JP7316910B2 - 建物 - Google Patents

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Description

本発明は、建物に関する。
従来、各種スポーツや催し物などが行われるスタジアムなどの建物で、フィールドの周囲に階段状に客席が設けられたスタンドを有する建物が知られている(例えば、特許文献1-3参照)。スタンドは、フィールドの外側を部分的にまたは全体に囲むように設けられていて、フィールドから離れるに従って高さが高くなっている。このようなスタンドの構造には、例えばRC造(鉄筋コンクリート造)またはPRCPCa造(プレストレストコンクリートプレキャスト造)のラーメン構造が採用されている。
スタンドの内周(フィールドの外周)に沿って設けられたスタンド内周柱と、スタンドの外周に沿って設けられたスタンド外周柱とは、梁や床版で接合されている。
特開2017-179890号公報 特開2019-007189号公報 特開2015-203258号公報
スタンド内周柱は、スタンド外周柱よりも長さが短くなるため、スタンド外周柱よりも相対的に剛性が高くなる。スタンド外周柱は、スタンド内周柱よりも長さが長くなるため、スタンド内周柱よりも相対的に剛性が低くなる。
スタンド外周柱とスタンド内周柱とは、高さ方向に異なる層(階)にまたがって設けられることが多く、スタンド全体の剛性のバランスが悪くなることがある。このような場合には、耐力壁を付加するなどして剛性を均等にする必要があるが、建築計画と整合させることが困難なことがある。
地震時や強風時には、スタンド内周柱およびスタンド外周柱は、それぞれ梁や床版または床版下部に設けられる水平ブレースから伝達される水平力(慣性力)を負担することになるが、剛性の高いスタンド内周柱の方がスタンド外周柱よりも水平力を多く負担することになる。このため、スタンド内周柱に水平力が集中することを防止するために、他の部分に剛性を付与する必要がある。
本発明は、地震時や強風時に一部の柱に水平力が集中することを防止できる建物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る建物は、第1水平方向の一方側から他方側に向かって漸次高くなる斜め方向に沿って設けられた斜め床部と、前記斜め床部における前記斜め方向の中間部と接合され、前記斜め床部における前記中間部よりも前記第1水平方向の他方側の部分の下側に設けられた水平床部と、地盤に支持されるとともに前記斜め床部の前記第1水平方向の一方側の端部と接合され、前記第1水平方向に交差する第2水平方向に間隔をあけて複数設けられた第1支持柱と、前記第1支持柱の前記第1水平方向の他方側の位置において地盤に支持されるとともに前記斜め床部および前記水平床部と接合され、前記第2水平方向に間隔をあけて複数設けられた第2支持柱と、前記第2支持柱の前記第1水平方向の他方側の位置において地盤に支持されるとともに前記斜め床部および前記水平床部と接合され、前記第2水平方向に間隔をあけて複数設けられた第3支持柱と、を有し前記斜め床部は、前記斜め方向に延び、前記第1支持柱、前記第2支持柱および前記第3支持柱と接合される斜梁を有し、前記水平床部は、前記第1水平方向に延び、前記第2支持柱および前記第3支持柱と接合される水平梁と、前記水平梁と接合される水平ブレースおよび床スラブの少なくとも一方と、を有し、前記水平梁と、それぞれ前記水平梁に接合され前記第1水平方向に隣り合う前記第2支持柱および前記第3支持柱と、地盤と、に囲まれた鉛直面内に設けられる鉛直ブレースを有することを特徴とする。
本発明に係る建物は、斜め床部と水平床部とが接合され、水平床部が水平ブレースおよび床スラブの少なくとも一方を有しているともに、水平床部の水平梁と、水平梁に接合された第2支持柱および第3支持柱と、地盤と、に囲まれた鉛直面内に設けられる鉛直ブレースを有している。これにより、斜め床部に作用する水平力を、斜梁がブレースとして機能することにより水平床部に伝達させ、水平床部に作用する水平力とともに水平床部から鉛直ブレースを介して地盤に伝達させることができる。
このように、第1支持柱、第2支持柱および第3支持柱には、水平力が作用しないため、これらの第1支持柱、第2支持柱および第3支持柱に剛性の差があっても、地震時や強風時に一部の柱に水平力が集中することを防止できる。
水平床部は、水平ブレースおよび床スラブの少なくとも一方を有することにより剛床となるため、鉛直ブレースの配置を集約することができ、水平床部の下側に鉛直ブレースの無い広い空間を設けることができる。
また、本発明に係る建物では、前記鉛直ブレースは、制震ブレースであってもよい。
このような構成とすることにより、建物に制震機能を付加することができる。
また、本発明に係る建物では、前記水平床部は、前記水平ブレースを有し、前記水平ブレースは、制震ブレースであってもよい。
このような構成とすることにより、建物に制震機能を付加することができる。
また、本発明に係る建物では、前記斜梁は、制震ブレースであってもよい。
このような構成とすることにより、建物に制震機能を付加することができる。
本発明によれば、地震時や強風時に一部の柱に水平力が集中することを防止できる。
本発明の実施形態による建物の斜視図である。 本発明の実施形態による建物をY方向から見た立面図である。 斜め床部一部を上方から見た平面図である。 鉛直ブレースの第1変形例を示すY方向から見た立面図である。 鉛直ブレースの第2変形例を示すY方向から見た立面図である。 鉛直ブレースの第3変形例を示すY方向から見た立面図である。 鉛直ブレースの第4変形例を示すY方向から見た立面図である。 鉛直ブレースの第5変形例を示すY方向から見た立面図である。 大型の庇を有する建物を示すY方向から見た立面図である。
以下、本発明の実施形態による建物について、図1-図3に基づいて説明する。
図1および図2に示す本実施形態による建物は、各種スポーツや催し物などが行われるスタジアムなどのスタンド1である。スタンド1は、スタジアムのフィールド11の周囲に設けられ階段状に客席が設けられている。
スタンド1は、フィールド11の外側を部分的にまたは全体に囲むように設けられていて、フィールド11から離れるに従って高くなっている。
本実施形態では、スタンド1は、フィールド11の周囲に沿って複数のブロックに分割されていて、隣り合うブロックがエキスパンションジョイントで接続されている。以下では、スタンド1におけるフィールド11の周囲に沿って直線状に延びるブロックについて説明する。
スタンド1がフィールド11の周囲に沿って延びる水平方向を建物長辺方向(第2水平方向)とし、建物長辺方向に直交する水平方向を建物短辺方向(第1水平方向)とする。図面では、建物短辺方向をX方向とし、建物長辺方向をY方向としている。建物短辺方向のうち、スタンド1に対してフィールド11がある側を一方側とし、フィールド11に対してスタンド1がある側を他方側とする。梁や柱などの長尺の部材に対して、その延びる方向を長さ方向と表記することがある。
スタンド1は、建物短辺方向の一方側から他方側に向かって漸次高くなっている。スタンド1は、鉄骨造となっている。スタンド1は、上下方向から見た平面視形状が長方形状に形成されている。
スタンド1は、基礎部2と、斜め床部3と、水平床部4と、柱5と、鉛直ブレース6と、を有している。図1では、鉛直ブレース6を一点鎖線で示している。
基礎部2は、本実施形態では、直接基礎(べた基礎)である。柱5は、基礎部2の上に建てられている。
斜め床部3は、床面が建物短辺方向の一方側から他方側に向かって漸次高くなるように傾斜している。斜め床部3の床面が傾斜する方向を斜め方向とする。斜め床部3は、上下方向から見た平面視形状が長方形状に形成されている。
図1-図3に示すように、斜め床部3は、斜め方向に延びる斜梁31と、建物長辺方向に延びる斜め床部水平梁32と、斜め床部ブレース33(図2、3参照)と、斜梁31、斜め床部水平梁32および斜め床部ブレース33の上に設けられた段床34(図2参照)と、を有している。図1では、斜め床部ブレース33および段床34を省略し、図3では、段床34を省略している。
斜梁31は、斜め床部3の下端部から上端部にわたって斜め方向に延びる梁で、建物長辺方向に所定のスパンで複数設けられている。斜梁31には、例えばH形鋼などが採用されている。斜梁31は、柱5に支持されている。斜梁31は、耐震ブレースとして機能するように構成されていてもよい。
斜め床部水平梁32は、建物短辺方向に隣り合う斜梁31の間それぞれに設けられ、建物短辺方向に隣り合う斜梁31の間において斜め方向に間隔をあけて複数設けられている。斜め床部水平梁32には、例えばH形鋼などが採用されている。斜梁31と斜め床部水平梁32とは、接合されている。
斜め床部ブレース33は、鉄骨や鋼線などの鋼製のブレースで、建物短辺方向に隣り合う斜梁31と斜め方向に隣り合う斜め床部水平梁32との間それぞれに設けられている。斜め床部ブレース33は、斜め床部3の全体に設けられている。斜め床部ブレース33は、耐震ブレースであってもよいし、制震ブレースであってもよい。
段床34は、例えば、プレキャストコンクリート製で、階段状の床板となっている。段床34の上部に客席が階段状に設けられる。
図2に示すように、本実施形態のスタンド1には、斜め床部3の上端部に庇71が設けられている。庇71は、複数の斜梁31の上端部それぞれに建てられた庇用柱72に支持されている。庇71は、階段状に設けられた客席のうち、上部側の客席の上部に配置されている。スタンド1には、庇71および庇用柱72は、設けられていなくてもよい。
図1および図2に示すように、柱5は、それぞれ鉛直方向に延び、建物短辺方向および建物長辺方向に間隔をあけて複数設けられている。
柱5は、建物短辺方向に4列に配列されている。フィールド側でスタンド1の内周側となる建物短辺方向の一方側の列に沿って設けられる柱を第1柱51(第1支持柱)とし、第1柱51の列の建物短辺方向の他方側の列に沿って設けられる柱を第2柱52(第2支持柱)とし、第2柱52の列の建物短辺方向の他方側の列に沿って設けられる柱を第3柱53(第3支持柱)とし、スタンド1の外周側となる第3柱53の列の建物短辺方向の他方側の列に沿って設けられる柱を第4柱54とする。
第1-第4柱51-54は、それぞれ建物長辺方向に斜梁31のスパンと同じスパンで複数設配列されている。
第1-第4柱51-54には、鉄骨や鋼管などが採用されている。第1-第4柱51-54の断面形状は適宜設定されてよく、本実施形態では、第1-第3柱51-53にH形柱が採用され、第4柱54に丸柱が採用されている。
第1柱51の上端部は、斜梁31の下端部と接合されている。斜梁31における第1柱51が接合されている部分には、斜め床部水平梁32も接合されている。
第2柱52の上端部は、斜梁31の長さ方向の中間部と接合されている。斜梁31における第2柱52が接合されている部分には、斜め床部水平梁32も接合されている。
第3柱53の上端部は、斜梁31の長さ方向の中間部と第2柱52よりも建物短辺方向の他方側において接合されている。斜梁31における第3柱53が接合されている部分には、斜め床部水平梁32も接合されている。
第4柱54の上端部は、斜梁31の長さ方向の中間部と第3柱53よりも建物短辺方向の他方側において接合されている。斜梁31における第4柱54が接合されている部分には、斜め床部水平梁32も接合されている。斜梁31は、建物短辺方向の他方側の端部31aが第4柱54よりも建物短辺方向の他方側に突出している。斜梁31の建物短辺方向の他方側の端部31aには、斜め床部水平梁32が接合されている。
斜梁31は、第1-第4柱51-54とピン接合または剛接合されている。
水平床部4は、斜め床部3における建物短辺方向の他方側の部分の下側に設けられている。水平床部4は、床面が水平面となり、上下方向から見た平面視形状が長方形状に形成されている。水平床部4は、平面視形状において、斜め床部3よりも建物短辺方向の寸法が短く形成されている。水平床部4は、建物短辺方向の一方側の端部4aが斜め床部3の建物短辺方向の一方側の端部3aよりも建物短辺方向の他方側に位置し、建物短辺方向の他方側の端部4bが斜め床部3の建物短辺方向の他方側の端部3bよりも建物短辺方向の一方側に位置している。
水平床部4の建物短辺方向の一方側の端部4aは、斜梁31の建物短辺方向の中間部に接合されているとともに、第2柱52の上端部と接合されている。すなわち、水平床部4は、斜め床部3の建物短辺方向の中間部に接合されている。
水平床部4の建物短辺方向の他方側の端部4bは、第4柱54の上下方向の中間部と接合されている。
水平床部4の建物短辺方向の中間部は、第3柱53の上下方向の中間部と接合されている。
水平床部4は、建物短辺方向に延びる第1水平梁41(水平梁)および第2水平梁42と、建物長辺方向に延びる第3水平梁43と、水平ブレース44と、床スラブ45と、を有している。図1では、水平ブレース44を一点鎖線で示し、床スラブ45を省略している。図2では、水平ブレース44が設けられる領域、床スラブ45が設けられる領域を示している。
第1水平梁41は、建物短辺方向に延び、第2柱52と第3柱53との間に架けられている。第1水平梁41は、第2柱52および第3柱53と同じスパンで建物長辺方向に間隔をあけて複数設けられている。第1水平梁41には、例えばH形鋼などが採用されている。第1水平梁41は、建物短辺方向の一方側の端部が斜梁31の建物短辺方向の中間部に接合されているとともに、第2柱52の上端部近傍と接合され、建物短辺方向の他方側の端部が第3柱53の上下方向の中間部と接合されている。
第1水平梁41は、第2柱52および第3柱53とピン接合または剛接合されている。第1水平梁41は、斜梁31とピン接合または剛接合されている。
第2水平梁42は、建物短辺方向に延び、第1水平梁41と同じ高さにおいて第3柱53と第4柱54との間に架けられている。第2水平梁42は、第3柱53および第4柱54と同じスパンで建物長辺方向に間隔をあけて複数設けられている。第2水平梁42には、例えばH形鋼などが採用されている。第2水平梁42は、建物短辺方向の一方側の端部が第3柱53の上下方向の中間部と接合され、建物短辺方向の他方側の端部が第4柱54の上下方向の中間部と接合されている。
第2水平梁42は、第3柱53および第4柱54とピン接合または剛接合されている。
第3水平梁43は、建物長辺方向に延び、建物長辺方向に隣り合う第1水平梁41の間、および建物長辺方向に隣り合う第2水平梁42の間それぞれに架けられている。第3水平梁43は、建物短辺方向に間隔をあけて複数設けられている。第3水平梁43には、例えばH形鋼などが採用されている。建物長辺方向に隣り合う第1水平梁41の間に架けられた第3水平梁43は、第1水平梁41に接合され、建物長辺方向に隣り合う第2水平梁42の間に架けられた第3水平梁43は、第2水平梁42に接合されている。第3水平梁43は、第3柱53の列および第4柱54の列に沿っても設けられている。
水平ブレース44は、鉄骨や鋼線などの鋼製のブレースで、水平床部4における、第2柱52と第3柱53との中間位置46よりも建物短辺方向の一方側の部分に設けられている。水平ブレース44は、建物長辺方向に隣り合う第1水平梁41の間に設けられている。水平ブレース44は、耐震ブレースであってもよいし、制震ブレースであってもよい。
床スラブ45は、水平床部4における、第2柱52と第3柱53との中間位置46よりも建物短辺方向の他方側の部分に設けられている。床スラブ45は、水平ブレース44の建物短辺方向の他方側に設けられている。床スラブ45は、例えば、鉄筋コンクリート造のスラブなどで、平板状に形成されている。
水平床部4は、水平ブレース44および床スラブ45が設けられていることにより、剛床となっている。
鉛直ブレース6は、鉄骨や鋼線などの鋼製のブレースで、第1水平梁41と、第1水平梁41に接合された第2柱52および第3柱53と、基礎部2(地盤)と、に囲まれた鉛直面8(図2参照)内に設けられている。本実施形態では、鉛直ブレース6は、第2柱52と第1水平梁41との間、第3柱53と第1水平梁41との間に設けられている。鉛直ブレース6は、耐震ブレースであってもよいし、制震ブレースであってもよい。
第2柱52と第1水平梁41との間に設けられる鉛直ブレース6を第1鉛直ブレース61とし、第3柱53と第1水平梁41との間に設けられる鉛直ブレース6を第2鉛直ブレース62とする。
本実施形態では、第1鉛直ブレース61は、長さ方向の一方の端部が第2柱52の下端部近傍に接合され、長さ方向の他方の端部が第1水平梁41の建物短辺方向の中間部に接合されている。
本実施形態では、第2鉛直ブレース62は、長さ方向の一方の端部が第3柱53の下端部近傍に接合され、長さ方向の他方の端部が第1水平梁41の建物短辺方向の中間部に接合されている。第2鉛直ブレース62と第1水平梁41との接合部は、第1鉛直ブレース61と第1水平梁41との接合部の建物短辺方向の他方側に隣接している。
建物長辺方向に隣り合う第1柱51の間、建物長辺方向に隣り合う第2柱52の間、建物長辺方向に隣り合う第3柱53の間、建物長辺方向に隣り合う第4柱54の間には、ブレースが設けられていてもよい。
次に、上記の本実施形態による建物の作用・効果について説明する。
上記の本実施形態による建物では、斜め床部3と水平床部4とが接合され、水平床部4が水平ブレース44および床スラブ45を有しているともに、水平床部4の第1水平梁41と、第1水平梁41に接合された第2柱52および第3柱53と、基礎部2(地盤)と、に囲まれた鉛直面8内に設けられる鉛直ブレース6を有している。これにより、斜め床部3に作用する水平力を、斜梁31がブレースとして機能することにより水平床部4に伝達させ、水平床部4に作用する水平力とともに水平床部4から鉛直ブレース6を介して地盤(基礎部2)に伝達させることができる。
このように、第1-第4柱51-54には、水平力が作用しないため、これらの第1-第4柱51-54に剛性の差があっても、地震時や強風時に剛性の高い一部の柱に水平力が集中することを防止できる。
水平床部4は、水平ブレース44および床スラブ45の少なくとも一方を有することにより剛床となるため、鉛直ブレース6の配置を集約することができ、水平床部4の下側に鉛直ブレース6の無い広い空間を設けることができる。
上記の本実施形態による建物では、鉄骨ブレース構造となり、鉛直ブレース6、水平ブレース44および床スラブ45などの耐震要素を集約することにより、RC造の建物と比べて主要柱の断面外径を小さくすることができる。このため、上記の本実施形態による建物では、水平床部4の下側の空間をさらに広く確保することができる。スタンド1を熱の溜まりにくい構造とすることができるため、耐火性能検証法を採用することで、コストかけずに耐火性能に優れた構造とすることができる。
上記の本実施形態による建物では、第1-第4柱51-54の脚部は、地震時の曲げモーメントの伝達が不要となる。これにより、基礎部2の形状は、鉛直ブレース6による引き抜き・押し込みによる鉛直力が作用した際にその軸力を地盤に伝達できる構造とすればよい。このため、基礎部2は、水平分力を処理可能な鉄筋や内蔵鉄骨を有するフラットプレート構造とすることができ、基礎部2の構造の合理化および施工の簡便化を図ることができる。
上記の本実施形態による建物では、鉄骨ブレース構造となることにより、基礎部2に作用する応力を小さくできるため、基礎部2の形状を最小限に抑えることができ、基礎工事の工期短縮を図ることができる。基礎部2にピットを設ける場合には、ピット部分以外を直接基礎とすることで、掘削土量の削減を図ることができる。基礎部2にピットを設ける場合には、二重スラブとすることも可能となる。
上記の本実施形態による建物では、斜梁31、鉛直ブレース6、水平ブレース44、斜め床部ブレース33を制震ブレースとすることにより、建物に制震機能を付加することができる。
上記の本実施形態による建物では、段床34をプレキャストコンクリート製とすることにより、工程管理を容易にし、工期を短縮することができる。鉄筋コンクリート造の在来工法と比較すると、天候に左右されず工期の安定性を確保することができる。
以上、本発明による建物の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、水平床部4は、水平ブレース44および床スラブ45を有しているが、水平ブレース44および床スラブ45のいずれか一方のみが設けられていてもよい。水平床部4における水平ブレース44および床スラブ45の両方または、一方が設けられる位置は、適宜設定されてよい。
水平ブレース44が設けられる場合は、水平ブレース44の形態が上記の実施形態以外であってもよい。
上記の実施形態では、基礎部2は、直接基礎(べた基礎)であるが、直接基礎以外の基礎(独立基礎や布基礎など)でもよく、杭および地盤改良の有無や方法は適宜設定されてよい。
上記の実施形態では、斜め床部3の段床34は、例えば、プレキャストコンクリート製で、階段状の床板となっているが、RC造のスラブや鋼製のデッキなどで構築されていてもよい。
上記の実施形態では、建物(スタンド1)は、第1-第4柱51-54を有している。これに対し、建物は、地盤に支持されるとともに斜め床部3の建物短辺方向の一方側の端部3aと接合された第1支持柱(上記の実施形態の第1柱51に相当)と、第1支持柱の建物短辺方向の他方側の位置において地盤に支持されるとともに斜め床部3および水平床部4と接合された第2支持柱(上記の実施形態の第2柱52に相当)と、第2支持柱の建物短辺方向の他方側の位置において地盤に支持されるとともに斜め床部3および水平床部4と接合された第3支持柱(上記の実施形態の第3柱53に相当)と、を有し、第2支持柱および第3支持柱と水平床部4の第1水平梁41との間に鉛直ブレース6が設けられていればよい。第1-第3支持柱以外の柱は、適宜設けられてよい。
上記の実施形態では、水平床部4の第1水平梁41と第2柱52および第3柱53との間に鉛直ブレース6が設けられているが、鉛直ブレース6に加えて第2水平梁42と第3柱53および第4柱54との間に鉛直ブレースが設けられていてもよい。
上記の本実施形態では、第1鉛直ブレース61が第1水平梁41の建物短辺方向の中間部と、第2柱52の下端部近傍と、に接合され、第2鉛直ブレース62が第1水平梁41の建物短辺方向の中間部と、第3柱53の下端部近傍と、に接合されている。
これに対し、鉛直ブレースは、第1水平梁41と、第1水平梁41に接合された第2柱52および第3柱53と、基礎部2(地盤)と、に囲まれた鉛直面8内に設けられていれば、上記以外の形態でもよい。
図4に示すスタンド1Bのように、第1鉛直ブレース631が第1水平梁41と第2柱52との接合部と、基礎部における第2柱52と第3柱53との間の位置と、に接合され、第2鉛直ブレース632が第1水平梁41と第3柱53との接合部と、基礎部における第2柱52と第3柱53との間の位置と、に接合されていてもよい。
図5に示すスタンド1Cのように、第1鉛直ブレース641が第1水平梁41の建物短辺方向の中間部と、第2柱52の下端部近傍と、に接合され、第2鉛直ブレース642が第1水平梁41の建物短辺方向の中間部と、第3柱53の下端部近傍と、に接合され、第1水平梁41と第2柱52との接合部と、第1鉛直ブレース641の長さ方向の中間部とを接続する第3鉛直ブレース643と、第1水平梁41と第3柱53との接合部と、第2鉛直ブレース642の長さ方向の中間部とを接続する第4鉛直ブレース644と、を有していてもよい。第3鉛直ブレース643が接続される第1鉛直ブレース641の長さ方向の中間部は、第3鉛直ブレース643が設けられる側に張り出すように屈曲していてもよい。第4鉛直ブレース644が接続される第2鉛直ブレース642の長さ方向の中間部は、第2鉛直ブレース642が設けられる側に張り出すように屈曲していてもよい。
図6に示すスタンド1Dのように、第1鉛直ブレース651が第1水平梁41の建物短辺方向の中間部と、第2柱52の下端部近傍と、に接合され、第2鉛直ブレース652が第1水平梁41の建物短辺方向の中間部と、第3柱53の下端部近傍と、に接合され、第1鉛直ブレース651と第1水平梁41との接合部と、第2鉛直ブレース652と第1水平梁41との接合部とが、上記の実施形態よりも建物短辺方向に離れていてもよい。
図7に示すスタンド1Eのように、第1水平梁41と第3柱53との接合部と、第2柱52の下端部近傍と、に接合される鉛直ブレース661のみが設けられていてもよい。
図8に示すスタンド1Fのように、第1水平梁41と第3柱53との接合部と、第2柱52の下端部近傍と、に接合される第1鉛直ブレース671と、第1水平梁41と第2柱52との接合部と、第1鉛直ブレース671の長さ方向の中間部と、に接合される第2鉛直ブレース672と、を有していてもよい。
上記の実施形態では、スタンド1は、フィールド11の周囲に沿って複数のブロックに分割されていて、隣り合うブロックがエキスパンションジョイントで接続されているが、複数のブロックに分割されていなくてもよいし、複数のブロックに分割されている場合の接続形態は、エキスパンションジョイント以外でもよい。
上記の実施形態では、スタンド1は、上下方向から見た平面視形状が長方形状に形成され、斜め床部3および水平床部4も平面視形状が長方形状に形成されているが、スタンド1、斜め床部3および水平床部4の平面視形状は、適宜設定されてよい。例えば、スタンド1、斜め床部3および水平床部4の平面視形状が屈曲した形状であってもよい。
上記の実施形態では、水平床部4は、平面視形状において、斜め床部3よりも建物短辺方向の寸法が短く形成され、建物短辺方向の他方側の端部4bが斜め床部3の建物短辺方向の他方側の端部3bよりも建物短辺方向の一方側に位置している。これに対し、水平床部4は、建物短辺方向の他方側の端部4bが斜め床部3の建物短辺方向の他方側の端部3bと建物短辺方向の同じ位置(上下方向に重なる位置)に配置されていてもよいし、斜め床部3の建物短辺方向の他方側の端部3bよりも建物短辺方向の他方側の位置に斜め床部3よりも突出するように配置されていてもよい。
上記の実施形態では、スタンド1には、斜め床部3の上端部に庇71が設けられ、庇71は、複数の斜梁31の上端部それぞれに建てられた庇用柱72に支持され、階段状に設けられた客席のうち、上部側の客席の上部に配置されている。これに対し、図9に示すスタンド1Gのように、庇73が第4柱54に支持され、階段状に設けられた客席全体の上部に配置されていてもよい。
このような場合は、庇73は、上記の実施形態の庇71よりも大型となる。このため、第4柱54の上端部が庇73よりも上方に延び、第4柱54の上端部に接合された吊り材75,76によって庇73が上方から吊り支持されるとともに、スタンド1の建物短辺方向の他方側(外周側)において基礎部2および庇73の建物短辺方向の他方側の端部に接合されたバックステイ材74に庇73が支持されていてもよい。図9に示すスタンド1Gでは、斜梁31の建物短辺方向の他方側の端部31aが第4柱54に接合され、斜め床部3が第4柱54よりも建物短辺方向の他方側に突出していない。
このような場合は、庇73に作用する水平力を、第4柱54から斜梁31に伝達させ、斜梁31がブレースとして機能することに水平床部4に伝達させ、水平床部4から鉛直ブレース6を介して基礎部2および地盤に伝達させることができる。また、庇73に作用する水平力を、第4柱54から水平床部4に直接伝達させることができるとともに、バックステイ材74を介して基礎部2および地盤に伝達させることができる。
上記の実施形態では、本発明の建物が、各種スポーツや催し物などが行われるスタジアムなどのスタンドであるが、スタンド以外の建物であってもよい。
1,1B-1G スタンド(建物)
2 基礎部
3 斜め床部
4 水平床部
5 柱
6 鉛直ブレース
8 鉛直面
31 斜梁
41 第1水平梁(水平梁)
44 水平ブレース
45 床スラブ
51 第1柱(第1支持柱)
52 第2柱(第2支持柱)
53 第3柱(第3支持柱)
61 第1鉛直ブレース
62 第2鉛直ブレース
631,641,651,671 第1鉛直ブレース(鉛直ブレース)
632,642,652,672 第2鉛直ブレース(鉛直ブレース)
643 第3鉛直ブレース(鉛直ブレース)
644 第4鉛直ブレース(鉛直ブレース)
661 鉛直ブレース

Claims (4)

  1. 第1水平方向の一方側から他方側に向かって漸次高くなる斜め方向に沿って設けられた斜め床部と、
    前記斜め床部における前記斜め方向の中間部と接合され、前記斜め床部における前記中間部よりも前記第1水平方向の他方側の部分の下側に設けられた水平床部と、
    地盤に支持されるとともに前記斜め床部の前記第1水平方向の一方側の端部と接合され、前記第1水平方向に交差する第2水平方向に間隔をあけて複数設けられた第1支持柱と、
    前記第1支持柱の前記第1水平方向の他方側の位置において地盤に支持されるとともに前記斜め床部および前記水平床部と接合され、前記第2水平方向に間隔をあけて複数設けられた第2支持柱と、
    前記第2支持柱の前記第1水平方向の他方側の位置において地盤に支持されるとともに前記斜め床部および前記水平床部と接合され、前記第2水平方向に間隔をあけて複数設けられた第3支持柱と、を有し
    前記斜め床部は、
    前記斜め方向に延び、前記第1支持柱、前記第2支持柱および前記第3支持柱と接合される斜梁を有し、
    前記水平床部は、
    前記第1水平方向に延び、前記第2支持柱および前記第3支持柱と接合される水平梁と、
    前記水平梁と接合される水平ブレースおよび床スラブの少なくとも一方と、を有し、
    前記水平梁と、それぞれ前記水平梁に接合され前記第1水平方向に隣り合う前記第2支持柱および前記第3支持柱と、地盤と、に囲まれた鉛直面内に設けられる鉛直ブレースを有することを特徴とする建物。
  2. 前記鉛直ブレースは、制震ブレースであることを特徴とする請求項1に記載の建物。
  3. 前記水平床部は、前記水平ブレースを有し、
    前記水平ブレースは、制震ブレースであることを特徴とする請求項1または2に記載の建物。
  4. 前記斜梁は、制震ブレースであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建物。
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