JP5316490B2 - 鋼矢板地下壁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼矢板地下壁構造に関し、詳しくは、複数の鋼矢板からなる壁本体を備えた鋼矢板地下壁構造に関するものである。
従来、建築物などの地下外壁としては、鉄筋コンクリート造の地下外壁(RC地下壁)が多用されているが、このようなRC地下壁を構築するためには、仮設土留めを用いて地下掘削を行い、掘削した仮設土留めの内側に配筋や型枠を設置し、コンクリートを打設した後に養生するなど、多大な手間を要することから工期の長期化につながるとともに、仮設土留めが捨て型枠として放棄されることで施工コストが増大してしまうという不都合がある。
従来構造の例として、鋼矢板を仮設土留めと利用して掘削を行い、鋼矢板の内側にRC壁を場所打ちで打設し、このRC壁と鋼矢板とをスタッド鉄筋を介して合成壁化する鋼矢板地下壁構造が提案されている。(例えば、非特許文献1参照)。
「建築技術性能証明評価概要報告書 J−WALL工法 ―山留め壁の鋼矢板を用いた本設合成地下壁工法―」、2008年1月、財)日本建築総合試験所
しかしながら、非特許文献1に記載された従来の鋼矢板地下壁構造では、コンクリートの養生やスタッド鉄筋の溶接が必要となるため、工期が長期化し施工コストが増大することが懸念される。
また、RC壁を構築せずに鋼矢板単独で地下壁構造を形成した場合において、建築物に地震荷重が作用すると、鋼矢板の面内方向にせん断力が発生するため、せん断力が大きい場合は鋼矢板壁がせん断座屈を起し、大きな変形を発生したり、せん断剛性または耐力が低下してしまうという問題がある。
本発明の目的は、補剛部材を適切な位置に備えた鋼矢板を用いた地下壁構造を提供することで工期短縮や施工コスト削減を図りつつ、面内方向のせん断剛性や耐力を向上させて耐震壁として利用することにある。
本発明の鋼矢板地下壁構造は、地中に打ち込まれる鋼矢板からなる壁本体を備え、当該壁本体が、建物の水平方向に備えられる複数の水平部材と接合して地下空間を形成する鋼矢板地下壁構造であって、前記地下空間において、前記鋼矢板のうち複数枚の隣り合う鋼矢板の継手同士が、前記複数の水平部材の深度方向の間の領域に渡って剛に連結されて一体化した鋼矢板壁を形成しており、かつ前記壁本体は凹の部分と凸の部分からなる凹凸部分を形成しており、前記一体化した鋼矢板壁の四隅を結ぶ対角線上をまたぐ位置において、前記一体化した鋼矢板壁をせん断補剛する補剛部材が複数配置されたことを特徴とする。
以上の本発明によれば、前記補剛部材を設けることで、壁本体の面内せん断力に対して鋼矢板をせん断補剛することができ、壁本体のせん断剛性およびせん断耐力を向上させて耐震壁として機能させることができる。
また、RC壁の築造を不要として耐震壁として機能させることができるため、従来のRC地下壁に比較して施工手間やコストを大幅に低減させることができ、工期短縮や施工コスト削減を図ることが可能となる。
ここで、補剛部材は、壁本体におけるせん断補剛に有効な高さに設定されていればよく、例えば、壁本体の面内方向にせん断力が作用した場合に圧縮領域となる位置や、個々の鋼矢板における局部座屈が予想される位置、壁本体としての全体座屈が予想される位置など、適宜に設定した位置に補剛部材が設けられていればよい。
この際、本発明の鋼矢板地下壁構造では、前記一体化した鋼矢板壁をせん断補剛する補剛部材が複数配置されており、前記補剛部材は、前記一体化した鋼矢板壁が柱などの鉛直部材および梁、床などの水平部材と接合する辺を四辺とする四角形の四隅を結ぶ対角線上をまたぐ位置に複数配置されている。
このような構成によれば、鉛直部材および水平部材によって形成される骨組内に一体化した鋼矢板壁が形成された地下壁構造がせん断力を負担した際の圧縮領域(圧縮ブレース)と引張領域(引張ブレース)が、前記一体化した鋼矢板壁が柱などの鉛直部材および梁、床などの水平部材と接合する辺を四辺とする四角形の四隅を結ぶ対角線上をまたぐ位置に形成されるために、補剛部材は前記対角線上をまたぐ位置に複数配置されていることにより、壁本体のせん断剛性およびせん断耐力を向上させることができる。
さらに、本発明の鋼矢板地下壁構造では、前記鋼矢板壁は、前記壁本体の延長方向に延びるフランジと、このフランジの両側端部に連続して前記壁本体の延長方向に対して直行する面内に向かって延びる一対のウェブとを少なくとも有して形成され、前記補剛部材は、前記凸部分の位置で、前記凹部分が前記補剛部材、前記フランジおよび前記一対のウェブによって閉じられるように、前記補剛部材の両側端縁が溶接接合によって固定されていることが好ましい。
このような構成によれば、前記凸部分の位置で、前記凹部分が前記補剛部材、前記フランジおよび前記一対のウェブによって閉じられるように、前記補剛部材の両側端縁が溶接接合によって固定されており、この補剛部材を壁本体の延長方向に設けることで、補剛部材がせん断力を負担することができ、壁本体のせん断剛性および耐力を向上させることができる。さらに、補剛部材が鋼矢板の前面側つまり地下空間に突出しないようにでき、地下空間の有効利用を図ることができる。
また、本発明の鋼矢板地下壁構造では、前記鋼矢板壁は、前記壁本体の延長方向に延びるフランジと、このフランジの両側端部に連続して前記壁本体の延長方向に対して直行する面内に向かって延びる一対のウェブとを少なくとも有して形成され、前記補剛部材は、前記凹部分の位置で、前記補剛部材の三方の端縁のうち少なくとも二方が前記一対のウェブに各々溶接接合によって固定されているか、または、前記補剛部材の三方の端縁が前記フランジおよび一対のウェブに各々溶接接合によって固定されていてもよい。
この場合、前記補剛部材は、梁、床などの水平部材と平行に形成されるとともに、その三方の端縁が前記フランジおよび一対のウェブに各々溶接接合によって固定されていてもよい。
このような構成によれば、鋼矢板の長手方向(上下方向)と交差する水平方向に平行な補剛部材をフランジおよびウェブに溶接接合することで、補剛部材をスチフナとして機能させ、鋼矢板のフランジやウェブの座屈を防止することができ、壁本体としてのせん断耐力を向上させることができる。さらに、補剛部材が鋼矢板の前面側つまり地下空間に突出しないようにでき、地下空間の有効利用を図ることができる。
また、補剛部材は水平方向に平行したが、水平方向に対して任意の角度で溶接接合によって固定されていてもよい。
また、本発明の鋼矢板地下壁構造では、前記鋼矢板壁は、前記壁本体の延長方向に延びるフランジと、このフランジの両側端部に連続して前記壁本体の延長方向に対して直行する面内に向かって延びる一対のウェブと、これらのウェブに連続して前記フランジと並行して延びる第2フランジとを少なくとも有して形成され、前記補剛部材の一部が、その両側端縁が前記隣り合う鋼矢板における前記第2フランジに各々溶接接合によって固定されていることが好ましい。
このような構成によれば、隣り合う鋼矢板における第2フランジに跨って補剛部材を溶接接合することで、補剛部材の配置される数が増加されるために、より大きなせん断力を負担させることができる。
以上のような本発明の鋼矢板地下壁構造によれば、複数の鋼矢板で構成した壁本体の地下空間側における適宜な位置に適宜な個数の補剛部材を設置することで、補剛部材自体にせん断力を負担させたり、補剛部材で補剛した鋼矢板の座屈を防止して鋼矢板の負担せん断力を高めることができ、壁本体のせん断剛性およびせん断耐力を向上させることができる。従って、鋼矢板地下壁の面内方向のせん断剛性や耐力を向上させて耐震壁として利用することができ、このような鋼矢板を用いた地下耐震壁を構築することで、従来のRC地下壁よりも大幅な工期短縮および施工コスト削減を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る鋼矢板地下壁を示す斜視図である。 前記鋼矢板地下壁を示す正面図である。 前記鋼矢板地下壁を示す横断面図である。 前記鋼矢板地下壁における鋼矢板を示す横断面図および正面図である。 前記鋼矢板地下壁の作用を示す正面図である。 前記鋼矢板地下壁の変形例を示す正面図である。 前記鋼矢板の変形例を示す横断面図および正面図である。 第2実施形態の鋼矢板地下壁を示す横断面図および正面図である。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1、図2において、鋼矢板地下壁1は、前面側の空間である地下室空間Sと背面側の背面地盤Gとを区画する地中連続壁であって、地盤G中に打ち込まれる複数の鋼矢板2からなる壁本体3を備えて構成されている。また、地下室空間Sは、壁本体3で側方を囲まれるとともに、地下室床スラブ4と1階床スラブ5とによって上下が区画されている。さらに、壁本体3は、地下室空間S側に位置する柱Aと接続されている。
鋼矢板2は、熱間圧延で製造され、図3、図4にも示すように、断面中央に位置して壁本体3の延長方向に延びる第1フランジ21と、この第1フランジ21の両側端縁に連続して前記壁本体の延長方向に対して直行する面内に地下室空間S側に延びる一対のウェブ22と、これら一対のウェブ22の先端縁から第1フランジ21と並行して延びる一対の第2フランジ23と、これら一対の第2フランジ23の先端縁に設けられる一対の継手部24とを有したハット形鋼矢板である。これらの鋼矢板2は、それぞれ第1フランジ21が地盤G側に設けられ、第2フランジ23が地下室空間S側に位置して設けられるとともに、地下室空間S側に位置する継手部24同士を嵌合させることで、隣り合う鋼矢板2同士が連結され、これにより壁本体3が連続的に形成されるようになっている。
複数の鋼矢板2のうち、隣り合う3枚の鋼矢板2は、地下室空間Sの高さ範囲において互いの継手部24同士を溶接接合した溶接部25によって連結されている。そして、連結された3枚の鋼矢板2において、左右2枚の鋼矢板2Aの上下2箇所と、中央1枚の鋼矢板2Bの高さ方向中間1箇所とには、それぞれ鋼矢板2の一対のウェブ22間に渡って補剛部材6が取り付けられており、これらの補剛部材6は、図2に示すように、隣り合う柱A間にて連結された3枚の鋼矢板2を地下室空間S側から見た場合に、対角線上に配置されている。このような補剛部材6は、鋼矢板2をせん断補剛するためのものであって、壁本体3に作用するせん断力の一部を補剛部材6で負担することができるとともに、鋼矢板2の座屈を防止する座屈防止材としても機能するようになっている。
補剛部材6は、壁本体3の延長方向に沿った鋼板で構成されるとともに、その両側端縁をウェブ22に溶接接合した溶接部61によって鋼矢板2に固定されている。また、補剛部材6は、図3に示すように、壁本体3の壁面直交方向(図3の上下方向)に設けられている。また、補剛部材6は、図4に示すように、地上にて予め鋼矢板2に溶接固定され、固定された状態で鋼矢板2とともに地盤Gに打ち込まれてもよいが、打設時の閉塞現象の原因となり施工不良の影響がでることも想定されるため、鋼矢板2を地盤Gに打ち込んでから地下室空間S側の地盤を掘削した後に露出した壁本体3の前面側に現場溶接によって固定されることが好ましい。
次に、鋼矢板地下壁1に水平力が作用した際の壁面内せん断力の伝達機構について図5も参照して説明する。ここでは、前述したように、溶接によって互いに連結された3枚の鋼矢板2に関して説明する。
図5において、図中左方向から右方向に向かって水平力Pが1階床スラブ5位置に作用した場合、地盤Gにて支持される地下室床スラブ4位置に反力P’が作用し、壁本体3の壁面内にせん断力Qが発生する。このせん断力Qは、図5中右下がりのハッチで示す圧縮領域(圧縮ブレース)Cの圧縮力と、右上がりのハッチで示す引張り領域(引張りブレース)Tの引張り力とに分解される。これらの圧縮領域Cおよび引張り領域Tは、それぞれ壁本体3の壁面内における水平方向(上下方向)に対する対角線状に形成され、それぞれの領域C,Tの幅に応じた圧縮応力度や引張り応力度が生じるようになっている。また、鋼矢板2同士を連結する溶接部25には、隣り合う鋼矢板2を上下にずれさせるような縦方向のせん断力Rが生じており、このせん断力Rを上回るように溶接部25の溶接強度が設定されている。
以上のような圧縮領域Cおよび引張り領域Tが形成される壁本体3において、これらの各領域C,Tが形成される位置に補剛部材6が設けられている。特に、圧縮領域Cとなる鋼矢板2の第1フランジ21は、面外座屈しやすいことから、圧縮領域Cが形成される位置に対応して、図2に示すように、補剛部材6は、左右2枚の鋼矢板2Aの上下2箇所と、中央1枚の鋼矢板2Bの高さ方向中間1箇所とに設けられている。従って、圧縮領域Cにおける鋼矢板2の座屈が防止できるとともに、圧縮領域Cに発生する圧縮力および引張り領域Tに発生する引張り力の一部を補剛部材6が負担することによって、壁本体3のせん断耐力を向上させることができることとなる。さらに、せん断力が作用した際の鋼矢板2の捻れ等の変形を補剛部材6によって抑制することができ、壁本体3のせん断剛性も向上させることができる。
また、補剛部材は水平方向に対して任意の角度で溶接接合によって固定されていてもよいが、水平方向に平行であるのが好ましい。これは一体化した鋼矢板壁に作用するせん断力が水平方向に作用するため、補剛部材は水平に取り付けられた場合がせん断力への抵抗面積が最も大きくなるため有効であるからである。
なお、本実施形態において、鋼矢板2同士の連結および補剛部材6の設置箇所は、前述のものに限らず、以下の図6に示す構造が採用可能である。
図6において、複数の鋼矢板2のうち、隣り合う2枚の鋼矢板2は、地下室空間Sの高さ範囲において溶接部25によって連結されている。そして、連結された2枚の鋼矢板2のそれぞれに補剛部材6が取り付けられている。
また、補剛部材6は、壁本体3の壁面平行方向に沿った鋼板で構成されるものに限らず、以下の図7に示す構造が採用可能である。
図7において、補剛部材6Aは、前記対角線上をまたぐように上下に所定間隔離隔して複数設けられ、壁本体3の壁面直交方向であり水平方向に平行かつ鋼矢板2の長手方向に直交した鋼板で構成されるとともに、その左右両側端縁をウェブ22に溶接接合した溶接部62と、壁面直交方向奥側の側端縁を第1フランジ21に溶接接合した溶接部63とによって鋼矢板2に固定されている。このような補剛部材6Aは、鋼矢板2を地盤Gに打ち込んでから地下室空間S側の地盤を掘削した後に露出した壁本体3の前面側に現場溶接によって鋼矢板2に固定されている。
以上のような本実施形態の鋼矢板地下壁1によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、壁本体3の面内せん断力Qに対して圧縮領域Cおよび引張り領域Tとなる位置に補剛部材6,6Aを取り付けることで、圧縮力および引張り力の一部を補剛部材6,6Aで負担することができ、壁本体3のせん断剛性およびせん断耐力を向上させて耐震壁として機能させることができる。また、特に、圧縮領域Cにおいて、補剛部材6,6Aで鋼矢板2をせん断補剛することによって、鋼矢板2の第1フランジ21のせん断座屈を防止することができる。従って、複数の鋼矢板2で構成した壁本体3を耐震壁として利用することができることから、従来のRC地下壁を構築する場合と比較して、施工手間やコストを大幅に低減させることができ、工期短縮や施工コスト削減を図ることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態の鋼矢板地下壁1Aを図8に基づいて説明する。
図8において、鋼矢板地下壁1Aは、補剛部材6の取付位置が前記第1実施形態と相違するものの、その他の構成は第1実施形態と略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
鋼矢板地下壁1Aの壁本体3において、複数の鋼矢板2のうち、柱A間にて隣り合う3枚の鋼矢板2が溶接部25によって連結され、この溶接部25を介して隣り合う鋼矢板2の継手部24を跨ぐ前面側に補剛部材6Bが取り付けられている。補剛部材6Bは、壁本体3の壁面平行方向に沿った鋼板で構成されるとともに、その両側端縁を隣り合う鋼矢板2の第2フランジ23に溶接接合した溶接部64によって鋼矢板2に固定されている。これらの補剛部材6Bは、図8に示すように、地下室空間Sにおける鋼矢板2の上下2箇所に配置されていればよい。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、鋼矢板地下壁1,1Aによって地盤と区画する地下空間を地下室空間Sとしたが、地下空間は地下室に限らず、適宜な空間であればよく、例えば、地下駐車場や駐輪場、地下鉄や道路等のトンネル、排水経路や配管経路等の地下溝などが適用可能である。
また、前記実施形態では、鋼矢板2としてハット形鋼矢板を例示したが、壁本体3を構成する鋼矢板としては、ハット形鋼矢板(鋼矢板2)に限らず、U型鋼矢板や、Z形鋼矢板など、適宜な断面を有したものが利用可能である。
さらに、前記実施形態では、鋼矢板2の継手部24が地下空間側(前面側)に位置して設けられていたが、これに限らず、鋼矢板同士を連結する継手部が地盤側(背面側)に設けられていてもよいし、地下壁の壁厚方向中間位置に設けられていてもよい。
また、前記実施形態では、地下空間の高さ範囲における鋼矢板2の上端部や下端部あるいは鋼矢板2の中間部に矩形状の補剛部材6,6A,6Bを取り付けたが、補剛部材は矩形状のものに限らず、鋼矢板2の長手方向に沿った長尺状のものであってもよく、その場合には、地下空間の高さ範囲全長に渡って補剛部材が鋼矢板に取り付けられていてもよい。
また、溶接部は継手同士を直接溶接してもよいし、アングル、チャンネルのような鋼材を介して溶接してあっても良く、鋼矢板間に作用する力を伝達するものであれば良い。
また、補剛部材6の長さ、板厚は、および鋼矢板に溶接接合により取り付ける場合の脚長は想定されるせん断力に十分抵抗可能なように設計されていればよい。
さらに、補剛部材6の材質は、母材と同等の強度とするかまたは設計上必要となる材料強度を有していればよい。
さらに、補剛部材は鋼矢板に溶接接合によって固定されるものに限らず、ボルトやリベットなどの適宜な固着手段によって鋼矢板に固定されるものであってもよい。
また、鋼矢板同士を連結する手段としては、溶接接合に限らず、ボルト接合やリベット接合などの適宜な接合手段を利用することが可能である。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1,1A…鋼矢板地下壁、2,2A,2B…鋼矢板、3…壁本体、4…地下室床スラブ(水平部材)、5…1階床スラブ(水平部材)、6,6A,6B…補剛部材、21…第1フランジ、22…ウェブ、23…第2フランジ、24…継手部、A…柱(鉛直部材)、G…地盤、S…地下室空間。

Claims (4)

  1. 地中に打ち込まれる鋼矢板からなる壁本体を備え、当該壁本体が、建物の水平方向に備えられる複数の水平部材と接合して地下空間を形成する鋼矢板地下壁構造であって、
    前記地下空間において、前記鋼矢板のうち複数枚の隣り合う鋼矢板の継手同士が、前記複数の水平部材の深度方向の間の領域に渡って剛に連結されて一体化した鋼矢板壁を形成しており、かつ前記壁本体は凹の部分と凸の部分からなる凹凸部分を形成しており、
    前記一体化した鋼矢板壁の四隅を結ぶ対角線上をまたぐ位置において、前記一体化した鋼矢板壁をせん断補剛する補剛部材が複数配置されたことを特徴とする鋼矢板地下壁構造。
  2. 請求項1に記載の鋼矢板地下壁構造において、
    前記鋼矢板壁は、前記壁本体の延長方向に延びるフランジと、このフランジの両側端部に連続して前記壁本体の延長方向に対して直行する面内に向かって延びる一対のウェブとを少なくとも有して形成され、
    前記補剛部材は、前記凸部分の位置で、前記凹部分が前記補剛部材、前記フランジおよび前記一対のウェブによって閉じられるように、前記補剛部材の両側端縁が溶接接合によって固定されていることを特徴とする鋼矢板地下壁構造。
  3. 請求項1に記載の鋼矢板地下壁構造において、
    前記鋼矢板壁は、前記壁本体の延長方向に延びるフランジと、このフランジの両側端部に連続して前記壁本体の延長方向に対して直行する面内に向かって延びる一対のウェブとを少なくとも有して形成され、
    前記補剛部材は、前記凹部分の位置で、前記補剛部材の三方の端縁のうち少なくとも二方が前記一対のウェブに各々溶接接合によって固定されているか、または、前記補剛部材の三方の端縁が前記フランジおよび一対のウェブに各々溶接接合によって固定されていることを特徴とする鋼矢板地下壁構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の鋼矢板地下壁構造において、
    前記鋼矢板壁は、前記壁本体の延長方向に延びるフランジと、このフランジの両側端部に連続して前記壁本体の延長方向に対して直行する面内に向かって延びる一対のウェブと、これらのウェブに連続して前記フランジと並行して延びる第2フランジとを少なくとも有して形成され、
    前記補剛部材の一部が、その両側端縁が前記隣り合う鋼矢板における前記第2フランジに各々溶接接合によって固定されていることを特徴とする鋼矢板地下壁構造。
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