JP2010070989A - 耐震構造、耐震構造の設計方法、及び建物 - Google Patents

耐震構造、耐震構造の設計方法、及び建物 Download PDF

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Abstract

【課題】波形鋼板のせん断座屈強度・耐力を確保し、配置の自由度を向上させた耐震構造、耐震構造の設計方法、及び耐震構造を有する建物を提供する目的とする。
【解決手段】波形鋼板20を面外方向(矢印A)から見たときに、波形鋼板20の折り筋20Aと波形鋼板22の折り筋22Aとが交差するように波形鋼板20と波形鋼板22を対向させ、ボルト40によって接合する。これにより、波形鋼板20及び波形鋼板22の弱軸周りの断面2次モーメントが、対向する他方の波形鋼板22又は波形鋼板20の強軸周りの断面2次モーメントによって補完される。従って、波形鋼板20、波形鋼板22の弾性全体座屈強度がそれぞれ大きくなり、波形鋼板20、波形鋼板22のせん断座屈が防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、架構の構面に波形鋼板を配置した耐震構造、耐震構造の設計方法、及び耐震構造を有する建物に関する。
構造物における耐震壁としては、特許文献1に示すように、波形形状に折り曲げて加工した波形鋼板を、その折り筋を横にして架構の構面に配置した波形鋼板耐震壁が提案されている。この波形鋼板耐震壁は、上下方向にアコーディオンのように伸縮するため鉛直力を負担しないが、水平力に対しては抵抗可能であり、せん断剛性・せん断耐力を確保しつつ優れた変形性能を有している。更に、せん断剛性及び強度については、鋼板の材質強度、板厚、重ね合わせ枚数、波形のピッチ、波高等を変えることにより調整可能であり、剛性及び強度等の設計自由度が高い耐震壁を実現している。そして、地震荷重等の外力より架構を構成する上下の水平部材が相対変位すると、せん断力が波形鋼板に作用し、波形鋼板がせん断変形する。これにより、外力に対して波形鋼板が抵抗し、耐震効果を発揮する。また、外力に対して波形鋼板が降伏するように設計することで、鋼板の履歴エネルギーによって振動エネルギーが吸収され、制振効果を発揮させることができる。
ところで、このように耐震性能、制震性能に優れた波形鋼板耐震壁は、板厚を薄く抑えることが可能であり、一般的な鉄筋コンクリート造の耐震壁と比べて、その設置幅(波形鋼板の面と直交する方向の長さ)を小さく抑えることができ、省スペース化を実現している。更に、板厚を薄く抑えることで一般的なプレス機を用いて鋼板を波形形状に加工できるため、波形鋼板の製作コストを削減できる。しかし、板厚を薄くした場合には、せん断座屈を防止するための手段を講じることが望ましい。
せん断座屈を防止する手段としては、図17(A)、図17(B)に示すように、架構200の構面に配置された波形鋼板202に、複数の補剛リブ204を溶接することが考えられる。しかし、この溶接作業には熟練を要し、更に、溶接熱によって波形鋼板202が歪み、波形鋼板202の寸法誤差が大きくなる場合がある。
また、複数の波形鋼板を対向させて、ボルト及びナットで接合する方法が考えられる(例えば、特許文献2)。この波形鋼板耐震壁は、対向する波形鋼板の折り筋同士を略平行にして重ね合わせたり、若しくは背合わせにしたりして波形鋼板同士を接合して構成されている。この場合、対向する波形鋼板が協同してせん断力に抵抗するため、波形鋼板耐震壁の断面2次モーメントが大きくなり、せん断座屈が防止される。
しかしながら、波形鋼板は折り筋と平行する軸線を回転軸として折れ曲るような曲げ(曲げ変形)に対しては抵抗力が小さいという機械的性質を有している。特許文献2の波形鋼板耐震壁では、波形鋼板の左右の端部に取り付けられた縦フランジによって、このような曲げ変形に対する強度(曲げ剛性)を確保しているが、波形鋼板耐震壁に求められる耐震性能、制震性能によっては、縦フランジの高さ(波形鋼板の面と直交する方向の長さ)を大きくしなければならない。そのため、波形鋼板耐震壁の設置幅が大きくなり、設置の自由度が低下する場合がある。
特開2005−264713号公報 特開2008−31633号公報
本発明は、上記の事実を考慮し、波形鋼板のせん断座屈強度・耐力を確保し、配置の自由度を向上させた耐震構造、耐震構造の設計方法、及び耐震構造を有する建物を提供する目的とする。
請求項1に記載の耐震構造は、柱と水平部材とから構成される架構に接合される第1波形鋼板と、前記第1波形鋼板と対向して前記架構に接合されると共に、前記第1波形鋼板を面外方向から見たときにその折り筋が前記第1波形鋼板の折り筋と交差する第2波形鋼板と、前記第1波形鋼板と前記第2波形鋼板とを接合する接合手段と、を備えている。
上記の構成によれば、柱と水平部材とから構成される架構に、第1波形鋼板と第2波形鋼板とが配置されている。これらの第1波形鋼板及び第2波形鋼板は、架構に接合されると共に、第1波形鋼板を面外方向から見たときに、第1波形鋼板の折り筋と第2波形鋼板の折り筋とが交差するように対向して配置されている。更に、第1波形鋼板と第2波形鋼板とは、接合手段によって接合されている。
ここで、第1波形鋼板、第2波形鋼板は、折り筋と平行な軸線(以下、「弱軸」という)を回転軸として折れ曲るような曲げ(曲げ変形)に対しては抵抗力(弱軸周りの断面2次モーメント)が小さい一方で、折り筋と直交する軸線(以下、「強軸」という)を回転軸して折れ曲がるような曲げ(曲げ変形)に対しては、抵抗力(強軸周りの断面2次モーメント)が大きいという機械的性質を有している。
請求項1に記載の耐震構造は、この機械的性質を活かし、第1波形鋼板を面外方向から見たときに、各々の折り筋が交差するように第1波形鋼板と第2波形鋼板を対向させて接合手段により接合する。即ち、第1波形鋼板及び第2波形鋼板の弱軸周りの断面2次モーメントを、対向する他方の第2波形鋼板又は第1波形鋼板の強軸周りの断面2次モーメントによって補完させる。従って、弱軸を回転軸としてはらみ出すようなせん断座屈に対する抵抗力、即ち、弱軸周りの曲げ剛性が大きくなり、第1波形鋼板、第2波形鋼板の弾性全体座屈強度がそれぞれ大きくなる。従って、第1波形鋼板、第2波形鋼板のせん断座屈が防止される。
更に、第1波形鋼板、第2波形鋼板に補剛リブを溶接する場合と比較して、施工性が良いためコスト削減を図ることができる。
請求項2に記載の耐震構造は、請求項1に記載の耐震構造において、前記第1波形鋼板を面外方向から見たときに、前記第1波形鋼板の折り筋と前記第2波形鋼板の折り筋とが直交している。
上記の構成によれば、各々の折り筋が直交するように第1波形鋼板と第2波形鋼板とが対向して配置されている。従って、各々の折り筋が直交していない場合と比較して、弱軸周りの断面2次モーメントに対する補完効果が向上する。よって、第1波形鋼板、第2波形鋼板の弾性全体座屈強度がそれぞれ大きくなり、第1波形鋼板、第2波形鋼板のせん断座屈が防止される。
請求項3に記載の耐震構造は、請求項2に記載の耐震構造において、前記第1波形鋼板が、該第1波形鋼板の折り筋を横にして配置され、前記第2波形鋼板が、該第2波形鋼板の折り筋を縦にして配置されている。
上記の構成によれば、第1波形鋼板がその折り筋を横にして配置され、第2波形鋼板がその折り筋を縦にして配置される。これにより、第1波形鋼板、第2波形鋼板の折り筋を斜めにして配置する場合と比較して、第1波形鋼板、第2波形鋼板の製作が容易となり、コスト削減を図ることができる。
請求項4に記載の耐震構造は、請求項3に記載の耐震構造において、前記第2波形鋼板を前記水平部材に接合しない。
第1波形鋼板及び第2波形鋼板は、その折り筋と直交する方向の外力に対しては、アコーディオンのように伸縮するため剛性が小さい。一方、折り筋と平行する方向の外力に対しては、アコーディオンのように伸縮せず、折り板の軸剛性によって抵抗する。即ち、折り筋を縦にして架構に配置された第2波形鋼板は、第1波形鋼板と比較して鉛直剛性が大きくなり易い。
従って、このような第2波形鋼板を水平部材に接合しないことで水平部材の拘束が軽減され、水平部材の変形性能が確保される。これにより、ラーメン構造としての架構の靭性が確保することができる。
更に、第2波形鋼板を水平部材に接合しないことで、柱の軸変形や柱・水平部材のクリープ変形等によって、水平部材から第2波形鋼板に軸力が導入されることがなく、第2波形鋼板の変形性能の低下が防止される。
請求項5に記載の耐震構造は、水平部材から構成される架構に接合される第1波形鋼板と、前記第1波形鋼板と対向して前記架構に接合されると共に前記第1波形鋼板を面外方向から見たときにその折り筋が前記第1波形鋼板の折り筋と交差する第2波形鋼板と、前記第1波形鋼板と前記第2波形鋼板とを接合する接合手段と、を備えている。
上記の構成によれば、第1波形鋼板と第2波形鋼板とを水平部材によって構成された架構、例えば、床面や屋根面に配置する。
架構の床面に配置された第1波形鋼板及び第2波形鋼板は、架構に作用する水平力の伝達経路となる。この水平力に第1波形鋼板及び第2波形鋼板が抵抗して耐震性能を発揮する。また、水平力に対して第1波形鋼板及び第2波形鋼板が降伏するように設計することで、鋼板の履歴エネルギーによって振動エネルギーが吸収され、制振効果を発揮し得る。従って、一般的なコンクリートスラブ等と比較して、軽量かつ耐震性能、制震性能に優れた床構造を構築できる。
架構の床面と同様に、架構の屋根面に配置された第1波形鋼板及び第2波形鋼板は、水平力の伝達経路となる。従って、第1波形鋼板及び第2波形鋼板が耐震要素、制震要素として機能する。これに加え、第1波形鋼板及び第2波形鋼板を屋根面に配置した場合は、外側に配置された第1波形鋼板又は第2波形鋼板が、風雨を防ぐ屋根材として役割を果たす。一般的な屋根構造では、屋根材と耐震要素との2つ部材を取り付ける必要があるところ、本耐震構造は第1波形鋼板及び第2波形鋼板を取り付けるだけ良いため、施工性が向上すると共に、軽量かつ耐震性能、制震性能に優れた屋根構造を構築できる。
請求項6に記載の耐震構造の設計方法は、柱と水平部材とから構成される架構に接合される第1波形鋼板と前記架構に接合される第2波形鋼板とを、該第1波形鋼板の面外方向から見たときに、前記第1波形鋼板の折り筋と前記第2波形鋼板の折り筋とが交差するように対向させて接合する。
上記の構成によれば、柱と水平部材とから構成される架構に、第1波形鋼板及び第2波形鋼板を配置する。これらの第1波形鋼板及び第2波形鋼板は、架構に接合されると共に、第1波形鋼板を面外方向から見たときに、第1波形鋼板の折り筋と第2波形鋼板の折り筋とが交差するように対向して接合される。これにより、第1波形鋼板及び第2波形鋼板の弱軸周りの断面2次モーメントが、対向する他方の第2波形鋼板又は第1波形鋼板の強軸周りの断面2次モーメントによって補完される。
従って、第1波形鋼板を面外方向から見たときに、第1波形鋼板の折り筋と第2波形鋼板の折り筋とが平行する場合と比較して、第1波形鋼板、第2波形鋼板の弾性全体座屈強度がそれぞれ大きくなり、座屈防止手段としての補剛リブ等を減らすことができる。従って、第1波形鋼板、第2波形鋼板の製作性の向上、コスト削減を図ることができる。
請求項7に記載の建物は、請求項1〜5の何れか1項に記載の耐震構造を有している。
上記の構成によれば、請求項1〜5の何れか1項に記載の耐震構造を有することにより、耐震性能が向上した建築構造物を構築することができる。
本発明は、上記の構成としたので、波形鋼板のせん断座屈強度・耐力を確保しつつ、波形鋼板の配置の自由度を向上させることができる。
図面を参照しながら本発明の実施形態に係る耐震構造、耐震構造の設計方法、及び耐震構造を有する建物について説明する。以下、本発明の耐震構造を鉄筋コンクリート造(以下、「RC造」という)の建物に適用した場合を例に説明するが、本発明の耐震構造は、鉄骨鉄筋コンクリート造、プレキャストコンクリート造、鉄骨造等の種々の構造の建物に適用することができる。
先ず、第1の実施形態に係る耐震構造10の構成について説明する。
図1〜図3に示すように、耐震構造10は、波形鋼板20(第1波形鋼板)及び波形鋼板22(第1波形鋼板)を備えている。これらの波形鋼板20、22は建物12を構成する架構14の構面に配置されている。この架構14は、RC造の左右の柱16と、RC造の上下の梁18(水平部材)とから構成されている。
波形鋼板20及び波形鋼板22は、鋼板を略同一の波形形状に折り曲げて形成されている。波形鋼板20はその折り筋20Aを横(折り筋20Aの向きを横方向)にして架構14の構面に配置され、波形鋼板22は、その折り筋22Aを縦(折り筋22Aの向きを上下方向)にして架構14の構面に配置されている。これらの波形鋼板20及び波形鋼板22は、波形鋼板20(波形鋼板22)を面外方向(矢印A)から見たときに、折り筋20Aと折り筋22Aとが直交(仮想平面上に投影した折り筋20Aと折り筋22Aとが直交)するように架構14の構面に対向して配置されている。また、これらの波形鋼板20、22には、普通鋼や低降伏点鋼等が用いられる。なお、説明の便宜上、波形鋼板20を面外方向から見た場合を例に説明するが、波形鋼板22を面外方向から見ても良く、即ち、対向する波形鋼板の何れか一方を面外方向から見れば良い。また、面外方向とは、波形鋼板20、22の鋼板面と直交する方向を意味する。
波形鋼板20の左右の端部には、鋼製の縦フランジ24A、24Bがそれぞれ設けられている。この縦フランジ24A、24Bはプレート状に形成されており、波形鋼板20の左右の端部に沿って溶接固定されている。また、波形鋼板20の上下の端部には、鋼製の横フランジ26A、26Bがそれぞれ設けられている。この横フランジ26A、26Bは、波形鋼板20の上下の端部に沿って溶接固定されている。縦フランジ24A、24B及び横フランジ26A、26Bは、各々の端部同士が溶接等によって接合されており、波形鋼板20の外周部を囲む枠体28を構成している。この枠体28及び波形鋼板20によって波形鋼板耐震壁が構成されている。また、枠体28を柱16及び梁18に接合することで、架構14と波形鋼板20とがせん断力(水平力)を相互に伝達可能に接合される。具体的には、図4に示すように、枠体28には、せん断力伝達要素としてのスタッド30が複数設けられている。スタッド30は枠体28の外面に溶接固定されており、これらのスタッド30を架構14の施工時に柱16及び梁18の内周部に埋め込むことで波形鋼板20と架構14とがせん断力を相互に伝達可能に接合される。
波形鋼板22の左右の端部には、鋼製の縦フランジ32A、32Bがそれぞれ設けられている。この縦フランジ32A、32Bはプレート状に形成されており、波形鋼板22の左右の端部に沿って溶接固定されている。また、波形鋼板22の上下の端部には、鋼製の横フランジ34A、34Bがそれぞれ設けられている。この横フランジ34A、34Bは、波形鋼板22の上下の端部に沿って溶接固定されている。縦フランジ32A、32B及び横フランジ34A、34Bは、各々の端部同士が溶接等によって接合されており、波形鋼板22の外周部を囲む枠体36を構成している。この枠体36及び波形鋼板22によって波形鋼板耐震壁が構成されている。この枠体36を柱16及び梁18に接合することで、架構14と波形鋼板22とが相互にせん断力を伝達可能に接合される。架構14と波形鋼板22とは、波形鋼板20と同様の方法によって接合される。
なお、架構14と波形鋼板20、22との接合方法は、上記したものに限らず、架構14と波形鋼板20、22とがせん断力を相互に伝達可能に接合できれば良い。例えば、柱16及び梁18の内周部にスタッド等のせん断力伝達要素を備えた接合用プレートを埋め込み、この接合用プレートに波形鋼板20、22に設けられた枠体28、36をボルト又は溶接等によって接合しても良い。更には、柱16及び梁18の内周部にせん断力を伝達可能なナット等のジョイント部材を埋め込み、このジョイント部材と波形鋼板20、22に設けられた枠体28、36とをボルトによって接合しても良い。
また、波形鋼板20、22は、必ずしも柱16及び梁18に接合する必要はなく、柱16又は梁18にのみ接合しても良い。
図2(B)又は図3(B)に示すように、波形鋼板20、22には、それぞれ貫通孔38、39が形成されている。これらの貫通孔38、39に貫通されるボルト40(接合手段)によって波形鋼板20、22同士が全面に渡って接合されている。なお、図2(A)、図2(B)に示すように、波形鋼板20、22との間に空間46が存在する位置では、波形鋼板20又は波形鋼板22の対向面に長ナット42(接合手段)に溶接固定しておき、この長ナット42を介して波形鋼板20と波形鋼板22とを接合しても良い。また、図3(A)、図3(B)に示すように、波形鋼板20、22の対向面が接触する位置では、ボルト40及びナット44(接合手段)によって接合しても良いし、溶接、リベット、高力ボルト等を用いて接合しても良い。更に、斜辺部が長くなる場合には、斜辺部をボルト等の接合手段によって接合しても良い。このように対向する波形鋼板20、22を接合手段によって接合することで、架構14から伝達される水平力(せん断力)に対して波形鋼板20、22が協同して抵抗可能となる。
なお、波形鋼板20、22は、工場で接合しても良いし、現場で接合しても良い。また、本実施形態では枠体28、36を別々の部材として構成したが、枠体28、36を一つの部材で構成しても良い。この場合、波形鋼板20、22を接合した後に、これらの波形鋼板20、22の外周部に枠体を溶接等によって接合する。更に、これらの枠体28、36を構成する縦フランジ24A、24B、32A、32B及び横フランジ26A、26B、34A、34Bは、プレート状に限らず、H型鋼、L型鋼、チャネル鋼等で構成しても良い。
次に、第1の実施形態に係る耐震構造10の作用について説明する。
風や地震等によって架構14に水平力が作用し、架構14に層間変形が生じると、枠体28、36を介して波形鋼板20、22にせん断力が伝達され、波形鋼板20、22がそれぞれせん断変形する。これにより、水平力に対して波形鋼板20、22が抵抗し、耐震効果を発揮する。また、水平力に対して波形鋼板20、22が降伏するように設計することで、鋼板の履歴エネルギーによって振動エネルギーが吸収され、制振効果を発揮する。この場合、波形鋼板20、22に充分な耐震性能・制震性能を発揮させるためには、波形鋼板20、22が面外方向にはらみ出すせん断座屈を適切に防止することが望ましい。
ここで、波形鋼板耐震壁の弾性全体座屈強度について説明する。なお、弾性全体座屈強度とは、せん断座屈に対する強度の度合いを示す設計値である。
図5(B)には、モデル化した波形鋼板耐震壁50が示されている。この波形鋼板耐震壁50は、波形鋼板52と枠体54とから構成されており、波形鋼板52には2枚の補剛リブ56A、56Bが所定の間隔hで設けられている。これらの補剛リブ56A、56Bは、波形鋼板52の折り筋52Aと直交するように上下方向に延設されている。この波形鋼板耐震壁50の弾性全体座屈強度τ crは式(1)によって与えられる。なお、図5(B)では、縦軸をX軸とし、横軸をY軸としている。また、波形鋼板52の各寸法を図6に示す。なお、式(1)では、枠体54の剛性・耐力を考慮していない。
ここで、D:一枚の折り板の水平方向の単位長さ当たりの曲げ剛性(D=E×I、E:鋼板のヤング係数、I:Y軸周りの断面2次モーメント)、D:一枚の折り板の鉛直方向の単位長さ当たりの曲げ剛性(D=E×I、I:X軸周りの断面2次モーメント)、L:波形鋼板の高さ、t:波形鋼板の板厚、k:波形鋼板の形状によって決まる座屈係数である。
また、座屈係数kは、式(2)、式(3)及び図5(A)に示す表から算出される。
ここで、θ:曲げ・ねじり剛性比、φ:パネル寸法と剛性の縦横比、Dxy:波形鋼板のねじり剛性(Dxy=G×Ixy、G:鋼板のせん断弾性係数、Ixy:ねじりモーメント)、L:波形鋼板の幅である。
X軸周りの断面2次モーメントI、Y軸周りの断面2次モーメントI、及び、ねじりモーメントは式(4)〜式(6)によって与えられる。
ここで、図6に示すように、a:頂面部の折り目長さ、b:斜辺部の折り目長さ、c:斜辺部の折り目の投影長さ、h:波の高さ、trib:補剛リブの板厚、hrib:補剛リブの片側高さ(補剛リブの総高さは2hrib)、h:補剛リブの間隔、である。
具体的に、波形鋼板52の各種寸法を表1にように設定すると、X軸周りの断面2次モーメントIは5226mm/mmとなり、Y軸周りの断面2次モーメントIは869mm/mmとなる。この場合、波形鋼板52のX軸周りの断面2次モーメントIは、Y軸周りの断面2次モーメントIの約6倍(I/I=5226/869=6.01)大きくなることが分かる。即ち、波形鋼板52は、折り筋52Aと直交する軸線(強軸)を回転軸として面外方向へ折れ曲がるような曲げ(曲げ変形)に対しては抵抗力(剛性)が大きく、折り筋52Aと平行なY軸方向を回転軸として折れ曲がるような曲げに対しては抵抗力(剛性)が小さいことが分かる。
ここで、式(1)より波形鋼板耐震壁50の弾性全体座屈強度τ crは、波形鋼板52の水平方向の単位長さ当たりの曲げ剛性Dの3/4乗に比例し、この波形鋼板52の水平方向の単位長さ当たりの曲げ剛性Dは、Y軸周りの断面2次モーメントIに比例していることが分かる。従って、波形鋼板耐震壁50の弾性全体座屈強度τ crを大きくするためには、Y軸周りの断面2次モーメントIを大きくすることが有効かつ効果的である。
本実施形態では、図1に示すように、波形鋼板20を面外方向(矢印A)から見たときに、波形鋼板20の折り筋20Aと波形鋼板22の折り筋22Aとが直交するように、波形鋼板20と波形鋼板22とを対向させてボルト40等により接合する。即ち、図7(A)及び図7(B)に示す模式図のように、波形鋼板20の弱軸周りの断面2次モーメントIy1が、波形鋼板22の強軸周りの断面2次モーメントIy2によって補完されると共に、波形鋼板22の弱軸周りの断面2次モーメントIx2が波形鋼板20の強軸周りの断面2次モーメントIx1によって補完される。従って、波形鋼板20、22の弾性全体座屈強度τ crがそれぞれ大きくなり、波形鋼板20、22のせん断座屈が防止される。なお、図7(A)及び図7(B)では、理解を容易にするために波形鋼板20、22を対向させずに左右に並べて示している。
また、2枚の波形鋼板20、22をボルト40によって接合することで、耐震構造10全体のせん断耐力が大きくなり、更に、これらの波形鋼板20、22が地震等の水平力に対して協同して抵抗可能となる。従って、耐震構造10の耐震性能・制震性能が向上する。
一方、式(5)より、Y軸周りの断面2次モーメントIは、補剛リブの片側高さhribの3乗に比例していることが分かる。従って、補剛リブ56A、56B(図5(B)参照)の片側高さhrib(図6参照)を大きくしてY軸周りの断面2次モーメントIを大きくする方法も考えられる。しかしながら、補剛リブ56A、56Bの片側高さhribによってY軸周りの断面2次モーメントIを確保しようとすると、波形鋼板耐震壁50に求められる耐震性能、制震性能によっては片側高さhribが過大となり、波形鋼板耐震壁50の設置幅(波形鋼板52の面と直交する方向の長さ)が大きくなって、波形鋼板耐震壁50の設置位置の自由度が損なわれる場合がある。
これ対して耐震構造10では、その設置幅を小さく抑えつつ、波形鋼板20、22の弾性全体座屈強度τ crを大きくすることができる。また、対向して配置された波形鋼板20、22は、力学的に並列バネとして水平力に抵抗するため、各々の波形鋼板20、22が負担する耐力(せん断力)が小さくなる。従って、波形鋼板20、22の板厚等を薄く抑えることができる。
更に、補剛リブ56A、56Bの溶接には熟練するため、波形鋼板耐震壁50の製作に手間がかかるところ、耐震構造10であれば、このような補剛リブを削減又は省略することができる。また、対向する波形鋼板20、22をボルト40等によって接合するだけ良いため施工性が良く、コスト削減を図ることができる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る耐震構造10の変形例について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図8に示すように、本変形例では、第1の実施形態に変えて波形鋼板22を上下の梁18に接合せず、左右の柱16にのみ接合している。なお、図8では、波形鋼板22を架構14の前面に配置し、波形鋼板20の架構14の背面に配置している。
波形鋼板22は、縦フランジ32A、32Bを左右の柱16にそれぞれ接合することで架構14の構面に配置されている。また、波形鋼板22の横フランジ34A、34Bと上下の梁18との間には、それぞれ空間が設けられている。
ここで、波形鋼板20、22は、その折り筋20A、22Aと直交する方向の外力に対しては、アコーディオンのように伸縮するため剛性が小さい。一方、折り筋20A、22Aと平行する方向の外力に対しては、アコーディオンのように伸縮せず、各折り板の軸剛性によって抵抗する。即ち、折り筋22Aを縦にして架構14に配置された波形鋼板22は、波形鋼板20と比較して鉛直剛性が大きくなり易い。
従って、波形鋼板22を上下の梁18に接合すると上下の梁18が拘束され、ラーメン構造としての靭性・耐力に影響を与える場合がある。このように架構14の靭性・耐力に波形鋼板22の鉛直剛性が影響を及ぼす場合には、本変形例のように波形鋼板22を上下の梁18に接合しないことが望ましい。この場合、上下の梁18が波形鋼板22によって拘束されず、架構14の靭性・耐力を確保することができる。また、上下の梁18の変形が拘束されないため、上下の梁18から波形鋼板20へのせん断力の伝達が良好となり、波形鋼板20における耐震効果、制震効果が大きくなる。更に、柱16の軸変形や柱16及び梁18のクリープ変形等によって、梁18から波形鋼板22に軸力が導入されず、波形鋼板22の耐震性能、制震性能の低下が防止される。
なお、図1に示す構成のように、波形鋼板22を上下の梁18と接合する場合には、波形鋼板22に軸力が導入されないように、架構14、建物12等の施工の最終段階で、波形鋼板22を上下の梁18に接合することが好ましい。
また、本変形例では、理解を容易にするために、波形鋼板22の横フランジ34A、34Bと上下の梁18との間にそれぞれ空間を設けたが、これらの空間を設けずとも横フランジ34A、34Bと上下の梁18とを接合しなければ良い。更に、上下の梁18の何れか一方と横フランジ34A、34Bとを接合しなければ良い。
次に、第2の実施形態に係る耐震構造60の構成について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図9(平面図)に示すように、第2の実施形態では、第1の実施形態に替えて、波形鋼板20、22を床面に取り付ける。耐震構造60は、建物12の架構66の構面(床面)に床材として波形鋼板20、22を配置する。この架構66は、RC造の柱62から張り出すRC造の梁64(水平部材)によって構成されている。
第1の実施形態と同様に、波形鋼板20、22の外周部には、枠体28、36が設けられており、これらの枠体28、36を梁64の内周面に接合することで梁64と波形鋼板20、22とがせん断力を相互に伝達可能に接合される。なお、梁64と枠体28、36との接合は、第1の実施形態と同様の方法によって接合される。
波形鋼板20、22は、波形鋼板20を面外方向(図9において、紙面手前から奥に向かう方向)から見たときに、波形鋼板20の折り筋20Aと波形鋼板22の折り筋22Aとが直交するように対向して配置され、第1の実施形態と同様にボルト40(接合手段)によって接合されている。
次に、第2の実施形態に係る耐震構造60の作用について説明する。
先ず、一般的な床構造68を図10に示し、地震荷重等によって床構造68(床面)に作用する水平力の荷重分布について説明する。なお、図10は従来の床構造68を示す平面図である。
図10には、RC造の柱70から張り出した梁72によって構成される4つの架構74A、74B、74C、74Dが示されている。各架構74A〜74Dの構面(床面)には、鉄筋コンクリート造のスラブ76を敷設されている。また、架構74A及び架構74Dを構成する梁72には、耐震要素としての鉄骨ブレース78が設置されている。
風や地震等によって床構造68に水平力Fが作用すると、剛性・強度が大きい鉄骨ブレース78に水平力Fが流れる。即ち、スラブ76に発生するせん断力の荷重分布は、矢印Rのように、床構造68の中央から鉄骨ブレース78に向かって大きくなる。
このように各スラブ76はせん断力の伝達経路となるが、せん断力は主に耐震要素としての鉄骨ブレース78において吸収される。本実施形態では、これらのスラブ76に替えて波形鋼板20、22を架構の構面(床面)に配置することで、床材に振動エネルギー吸収機能を持たせるものである。
即ち、図9に示す構成において、風や地震等によって架構66に水平力が作用すると、枠体28、36を介して波形鋼板20、22にせん断力が伝達され、波形鋼板20、22がそれぞれせん断変形する。これにより、水平力に対して波形鋼板20、22が抵抗し、耐震効果を発揮する。また、水平力に対して波形鋼板20、22が降伏するように設計することで、鋼板の履歴エネルギーによって振動エネルギーが吸収され、制振効果を発揮する。従って、上記した一般的な床構造68と比較して、軽量かつ耐震性能、制震性能に優れた床構造を構築できる。
更に、本実施形態では、波形鋼板20を面外方向から見たときに、波形鋼板20の折り筋20Aと波形鋼板22の折り筋22Aとが直交するように対向させて接合する。従って、波形鋼板20、22の弱軸周りの断面2次モーメントが、他方の波形鋼板22又は波形鋼板20の強軸周りの断面2次モーメントによって補完されるため、波形鋼板20、22の弾性全体座屈強度τ crがそれぞれ大きくなり、波形鋼板20、22のせん断座屈が防止される。
次に、第3の実施形態に係る耐震構造80の構成について説明する。なお、第1、第2の実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図11(A)又は図11(B)に示すように、第3の実施形態では、第1の実施形態に替えて、屋根構造82の構面(屋根面)に屋根材として波形鋼板20、22を配置する。屋根構造82は、H型鋼からなる棟木材84と、この棟木材84から左右に張り出したH型鋼からなる垂木材86、88から構成されている。これらの垂木材86、88(水平部材)は、棟木材84の長手方向に沿って所定の間隔で複数配置され、棟木材84に接合されている。隣接する垂木材86の間、及び隣接する垂木材88の間には、H型鋼からなる桟木材90、92(水平部材)がそれぞれ所定の間隔で架け渡されている。
図11(B)は、屋根構造82をS方向から見た図であり、垂木材86及び桟木材90によって構成される架構94が示されている。この架構94の構面には、波形鋼板20、22が配置されている。第1の実施形態と同様に、波形鋼板20、22の外周部には、枠体28、36が設けられており、これらの枠体28、36を垂木材86、88のウェブ部及び桟木材90、92のウェブ部に接合することで、垂木材86、88及び桟木材90、92と波形鋼板20、22とがせん断力を相互に伝達可能に接合されている。垂木材86、88、桟木材90、92と枠体28、36とは、ボルト、高力ボルト、リベット、溶接等によって接合される。
波形鋼板20、22は、波形鋼板20を面外方向(図11(B)において、紙面手前から奥に向かう方向)から見たときに、波形鋼板20の折り筋20Aと波形鋼板22の折り筋22Aとが直交するように対向して配置され、ボルト40(接合手段)によって接合されている。
次に、第3の実施形態に係る耐震構造80の作用について説明する。
風や地震等によって架構94に水平力が作用すると、枠体28、36を介して波形鋼板20、22にせん断力が伝達され、波形鋼板20、22がそれぞれせん断変形する。これにより、水平力に対して波形鋼板20、22が抵抗し、耐震効果を発揮する。また、水平力に対して波形鋼板20、22が降伏するように設計することで、鋼板の履歴エネルギーによって振動エネルギーが吸収され、制振効果を発揮する。このように、屋根構造82に形成された架構94の構面(屋根面)に波形鋼板20、22を配置すると、外側に配置された波形鋼板20が耐震要素、制震要素として機能すると共に、風雨を防ぐ屋根材として役割を果たす。一般的な屋根構造ではルーフデッキ等の屋根材と制震ブレース等の耐震要素との2つ部材を取り付ける必要があるところ、本実施形態では、波形鋼板20がこれらの2つの機能を兼ね備えている。従って、波形鋼板20を架構94に配置するだけで良いため施工性が向上する。なお、本実施形態では、傾斜した屋根面(いわゆる勾配屋根)に波形鋼板20を配置したがこれに限らず、水平な屋根面(いわゆる陸屋根)にも波形鋼板20を配置することができる。
更に、本実施形態では、波形鋼板20を面外方向から見たときに、波形鋼板20の折り筋20Aと波形鋼板22の折り筋22Aとが直交するように対向させて接合する。従って、波形鋼板20、22の弱軸周りの断面2次モーメントが、他方の波形鋼板22又は波形鋼板20の強軸周りの断面2次モーメントによって補完されるため、波形鋼板20、22の弾性全体座屈強度τ crがそれぞれ大きくなり、波形鋼板20、22のせん断座屈が防止される。
なお、上記第1〜3の実施形態では、波形鋼板20を面外方向から見たときに、波形鋼板20の折り筋20Aと波形鋼板22の折り筋22Aとが直交するように、波形鋼板20と波形鋼板22とを対向させて、架構14、66、94の構面に配置したがこれに限らない。波形鋼板20、22の弱軸周りの断面2次モーメントの補完効果を大きくする上では、各々の折り筋20A、22Aを直交させた方が好ましいが、図12に示すように、波形鋼板20を面外方向(矢印A)から見たときに、折り筋20Aと折り筋22Aとが所定の角度θで交差していれば、上記の補完効果を得ることができる。即ち、折り筋20Aと折り筋22Aとを交差させることで、折り筋20Aと折り筋22Aとを平行に配置した場合と比較して、波形鋼板20、22の弾性全体座屈強度τ crを向上させることができる。
また、図12に示すように、波形鋼板20、22は、その折り筋20A、22Aを斜めにして架構14に配置することができる。ただし、波形鋼板20、22の製作性の観点からすると、図1に示す構成のように折り筋20A、22Aを横又は縦にして配置した方が好ましい。
更に、上記第1〜3の実施形態では、波形鋼板20、22の全面に渡ってボルト40等を配置し、対向する波形鋼板20、22同士を接合したがこれに限らない。波形鋼板20、22の外周部は各架構14、66、94によって拘束されるため、中央部と比較してせん断座屈が起こり難い。従って、図13に示すように、波形鋼板20、22の中央部にボルト40を集約させて、対向する波形鋼板20、22同士を接合しても良い。この場合、波形鋼板20、22に形成する貫通孔38、39の数が減るため波形鋼板20、22の製作性が向上すると共に、接合作業の手間が減るため施工性、コスト削減を図ることができる。なお、図13に示す構成では、ボルト40を千鳥状に配置して、ボルト40の数を削減している。
また、対向する波形鋼板20、22は、波形形状、強度、耐力等が同一である必要がない。更に、強度・耐力も同一である必要がない。波形形状、耐力等は、求められる耐震性能、制震性能、及び波形鋼板20、22が配置される架構の形状に応じて適宜設計すれば良い。更に、上記した架構14、66、94には2枚の波形鋼板20、22を配置したがこれに限らず、3枚以上の波形鋼板を対向させて配置しても良い。例えば、図14及び図15に示す構成では、架構14の構面に3枚の波形鋼板20、22、96を対向させて配置している。波形鋼板96は、波形鋼板22と同一構成とされており、その折り筋96Aを横(折り筋96Aの向きを横方向)にして架構14の構面に配置されている。そして、波形鋼板20又は波形鋼板96を面外方向(矢印A)から見たときに、折り筋20A、22A、96Aが相互に直交するように架構14の構面に対向して配置されている。なお、各波形鋼板20、22、96には、左右の端部に縦フランジ24A、24Bが設けられると共に上下の端部に横フランジ26A、26Bが設けられている。これらの縦フランジ24A、24B及び横フランジ26A、26Bを接合して構成される一つの枠体28によって波形鋼板20、22、96の外周部が囲まれている。このように、3枚以上の波形鋼板を架構14に配置することができる。この場合、波形鋼板を面外方向から見たときに、少なくとも、対向する1組の波形鋼板の折り筋同士が交差していれば良い。更に、波形鋼板20、22、96には、図16(A)〜(D)に示すような断面形状をした波形鋼板を用いることができる。
また、上記第1、2の実施形態における柱16、梁18は、鉄筋コンクリート造に限らず、また、上記第3の実施形態における垂木材86、88及び桟木材90、92等は、鉄骨造に限らない。架構14、66、94を構成する柱、梁、垂木材、及び桟木材等は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、プレストレスコンクリート造、鉄骨造、更には現場打ち工法、プレキャスト工法等の種々の工法を用いた構造部材に適用可能である。また、第1の実施形態において、梁18に替えてコンクリートスラブや小梁で架構14を構成しても良い。
更に、本発明の耐震構造10、60、80を有することで、耐震性能、制震性能が向上された建物12を構築することができる。この場合、耐震構造10、60、80は、建物の一部に用いても良いし、全てに用いても良い。また、これらの耐震構造10、60、80を組み合せて建物12を構築しても良い。更に、本発明の耐震構造10、60、80は、新設及び改修建物の両方に適用可能である。改修建物に適用する場合であって設置済みの波形鋼板が存在する場合には、設置済みの波形鋼板の折り筋に対して、新たな波形鋼板の折り筋が交差すように対向させて接合すれば良い。
以上、本発明の第1〜第3の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、第1〜第3の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
本発明の第1の実施形態に係る耐震構造を示す正面図である。 (A)は図1の1−1線断面図であり、(B)は図2(A)の要部拡大図である。 (A)は図1の2−2線断面図であり、(B)は図3(A)の要部拡大図である。 本発明の第1の実施形態に係る耐震構造の断片を示す説明図である。 (A)は座屈係数と剛性縦横比との関係を示すグラフであり、(B)モデル化した波形鋼板を示す正面図である。 モデル化した波形鋼板の断面形状を示す説明図である。 (A)、(B)は、本発明の第1の実施形態に係る波形鋼板を模式化した斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る耐震構造の変形例を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態に係る耐震構造を示す平面図である。 従来の床構造を示す平面図である。 (A)は、本発明の第3の実施形態に係る耐震構造が適用された屋根構造を示す説明図であり、(B)は、図11(A)のR方向から見た図である。 本発明の第1の実施形態に係る耐震構造の変形例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る耐震構造の変形例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る耐震構造の変形例を示す正面図である。 図14の8−8線断面図である。 本発明の全ての実施形態に係る波形鋼板の断面形状を示す断面図である。 (A)は従来の波形鋼板耐震壁を示す正面図であり、(B)は図17(A)の9−9線断面図である。
符号の説明
10 耐震構造
12 建物
14 架構
16 柱
18 梁(水平部材)
20A 折り筋
20 波形鋼板(第1波形鋼板)
22 波形鋼板(第2波形鋼板)
22A 折り筋
38 貫通孔(接合手段)
40 ボルト(接合手段)
42 長ナット(接合手段)
44 ナット(接合手段)
60 耐震構造
64 梁(水平部材)
66 架構
80 耐震構造
84 棟木材(水平部材)
86 垂木材(水平部材)
88 垂木材(水平部材)
90 桟木材(水平部材)
94 架構

Claims (7)

  1. 柱と水平部材とから構成される架構に接合される第1波形鋼板と、
    前記第1波形鋼板と対向して前記架構に接合されると共に、前記第1波形鋼板を面外方向から見たときにその折り筋が前記第1波形鋼板の折り筋と交差する第2波形鋼板と、
    前記第1波形鋼板と前記第2波形鋼板とを接合する接合手段と、
    を備える耐震構造。
  2. 前記第1波形鋼板を面外方向から見たときに、前記第1波形鋼板の折り筋と前記第2波形鋼板の折り筋とが直交する請求項1に記載の耐震構造。
  3. 前記第1波形鋼板が、該第1波形鋼板の折り筋を横にして配置され、
    前記第2波形鋼板が、該第2波形鋼板の折り筋を縦にして配置される請求項2に記載の耐震構造。
  4. 前記第2波形鋼板を前記水平部材に接合しない請求項3に記載の耐震構造。
  5. 水平部材から構成される架構に接合される第1波形鋼板と、
    前記第1波形鋼板と対向して前記架構に接合されると共に前記第1波形鋼板を面外方向から見たときにその折り筋が前記第1波形鋼板の折り筋と交差する第2波形鋼板と、
    前記第1波形鋼板と前記第2波形鋼板とを接合する接合手段と、
    を備える耐震構造。
  6. 柱と水平部材とから構成される架構に接合される第1波形鋼板と前記架構に接合される第2波形鋼板とを、該第1波形鋼板の面外方向から見たときに、前記第1波形鋼板の折り筋と前記第2波形鋼板の折り筋とが交差するように対向させて接合する耐震構造の設計方法。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載の耐震構造を有する建物。
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CN103418900A (zh) * 2013-07-18 2013-12-04 杭州博数土木工程技术有限公司 双波形钢板纵横组合构件及制造工艺

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