JP4264900B2 - 梁と床板の接合構造 - Google Patents
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Description
一方、梁はプレキャストコンクリートを使用する場合と現場打ちによる場合があるが、施工性の観点からはプレキャストコンクリートとすることが望ましい。ロングスパンの梁では、プレストレスの導入が必要となる場合が多いが、その際にも梁をプレキャストコンクリートとすることによってプレテンション工法の採用が可能となる。
例えば、特許文献1では、ハーフプレキャストコンクリート梁上部の接合段部にハーフプレキャストコンクリートスラブ板を載置し、その上からコンクリートを打設するスラブ施工法が示されている。
本発明では、扁平なハーフプレキャストコンクリート梁とハーフプレキャストコンクリート床板との間に現場打ちコンクリートからなる接合部を介在させ、当該接合部とハーフプレキャストコンクリート床板とをアンカー筋で連結することにより、梁を床板とほぼ同じ厚さまで扁平化することが可能となる。しかも、梁および床板にプレキャスト部材を使用しているので施工性の向上も併せて図ることができる。
本発明では、梁と床板間の応力伝達は現場打ちコンクリートからなる接合部を介して行われるため、ブラケットは接合部のコンクリートを打設する際の型枠としての機能のみ有すればよく、従来に比べて格段に薄いブラケットとすることができる。
本発明では、ハーフプレキャストコンクリート床板の端面に形成された凹陥部内に接合部を形成するコンクリートが充填されることにより、接合部とハーフプレキャストコンクリート床板との間にコッターが形成され、梁と床板間の応力伝達がより確実なものとなる。
図1は建物の部分平面図である。対象とする建物は、鉄筋コンクリート造の高層または超高層の集合住宅建物である。建物の平面視中央部には吹抜け部Vが設けられており、当該吹抜け部Vを囲繞するように住戸部Rが配置されている。
柱および梁は、建物の外周部および内周部に集中的に配置されており、外周側に配置された外周柱C1および外周梁H1からなる外周チューブ架構T1と、内周側に配置された内周柱C2および内周梁H2からなる内周チューブ架構T2によって構成されるダブルチューブ構造となっている。
連結梁13および床板14、15は、ハーフプレキャストコンクリート梁3およびハーフプレキャストコンクリート床板1、2とその上面に打設された現場打ちコンクリート7からそれぞれ構成される。
ハーフプレキャストコンクリート床板1とハーフプレキャストコンクリート梁3は離間しており、その間には現場打ちコンクリートからなる接合部4が介在し、ハーフプレキャストコンクリート床板1と接合部4は、両端に拡径部5aを有する棒状鉄筋からなるアンカー筋5によって連結されている。具体的には、アンカー筋5の一方の端部がハーフプレキャストコンクリート床板1に形成されたボイド内に固定され、他方の端部が接合部4内に埋設されている。拡径部5aは、アンカー筋5の定着長を確保するために、鉄筋の両端にそれぞれ機械式定着具を装着したものである。
また、ハーフプレキャストコンクリート梁3の梁成の中央部には、複数のPC鋼線8…が梁幅方向に並設されており、各PC鋼線8にはプレテンション工法によりプレストレスが導入されている。これにより、ロングスパンの場合でも梁成を小さくすることができる。
本実施形態では、ハーフプレキャストコンクリート床板21、22として、第一の実施形態で使用した穴明き床板に代えて逆T型床板を使用する。逆T型床板は、上方に突出する突条部21a、22aが一方向(架設方向)に形成されたものである。
また、接合部24に接するハーフプレキャストコンクリート床板21の端面には、突条部21aの位置に凹陥部21bが形成されている。接合部24を形成するコンクリートが凹陥部21b内に充填されることにより、接合部24とハーフプレキャストコンクリート床板21との間にコッターが形成され、接合部24とハーフプレキャストコンクリート床板21間の応力伝達がより確実なものとなる。
なお、本実施形態におけるアンカー筋25は単なる棒状鉄筋とし、ハーフプレキャストコンクリート床板21上に一端が定着され、他端が接合部24内に埋設される。
また、第一および第二の実施形態による梁と床板の接合構造では、連結梁13にプレキャスト部材を使用しているので、プレストレスを導入する場合にプレテンション工法を適用することができる。そのため、現場におけるプレストレスの管理が不要となり、ポストテンション工法に比べて大幅に施工性を改善することができる。
本実施形態では、第二の実施形態におけるブラケット26を無くしたものである。施工時には、接合部34の底面を型枠36で塞ぎ、現場打ちコンクリート37を打設する。
2a ボイド
3、23、33 ハーフプレキャストコンクリート梁
4、24、34 接合部
5、25、35 アンカー筋
5a 拡径部
6、26 ブラケット
7、27、37 現場打ちコンクリート
8、28、38 PC鋼線
9、29、39 帯筋
10a 梁下端筋
10b 梁上端筋
11 スラブ筋
13 連結梁
14、15 床板
21b 凹陥部
21a、22a 突条部
36 型枠
S ハーフプレキャストコンクリート床板
B プレキャストコンクリート梁
Ba ブラケット
Claims (3)
- 扁平断面を有するハーフプレキャストコンクリート梁上およびハーフプレキャストコンクリート床板上に現場打ちコンクリートが一体的に打設されてなる梁と床板の接合構造であって、
離間する前記ハーフプレキャストコンクリート梁と前記ハーフプレキャストコンクリート床板との間には現場打ちコンクリートからなる接合部が介在し、前記ハーフプレキャストコンクリート床板から延出するアンカー筋が前記接合部内に埋設されていることを特徴とする梁と床板の接合構造。 - 前記接合部は、前記ハーフプレキャストコンクリート梁の下端部が側方に張り出したブラケット上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の梁と床板の接合構造。
- 前記接合部に接する前記ハーフプレキャストコンクリート床板の端面に凹陥部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の梁と床板の接合構造。
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