JP6245890B2 - 建物 - Google Patents
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Description
ここに、耐震性が高く、内部柱をなくした建物に関する技術が提案されている(特許文献1)。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物において、前記外壁は、前記壁梁及び前記壁柱と同じ厚さの壁部を備えている。
これにより、柱梁架構の梁及び小梁の位置において、梁と直交する方向に、同じ高さで、設備配管を梁貫通させることができる。
これにより、外壁の壁梁の下に、梁貫通なしでガラリを設けることができ、施工性を向上させることができる。更に、壁梁に梁貫通孔を開口させることによる、外壁の強度低下を防止できる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の建物において、前記小梁は、全て前記外壁の短辺に沿う方向へ架け渡されている。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の建物において、前記鉄骨梁及び前記小梁に設備配管が貫通している。
図1は、建物10の任意の3フロア分を抜き出した斜視図であり、図2は、図1の平面図である。図1、図2に示すように、建物10は、鉄筋コンクリート製の外壁12を有し、外壁12で、室内空間42の周囲を連続して囲む構成である。
なお、壁梁14と壁柱16の厚さは、壁部15と同じ厚さTに限定されるものではなく、建築計画上の問題がなければ、壁部15の厚さTより厚くしても良いし、壁部15の厚さTより薄くしても良い。
柱梁架構18は、X方向へ3本ずつ2列に配置された鋼製の6本の柱24a〜24fを有している。柱24a〜24fの柱間には、X方向へH形鋼製の4本の梁(大梁)26が架けられている。また、Y方向へH形鋼製の3本の梁(大梁)27が架けられている。梁26と梁27は、平面視が格子状に配置されている。
ここに、鉄骨梁20と小梁22は、梁成がほぼ同一のH形鋼が使用されている。
図3(A)は、外壁12の壁柱16と、鉄骨梁20の一端をピン接合した一例を示している。具体的には、壁柱16と鉄骨梁20を、接合金具28を介してピン接合した構成である。接合金具28は、鋼板製の平板部44を有し、平板部44の壁柱16側の表面には、スタッド52が突出され、スタッド52を壁柱16に埋め込んで、壁柱16と接合金具28が固定されている。
また、平板部45の鉄骨梁20側の表面には、鉄骨梁20が直交する方向へ当接され、平板部45と鉄骨梁20が溶接接合されている。この構成とすることにより、壁柱16と鉄骨梁20がピン接合で接合される。
例えば、図4(A)に示すように、一般的に、従来の柱梁架構においては、床スラブ36を支持する小梁22の梁成H1は、大梁である鉄骨梁20の梁成H2と異なっていた(H1<H2)。即ち、小梁22は、ウェブの高さ寸法が小さくされていため、ウェブを貫通させるスリーブ48の上下方向の位置が、鉄骨梁20のウェブを貫通させるスリーブ48の位置と上下方向で相違し、設備配管32を、鉄骨梁20と小梁22を貫通させて、同じ高さで横方向に通すことができなかった。
本構成とすることにより、柱梁架構18の、梁26及び小梁22の位置において、横方向に同じ高さで、スリーブ48を鉄骨梁20、及び小梁22に貫通させることができる。この結果、設備配管32をスリーブ48に貫通させることで、設備配管32を横方向へ直線状に通すことができる。
これにより、鉄骨梁20と小梁22で囲まれる空間を有効に利用することができると共に、天井高さS2を小さくできる。
図5(A)、図5(B)に示すように、本実施形態においては、外壁12の壁梁14は、下部には床スラブ36が接合されている。また、床スラブ36は、柱梁架構18の梁26、鉄骨梁20、21、及び小梁22、23で支持されている(いわゆる逆梁)。
即ち、壁梁14が、柱梁架構18の梁26、鉄骨梁20、21及び小梁22より高い位置に設けられている。
この結果、接部配管32の施工性を向上させることができる。更に、壁梁14に梁貫通孔を開口することによる、外壁12の強度低下を防止できる。
先ず、柱梁架構18、及び鉄骨梁20、21を、1つのフロア分構築する。その際には、壁柱16が設けられる場所の内側に、図示しない仮設支柱を設けて、鉄骨梁20、21の外壁12側の端部を支持させる。
次に、室内空間42を囲む外壁12となる場所に、鉄筋コンクリート用の配筋を組み立て、型枠を取付ける。
次に、外壁12、及びスラブ36のコンクリート打ちを実行する。
最後に、外壁12、及びスラブ36のコンクリートが硬化した後、仮設支柱を撤去する。以上の手順を、各階毎に繰り返すことで建物10が構築される。
更に、建物10に作用する地震力を、外壁12と柱梁架構18に負担させるので、柱梁架構18の柱24の断面積を小さくすることができ、柱が占めるスペースの少ない室内空間42を提供することができる。
また、建物10は、扁平鉄筋コンクリート製の外壁と、大スパン鉄骨製の柱梁架構18の最適な組み合わせとなっており、建設コストの低減を図ることができる。
また、室内空間42の外周部には柱形がないので、柱形による死角がなく、窓際まで、有効に活用できる。更に、内部の柱24a〜24fは、6本と数が少なく、かつ、柱の断面積が細くできるため、邪魔になりにくく、視界が遮られる死角が少ない。
また、本実施形態では、建物10、及び柱梁架構18の形状は、いずれも、平面視が矩形状の場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、例えば平面視が多角形や円形等、他の形状でも良い。
また、本実施形態では、壁柱16と鉄骨梁20の接合がピン接合の場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、例えば壁柱16と鉄骨梁20を剛接合としても良い。
12 外壁
14 壁梁
16 壁柱
18 柱梁架構
20 鉄骨梁(Y方向)
21 鉄骨梁(X方向)
22 小梁
23 小梁
24 柱
26 梁(X方向)
27 梁(Y方向)
36 床スラブ(スラブ)
H1 小梁の梁成
H2 大梁の梁成
Claims (6)
- 鉄筋コンクリート製の壁梁と、前記壁梁と同じ厚さの鉄筋コンクリート製の壁柱と、を備え、外周を囲む外壁と、
前記外壁の内部に配置された鉄骨製の柱梁架構と、
前記外壁と前記柱梁架構の間に設けられ、一端が前記外壁の前記壁柱と接合され、他端が前記柱梁架構の柱と接合された鉄骨梁と、
を有する建物。 - 前記外壁は、前記壁梁及び前記壁柱と同じ厚さの壁部を備えている、請求項1に記載の建物。
- 前記外壁の前記壁柱と、前記柱梁架構の梁との間には小梁が設けられ、前記鉄骨梁と前記小梁は、梁成が同じとされている請求項1又は請求項2に記載の建物。
- 前記外壁の前記壁梁の下部にはスラブが接合され、前記スラブは、前記柱梁架構の前記梁、前記鉄骨梁、及び前記小梁で支持されている請求項3に記載の建物。
- 前記小梁は、全て前記外壁の短辺に沿う方向へ架け渡されている、請求項3又は請求項4に記載の建物。
- 前記鉄骨梁及び前記小梁に設備配管が貫通している、請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の建物。
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