は地震などによる曲げモーメントが作用すると、梁12の中立軸Tから遠い鉄筋13aだけでなく、中立軸Tに近い鉄筋13bも略同時期に塑性化させてエネルギー吸収機能を発揮させることができる構成となり、全ての鉄筋13a、13bの耐力を十分に有効活用することができる。
また、梁12の中立軸Tから遠い鉄筋13aに比べて、中立軸Tに近い鉄筋13bは強度が小さくて良いので、降伏強度の小さい安価な鉄筋を採用することができ、コストの削減に寄与できる。
本実施例の梁12は鉄筋コンクリート造であるが、鉄骨鉄筋コンクリート造でも同様に実施できる。
本実施例の柱14も鉄筋コンクリート造であるが、やはり鉄骨鉄筋コンクリート造でも同様に実施できる(以下、実施例10でも同様)。
次に、請求項6に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材を、図11〜図13に基づいて説明する。
本実施例の建築部材である鉄筋コンクリート杭15(以下、単に杭15と省略する。)は、通例の鉄筋コンクリート杭と略同様に、杭15の外形に倣って配置した中立軸Tから遠い鉄筋16aと、中立軸Tに近い鉄筋16bとで補強された構成としている。しかし、杭15の中立軸Tから遠い鉄筋16aの上端部を、周辺に基礎梁3の下面3aから所定の高さLを有する空隙部17を形成してから定着させ、同空隙部17の高さLを、基礎梁3の下面3a位置で、全て(但し、この限りでない。)の鉄筋16a、16bの歪みが略等しくなる高さに設定した構成としている。すなわち、図13に示すように、歪みが集中する基礎梁3の下面3a位置近傍において、鉄筋16aの周辺に空隙部17を形成することで、鉄筋16aが基礎梁3に拘束されない箇所を形成し、当該拘束されていない箇所で鉄筋16aの伸びを吸収して歪みを小さくし、もともと歪みが小さい鉄筋16bと歪みを等しくしている。
その結果、杭15は地震などによる曲げモーメントが作用すると、杭15の中立軸Tから遠い鉄筋16aだけでなく、中立軸Tに近い鉄筋16bも略同時期に塑性化させてエネルギー吸収機能を発揮させることができる構成となり、全ての鉄筋16a、16bの耐力を十分に有効利用することができる。
本実施例の杭15は鉄筋コンクリート造であるが、鉄骨鉄筋コンクリート造でも同様に実施できる。
本実施例の空隙部17は基礎梁3の内部に形成したが、杭15の内部に形成しても良い。要するに、前記空隙部17は基礎梁3との接合位置近傍に形成していれば良い。
次に、請求項7に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材を、図14に基づいて説明する。
本実施例の建築部材である鋼管杭18(以下、単に杭18と省略する。)は、通例の三重鋼管杭と略同様に、地盤に打設した杭18の中立軸Tから遠い鋼管19aと、中立軸Tに近い鋼管19bと、その間に配置された鋼管19cとで構成している。しかし、杭18の中立軸Tから遠い鋼管19aの上端部を、周辺に基礎梁3の下面3aから所定の高さLを有する空隙部20を形成してから定着させ、更に前記鋼管19aの内側に配置した鋼管19cの上端部も、周辺に基礎梁3の下面3aから所定の高さLを有する空隙部21を形成してから定着させている。そして、前記空隙部20、21の高さL、Lを、基礎梁3の下面3a位置で、全ての鋼管19a〜19cの歪みが略等しくなるように、杭18の中立軸Tから離れるにしたがい、高く設定した構成としている。すなわち、空隙部20、21を形成しなかった場合の鋼管19a、19cの歪みは、中立軸Tから離れるにしたがい大きくなるので、その歪みの大きさに倣った長さの空隙部20、21を、それぞれ鋼管19a、19cの周辺に形成して、同鋼管19a、19cが基礎梁3に拘束されない箇所を形成し、当該拘束されていない箇所で鋼管19a、19cの伸びを吸収して相互の歪みを等しくすると共に小さくし、もともと歪みが小さい鋼管19bと歪みを等しくしている。
その結果、杭18は地震などによる曲げモーメントが作用すると、杭18の中立軸Tから遠い鋼管19aだけでなく、中立軸Tに近い鉄筋19b、更にはその間に配置した鋼管19cも略同時期に塑性化させてエネルギー吸収機能を発揮させることができる構成となり、全ての鋼管19a〜19cの耐力を十分に有効利用することができる。
次に、請求項8に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材を、図15に基づいて説明する。
本実施例の建築部材である鉄筋コンクリート柱22(以下、単に柱22と省略する。)は、通例の鉄筋コンクリート柱と略同様に、柱22の外形に倣って配置した中立軸Tから遠い鉄筋23aと、中立軸Tに近い鉄筋23bとで補強された構成とし、各々の鉄筋23a、23bの上端部を上階梁8に定着させ、下端部を下階梁(図示を省略)に定着させている。しかし、柱22の中立軸Tから遠い鉄筋23aの上端部を、周辺に上階梁8の下面8aから所定の高さLを有する空隙部24を形成してから定着させ、同空隙部24の高さLを、上階梁8の下面8a位置で、全て(但し、この限りでない。)の鉄筋23a、23bの歪みが略等しくなる高さに設定した構成としている。すなわち、歪みが集中する上階梁8の下面8a位置近傍において、鉄筋23aの周辺に空隙部24を形成することで、鉄筋23aが上階梁8に拘束されない箇所を形成し、当該拘束されていない箇所で鉄筋23aの伸びを吸収して歪みを小さくし、もともと歪みが小さい鉄筋23bと歪みを等しくしている。
その結果、柱22は地震などによる曲げモーメントが作用すると、柱22の中立軸Tから遠い鉄筋23aだけでなく、中立軸Tに近い鉄筋23bも略同時期に塑性化させてエネルギー吸収機能を発揮させることができる構成となり、全ての鉄筋23a、23bの耐力を十分に有効利用することができる。
本実施例の柱22は鉄筋コンクリート造であるが、鉄骨鉄筋コンクリート造でも同様に実施できる。
本実施例の空隙部24は上階梁8の内部に形成したが、下階梁の内部に形成したり、柱22の内部に形成しても良い。要するに、前記空隙部24は上階梁8又は下階梁との接合位置近傍に形成していれば良い。
次に、請求項9に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材を、図16に基づいて説明する。
本実施例の建築部材であるコンクリート充填鋼管柱25(以下、単に柱25と省略する。)は、通例のコンクリート充填鋼管柱と略同様に、柱25の中立軸Tから遠い鋼管26aと、中立軸Tに近い鋼管26bと、その間に配置された鋼管26cとで補強された構成とし、各々の鋼管26a〜26cの上端部を上階梁8に定着させ、下端部を下階梁(図示を省略)に定着させている。しかし、柱25の中立軸Tから遠い鋼管26aの上端部を、周辺に上階梁8の下面8aから所定の高さLを有する空隙部27を形成して定着させ、更に前記鋼管26aの内側に配置した鋼管26cの上端部を、周辺に上階梁8の下面8aから所定の高さLを有する空隙部28を形成してから定着させている。そして、空隙部27、28の高さL、Lを、上階梁8の下面8a位置で、全ての鋼管26a〜26cの歪みが略等しくなるように、柱25の中立軸Tから離れるにしたがい、高く設定した構成としている。すなわち、空隙部27、28を形成しなかった場合の鋼管26a、26cの歪みは、中立軸Tから離れるにしたがい大きくなるので、その歪みの大きさに倣った長さの空隙部27、28を、鋼管26a、26cの周辺に形成して、同鋼管26a、26cが上階梁8に拘束されない箇所を形成し、当該拘束されていない箇所で鋼管26a、26cの伸びを吸収して相互の歪みを等しくすると共に小さくし、もともと歪みが小さい鋼管26bと歪みを等しくしている。
その結果、柱25は地震などによる曲げモーメントが作用すると、柱25の中立軸Tから遠い鋼管26aだけでなく、中立軸Tに近い鋼管26b、更にはその間に配置した鋼管26cも略同時期に塑性化させてエネルギー吸収機能を発揮させることができる構成となり、全ての鋼管26a〜26cの耐力を十分に有効利用することができる。
本実施例の空隙部27、28は上階梁8の内部に形成したが、下階梁の内部に形成しても良い。要するに、前記空隙部27、28は上階梁8又は下階梁との接合位置近傍に形成していれば良い。
次に、請求項10に記載した発明に係る補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材を、図17に基づいて説明する。
本実施例の建築部材である鉄筋コンクリート梁29(以下、単に梁29と省略する。)は、通例の鉄筋コンクリート梁29と略同様に、梁29の外形に倣って配置した中立軸T10から遠い鉄筋30aと、中立軸T10に近い鉄筋30bとで補強された構成とし、各々の鉄筋30a、30bを左右の柱14、14に通し定着させている。しかし、梁29の中立軸T10から遠い鉄筋30aを、周辺に左側(但し、右側でも良く、更には両側でも良い。)の柱14の外周面14aから所定の長さLを有する空隙部31を形成してから定着させ、同空隙部31の長さLを、柱14の外周面14a位置で、全て(但し、この限りでない。)の鉄筋30a、30bの歪みが略等しくなる長さに設定した構成としている。すなわち、歪みが集中する柱14の外周面14a位置近傍において、鉄筋30aの周辺に空隙部31を形成することで、鉄筋30aが柱14に拘束されない箇所を形成し、当該拘束されていない箇所で鉄筋30aの伸びを吸収して歪みを小さくし、もともと歪みが小さい鉄筋30bと歪みを等しくしている。
その結果、梁29は地震などによる曲げモーメントが作用すると、梁29の中立軸T10から遠い鉄筋30aだけでなく、中立軸T10に近い鉄筋30bも略同時期に塑性化させてエネルギー吸収機能を発揮させることができる構成となり、全ての鉄筋30a、30bの耐力を十分に有効利用することができる。
本実施例の梁29は鉄筋コンクリート造であるが、鉄骨鉄筋コンクリート造でも同様に実施できる。
本実施例の空隙部31は柱14の内部に形成したが、梁29の内部に形成しても良い。要するに、前記空隙部31は柱14との接合位置近傍に形成していれば良い。
なお、図示は省略するが、上記実施例で形成した空隙部17等に粘弾性体を充填した構成としても、実施例6〜10と同様の効果を期待できる(請求項11記載の発明)。
以上に本発明の実施例を説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施し得る。
実施例1の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(鉄筋コンクリート杭)の水平断面図である。 実施例1の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(鉄筋コンクリート杭)の縦断面図である。 実施例2の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(三重鋼管杭)の水平断面図である。 実施例2の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(三重鋼管杭)の縦断面図である。 実施例3の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(鉄筋コンクリート柱)の水平断面図である。 実施例3の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(鉄筋コンクリート柱)の縦断面図である。 実施例4の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(コンクリート充填鋼管柱)の水平断面図である。 実施例4の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(コンクリート充填鋼管柱)の縦断面図である。 実施例5の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(鉄筋コンクリート梁)の中心軸と直交方向の垂直断面図である。 実施例5の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(鉄筋コンクリート梁)の縦断面図である。 実施例6の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(鉄筋コンクリート杭)の水平断面図である。 実施例6の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(鉄筋コンクリート杭)の縦断面図である。 杭に曲げモーメントが作用した際の鉄筋の歪み分布を示した図である。 実施例7の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(三重鋼管杭)の縦断面図である。 実施例8の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(鉄筋コンクリート柱)の縦断面図である。 実施例9の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(コンクリート充填鋼管柱)の縦断面図である。 実施例10の補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材(鉄筋コンクリート梁)の縦断面図である。 従来、杭に曲げモーメントが生じた際の鉄筋の歪み分布を示した図である。
符号の説明
1 鉄筋コンクリート杭
2 鉄筋
2a 杭の中立軸から遠い鉄筋
2b 杭の中立軸に近い鉄筋
杭の中立軸
3 基礎梁
3a 基礎梁の下面
4 三重鋼管杭
5a 杭の中立軸から遠い鋼管
5b 杭の中立軸に近い鋼管
5c 中立軸から遠い鋼管と近い鋼管との間に配置された鋼管
杭の中立軸
6 鉄筋コンクリート柱
7a 柱の中立軸から遠い鉄筋
7b 柱の中立軸に近い鉄筋
柱の中立軸
8 上階梁
8a 上階梁の下面
9 下階梁
9a 下階梁の上面
10 コンクリート充填鋼管柱
11a 柱の中立軸から遠い鋼管
11b 柱の中立軸に近い鋼管
11c 柱の中立軸から遠い鋼管と近い鋼管との間に配置された鋼管
柱の中立軸
12 鉄筋コンクリート梁
13a 梁の中立軸から遠い鉄筋
13b 梁の中立軸に近い鉄筋
梁の中立軸
14 柱
14a 柱の外周面
15 鉄筋コンクリート杭
16a 杭の中立軸から遠い鉄筋
16b 杭の中立軸に近い鉄筋
杭の中立軸
17 空隙部
空隙部の高さ
18 三重鋼管杭
19a 杭の中立軸から遠い鋼管
19b 杭の中立軸に近い鋼管
19c 杭の中立軸から遠い鋼管と近い鋼管との間に配置された鋼管
杭の中立軸
20、21 空隙部
、L 空隙部の高さ
22 鉄筋コンクリート柱
23a 柱の中立軸から遠い鉄筋
23b 柱の中立軸に近い鉄筋
柱の中立軸
24 空隙部
空隙部の高さ
25 コンクリート充填鋼管柱
26a 柱の中立軸から遠い鋼管
26b 柱の中立軸に近い鋼管
26c 柱の中立軸から遠い鋼管と近い鋼管との間に配置された鋼管
柱の中立軸
27、28 空隙部
、L 空隙部の高さ
29 鉄筋コンクリート梁
30a 梁の中立軸から遠い鉄筋
30b 梁の中立軸に近い鉄筋
10 梁の中立軸
31 空隙部
空隙部の長さ

Claims (11)

  1. 補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート杭は、基礎との接合位置である同基礎の下面位置で鉄筋の応力比が略等しくなるように、杭の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい鉄筋を配置し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする、補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材。
  2. 補強鋼材である鋼管が多重に配置された杭は、基礎との接合位置である同基礎の下面位置で鋼管の応力比が略等しくなるように、杭の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい鋼管を配置し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鋼管を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする、補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材。
  3. 補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート柱は、梁との接合位置である下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置で、鉄筋の応力比が略等しくなるように、柱の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい鉄筋を配置し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする、補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材。
  4. 補強鋼材である鋼管が多重に配置されたコンクリート充填鋼管柱は、梁との接合位置である下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置で、鋼管の応力比が略等しくなるように、柱の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい鋼管を配置し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鋼管を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする、補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材。
  5. 補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート梁は、柱との接合位置である同柱の外周面位置で鉄筋の応力比が略等しくなるように、梁の中立軸から離れるにしたがい、強度が大きい鉄筋を配置し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする、補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材。
  6. 補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート杭は、基礎との接合位置である同基礎の下面位置近傍おいて、鉄筋の周辺に所定の高さの空隙部を形成しており、同空隙部の高さを、基礎の下面位置で鉄筋の歪みが略等しくなるように、杭の中立軸から離れるにしたがい、高く設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする、補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材。
  7. 補強鋼材である鋼管が多重に配置された杭は、基礎との接合位置である同基礎の下面位置近傍において、鋼管の周辺に所定の高さの空隙部を形成しており、同空隙部の高さを、基礎の下面位置で鋼管の歪みが略等しくなるように、杭の中立軸から離れるにしたがい、高く設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鋼管を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする、補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材。
  8. 補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート柱は、梁との接合位置である下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置近傍において、鉄筋の周辺に所定の高さの空隙部を形成しており、同空隙部の高さを、前記下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置で、鉄筋の歪みが略等しくなるように、柱の中立軸から離れるにしたがい、高く設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする、補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材。
  9. 補強鋼材である鋼管が多重に配置されたコンクリート充填鋼管柱は、梁との接合位置である下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置近傍において、鋼管の周辺に所定の高さの空隙部を形成しており、同空隙部の高さを、前記下階梁の上面位置又は上階梁の下面位置の少なくとも一方の位置で、鋼管の歪みが略等しくなるように、柱の中立軸から離れるにしたがい、高く設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鋼管を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする、補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材。
  10. 補強鋼材である鉄筋で補強されたコンクリート梁は、柱との接合位置である同柱の外周面位置近傍において、鉄筋の周辺に所定の長さの空隙部を形成しており、同空隙部の長さを、柱の外周面位置で、鉄筋の歪みが略等しくなるように、梁の中立軸から離れるにしたがい、長く設定し、地震時などに作用する曲げモーメントによって鉄筋を略同時期に塑性化させる構成としたことを特徴とする、補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材。
  11. 空隙部に粘弾性体を充填していることを特徴とする、請求項6〜10のいずれか一に記載した補強鋼材の耐力を有効利用した建築部材。
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