JP3014615B2 - すり鉢状構造物の耐震構造 - Google Patents

すり鉢状構造物の耐震構造

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JP3014615B2
JP3014615B2 JP7089666A JP8966695A JP3014615B2 JP 3014615 B2 JP3014615 B2 JP 3014615B2 JP 7089666 A JP7089666 A JP 7089666A JP 8966695 A JP8966695 A JP 8966695A JP 3014615 B2 JP3014615 B2 JP 3014615B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内周面に階段状のスタ
ンドを有するすり鉢状(コニカル)構造物、例えば、ス
タジアムなどの耐震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】スタジアムなどのすり鉢状構造物では、
図5に示すように、中央のグランド面1を包囲して内周
傾斜面3が形成され、内周傾斜面3は放射状に配設され
た複数の斜梁5によって担持される。また、この斜梁5
は、所定間隔で立設された図示しない柱などによって支
持される。内周傾斜面3には観客スタンド7が設けら
れ、観客スタンド7は傾斜方向に階段状に設けられた個
々のスタンド9によって構成される。従来、このスタン
ド9は、構造物(外力に耐えるもの)的には斜梁5と接
合されていなかった。即ち、従来スタンド9は、構造物
を構成する部材要素とされず設計されるのが一般的であ
った。一方、このようなすり鉢状のスタジアムでは、観
客スタンド7の裏側に相当する部分がコンコースとして
利用されることが多く、オープンな空間形成が要求され
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たすり鉢状構造物では、観客スタンド7側での構造体と
しての接合が行えないため、通常の耐震架構に加えて更
に耐震性能を高める場合には、観客スタンド裏側のコン
コース部分に、耐震壁などを新たに構築するしかなく、
耐震要素としての新たな構成部材が追加されることにな
り、施工コストが増大するとともに、コンコースとして
のオープン空間が損なわれることにもなった。本発明は
上記状況に鑑みてなされたもので、コンコースのオープ
ン空間を損ねることなく、しかも、新たな構成部材を追
加せずに耐震性能を高めることができるすり鉢状構造物
の耐震構造を提供し、経済性を確保しつつ、耐震性の向
上を図ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るすり鉢状構造物の耐震構造は、すり鉢状
構造物の周面に沿って複数の斜梁が放射状に設けられ、
隣接する該斜梁同士に、階段形状のスタンドスラブが架
設され、該スタンドスラブは、断面L字状のPC板で形
成した個々のスタンドを前記斜梁の傾斜方向に連結して
一体構造に形成され、前記スタンドスラブと前記斜梁と
の間に形成される断面三角形状の空間に打設コンクリー
トが充填されて前記スタンドスラブと前記斜梁とが接合
され、前記斜梁の下面が、該斜梁の傾斜方向に所定間隔
で立設された複数の柱の上端に接合されて担持され、複
数の前記柱が水平梁によって相互に連結され、且つ該水
平梁の一端部が前記斜梁と前記柱との接合部に接合され
たことを特徴とするものである。
【0005】
【作用】断面L字状の複数りPC板が連結され、一体構
造のスタンドスラブが形成される。スタンドスラブと、
斜梁とが、断面三角形状の空間に充填された打設コンク
リートによって一体に接合され、すり鉢状構造物の周面
に沿った水平方向の外力が、一体構造のスタンドスラブ
に伝達され、スタンドスラブの面内剪断力が地震力に対
抗する構造耐力となる。また、スタンドスラブと一体に
なった斜梁の下面が複数の柱の上端に接合され、複数の
柱が水平梁によって相互に連結される。更に、この水平
梁の一端部が、斜梁と柱との接合部に接合され、スタン
ドに対して接近離反する水平方向の外力が、水平梁、斜
梁により伝達され、これら部材の引っ張り又は圧縮の内
力が、スタンドスラブに分散され、地震力に対抗する構
造耐力となる。そして、スタンドスラブ、斜梁、柱、水
平梁とが、接合部において相互に直接的に接合されるこ
とで、これら部材の面内剪断力及び軸力が損失なく複合
され、地震力に対する耐力が相乗的に高められる。この
結果、耐震壁等の新たな構造部材を追加することなく、
経済性を確保しつつ、スタンドスラブ下方に大きなオー
プン空間の確保が可能になる。
【0006】
【実施例】以下、本発明に係るすり鉢状構造物の耐震構
造の好適な実施例を図面を参照して詳細に説明する。図
1は本発明すり鉢状構造物の耐震構造を示す縦断面図、
図2はスタンドスラブを示す縦断面図、図3はスタンド
スラブと斜梁との接合状態を示す透視側面図、図4は図
3のA−A矢視図である。すり鉢状構造物である例えば
スタジアムには中央のグランド面1(図5参照)を包囲
して観客スタンド11が設けられ、観客スタンド11は
傾斜方向に階段状に設けられた個々のスタンド13によ
って構成される。スタンド13は、例えばPC板による
構築の場合、図2に示す断面L字状のPC板15が用い
られる。PC板15は、水平方向の段板部17と、この
後端で立設されるけ込み部19とから構成される。PC
板15は、下段側PC板15aのけ込み部19に形成さ
れた切欠21に、上段側PC板15bの段板部17先端
を係合させ、傾斜方向に連結されて行く。
【0007】下段側PC板15aのけ込み部19には、
上段側PC板15bの段板部17側に突出するシア筋2
3が埋設される。段板部17の上面には現場にてコンク
リート25が打設され、コンクリート25は下段側PC
板15aのけ込み部19上端面と面一に仕上げられる。
これにより、下段側PC板15aから突出したシア筋2
3は、上段側PC板15bに打設されたコンクリート2
5に埋設されることになる。即ち、下段側PC板15a
と上段側PC板15bは、シア筋23、コンクリート2
5により連結され、一体構造のスタンドスラブ27を構
成する。
【0008】一体構成されるスタンドスラブ27の下面
には図3に示すように、斜梁29が接合される。斜梁2
9はすり鉢状周面に放射状に複数配設され、スタンドス
ラブ27の下面を担持する。スタンドスラブ27と斜梁
29との接合は、PC板15と斜梁29との間に形成さ
れた断面直角三角形状の空間に、現場にてコンクリート
31を打設することにより行う。
【0009】け込み部19と斜梁29とに亘っては、下
向きに開口するコ字状のシア筋33が鉛直方向に埋設さ
れ、接合強度が高められる。また、段板部17の後端と
斜梁29とに亘っては、斜梁29方向に開口するコ字状
のシア筋35が水平方向に埋設され、接合強度が高めら
れる。これにより、すり鉢状構造物の周面を形成するス
タンドスラブ27と斜梁29とは一体に接合されること
になる。なお、け込み部19の上部と下部には斜梁29
と直交し且つ水平方向のスタンドシア筋36a、36b
が埋設され、スタンドシア筋36a、36bはスタンド
スラブ27の剛性を高める。
【0010】また、斜梁29は、図1に示すように、所
定間隔で柱37に接合される。一方、スタンドスラブ2
7の裏側には、コンコース空間39が確保される。この
コンコース空間39には階層ごとにスラブ40、水平梁
41が設けられ、水平梁41のスタンド側端部は斜梁2
9と柱37が接合した接合部Pに接合される。つまり、
斜梁29は、同一の接合部Pで柱37と水平梁41とに
接合されて支持される。以上の構成により、本実施例の
すり鉢状構造物では、スタンドスラブ27、斜梁29、
柱37、水平梁41とが一体となった耐震構造を形成す
るのである。
【0011】このように構成されたすり鉢状構造物の耐
震構造では、スタンド13に対して接近離反する水平方
向(矢印a方向)の外力(地震力)は、スラブ40、水
平梁41、斜梁29により伝達され、これら部材の引っ
張り又は圧縮の内力(軸力)が地震力に対して有効に作
用するようになる。一方、すり鉢状構造物の周面、即
ち、スタンドスラブ27に沿った水平方向(矢印b方
向)の地震力は、一体構成されたスタンドスラブ27に
より伝達され、スタンドスラブ27の面内剪断力が地震
力に対して有効に作用するようになる。
【0012】また、捩じれに対しては、一体化されたス
タンド全体、或いは、ある程度の大きさで一体化された
スタンドブロックにより耐力が発揮されることになる。
そして、水平梁41の端部が、斜梁29と柱37との
合部Pに接合されることから、スタンドスラブ27、斜
梁29、柱37、水平梁41とが、相互に直接的に接合
されることで、これら部材の面内剪断力及び軸力が損失
なく複合され、地震力に対する耐力が相乗的に高められ
る。即ち、従来では耐震構造要素として用いられていな
かったスタンドスラブ27の面内剪断耐力、斜梁29の
軸耐力が耐震要素に取り込まれることになり、すり鉢状
構造物における耐震性が大幅に高められることになる
【0013】本実施例の耐震構造によれば、従来、構造
物の構成要素としては利用されていなかったスタンド9
を、一体構造で形成して耐震構造要素として取り入れ、
これによって形成されたスタンドスラブ27を、従来構
造の斜梁29、柱37、水平梁41とに接合して一体構
造の構造物を構築したので、これら部材の面内剪断力及
び軸力が複合して地震力に対して有効に作用するように
なり、耐震壁を設けたのと同様の効果を得ることができ
る。この結果、新たな構成部材を追加することなく、耐
震性能を高めることができ、コンコースのオープン空間
を損ねることもない。
【0014】なお、上述の実施例では、PC板15を用
いて一体構造のスタンドスラブ27を形成したが、スタ
ンドスラブ27は、通常の型枠を用い、コンクリートの
打設を行うことで、斜梁29と一体形成するものであっ
ても勿論よい。また、上述した一体構造のスタンドスラ
ブ27は、すり鉢状構造物の周面全体を一体で形成する
ことが好ましいが、周面方向、或いは、傾斜方向に複数
に分割したブロックで形成することも可能である。但
し、この場合においても、少なくとも隣接する斜梁29
の間でスタンドスラブ27、柱37、水平梁41とが一
体となり得る単位で分割されなければならない。
【0015】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るすり鉢状構造物の耐震構造によれば、従来では耐震構
造要素として用いていなかったスタンドスラブを耐震構
造要素として取り入れ、且つこのスタンドスラブを、斜
梁、柱、水平梁に直接的に接合して一体構造を構築した
ので、これら部材の面内剪断力及び軸力を損失なく複合
させることができ、耐震壁を設けたのと同様の効果を得
ることができる。この結果、コンコースのオープン空間
を損ねず、且つ経済性を確保しつつ、耐震性を大幅に向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明すり鉢状構造物の耐震構造を示す縦断面
図である。
【図2】スタンドスラブを示す縦断面図である。
【図3】スタンドスラブと斜梁との接合状態を示す透視
側面図である。
【図4】図3のA−A矢視図である。
【図5】すり鉢状構造物を説明する図である。
【符号の説明】
13 スタンド 15 PC板 27 スタンドスラブ 29 斜梁 31 打設コンクリート 37 柱 41 水平梁 P 接合部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すり鉢状構造物の周面に沿って複数の斜
    梁が放射状に設けられ、 隣接する該斜梁同士に、階段形状のスタンドスラブが架
    設され、 該スタンドスラブは、断面L字状のPC板で形成した個
    々のスタンドを前記斜梁の傾斜方向に連結して一体構造
    に形成され、 前記スタンドスラブと前記斜梁との間に形成される断面
    三角形状の空間に打設コンクリートが充填されて前記ス
    タンドスラブと前記斜梁とが接合され、 前記斜梁の下面が、該斜梁の傾斜方向に所定間隔で立設
    された複数の柱の上端に接合されて担持され、 複数の前記柱が水平梁によって相互に連結され、且つ該
    水平梁の一端部が前記斜梁と前記柱との接合部に接合さ
    れた ことを特徴とするすり鉢状構造物の耐震構造。
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