JP4733460B2 - 既存建物の耐震補強架構 - Google Patents

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本発明は、倉庫や工場などの既存建物の耐震性を高める耐震補強架構に関する。
既存建物の耐震補強方法としては、従来、(1)既存建物内に鉄骨ブレースや耐力壁などの耐震要素を付加する方法、(2)耐力壁の壁厚を増す方法、(3)柱・梁の断面を増す方法、あるいはこれらを組み合わせる方法があった。柱・梁の断面を増す方法には、補強筋の追加を伴う方法、鋼板を巻く方法、強化繊維を巻き付ける方法などがある。鉄骨造の場合にはカバープレートを巻き付けて溶接する方法もある。
また、既存建物を使用しながら建物外部に耐震補強を施す方法も提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
かかる耐震補強方法は、図7に示すように、平面上、既存建物51と干渉しない領域に、既存建物51とは独立し、既存建物51の外周面と平行で、既存建物51の構面外に位置する平面架構、もしくは床が伴わない立体架構52からなる耐震架構53を構築し、耐震架構53を既存建物51に連結するようにした方法である。この方法によれば、既存建物51に対する補強工事を不要にするとともに、既存建物51を使用状況においたまま、工事を行うことができる。
特許第3369387号公報
しかし、特許文献1に示された従来の耐震補強方法は、工場や倉庫などの、一層の階高が高い、またはスパンが大きい大空間の建物では、梁間(スパン方向)の補強が大規模な工事になり易い。特に、桁行方向に長い偏平な建物では、外部に面した構面の補強と合わせて、内部にも補強架構を構築するか、もしくは天井面を水平ブレースで補強する必要があり、建物を使用しながら工事するのが困難である。
さらに、地上レベルに車両などの動線スペースが必要な場合には、耐震補強架構の構築位置が制限されてしまうといった問題があった。
そこで、本発明は前記の問題を解決すべく案出されたものであって、一層の階高が高い既存建物であっても、その外側の地上レベルに車両などの動線スペースを確保しつつ耐震補強を行うことができる既存建物の耐震補強架構を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に係る既存建物の耐震補強架構は、既存建物の外部に、外壁面と直交する方向に設けられる耐震補強架構であって、該耐震補強架構の頂部の梁と地盤面との間に少なくとも一段の中間梁が設けられ、少なくとも一番下の前記中間梁を含む最下層は、純ラーメン構造で構築され、少なくとも最上層は、ブレース付ラーメン構造で構築されるとともに、その頂部に前記既存建物に連結される連結梁が設けられ、前記純ラーメン構造部分の柱せいは、前記ブレース付ラーメン構造部分の柱よりも大きく、かつスパンの外側に張り出していることを特徴とする。
ここで、中間梁を含む層とは、中間梁とその下部の柱などからなる架構をいい、中間梁よりも上部の層は、当該中間梁の上部の柱およびその上部の梁(頂部の梁、中間梁がある場合はこれも含む)などからなる架構をいう。また、ここで、外壁面とは、耐震補強架構が設けられた部分の外壁面をいう。なお、本発明に係る耐震補強架構は、外壁面と直交する方向に設けられる複数の平面架構を、外壁面に沿った方向に連結した立体架構も含む。さらに、ここで、スパンの外側とは、ブレース付ラーメン構造の外壁面と直交する方向に隣り合う柱の外側をいう。
前記構成によれば、少なくとも最下層が、純ラーメン架構で構築されており、ブレースなどが設けられていないので、車両などの動線スペースに耐震補強架構を構築しても、車両などの通行を妨げることはない。また、少なくとも屋根と連結される最上層が、ブレース付ラーメン構造で構築されているので、一層の階高が高い既存建物に対しても、効率的に剛性を高められる。さらに、純ラーメン構造部分の柱せいをブレース付ラーメン構造部分の柱よりも外側に延びて大きくすることで、効率的に剛性を得ることができる。また、純ラーメン構造の架構内の開口部が小さくなることがないので、柱が車両などの通行の妨げになることもない。
請求項2に係る発明は、 前記純ラーメン構造部分にマンサード型の補強を設けたことを特徴とする請求項1に記載の既存建物の耐震補強架構である。
本発明によれば、一層の階高が高い既存建物に対して耐震補強架構を構築することができ、既存建物の外側の地上レベルに車両などの動線スペースを確保することができるといった優れた効果を発揮する。
本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明に係る既存建物の耐震補強架構を実施するための最良の形態を示した正面図、図2は耐震補強架構の柱、梁およびブレースの取り合いを示した平面図、図3は耐震補強架構と既存建物を示した基礎伏図、図4は耐震補強架構と既存建物を示した梁伏図、図5は耐震補強架構と既存建物を示した梁伏図、図6は耐震補強架構と既存建物を示した断面図である。
本実施の形態では、二棟並列配置された工場棟を耐震補強する場合を例に挙げて、既存建物の耐震補強架構を説明する。
図5に示すように、既存建物1は、桁行方向に長く梁間方向に短い平面長方形状の工場棟であって、二棟の既存建物1,1が所定間隔を隔てて並列配置されている。既存建物1,1間には、トラックやフォークリフトなどの車両が通行する動線スペース2(図1参照)が形成されている。なお、本実施の形態では、既存建物1の形状に合わせて、図5中、左右方向(符号の向きを基準とする(以下同じ))を桁行方向とし、図5中、上下方向(符号の向きを基準とする(以下同じ))を梁間方向とする。なお、他の図にも桁行方向および梁間方向を明記しておく。
図1に示すように、本実施の形態に係る既存建物1の耐震補強架構3は、既存建物1の外部で、かつ既存建物1,1間に構築されている。耐震補強架構3は、柱と梁とが剛接合されたラーメン構造にて構築されている。耐震補強架構3は、当該耐震補強架構3が沿う既存建物1の外壁面に直交する方向に広がる複数の構面(平面架構)26を有している。本実施の形態では、耐震補強架構3は、前記の平面架構を複数連結して構成される立体架構となっている(図5参照)。この立体架構は、既存建物1の桁行方向に長くなっている。なお、本発明に係る耐震補強架構は、立体架構に限られるものではなく、平面架構のみであってもよいのは勿論である。すなわち、前記構面26は、少なくとも一つ形成されていればよく、本実施の形態のように、複数設けられた場合は、互いに連結され、立体架構となっている。なお、図1では、紙面左右方向が梁間方向となり、紙面表裏方向が桁行方向となる。かかる耐震補強架構3は、地盤面4と頂部の梁(以下「頂部梁」と称する)5との間に少なくとも一段の中間梁6を備えている。本実施の形態では、中間梁6は、地盤面4と頂部梁5との間に一段だけ形成されており、耐震補強架構3の高さ方向の略中央部に設けられている。
少なくとも一番下の中間梁6を含む下部の層(最下層)は、純ラーメン構造7で構築されている。本実施の形態では、中間梁6は一段であるので、耐震補強架構3の下側半分が純ラーメン構造7となっている。純ラーメン構造7は、中間梁6とその下部に設けられた下部柱9とを剛接合して形成されている。
一方、少なくとも一番上の中間梁6よりも上部の層(最上層)は、ブレース付ラーメン構造8で構築されている。本実施の形態では、耐震補強架構3の上側半分がブレース付ラーメン構造8となっている。ブレース付ラーメン構造8は、中間梁6の上部に位置する上部柱11と頂部梁5とを剛接合して、これら上部柱11と頂部梁5との間にブレース12を掛け渡すことで構成されている。ブレース12は、ブラケットを介してH形鋼などを上部柱11や頂部梁5に接続することで構成されている。ブレース12は、K型ブレースに座屈防止用ブレースを設けて構成されているが、これに限られるものではなく、X型のブレースや他の形状のものであってもよいのは勿論である。
構面26は、純ラーメン構造7およびブレース付ラーメン構造8とで構築されている。そして、純ラーメン構造7部分の柱である下部柱9は、柱せいがブレース付ラーメン構造8部分の柱である上部柱11よりも外側(スパンの幅方向外側、すなわち隣り合う上部柱11の外側)に延びて大きいものが用いられている。本実施の形態では、下部柱9および上部柱11は、ともに角形鋼管が用いられており、サイズの異なるものがそれぞれ採用されている。そして、下部柱9は、上部柱11よりも柱せいおよび幅(柱せいと直交する方向の長さ)がともに大きくなっている。耐震補強架構3の梁間方向で互いに隣り合う下部柱9の内側(梁間方向の中心側)と、前記下部柱9の上部に繋がる上部柱11の内側とは、面一になるように配置されている。すなわち、各下部柱9が、上部柱11よりも外側(梁間方向の外側)にそれぞれ張り出すように配置されている。
下部柱9の内部には、コンクリート(図示せず)が充填されている。すなわち、下部柱9は充填鋼管コンクリート構造で構成されており、小さな断面積で大きな耐力を得られるとともに、座屈しにくくなり、通常の鋼管構造と比較して大きな剛性を得ることができる。
下部柱9は、地中の所定深さまで延ばして形成されている。具体的には、下部柱9は、その下端部が後記する地中梁14よりも下方に位置するように形成されている。隣り合う下部柱9の柱脚部15同士は、鉄骨鉄筋コンクリート製の地中梁14で連結されている。地中梁14は、隣り合う柱脚部15間に、鉄骨梁16を掛け渡して、その周囲に鉄筋(図示せず)を配設し、コンクリート17を打設して形成されている。なお、地中梁14は、鉄骨鉄筋コンクリート製に限られるものではなく、必要な固定強度を発揮できれば、鉄筋コンクリート製や鉄骨製の地中梁などの他の構成であってもよい。
地中梁14の下面より下部に位置する下部柱9の下端部には、ベースプレート18が設けられている。ベースプレート18は、下部柱9の下端部に溶接などによって固定されている。ベースプレート18の下部には基礎19が形成されており、下部柱9は、ベースプレート18を介して、アンカーボルト(図示せず)によって、基礎19に固定されている。なお、図1中、20は杭を示す。杭20は、地盤が強固であるときなど、設けられない場合もある。
本実施の形態では、地中梁14は、鉄骨鉄筋コンクリート構造により形成されているが、コンクリート17は、鉄骨梁16と下部柱9の柱脚部15とを一体的に被覆している。
上部柱11の上部には、既存建物1に連結される連結梁24が設けられている。本実施の形態では、既存建物1が耐震補強架構3の梁間方向の両側に配置されているので、連結梁24は、耐震補強架構3の両側に延出して形成されている。連結梁24は、既存建物1,1の柱25の頂部にそれぞれ連結されている。耐震補強架構3は、既存建物1の軒高より低く形成されており、連結梁24は、既存建物1と、耐震補強架構3との間で傾斜して配設されている。連結梁24は、既存建物1の屋根勾配と沿うように配置されるのが構造強度上好ましい(図1中、左側の連結梁24参照)。前記のように、連結梁24によって、耐震補強架構3と各既存建物1,1とが一体的に連結されて、耐震補強構造が形成されている。なお、既存建物1の高さや既存建物1と耐震補強架構3との配置関係によっては、必ずしも既存建物1の屋根勾配に沿わして連結梁24を配置しなくてもよく、水平であってもよい(図1中、右側の連結梁24参照)。連結梁24の設置高さは、本実施の形態に限られるものではなく、既存建物や耐震補強架構の形状によって適宜決定されるのは勿論である。
以上、耐震補強架構3の梁間方向の構成について説明したが、図4および図5に示すように、上下二層からなる門型の構面26は、耐震補強架構3の桁行方向に所定間隔をあけて配設されており、桁行方向に延びる中間梁27(図4参照)および頂部梁28(図5参照)を介して複数連接されている。桁行方向についても、梁間方向と同様に、耐震補強架構3の下側半分が純ラーメン構造7にて構築され、上側半分がブレース付ラーメン構造8にて構築されている。下部柱9および上部柱11は、桁行方向に沿って多数配置されており、さらに、隣り合う下部柱9および上部柱11間の距離は梁間方向の配置ピッチよりも長い。
したがって、図2に示すように、下部柱9と上部柱11とは、梁間方向に見て同芯上に配置されている。すなわち、上部柱11の両側(耐震補強架構3の桁行方向の両側)面から、下部柱9が同じ長さで張り出すように配置されている。なお、桁行方向に隣り合う下部柱9間に、車両通行用の開口部がある場合などは、下部柱9と上部柱11の開口部側の面を面一にして、開口部側の下部柱9間距離を多く確保するようにしてもよい。
図5に示すように、梁間方向に延びる頂部梁5および桁行方向に延びる頂部梁28には、これら頂部梁5,28を互いに連結するブレース29が接続されている。ブレース29は、ブラケットを介して山形鋼などを頂部梁5,28に連結することで構成されている。ブレース29は、X型ブレースを並べて形成されている。
図3に示すように、耐震補強架構3の桁行方向に所定ピッチで配設された門型の構面26間にも、桁行方向に隣り合う下部柱9の柱脚部間を連結する地中梁31が設けられている。詳細は図示しないが、この地中梁31も、柱脚部間に、鉄骨梁を掛け渡して、その周囲に鉄筋を配設し、コンクリートを打設して形成されている。地中梁31は、基礎19および他の地中梁14と一体的に形成されている。なお、地中梁31も、地中梁14と同様に、鉄骨鉄筋コンクリート製に限られるものではなく、必要な固定強度を発揮できれば、鉄筋コンクリート製や鉄骨製の地中梁などの他の構成であってもよい。
なお、図3中、36は、既存建物1のフーチング基礎を示し、37は基礎梁を示す。図4および図5中、38は、既存建物1の梁を示す。
次に、前記構成の耐震補強架構3の構築方法を説明する。
まず、既存建物1,1間の床面あるいは地盤面を掘削して、二列の平行な基礎19(図1参照)を形成する。このとき、基礎19が既存建物1のフーチング基礎36と干渉する場合は、フーチング基礎36を切削する(本実施の形態では干渉しない)が、後の工程で基礎19と一体的に元の断面以上に復旧させるので、構造上問題はない。
その後、基礎19上に、下部柱9を立設し、地中梁14,31の鉄骨梁16および中間梁6,27を取り付ける。さらに、上部柱11を立設し、頂部梁5,28やブレース12,29を取り付ける。そして、各部材の高さや傾斜を調整する建て入れ直しを行い各接合部のボルト本締めを行った後に、地中梁14,31のコンクリート17を打設する。このとき、コンクリート17は、基礎19および切削されたフーチング基礎36と一体的に打設される。そして、既存建物1,1間にコンクリートスラブなどの床面(車両などの走行面)を形成しておく。
このようにして耐震補強架構3が構築された後に、連結梁24を耐震補強架構3および既存建物1に剛接合して、既存建物1と耐震補強架構3とを固定する。その後、連結梁24が貫通した既存建物1の外壁などを改修して、耐震補強架構3の構築工事が完了する。
次に、前記構成の耐震補強架構3の作用を説明する。
前記構成の耐震補強架構3によれば、少なくとも地盤面4に接する層が、純ラーメン構造7で構築されており、ブレースなどが設けられていないので、車両などの動線スペース2に耐震補強架構3を構築しても、車両などの通行を妨げることはない。すなわち、動線スペース2に新たに配置されるのは、下部柱9のみであって、その下部柱9は、動線スペース2の端のほうで走行の邪魔にならない位置に設けられている。
さらに、上部柱11よりも太くした下部柱9を、上部柱11よりも外側(耐震補強架構3の梁間方向の外側)に張り出すように配置したことによって、車両などの動線スペース2を狭めることはない。したがって、車両の通行は勿論、長尺の資材などの運搬が行いやすくなる。
一方、前記構成の耐震補強架構3によれば、少なくとも一番上の層が、ブレース付ラーメン構造8で構築されているので、屋根に近い位置で効率的に剛性を高めることができる。特に、本実施の形態では、既存建物1との連結梁24は、ブレース付ラーメン構造8の頂部に連結されており、既存建物1からかかる力をブレース12などで受け止められる。一層の階高が高い既存建物1に対しても、屋根に近い上部の剛性を高めて耐震補強架構をせん断形にしているので効率的に補強できる。
耐震補強架構3の小型化が達成できるので、狭いスペースでの耐震補強架構3の構築が可能となる。
すなわち、耐震補強架構3は、下層を純ラーメン構造7で構築することで、障害物を最小限とすることができ、動線スペースの確保を図るとともに、上層をブレース付ラーメン構造8で構築することで、せん断形にし、必要な耐震性能を確保しながら耐震補強架構3の小型化を図っている。
また、下部柱9を、上部柱11よりも外側に張り出すように配置したことによって、ブレース付ラーメン構造8のブレース12の延長線上に下部柱9が位置することとなる。したがって、ブレース12の軸力を下部柱9に流しやすくなり、耐震補強架構3の剛性を効率的に高めることができる。
そして、純ラーメン構造7の下部柱9には、コンクリートが充填されているので、より小さい断面で必要な剛性を得られるので、耐震補強架構のさらなる小型化が達成される。また、座屈防止や耐火性能の向上といった作用も得られる。さらに、ブレース12から流れた軸力を効果的に支持できる。また、下部柱9の断面を小さくできることより、車両などの動線スペース2をより広く確保できる。
前記構成の耐震補強架構3によれば、下部柱9を地中梁14,31で連結しているので、柱脚部15の固定度が大幅に高まり、露出型の柱脚と比較して、剛性を高めることができる。
本実施の形態では、所定の間隔を隔てて配置された既存建物1,1間に、耐震補強架構3を構築して、耐震補強架構3と各既存建物1,1とを一体的に連結して耐震補強構造を形成したことによって、複数の既存建物1,1を一つの耐震補強架構3で効率的に、補強できるとともに、隣り合う既存建物1,1間のスペースを車両の動線スペース2として有効に利用することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、本実施の形態では、中間梁6は、頂部梁5と地盤面4との間に一段設けられただけであるが、これに限られるものではない。補強すべき既存建物が高い場合には、さらに多段に中間梁を設けてもよい。一方、本実施の形態では、一段設けられた中間梁6は、耐震補強架構3の中間の高さに設けられているが、これに限られるものではなく、通行する車両の高さや構造計算に応じて適宜決定される。
また、中間梁6を含む下部の層は、動線スペース2で車両が走行可能であれば、純ラーメン構造7部分にマンサード型の補強を設けてさらに剛性を高めてもよい。
さらに、本実施の形態では、互いに平行配置された二棟の既存建物1,1間に耐震補強架構3を構築した例を挙げて説明したが、既存建物1および耐震補強架構3の配置状態は、前記実施の形態のものに限られるものではない。たとえば、雁行状に配置された複数の既存建物間に耐震補強架構を構築して、既存建物全体を耐震補強架構で一体的に連結するようにしてもよい。
本発明に係る既存建物の耐震補強架構を実施するための最良の形態を示した正面図である。 本発明に係る既存建物の耐震補強架構の柱、梁およびブレースの取り合いを示した平面図である。 本発明に係る既存建物の耐震補強架構と既存建物を示した基礎伏図である。 本発明に係る既存建物の耐震補強架構と既存建物を示した梁伏図である。 本発明に係る既存建物の耐震補強架構と既存建物を示した梁伏図である。 本発明に係る既存建物の耐震補強架構と既存建物を示した断面図である。 従来の耐震補強架構を示した概略斜視図である。
符号の説明
1 既存建物
3 耐震補強架構
4 地盤面
5 頂部梁(頂部の梁)
6 中間梁
7 純ラーメン構造
8 ブレース付ラーメン構造
14 地中梁
18 ベースプレート
26 構面
27 中間梁
28 頂部梁(頂部の梁)
31 地中梁

Claims (2)

  1. 既存建物の外部に、外壁面と直交する方向に設けられる耐震補強架構において、
    該耐震補強架構の頂部の梁と地盤面との間に少なくとも一段の中間梁が設けられ、
    少なくとも一番下の前記中間梁を含む最下層は、純ラーメン構造で構築され、
    少なくとも最上層はブレース付ラーメン構造で構築されるとともに、その頂部に前記既存建物に連結される連結梁が設けられ、
    前記純ラーメン構造部分の柱せいは、前記ブレース付ラーメン構造部分の柱よりも大きく、かつスパンの外側に張り出している
    ことを特徴とする既存建物の耐震補強架構。
  2. 前記純ラーメン構造部分にマンサード型の補強を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の既存建物の耐震補強架構。
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