JP5703412B2 - 板状集合住宅の架構構造 - Google Patents

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Description

本発明は、板状集合住宅の架構構造に関し、詳細には、桁行方向をRC造とし、梁間方向に梁S造を混合させた架構構造に関する。
従来、集合住宅などの板状住宅では、性能面やコスト面の有利性からRC(鉄筋コンクリート)造が多く採用されている。例えば、鉄筋コンクリートの壁を戸境に配置することにより、隣接する住戸間の遮音性を高めるとともに、梁間方向の耐震性を向上させることができる。一方、居住性(振動や音など)を重視して戸境壁の厚さやスラブの厚さを設定すると、部材寸法が構造安全性に基づくものよりも大きくなることがあり、このような場合には、建物重量が大きくなるために荷重を支える柱や基礎をも大型化する必要が生じ、結果として建設コストが大幅にアップすることになる。
また、RC造の板状住宅では、柱や梁が居住空間に張り出し、自在な空間形成の障害となることから、板状住宅の長手方向に沿って対峙した状態に立設される架構を、H型鋼を鉄骨とする鉄骨コンクリート構造材からなる柱および梁から形成し、対峙する柱間の短手方向(住戸の戸境)に沿って複数の鉄骨からなる間柱を立設するとともに、これら柱および間柱間に鉄骨(S)からなる小梁を連設し、間柱を戸境壁内に配置するとともに小梁をスラブ床内に埋設した架構構造が提案されている(特許文献1参照)。この架構構造によれば、板状住宅の短手方向に鉄筋コンクリートを用いないため、建物重量を軽減することができる。
特許第4520242号公報
しかしながら、特許文献1の架構構造では、間柱を多く設置するため、各間柱に対応して基礎杭やフーチングを構築する必要があり、特に基礎部において依然として建設コストが高くなる。
本発明はこのような背景に鑑みなされたものであり、柱や梁の居住空間への張り出しを抑制しつつ、住宅性能を落とさずに建設コストを低減できる板状住宅の架構構造を提供することをその主たる目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、多階層を有するとともに各階層(F)にて複数の住戸(2)を一方向に並べてなる板状集合住宅の架構構造(1)であって、桁行方向に延在するとともに梁間方向に対峙するように一対に配置され、鉄筋コンクリート柱(11)および鉄筋コンクリート梁(12)によりRCラーメン構造に構成された第1架構(10)と、梁間方向に延在するように配置され、対峙する一対の鉄筋コンクリート柱(11)および当該一対の鉄筋コンクリート柱間に架け渡された鉄骨梁(22)により柱RC梁S構造に構成された第2架構(20)とを備え、前記梁間方向において、基礎コンクリートによって支持される柱が前記一対のコンクリート柱のみであり、前記第2架構が、前記一対の鉄筋コンクリート柱間に形成される壁(3)の内部に配置されて常時荷重を負担する鉄骨ブレース(23)を各階層に有するように構成する。
この構成によれば、梁間方向の梁が鉄骨梁とされたことにより梁型を居住空間に突出させないようにできるとともに、梁間方向の鉄骨ブレースが壁の内部に配置され且つ第2架構が柱RC梁S架構とされたことにより、鉄骨ブレースによって梁間方向の水平耐力を高めて耐震強度を確保しつつ建物の重量を軽減することができる。
また、引用文献1のように梁間方向に架け渡す鉄骨梁を用いる板状住宅では、通常、一対の鉄筋コンクリート柱間に間柱を設け、この間柱に常時の荷重を負担させる一方、鉄骨ブレースには水平力のみを負担させるが、鉄骨ブレースに常時荷重を負担させることにより、間柱を省略することが可能になり、これにより、基礎杭の本数を少なくできるとともに基礎杭やフーチングの小型化も可能となる。したがって、住宅性能を落とすことなく建設コストを低減できる。また、間柱を省略できるために戸境壁に開口を設けやすくなり、将来の用途変更に対する自由度も高まる。
さらに、引用文献1のようにブレースに水平力のみを負担させると、上層階のスラブなどの荷重が加わった後に鉄骨ブレースを固定する必要があり、柱梁の建て方中に鉄骨ブレースを固定することができない。したがって、内装工事などを柱梁の建て方に平行して行うことができず、工期短縮の障害となる。一方、本発明によれば、常時荷重を負担させることで鉄骨ブレースの固定を柱梁の建て方と同時に行えるようになり、工期を大幅に短縮することができる。
また、本発明、最下層に設けられた前記鉄骨ブレースが負担し得る水平力が、前記最下層よりも上方の各階層に設けられた前記鉄骨ブレースが負担し得る水平力よりも小さくなる構成とする。
この構成によれば、各階層における鉄骨ブレースの水平耐力の保有水平耐力に対する比βuが、最下層においてその上方の各階層よりも小さくなる、すなわち最下層の靭性が上層階に比べて高くなり、横力による架構構造の破壊が起こり難くなるため、部材寸法の大型化を回避することができる。
また、本発明、少なくとも最下層(F1)において、前記鉄骨梁が間柱を介することなく前記一対の鉄筋コンクリート柱間に架け渡されるとともに、前記鉄骨ブレースがその下端を前記鉄筋コンクリート柱の下端付近に接合してハの字状を呈するように2本配置された構成とする。
この構成によれば、最下層の1つ上の階層からの軸力を対峙する一対の鉄筋コンクリートの下端を介してその基礎部(基礎杭)へ伝達させることができる。そのため、板状住宅の外周縁のみに基礎杭を配置すれば足り、建設コストを効果的に低減できる。
また、本発明の一側面によれば、前記鉄骨ブレースは、壁を4スパンに分割して一方の鉄筋コンクリート柱から他方の鉄筋コンクリート柱へ向けて第1スパン(S1)から第4スパン(S4)としたときに、パンごとに単一の斜材として配置される片ブレースであり、最下層(F1)よりも上方の階層(F2,F3,・・)においては、W字状および逆W字状を上層に向けて交互に呈するように第1スパンから第4スパンに4本配置され、前記最下層においては、ハの字状を呈するように第1および第4スパンに2本配置される構成とすることができる。
このような構成とすることにより、基礎杭の配置を板状住宅の外周縁のみにして建設コストを効果的に低減できるとともに、全ての階層において間柱をなくすことができる。
また、最下層よりも上方の階層においては、梁間方向の構面の破壊メカニズムが鉄骨の特性(靭性が大きな特性)により定まるため、必要保有水平耐力の値を算出するのに使用されるDs値(構造特性係数)が比較的小さな値となる一方、最下層においては、基礎コンクリートと鉄筋コンクリート柱とが剛節を構成し、梁間方向の構面の破壊メカニズムがRCの特性(靭性が小さな特性)により定まるため、Ds値が比較的大きな値となり、大きな部材寸法が必要となる。そこで、上記のような構成として、最下層の鉄骨ブレースの水平力に対する負担を軽減することにより、最下層の耐力壁(鉄骨ブレース)の水平耐力の和の保有水平耐力に対する比βuを小さくし、すなわち靭性を大きくし、Ds値を小さくして部材寸法の大型化を回避することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記最下層に配置された前記鉄骨ブレースは、水平力を負担しないように上端または下端が梁間方向に移動可能に接続する構成とすることができる。
このように構成することにより、最下層の鉄骨ブレースによる保有水平耐力に対する比βuを略0とし、すなわち靭性を最大限に大きくし、確実にDs値を小さくして部材寸法の大型化を回避することができる。
このように本発明によれば、柱や梁の居住空間への張り出しを抑制しつつ、住宅性能を落とさずに建設コストの低減できる板状住宅を提供することができる。
第1実施形態に係る板状集合住宅の架構構造の概略斜視図 図1に示す架構構造の2階部分を示す概略平面図 図2中のIII−III線沿って示す架構構造の概略断面図 図1に示す架構構造の作用効果の説明図 図1に示す架構構造の変形例を示す概略平面図 第2実施形態に係る板状集合住宅の架構構造の概略断面図 第3実施形態に係る板状集合住宅の架構構造の概略断面図
以下、本発明に係る板状集合住宅の架構構造1について、いくつかの実施形態を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
まず、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態に係る板状集合住宅の架構構造1について説明する。図1〜図3に示すように、架構構造1は、多階層を有するとともに各階層Fにて複数の住戸2を一方向に並べてなる板状集合住宅に適用されるものであり、桁行方向に延在するとともに梁間方向に対峙するように一対に配置された第1架構10と、梁間方向に延在するとともに桁行方向に間隔をおいて複数配置された第2架構20とを有する。
第1架構10は、桁行方向に所定の間隔に配置された鉄筋コンクリート柱(以下、RC柱11と示す)と、隣接するRC柱11間に架け渡された鉄筋コンクリート梁(以下、RC梁12と示す)とによりRCラーメン構造に構成されている。なお、RC柱11およびRC梁12は、現場打ちで構築してもよく、プレキャスト製品を組み立てて構築してもよい。一方、第2架構20は、梁間方向に対峙する一対のRC柱11と、一対のRC柱11間に架け渡された鉄骨梁22とにより柱RC梁S構造に構成されている。なお、RC柱11は、桁行方向に少なくとも2列配置されていればよく、その列数は限定されるものではない。
第2架構20には、各階層Fにおいて、防音材が内部に設置されたうえでALC(軽量発泡コンクリート)などの壁材が取り付けられて壁3(図2に想像線で示す)が形成される。以下、必要に応じ、隣接する住戸2間の壁3を戸境壁3aと称し、角住戸2の端面を構成する壁3を外壁3bと称する。なお、壁3は、共用廊下やバルコニーがRC柱11の外側に設置される場合には、梁間方向に対峙する一対のRC柱11間の全長にわたって設けられ、共用廊下やバルコニーがRC柱11の内側に設置される場合には、少なくとも戸境壁3aが梁間方向に対峙する一対のRC柱11間においてRC柱11に至らないように内側部分のみに設けられる。ここでは、戸境壁3aおよび外壁3bはともに、一対のRC柱11間の全長にわたって設けられている。
第2架構20は、一対のRC柱11および鉄骨梁22のほか、鉄骨ブレース23を各階層Fに有している。鉄骨ブレース23は、壁3の内部すなわち壁材の内部に配置されるとともに、常時荷重(鉛直荷重)を負担するものであり、地震時などの水平力による引張力だけでなく、鉛直荷重による圧縮力を常時受けるため、引張・圧縮ともに安定した軸力抵抗を発生する公知の座屈拘束型とされている。
図2、図3に示すように、鉄骨ブレース23は、壁3を一方のRC柱11から他方のRC柱11へ向けて第1スパンS1から第4スパンS4に分割したときに、各スパンSに単一の斜材として配置される片ブレースである。そして、鉄骨ブレース23は、最下層F1においては、その下端をRC柱11の下端付近に接合してハの字状を呈するように、第1スパンS1および第4スパンS4に各1本の合計2本配置され、最下層F1よりも上方の階層F2,F3・・においては、W字状および逆W字状を上層に向けて交互に呈するように、第1スパンS1から第4スパンS4に各1本の合計4本配置されている。ここで、最下層F1とは、板状住宅が地下階を有しない場合は1階を意味し、地下階を有する場合にはそのうち最下の階を意味するものであり、ここでは最下層F1を1階とし、図中ではスラブSLの頭に階数を付して示している。なお、鉄骨ブレース23は、ガセットプレートなどを介して鉄骨梁22やそのRC柱11との接合部などに接続するが、図面にはこれらを省略して示している。
具体的には、最下層F1の鉄骨ブレース23の上端は、第1スパンS1と第2スパンS2との境界部および第3スパンS3と第4スパンS4との境界部にてそれぞれ鉄骨梁22に接続している。その1層上の階層F2の鉄骨ブレース23は、第1スパンS1および第2スパンS2の鉄骨ブレース23の下端が最下層F1の第1スパンS1の鉄骨ブレース23の上端直上すなわち第1スパンS1と第2スパンS2との境界部にて鉄骨梁22に接続し、第3スパンS3および第4スパンS4の鉄骨ブレース23の下端が最下層F1の第4スパンS4の鉄骨ブレース23の上端直上すなわち第3スパンS3と第4スパンS4との境界部にて鉄骨梁22に接続している。さらにその1層上の階層F3の鉄骨ブレース23も、各下端が直下の階層F2の鉄骨ブレース23の上端直上にて鉄骨梁22に接続している。
詳細な図示は省略するが、2階から上の階層F2,F3・・に配置された鉄骨ブレース23の上端および下端は、鉄骨梁22あるいは鉄骨梁22とRC柱11との接合部近傍に対して、複数のボルトナットにより締結された剛節接合とされている。一方、1階に配置された鉄骨ブレース23は、上端および下端の一方において、上記同様の剛節接合とされる一方、上端および下端の他方においては、鉄骨梁22あるいは鉄骨梁22とRC柱11との接合部近傍に対して、梁間方向に移動可能にローラーなどにより転接または摺接している。なお、1階の鉄骨ブレース23も上端および下端が剛節接合とされる形態とすることもできる。
このように構成された第2架構20によれば、図3に黒塗り矢印で示すように、上層階の鉛直荷重(スラブ荷重)は、鉄骨ブレース23の軸力(圧縮力)となってRC柱11または鉄骨梁22のスパン境界部に伝達し、鉄骨梁22のスパン境界部に伝達した荷重は、その下層階の鉄骨ブレース23の軸力となってさらに下方へ伝達し、2階スラブ2SLを支持する最下層F1の鉄骨梁22に伝達した荷重は、第1スパンS1および第4スパンS4に配置された鉄骨ブレース23によってそれぞれRC柱11或いは基礎コンクリート5を介して基礎杭6に伝達する。
このように、スラブ荷重が鉄骨ブレース23によっても負担されることにより、第2架構20に間柱24(図4(C)参照)を設けなくとも鉛直荷重に対する耐力が確保されている。そして、最下層F1では鉄骨ブレース23が第1スパンS1および第4スパンS4のみに設けられているため、第2スパンS2および第3スパンS3の境界部に鉛直荷重が伝達することはなく、当該位置に基礎杭6を設ける必要もない。
なお、鉄骨ブレース23をこのように配置したことによるメリットは他にもある。図4(A)に示すように、最下層F1にも上層階と同様に4本の鉄骨ブレース23を設置した場合、第2スパンS2および第3スパンS3の境界部に基礎杭6が必要になるばかりでなく、その典型例のDs値(構造特性係数)を建物右側に示すように、第2架構20の2階から上の階層F2,F3・・においてはその破壊メカニズムが鉄骨の特性(靭性が大きな特性)により定まるため、Ds値が比較的小さな値(0.25)となるが、最下層F1においては、破壊メカニズムがRCの特性(靭性が小さな特性)により定まるうえ、鉄骨ブレース23の水平耐力の保有水平耐力に対する比βuが大きくなる、すなわち靭性が小さくなるため、Ds値が大きな値(0.4以上)となって部材寸法が大型化する。
一方、βuを小さくするために、図4(B)に示すように最下層F1に鉄骨ブレース23を設置しないようにした場合には、Ds値を小さな値(0.3)にすることはできるが、最下層F1の鉄骨梁22では、上層階の鉄骨ブレース23から鉛直荷重が加わるために強度不足が生じる。最下層F1の鉄骨梁22の強度を補うために、図4(C)に示すように、第1スパンS1および第2スパンS2の境界部および第3スパンS3および第4スパンS4の境界部に間柱24を設けることも可能であるが、このようにした場合には、Ds値を小さな値(0.3)にすることはできても、間柱24の位置に基礎杭6が必要になり、建設コストがアップする。
そこで、図4(D)に示す本実施形態のように、最下層F1においては第1スパンS1および第4スパンS4に2本の鉄骨ブレース23をその下端がRC柱11の下端付近に接合するようにハの字状に配置することにより、最下層F1の鉄骨梁22の強度を補いつつ、最下層F1のβuを小さくすることでDs値を小さな値(0.3)にすることが可能となり、部材寸法の大型化を回避することができる。
また、架構構造1の桁行方向の第1架構10がRCラーメン構造とされたことにより、全体を鉄骨造(S造)とした場合に比べて建設コストの低減が図られる一方、架構構造1の梁間方向の第2架構20が、RC柱11に鉄骨梁22を組み合わせた柱RC梁S構造とされたことにより、全体をRC造とした場合に比べて建物重量が軽減され、コスト低減と重量軽減の両立が実現できる。
また、第2架構20を、常時荷重を負担する鉄骨ブレース23を含み、間柱24を含まないようにしたことにより、間柱24を支持するための基礎杭6をなくし、基礎を含む建物全体のコストも低減している。同時に、間柱24を省略できたために、図3に想像線で示すように戸境壁3aに開口7を設けやすくなり、将来の用途変更に対する自由度も高まっている。
他方、梁間方向の第2架構20が鉄骨梁22と壁3の内部に配置された鉄骨ブレース23とを含んで構成されたことにより、梁型を住戸2の居住空間に突出させないようにし易くなるとともに、梁間方向の耐震強度も確保されている。
そして、鉄骨ブレース23が常時荷重を負担するように構成されたため、架構構造1を構築する際には、RC柱11および鉄骨梁22の建て方中に鉄骨ブレース23の設置と同時に鉄骨ブレース23の上端および下端の接続を完了させることができる。そのため、ブレースが水平力のみを負担する構成とした場合のように、上層階のスラブなどの荷重が加わった後に鉄骨ブレース23を固定することによって内装工事などの開始時期が遅れて工期が長くなることがなく、工期を大幅に短縮することができる。
<変形例>
次に、第1実施形態の変形例について図5を参照して説明する。同図に示すように、架構構造1は、上記同様の第1架構10を有する一方、桁行方向に配置されたRC柱11に対して1つおきに第2架構20を有し、第2架構20の間には、梁間方向に対峙する一対のRC柱11と、一対のRC柱11間に架け渡された鉄骨梁22により、鉄骨ブレース23を備えない柱RC梁S構造に構成された第3架構30を有する。
架構構造1の両端面には、第2架構20が配置されて想像線で示す外壁3bが設けられ、それ以外の構面には、第3架構30と第2架構20とが交互に配置され、それぞれに想像線で示す戸境壁3aが設けられており、各階層FがRC柱11の桁行方向間隔で複数の住戸2に区画されている。なお、更なる変形例として、第3架構30に戸境壁3aが設けられず、RC柱11の2スパンで住戸2が区画されるような形態としてもよい。架構構造1がこのように構成されても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
≪第2実施形態≫
次に、図6を参照して本発明の第2実施形態に係る板状集合住宅の架構構造1について説明する。なお、第1実施形態と同一または同様の部材などには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第3実施形態についても同様とする。
本実施形態に係る架構構造1は、桁行方向については第1実施形態と同様の第1架構10を有する一方、梁間方向については図6に示すような構成の第2架構120を有しており、その詳細を以下に明らかにする。第2架構120は、第1実施形態と同様に、梁間方向に対峙する一対のRC柱11と、一対のRC柱11間に架け渡された鉄骨梁22と、各階層Fに配置され、且つ壁3の内部に配置されて常時荷重を負担する鉄骨ブレース23とを含む他、間柱24を含んで柱RC梁S構造に構成されている。なお、ここで柱RCとは、基礎(基礎コンクリート5または基礎杭6)に接合する通し柱(RC柱11)がRC造であることを意味する。
間柱24は、鉄骨からなり、第1スパンS1と第2スパンS2との境界部および第3スパンS3と第4スパンS4との境界部において最下層F1の1つ上の階層F2から最上層Fxにわたるように同軸に2本設けられている。
一方、鉄骨ブレース23は、最下層F1においては、その下端をRC柱11の下端付近に接合してハの字状を呈するように、第1スパンS1および第4スパンS4に各1本の合計2本配置され、最下層F1よりも上方の階層F2,F3・・においては、逆V字状を呈するように第2スパンS2および第3スパンS3に各1本の合計2本が各階層Fに配置されている。
したがって、第2架構120は、最下層F1において、2階スラブ2SLを支持する鉄骨梁22が間柱24を介することなく一対のRC柱11間に架け渡され、鉄骨ブレース23の下端がRC柱11の下端付近のみに接合しており、最下層F1よりも上方の階層F2,F3・・においては、鉄骨梁22が間柱24を介して一対のRC柱11間に架け渡され、鉄骨ブレース23の下端が1つ下の階層Fの間柱24または鉄骨ブレース23の上端近傍に接合している。
第2架構120がこのように構成されたことにより、上層階の鉛直荷重(スラブ荷重)の一部は、間柱24および鉄骨ブレース23の軸力(圧縮力)となって間柱24の下端が接合する鉄骨梁22のスパン境界部に伝達し、鉄骨梁22のスパン境界部に伝達した荷重は、最下層F1の鉄骨ブレース23の軸力となってRC柱11或いは基礎コンクリート5を介して基礎杭6に伝達する。
このように、スラブ荷重が間柱24と鉄骨ブレース23とによって負担されることにより、第2架構20の間柱24の本数および鉄骨ブレース23の本数を、どちらか一方のみとする場合に比べて少なくするとともに、水平耐力を確保することができる。そして、最下層F1では、間柱24が設けられず且つ鉄骨ブレース23が第1スパンS1および第4スパンS4のみに設けられているため、第1スパンS1〜第4スパンS4の境界部に鉛直荷重が伝達することはなく、RC柱11の直下以外の位置に基礎杭6を設ける必要もない。
さらに、第1実施形態と同様、最下層F1においては第1スパンS1および第4スパンS4に2本の鉄骨ブレース23をその下端がRC柱11の下端付近に接合するようにハの字状に配置したことにより、最下層F1の鉄骨梁22の強度を補いつつ、最下層F1のβuを小さくすることでDs値を小さな値(0.3)にすることが可能となり、部材寸法の大型化を回避することができる。なお、本実施形態においても、最下層F1の鉄骨ブレース23について、上端または下端を転接または摺接させて水平力を負担させない構成や、許容応力の小さな部材を用いて水平力の負担を低減する構成とすることで、鉄骨ブレース23の水平耐力を、最下層F1において上方の階層F2,F3・・に比べて小さくし、最下層F1の靭性を向上させることもできる。そして、上層の階層F2,F3,・・において鉄骨ブレース23の本数が少なくなったことで、想像線で示すように戸境壁3aにより大きな開口7を設けられるようになる。
≪第3実施形態≫
最後に、図7を参照して本発明の第3実施形態に係る板状集合住宅の架構構造1について説明する。本実施形態に係る架構構造1は、梁間方向について図7に示すような構成の第2架構220を有している。第2架構220は第1実施形態と同様、梁間方向に対峙する一対のRC柱11と、一対のRC柱11間に架け渡された鉄骨梁22と、各階層Fに配置され、且つ壁3の内部に配置されて常時荷重を負担する鉄骨ブレース23とにより柱RC梁S構造に構成されている。
鉄骨ブレース23は、最下層F1においては、その下端をRC柱11の下端付近に接合してハの字状を呈するように、第1スパンS1および第4スパンS4に各1本の合計2本配置され、その1つ上の階層F2においては、その下端を鉄骨梁22の第2スパンS2と第3スパンS3との境界部および第3スパンS3と第4スパンS4との境界部にそれぞれ接合して逆V字状を呈するように、第2スパンS2および第3スパンS3に各1本の合計2本が配置され、最下層F1と1つ上の階層F2とで2階層にわたる大きな逆V字状を呈している。さらにその上方の階層F3,F4,・・においては、2階層ごとに大きな逆字状呈するように鉄骨ブレース23が配置されている。
第2架構120がこのように構成されても、第1および第2実施形態で説明したのと同様の効果を得られるとともに、想像線で示した開口7をより大きな態様で戸境壁3aに設けることができる。なお、第2実施形態と同様に、最下層F1の鉄骨ブレース23について、上端または下端を転接または摺接させて水平力を負担させない構成や、許容応力の小さな部材を用いて水平力の負担を低減する構成とすることで、鉄骨ブレース23の水平耐力を、最下層F1において上方の階層F2,F3・・に比べて小さくし、最下層F1の靭性を向上させることもできる。
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。例えば、上記第2および第3実施形態においても、第1実施形態の変形例のように、桁行方向に配置されたRC柱11に対して1本おきに第2架構120,220を配置するような形態とすることができる。また、上記実施形態に示した本発明に係る架構構造1の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
1 架構構造
2 住戸
3 壁
3a 戸境壁
3b 外壁
10 第1架構
11 RC柱(鉄筋コンクリート柱)
12 RC梁(鉄筋コンクリート梁)
20,120,220 第2架構
22 鉄骨梁
23 鉄骨ブレース
24 間柱
F 階層
F1 最下層
S1 第1スパン
S2 第2スパン
S3 第3スパン
S4 第4スパン

Claims (3)

  1. 多階層を有するとともに各階層にて複数の住戸を一方向に並べてなる板状集合住宅の架構構造であって、
    桁行方向に延在するとともに梁間方向に対峙するように一対に配置され、鉄筋コンクリート柱および鉄筋コンクリート梁によりRCラーメン構造に構成された第1架構と、
    梁間方向に延在するように配置され、対峙する一対の鉄筋コンクリート柱および当該一対の鉄筋コンクリート柱間に架け渡された鉄骨梁により柱RC梁S構造に構成された第2架構とを備え、
    前記梁間方向において、基礎コンクリートによって支持される柱が前記一対のコンクリート柱のみであり、かつ少なくとも最下層において前記鉄骨梁が間柱を介することなく前記一対の鉄筋コンクリート柱間に架け渡され、
    前記第2架構が、前記一対の鉄筋コンクリート柱間に形成される壁の内部に配置されて常時荷重を負担する鉄骨ブレースを各階層に有し、
    最下層に設けられた前記鉄骨ブレースは、下端が前記一対の鉄筋コンクリート柱の下端付近のみに接合し、かつ負担し得る水平力が当該最下層よりも上方の各階層に設けられた前記鉄骨ブレースが負担し得る水平力よりも小さいことを特徴とする板状集合住宅の架構構造。
  2. 前記最下層に配置された前記鉄骨ブレースは、水平力を負担しないように上端または下端が梁間方向に移動可能に接続することを特徴とする、請求項に記載の板状集合住宅の架構構造。
  3. 前記最下層に配置された前記鉄骨ブレースには、当該最下層よりも上方の各階層に設けられた前記鉄骨ブレースに比べて許容応力が小さな部材が用いられることを特徴とする、請求項1に記載の板状集合住宅の架構構造。
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