JP2017031755A - 免震建物構築方法 - Google Patents

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【課題】構真柱を利用した1階床先行工法において、工期を短縮する免震建物の構築方法を提供する。【解決手段】1階床先行工法を用いた免震建物構築方法において、免震層の上部に鉄骨梁7を形成する工程と、免震層の下部に基礎梁または耐圧盤を構築する工程と、構真柱1にかかる荷重を仮設柱8に移行する工程と、当該構真柱1の一部を切断して免震装置を設置する工程と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、免震建物構築方法に関する。
逆打ち工法を利用して免震建物を構築する方法がある。
逆打ち工法は、例えば、地中に杭穴を掘削して、この杭穴に杭を打設するとともにこの杭に構真柱を建て込んで、構真柱の下段部を杭に一体化させ、その後、地面を掘削しながら、地下階を下方に向かって順に構築すると同時に、構真柱の上端部に地上階を接続して、地上階を上方に向かって順に構築する方法であって、工期を短縮できる工法である。
この逆打ち工法に免震装置を組み合わせて免震建物を構築する方法として、特許文献1(特開平10−18322号公報)には、逆打ちによって、基礎まで順次構築し、構築した基礎梁の上方に柱脚基礎を設け、基礎梁と柱脚基礎との間に免震装置を設ける方法が開示されている。特許文献1は、まず、構真柱を建て込んで、その後、下向き方向に各層を順次構築し、柱脚基礎および基礎梁を構築し、次に、基礎梁と柱脚基礎との間に支保工を設置して、この支保工により建物の荷重を支持し、その後、構真柱のうち柱脚基礎と基礎梁との間の部分を切除し、この切除した部分に免震装置を取り付け、そして、支保工を撤去して、建物の荷重を免震装置で支持する技術である。
特許文献2(特開2014−118756号公報)には、構真柱の柱頭に免震層下部床を構築し、免震層下部床上に免震装置を設置し、免震層下部床の上に支保工を設置し、この支保工の上に地上躯体の一部である免震層上部床を構築し、地下躯体および地上躯体を完成させ、免震層上部床の支持を支保工から免震装置に切り替える施工方法が開示されている。地下躯体および地上躯体がほぼ完成して、荷重の大部分が基礎構造に伝達された後に、免震層上部床の支持を支保工から免震装置に切り替えるので、免震装置の上の梁の高さ方向の位置ずれが生じることはなく、免震性能を確保できる。
これら特許文献のような、逆打ち工法などの構真柱を利用した1階床先行工法では地下・地上の平行作業が可能となり、工期短縮が実現できる反面、工事の進捗が早い分構真柱にかかる鉛直荷重の増加も早くなり、特許文献1のように構真柱を切断し免震装置を設置する工事の段階において、構真柱にかかる鉛直荷重が大きくなるので、仮設装置等免震工事が大型化する。
かといって、1階床先行工法において免震装置を早く設置すると、特許文献2で指摘するように、構真柱の不均等な荷重増加に伴い施工中に杭の沈下量差と構真柱の縮み差により、構真柱の高さレベルに誤差が生じ、免震装置の高さがずれるという課題が生ずる。この原因の一つとして、普通の工法においては、最初に強固な基礎梁や耐圧盤が構築されて、柱荷重や杭支持力のアンバランスが生じたとしても、強固な基礎梁や耐圧盤により力の再配分が行われて、杭の沈下量差がそれほど大きくならないのに対して、1階床先行工法では基礎梁や耐圧盤の構築時期が遅れることで、基礎が完成するまで柱荷重や杭支持力のアンバランスの荷重再配分ができずに、各構真柱にかかる荷重がストレートに各杭にかかってしまうので、杭の沈下量差が大きくなってしまう。このため、荷重の小さい早い段階で免震装置を設置するか、特許文献1のように地下躯体が概ね完成して荷重が安定した遅い段階で免震装置を設置するか、というジレンマに陥る。
特開平10−18322号公報 特開2014−118756号公報
本願発明は、構真柱を利用した1階床先行工法において、工期を短縮する免震建物の構築方法を実現することを目的とする。
本発明の主な解決要素は次のとおりである。
1.1階床先行工法を用いた免震建物構築方法において、
免震層の上部に鉄骨梁を形成する工程と、
免震層の下部に基礎梁または耐圧盤を構築する工程と、
構真柱にかかる荷重を仮設柱に移行する工程と、
当該構真柱の一部を切断して免震装置を設置する工程と、
を有することを特徴とする免震建物構築方法。
2.前記鉄骨梁は、鉛直荷重を仮設柱が支持可能な垂直ハンチとスチフナーを梁端部に備えている、ことを特徴とする1.記載の免震建物構築方法。
3.仮設柱を鉄骨梁端部に取り付けた状態で据え付けることを特徴とする2.記載の免震建物構築方法。
4.免震装置が挿入され、仮設柱に軸力移行している状態で免震装置の上部基礎をコンクリート打設した後に、免震装置に軸力を移行し、
免震装置に軸力移行後に、免震層上部床および他の階のコンクリート打設を行うことを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の免震建物構築方法。
1.1階床先行工法を用いた免震建物構築方法により、鉄骨梁と耐圧盤や基礎梁などの基礎躯体を構築して免震装置の設置を行うので、地下・地上の平行作業が可能となり、工期短縮が実現できる。免震層上部に鉄骨梁を用い、免震層の下部に基礎梁または耐圧盤を構築し、仮設支柱にて軸力を仮受けすることにより、免震層上部まわりのコンクリート打設、養生を待つことなく免震装置の設置が可能となり、免震装置を設置するまでの工期を短縮することができる。その結果、免震装置設置工事の際に構真柱にかかる荷重が大きくならないので、免震装置設置工事が容易になる。
強固な基礎梁または耐圧盤を構築してあるので、柱荷重や杭支持力のアンバランスが生じたとしても、強固な基礎梁や耐圧盤により力の再配分が行われて、杭の沈下量差がそれほど大きくならず、免震装置を速やかに設置するので免震装置の高さがずれ難く、設置精度が高い。
2.鉄骨梁の端部側に垂直ハンチとスチフナーを設けて補強したので、鉄骨梁の端部に仮設支柱の取付けが容易であり、かつ、免震装置上部の基礎を打設しその養生を待つことなく、免震装置の設置を行うことができ、工期の短縮を実現できる。
3.仮設柱を鉄骨梁端部に取り付けて一体化した状態で搬入して据え付けるので、仮設支柱の取付け業を省力化できる。また、梁下など狭隘部への資材投入が容易になるなど、免震層の現場作業が少なくなり、更に工期短縮が可能である。
4.少なくとも免震層の直上階は床スラブのコンクリート打設を免震装置への軸力移行後に行うので、仮設支柱が負担する荷重も小さく、免震装置への軸力受け替えも軽い負荷状態で行うことができる。
5.また、本発明では、免震装置を設置した後に、下から順に構築することができるので、免震装置上部基礎構築にグラウト充填を必要とせず、施工性が良く、一体性の高いものになる。
床コンクリート打設に先立ち免震層を構築するので、資材搬出入の際、上部の地下階の構造が障害となることなく安全に容易に行うことができ、作業環境の安全性を確保しつつ、免震装置を短期間に設置できる。
6.本発明では、構真柱の周囲又は内部にコンクリートを打設して一体化することにより、本設柱として構築するか、S柱の場合はそのまま本設柱となる。免震層の構築から順次上方に向けて床のコンクリートを打設してゆき、それに伴い、柱の荷重も増加する。
したがって、本発明は、免震装置設置時に柱にかかる躯体荷重を低減し、免震装置への軸力移行の際にジャッキなどの仮設機器の能力が小さくて済み、免震装置上部基礎などに
コンクリートを打設する前に免震装置が設置できるので、コンクリート強度が出るまで待つ必要もなく工期短縮ができる。
本発明の基本概略図。 本発明を逆打ち工法に適用した工程例。 1FL作業構台を設け、掘削して最終の床付けした状態を示す図。 B1FLの鉄骨梁を設けた例を示す図。 仮設柱仕込み免震層上部鉄骨梁を取り付ける状態を示す図。 免震層上部補強と免震層下部基礎躯体を構築し、仮設柱に軸力を支持した状態を示す図。 免震装置を設置する部分の構真柱を切断した状態を示す図。 免震装置を設置した状態を示す図。 免震装置の上部基礎部部分にコンクリートを打設して上部基礎を形成し、免震装置へ軸力を移行した状態を示す図。 上階柱の仮設補強撤去、仮設柱撤去して免震層より上階の床コンクリートを打設した状態を示す図。 上部鉄骨梁端部構造を示す図。
本発明は、逆打ち工法などの1階床先行工法を用いた免震建物構築方法に関する。建物最深部にある建物基礎の上部に免震装置を設置するにあたり、免震層の上方に鉄骨梁を用いる。特に、当該鉄骨梁端側に仮設支柱にて軸力を仮受けできる垂直ハンチとスチフナー設けたものである。この垂直ハンチ及びスチフナーで補強した鉄骨梁を用いることにより、免震装置の上方にコンクリート柱・基礎梁を構築することなく仮設支柱を建てることができる。仮設柱を取り付けた状態で鉄骨梁を搬入することもでき、上部のコンクリート柱・基礎梁の打設、養生・硬化を待つことなく免震装置を設置することにより、工期を短縮することができる。
図に基づいて本発明の主要部の概略を説明する。
掘削外周部に山留壁、場所打ちコンクリート杭を形成し、当該杭上部に構真柱を建て込む。地上から下方に向けて掘り進め、計画深さまで根切って床付けする。次に、免震層となる最下層部の上の階に該当する構真柱の部分に鉄骨梁を取り付けて、免震装置取り付け工事を行う場合の仮受け用の支保工(仮設柱)保持用の構造を準備する。この鉄骨梁には、仮設柱を受けることができるように垂直ハンチあるいはスチフナーによって梁端部が補強してある。
その後、仮設柱を設置し、仮設柱に設けたジャッキに軸力を移行し、構真柱を切除して、切除されたスペースに免震装置を挿入して設置し、ジャッキから免震装置に軸力を移行する。次に、支保工など免震装置の設置工事に用いた設備を解体する。免震層上部の床コンクリート打設をしていないので、比較的軽量の状態で免震装置の設置工事を行うことができ、設置工事が容易であり、仮設柱やジャッキなども軽量にできる。
要部を図1に示す。構真柱1と作業構台4を設けて、免震層の上部梁となる免震層上部鉄骨梁7に仮設柱8を組み付けた状態で据え付けを行う。
なお、図1では、1FLに作業構台を設置するために、1FLの鉄骨梁を設置している。さらに、図3では、構真柱の座屈防止のために、B1FLの鉄骨梁を設置している。
本発明の一例について、施工手順にしたがって、図2〜図10を参照して説明する。
本実施形態は、1階床先行工法に適用した一例である。1階床先行工法は、1階の床を先に構築して地下工事と地上工事を同時並行して行うものであり、地上階の工事を早期に着工することで、全体の工期を短縮できる。
グラウンドアンカー工法により山留壁を支持した場合で、地下躯体を鉄骨造とした場合のフローを図2に示す。グラウンドアンカー工法は山留壁背面の安定した地盤にアンカー体を定着させ、山留壁の変形を支える工法であり、掘削内側に切梁・中間杭等が不要な為、掘削・躯体構築工事をスムーズに行うことが可能である。また、地下躯体を鉄骨造とした為、地下躯体工事の工期が短縮出来るうえに、地下躯体荷重が低減するので免震装置設置工事がより容易になる。
第1工程として、山留工事、構真柱杭打設、1次掘削を行い1階鉄骨梁・デッキ工事を行って、作業構台を設置する。
第2工程として、2次の掘削と床付けを行って、各階の鉄骨梁とデッキを取付ける。これを必要回繰り返して、最終掘削と床付けを完了する。
第3工程として、仮設柱を組み付けた免震層上部の鉄骨梁を導入して、構真柱と接合する。この工程では、次工程で構真柱を切断するに当たり必要となる免震層上部補強を随時行う。更に免震層の下部に基礎梁または耐圧盤などの基礎躯体を構築する。
第4工程として、仮設柱に設けられているジャッキなどを利用して構真柱にかかっている軸力を仮設柱で負担できるように準備し、構真柱を切断し、軸力を移行させる。
第5工程として、免震基礎構築などの準備を含めて、積層ゴムなどの免震装置を挿入する。
第6工程として、免震装置の上部である構真柱と鉄骨梁との接合部にコンクリートを打設して、免震装置の上部構造を構築して、免震装置が軸力を負担できように準備する。
第7工程として、仮設柱のジャッキなどを緩めて、仮設柱から軸力を免震装置に移行させ、仮設柱やその他の補強構造などを撤去する。
第8工程として、免震層上部の床コンクリート打設、さらに他の階の床仕上げを行う。同時に、構真柱を本設の柱に構築する。なお、工程の進捗状況によっては、コンクリート打設を部分的に先行させることも可能である。
図3は、構真柱を設置し、1FL鉄骨梁41に鋼板あるいはコンクリートを打設して作業構台4を構築して、さらに地下工事を進め、掘削を最深部まで行って、計画した根切り底まで掘削し、最終床付けした状態を示している。山留壁を支持するため、掘削にしたがい深さに応じて山留壁に腹起を取付けアンカー32a、32b、32cを設ける。構真柱1は、地中に深く打設した場所打ち杭2の上に連続する形に構築される。作業構台4は、山留壁3及び構真柱1を地盤面から構築した後に、地盤の1次掘削を行い、地面レベルに1FLの鉄骨梁41を構築して、その梁上に1FLのデッキを敷いて本設のスラブを構築した上に敷鉄板または覆工板を敷いて作業構台4とした。
掘削深度が深く、床付け面から1FLの鉄骨梁41まで距離があって、座屈の恐れがある場合、中間に隣接する構真柱間に梁材を連結する。なお、工程の進捗状況に応じて、他の階の鉄骨工事を進めることは差し支えない。図4にB1FLの鉄骨梁42を利用した例を示している。
図4以下では、B1FLの鉄骨梁42を設けた例を用いて説明する。
図5は、基礎躯体を作成する前に、仮設柱8を仕込んだ免震層上部鉄骨梁7を取り付ける状態を示している。
免震層上部鉄骨梁7は、構真柱1に接続する端部側で下方に仮設柱8と免震装置を受ける垂直ハンチを有している。鉄骨梁であるので仮設柱8との接合が容易であり、組み付けたユニットの状態で搬入をすることが可能である。
仮設柱8は上下をプレートで接続し、ジャッキ挿入用の空間を確保する。仮設柱8は、免震装置を設置する際に軸力を仮受けするために設けられる支保工である。仮設柱の柱脚にはスタッドを設け、後工事で基礎躯体と一体となる。図示の例では、免震層上部鉄骨梁7を連結して、免震層上部がB2FLの鉄骨梁が形成される。
免震層上部鉄骨梁7と仮設柱8をあらかじめセットして、搬入して床付け面に設置する。上部には鉄骨構造があるが、コンクリートが打設されていないので、組み立てた部材を容易に搬入することができる。
図6は、上下に分割された仮設柱8の中間部分にジャッキ81を挿入し、ジャッキを加圧して仮設柱8に軸力を導入した状態を示している。
免震装置の上部柱に該当する構真柱1の柱脚に補強材23を取り付けて、仮設柱8への軸力移行をスムーズにする。床付け面には基礎梁または耐圧盤などの基礎躯体21を構築して、仮設柱8の柱脚は基礎躯体と一体にされる。
仮設柱の分割された部分にはプレートにて上下を連結している。軸力導入後、ジャッキが緩まないようにジャッキをロック後、周辺のプレートを本締する。上下に分割された上部仮設柱と下部仮設柱の中間にジャッキ81を挿入し、上下の仮設柱間を周辺プレートで連結し、ジャッキ81に軸力が導入された状態で、周辺プレートと仮設柱を本締めして、ジャッキが緩んでも、水平力が維持される。
図6(b)に免震層上部鉄骨梁7と構真柱1の接合部の拡大図を示している。
免震層上部鉄骨梁7の端部側に上部鉄骨梁ハンチ71と上下のフランジ73、74の間にスチフナー72、72が形成されている。上部鉄骨梁ハンチ71は、仮設支柱8が軸力を受けることができる程度に強度を備えるように垂直に設けられている。
ハンチとスチフナーを設けた鉄骨梁の端部の構造例を図11に示す。
上部鉄骨梁7の端部は、ウェブ75とこのウェブの上下に一体化された上部フランジ73と下部フランジ74を備えたH型鋼であり、端部側に垂直方向に拡幅されたハンチ71を備えている。ハンチ部の下側に仮設柱を設置して、軸力を仮受けできる。
ハンチを形成した免震層上部鉄骨梁を用いることにより、コンクリート製の柱基礎梁を構築する必要が無く、免震装置の設置準備期間を短縮することができる。
図7は、仮設柱8に軸力が導入された後に、免震層の構真柱を切断した状態を示している。切断箇所に免震装置が設置される。
図8は、構真柱が切断された箇所に免震装置5を挿入し、仮固定し、免震装置5の下部基礎部分51をグラウト充填して免震装置の下部構造を構築する。本例では、免震装置5として積層ゴムを用いている。
図9は、ジャッキ81から軸力を解放した状態を示している。
免震装置5の上部基礎部分52に配筋し、免震装置5の上部基礎部分52を形成する型枠を組み、上階からコンクリート打設する。本例では、免震層の上部に設けられている鉄骨構造は本設で構成されており、構真柱も本設柱に転用されるので、免震装置の上部基礎全体をコンクリート打設する施工が可能となる。
梁基礎がコンクリート製で構築されていた場合は、梁下と免震装置の間の空間にグラウト充填することとなり、本例で示すようなコンクリートで免震層の上部基礎を構築することはできない。
図10は、上階柱の柱脚仮設補強を撤去し、上部基礎部分52のコンクリートの強度が発現後、ジャッキ81の周辺プレートを撤去し、ジャッキ81から軸力を解放して、免震装置5に軸力が移行する。免震層の上階の柱脚に設けた補強材23を撤去し、ジャッキ81を含む仮設柱8を撤去する。
可能な限り短期間にて施工し、構造的に不安定な状態を短くする。
仮設支柱を撤去し、免震層の上階部分の床コンクリートを打設して床スラブ62、63を構築した状態を示している。
仮設柱を支持できるように端部側に垂直ハンチとスチフナーによって補強した免震層上部鉄骨柱を用いることにより、早期に免震装置に軸力を導入することができるので、床コンクリート打設の進行状況よりも早いタイミングで免震装置を設置し、仮設構造物を撤去・搬出することが可能となる。免震装置を設置する前に基礎駆体を構築し、仮設支柱の根本を固めるので基礎が安定し、不等沈下などは発生せず、施工性も改善し精度も安定する。床スラブコンクリートの打設をしていないので狭隘部が少なく資材の搬入、搬出に障害とならず、作業が容易である。搬出入される資材も、組み付けた状態で行うことができるので、搬出入を短期間に行うことができる。
また、免震層の上方階の床コンクリート打設に先駆けて、免震装置に導入する荷重を小さくでき、免震装置の据え付け、調整工事が容易である。
1階床先行工法において、下層部に免震装置を早期に設置し、その後、仕上げ工事を行うことができる。
図示した例では、構真柱は本設柱に転用されるので、下層階から構真柱の本設柱の構造に構築されるに従い、耐荷重も増加させることができる。
したがって、本発明は、最下層に免震装置を備えた建築物の構築を、無理なく工期を短縮することができる1階床先行工法である。
1…構真柱
2…場所打ち杭(支持杭)
21…基礎躯体
23…補強材
3…山留壁
32…アンカー
4…作業構台
41…1FL鉄骨梁
42…B1FL鉄骨梁
5…免震装置
51…下部基礎部分
52…上部基礎部分
62、63…床スラブ
7…免震層上部鉄骨梁
71…上部鉄骨梁ハンチ
72…上部鉄骨スチフナー
73…上部フランジ
74…下部フランジ
75…ウェブ
8…仮設柱
81…ジャッキ

Claims (4)

  1. 1階床先行工法を用いた免震建物構築方法において、
    免震層の上部に鉄骨梁を形成する工程と、
    免震層の下部に基礎梁または耐圧盤を構築する工程と、
    構真柱にかかる荷重を仮設柱に移行する工程と、
    当該構真柱の一部を切断して免震装置を設置する工程と、
    を有することを特徴とする免震建物構築方法。
  2. 前記鉄骨梁は、鉛直荷重を仮設柱が支持可能な垂直ハンチとスチフナーを梁端部に備えている、
    ことを特徴とする請求項1記載の免震建物構築方法。
  3. 仮設柱を鉄骨梁端部に取り付けた状態で据え付けることを特徴とする請求項2記載の免震建物構築方法。
  4. 免震装置が挿入され、仮設柱に軸力移行している状態で免震装置の上部基礎をコンクリート打設した後に、免震装置に軸力を移行し、
    免震装置に軸力移行後に、免震層上部床および他の階のコンクリート打設を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の免震建物構築方法。


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