JP6245890B2 - 建物 - Google Patents

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本発明は、建物に関する。
実習室や集会場等を内部に配置する建物では、耐震性が高く、室内の柱形を少なくした広い空間が要求されている。
ここに、耐震性が高く、内部柱をなくした建物に関する技術が提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の技術は、建物の外側構面(外壁)を、鉄筋コンクリート製の壁梁及び壁柱で構成し、建物に対する地震力を外側構面が全て負担する構成としている。また、外側構面の内部には、鉄骨梁と鉄筋コンクリート床からなる合成小梁を採用し、内柱をなくして床スラブを設けている。
特開平9−264050号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、建物の外側構面にのみ地震力を負担させ、床スラブの荷重は梁のみで負担させる構成のため、広い室内空間を確保するには、外側構面は厚さが厚くなり、梁は大きな梁成が必要となり、施工コストが上がり現実的でない。
本発明は、上記事実に鑑み、鉄筋コンクリート製の外壁と鉄骨製の柱梁架構を組み合わせ、耐震性が高く、柱が占めるスペースの少ない空間を有する建物を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る建物は、鉄筋コンクリート製の壁梁と、前記壁梁と同じ厚さの鉄筋コンクリート製の壁柱と、を備え、外周を囲む外壁と、前記外壁の内部に配置された鉄骨製の柱梁架構と、前記外壁と前記柱梁架構の間に設けられ、一端が前記外壁の前記壁柱と接合され、他端が前記柱梁架構の柱と接合された鉄骨梁と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、鉄筋コンクリート製の外壁と鉄骨製の柱梁架構に、地震力を分担させることができる。これにより、外壁の壁柱の厚さを薄くして柱形をなくし、柱が占めるスペースを少なくできる。更に、柱梁架構の柱の断面積を小さくし、柱が占めるスペースを少なくできる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物において、前記外壁は、前記壁梁及び前記壁柱と同じ厚さの壁部を備えている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の建物において、前記外壁の前記壁柱と、前記柱梁架構の梁との間には小梁が設けられ、前記鉄骨梁と前記小梁は、梁成が同じとされていることを特徴としている。
これにより、柱梁架構の梁及び小梁の位置において、梁と直交する方向に、同じ高さで、設備配管を梁貫通させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の建物において、前記外壁の前記壁梁の下部にはスラブが接合され、前記スラブは、前記柱梁架構の前記梁、前記鉄骨梁、及び前記小梁で支持されていることを特徴としている。
これにより、外壁の壁梁の下に、梁貫通なしでガラリを設けることができ、施工性を向上させることができる。更に、壁梁に梁貫通孔を開口させることによる、外壁の強度低下を防止できる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の建物において、前記小梁は、全て前記外壁の短辺に沿う方向へ架け渡されている。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の建物において、前記鉄骨梁及び前記小梁に設備配管が貫通している。
本発明は、上記構成としてあるので、耐震性が高く、柱が占めるスペースの少ない空間を有する建物を提供することができる。
本発明の実施形態に係る建物の基本構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る建物の基本構成を示す平面図である。 (A)(B)はいずれも、本発明の実施形態に係る建物の外壁の壁柱と鉄骨梁との接続部を示す断面図である。 (A)は大梁と小梁の成が異なる場合の設備配管の設置状況を示す側面図であり、(B)は大梁と小梁の成が等しい場合の設備配管の設置状況を示す側面図である。 (A)は外壁の一部を外側から見た正面図であり、(B)はその外壁のX−X線断面図である。
本発明の実施形態に係る建物10について、図1〜5を用いて説明する。
図1は、建物10の任意の3フロア分を抜き出した斜視図であり、図2は、図1の平面図である。図1、図2に示すように、建物10は、鉄筋コンクリート製の外壁12を有し、外壁12で、室内空間42の周囲を連続して囲む構成である。
外壁12は、平面視で矩形状に形成され、壁体を構成する壁部15のみでなく、平板状に形成された扁平な壁梁14と、扁平な壁柱16を有している。外壁12を構成する壁部15の厚さはTとされ、壁梁14と壁柱16は、いずれも壁部15と同じ厚さTとされている。このように、建物10は、鉄筋コンクリート製の外壁12で周囲を連続して、矩形状に囲むことで、耐震強度を高くし、扁平に構築された壁柱16により、壁柱16の室内空間42への突出しをなくしている。
なお、壁梁14と壁柱16の厚さは、壁部15と同じ厚さTに限定されるものではなく、建築計画上の問題がなければ、壁部15の厚さTより厚くしても良いし、壁部15の厚さTより薄くしても良い。
外壁12で囲まれた室内空間42のほぼ中央部には、平面視で矩形状に構築された、鉄骨製の柱梁架構18が配置されている(図1、図2の濃いドットで示す部分)。
柱梁架構18は、X方向へ3本ずつ2列に配置された鋼製の6本の柱24a〜24fを有している。柱24a〜24fの柱間には、X方向へH形鋼製の4本の梁(大梁)26が架けられている。また、Y方向へH形鋼製の3本の梁(大梁)27が架けられている。梁26と梁27は、平面視が格子状に配置されている。
柱梁架構18は、建物10の各階毎にそれぞれ構築され、床スラブ36(図4参照)を支持している。また、柱梁架構18と外壁12との間には、鉄骨梁(大梁)20、21が渡され、(図1、図2の薄いドットで示す部分)、鉄骨梁20、21で柱梁架構18と外壁12が連結されている。これにより、地震時には、外壁12と分担して、柱梁架構18が地震時の横荷重を負担する。
このように、室内空間42には、6本の柱24a〜24fのみが設けられ、柱の少ない空間が提供される。また、柱24a〜24fは、耐震強度を高くした外壁12と横荷重を分担し、負荷が低減されているため、柱の断面積は、例えばラーメン架構の外壁の場合に比べ小さくされている。
鉄骨梁21は、H形鋼製とされ、壁柱16と柱梁架構18の柱24a、24c、24d、24fの間に、X方向に4本架けられている。また、鉄骨梁20も、同じくH形鋼製とされ、壁柱16と柱梁架構18の柱24a〜24fのそれぞれ間に、Y方向に6本架けられている。鉄骨梁20、21は、いずれも、一方の端部が、柱梁架構18の柱24a〜24fとそれぞれ接合されている。また、他方の端部は壁柱16にピン接合されている。
なお、例示した建物10のようにX方向に長い形状では、X方向の中央部の鉄骨梁20の位置に、Y方向に耐震壁50を配置するのが望ましい。耐震壁50により、耐震性能を高めることができる。
外壁12の壁柱16と梁26の間、及び外壁12の壁柱16と鉄骨梁21の間には、Y方向に小梁22が渡されている。また、梁26と梁26の間、及び鉄骨梁21と鉄骨梁21の間には、Y方向に小梁23が渡されている。これにより、梁26、鉄骨梁20、21、及び小梁22、23で床スラブ36を支持することができる(図4、5参照)。
ここに、鉄骨梁20と小梁22は、梁成がほぼ同一のH形鋼が使用されている。
以上説明したように、本実施形態の建物10は、周囲を壁部15、扁平な壁梁14、及び扁平な壁柱16を備えた鉄筋コンクリート製の外壁12で囲み、内部に鉄骨製の柱梁架構18を配置して、これらを最適構成に組合せることで、地震や津波に強く、柱形のない大きな室内空間を合理的に実現させる構造であり、スマートハイブリッドストラクチャーということができる。
次に、壁柱16と鉄骨梁20の接合について説明する。
図3(A)は、外壁12の壁柱16と、鉄骨梁20の一端をピン接合した一例を示している。具体的には、壁柱16と鉄骨梁20を、接合金具28を介してピン接合した構成である。接合金具28は、鋼板製の平板部44を有し、平板部44の壁柱16側の表面には、スタッド52が突出され、スタッド52を壁柱16に埋め込んで、壁柱16と接合金具28が固定されている。
また、平板部44の鉄骨梁20側の表面には、ボルト孔を有するガセットプレート29の一端が溶接接合され、平板部44と直交する方向へ設けられたガセットプレート29と、鉄骨梁20のウェブがボルト接合されている。この構成とすることにより、壁柱16と鉄骨梁20がピン接合で接合される。
図3(B)は、他のピン接合の例を示している。接合金具30は、鋼板製の平板部45を有し、平板部45の壁柱16側の表面にはスタッド52が突出され、スタッド52を壁柱16に埋め込んで、壁柱16と接合金具30が固定されている。
また、平板部45の鉄骨梁20側の表面には、鉄骨梁20が直交する方向へ当接され、平板部45と鉄骨梁20が溶接接合されている。この構成とすることにより、壁柱16と鉄骨梁20がピン接合で接合される。
壁柱16と鉄骨梁20をピン接合で接合することにより、壁柱16の厚さTを、壁部15より厚くしなくても、鉄骨梁20と壁柱16を接合することができる。なお、鉄骨梁21と壁柱16、小梁22、23と壁柱16も、同じ方法でピン接合されている。
次に、天井裏空間46における設備配管32の引き回しについて説明する。
例えば、図4(A)に示すように、一般的に、従来の柱梁架構においては、床スラブ36を支持する小梁22の梁成H1は、大梁である鉄骨梁20の梁成H2と異なっていた(H1<H2)。即ち、小梁22は、ウェブの高さ寸法が小さくされていため、ウェブを貫通させるスリーブ48の上下方向の位置が、鉄骨梁20のウェブを貫通させるスリーブ48の位置と上下方向で相違し、設備配管32を、鉄骨梁20と小梁22を貫通させて、同じ高さで横方向に通すことができなかった。
このため、やむなく、設備配管33で示す位置、即ち鉄骨梁20及び小梁22の下を、横方向へ通していた。これにより、従来の柱梁架構においては、天井裏高さS1が大きくなるという問題があった。更に、鉄骨梁20及び小梁22で囲まれる空間が、有効に利用できないという問題もあった。
これに対し、図4(B)の断面図に示すように、本実施形態においては、床スラブ36を支持する小梁22の梁成H1と鉄骨梁20の梁成H2とがほぼ同等とされている。
本構成とすることにより、柱梁架構18の、梁26及び小梁22の位置において、横方向に同じ高さで、スリーブ48を鉄骨梁20、及び小梁22に貫通させることができる。この結果、設備配管32をスリーブ48に貫通させることで、設備配管32を横方向へ直線状に通すことができる。
これにより、鉄骨梁20と小梁22で囲まれる空間を有効に利用することができると共に、天井高さS2を小さくできる。
次に、壁梁14について説明する。
図5(A)、図5(B)に示すように、本実施形態においては、外壁12の壁梁14は、下部には床スラブ36が接合されている。また、床スラブ36は、柱梁架構18の梁26、鉄骨梁20、21、及び小梁22、23で支持されている(いわゆる逆梁)。
即ち、壁梁14が、柱梁架構18の梁26、鉄骨梁20、21及び小梁22より高い位置に設けられている。
また、壁梁14は、厚さT、高さH3に形成され、壁梁14の上面は、窓用の開口部の下端部とされている。開口部は窓用空間とされ、窓枠40が嵌め込まれている。窓枠40の上端部の高さには天井板38が設けられ、天井板38とその上の床スラブ36の間の空間が天井裏空間46とされている。また、窓枠40の上端部と壁梁14の下端部の間(天井裏空間46)には、ガラリ34が設けられている。
この構成とすることにより、天井裏空間46の外壁12の位置には、外壁12が存在していないため、外壁12に梁貫通加工なしで、ガラリ34を設けることができる。また、ガラリ34を利用して、設備配管32の取出しや空調空気の吸排気を行うことができる。
この結果、接部配管32の施工性を向上させることができる。更に、壁梁14に梁貫通孔を開口することによる、外壁12の強度低下を防止できる。
次に、本実施形態の建物10の施工手順について、図1、図2を用いて説明する。
先ず、柱梁架構18、及び鉄骨梁20、21を、1つのフロア分構築する。その際には、壁柱16が設けられる場所の内側に、図示しない仮設支柱を設けて、鉄骨梁20、21の外壁12側の端部を支持させる。
次に、室内空間42を囲む外壁12となる場所に、鉄筋コンクリート用の配筋を組み立て、型枠を取付ける。
次に、柱梁架構18、及び鉄骨梁20、21に、小梁22、23を取付ける。その際、仮設支柱を設けて、外壁12と接合される小梁22の端部を支持させる。その後、柱梁架構18、及び鉄骨梁20、21の上の、床スラブ36を構築する位置に、鉄筋コンクリート用の配筋を組み立て、型枠を取付ける。
次に、外壁12、及びスラブ36のコンクリート打ちを実行する。
最後に、外壁12、及びスラブ36のコンクリートが硬化した後、仮設支柱を撤去する。以上の手順を、各階毎に繰り返すことで建物10が構築される。
以上説明したように、本構成とすることにより、鉄骨梁20、21により、鉄筋コンクリート製の外壁12と、鉄骨製の柱梁架構18が一体化され、建物10に作用する地震力を、外壁12と柱梁架構18に負担させることができる。この結果、建物10の耐震性を高くすることができる。
また、鉄骨梁20、21と外壁12がピン接合されることにより、壁柱16の厚さTを、壁部15より厚くしなくても、鉄骨梁20、21と壁柱16を接合することができ、外壁12から、柱形をなくすことができ、柱が占めるスペースの少ない室内空間42を提供できる。
更に、建物10に作用する地震力を、外壁12と柱梁架構18に負担させるので、柱梁架構18の柱24の断面積を小さくすることができ、柱が占めるスペースの少ない室内空間42を提供することができる。
また、他の効果として、本構成とすることにより、鉄筋コンクリート製の外壁12により、矩形状に室内空間42が囲まれるため、地震時のみではなく、津波に対しても強度を発揮することができる。更に、建物10の外部から入ってくる騒音を低減させることができる。
また、建物10は、扁平鉄筋コンクリート製の外壁と、大スパン鉄骨製の柱梁架構18の最適な組み合わせとなっており、建設コストの低減を図ることができる。
また、室内空間42の外周部には柱形がないので、柱形による死角がなく、窓際まで、有効に活用できる。更に、内部の柱24a〜24fは、6本と数が少なく、かつ、柱の断面積が細くできるため、邪魔になりにくく、視界が遮られる死角が少ない。
なお、本実施形態では、柱梁架構18の柱の数及び配列は、6本(3本×2列)の構成について説明した。しかし、これに限定されることはなく、柱の数は6本でなくても良いし、柱梁架構18の柱の配列は、1列でも、3列以上の構成でもよい。
また、本実施形態では、建物10、及び柱梁架構18の形状は、いずれも、平面視が矩形状の場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、例えば平面視が多角形や円形等、他の形状でも良い。
また、本実施形態では、壁柱16と鉄骨梁20の接合がピン接合の場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、例えば壁柱16と鉄骨梁20を剛接合としても良い。
10 建物
12 外壁
14 壁梁
16 壁柱
18 柱梁架構
20 鉄骨梁(Y方向)
21 鉄骨梁(X方向)
22 小梁
23 小梁
24 柱
26 梁(X方向)
27 梁(Y方向)
36 床スラブ(スラブ)
H1 小梁の梁成
H2 大梁の梁成

Claims (6)

  1. 鉄筋コンクリート製の壁梁と、前記壁梁と同じ厚さの鉄筋コンクリート製の壁柱と、を備え、外周を囲む外壁と、
    前記外壁の内部に配置された鉄骨製の柱梁架構と、
    前記外壁と前記柱梁架構の間に設けられ、一端が前記外壁の前記壁柱と接合され、他端が前記柱梁架構の柱と接合された鉄骨梁と、
    を有する建物。
  2. 前記外壁は、前記壁梁及び前記壁柱と同じ厚さの壁部を備えている、請求項1に記載の建物。
  3. 前記外壁の前記壁柱と、前記柱梁架構の梁との間には小梁が設けられ、前記鉄骨梁と前記小梁は、梁成が同じとされている請求項1又は請求項2に記載の建物。
  4. 前記外壁の前記壁梁の下部にはスラブが接合され、前記スラブは、前記柱梁架構の前記梁、前記鉄骨梁、及び前記小梁で支持されている請求項3に記載の建物。
  5. 前記小梁は、全て前記外壁の短辺に沿う方向へ架け渡されている、請求項3又は請求項4に記載の建物。
  6. 前記鉄骨梁及び前記小梁に設備配管が貫通している、請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の建物。
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