JP2006336237A - フルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブおよびこれを用いた中空スラブの構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブ10の梁架け端部14を中実構造に構成し、その端面から接合鉄筋15を必要な長さ突き出させ、同端面部にシヤーコッター17を形成し、梁架け端部14の端面下部に欠き込みによる梁架け用顎18を形成して端部下がり形状となす。梁架け用顎18を梁1の上面へ載せ架け、接合鉄筋15を梁1上で相対峙するコンクリートスラブの接合鉄筋15と溶接又は機械式継手20などにより結合し、梁1上で相対峙するコンクリートスラブの端面間に現場打ちコンクリート22を打設して梁とスラブを一体化する。
【選択図】 図1
Description
一方、事務所ビル等の建築に一般的に使用される、デッキプレートを用いたデッキ床スラブの厚さは通常120mm〜160mm程度である。
要するに、デッキ床スラブに比較して中空コンクリートスラブはかなり厚いので、中空スラブを鉄骨造建物の床スラブとして採用する場合には、一般のデッキ床スラブを採用する場合に比して建物の階高を高くする必要があり、欠点となっている。
特許文献5には、フルプレキャスト1方向中空コンクリートスラブおよび躯体梁との一体化構造が開示されている。
フルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブ10の梁架け端部14を中実構造に構成すると共にその端面から接合鉄筋15を必要な長さ突き出させ、同端面部にシヤーコッター17を形成し、同梁架け端部14の端面下部に欠き込みによる梁架け用顎18を形成して端部下がり形状となし、
前記フルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブ10の前記梁架け用顎18を梁1の上面へ載せ架け、その接合鉄筋15を、梁1上で相対峙するコンクリートスラブの接合鉄筋15と溶接又は機械式継手20などにより結合し、
前記梁1上で相対峙するコンクリートスラブの端面間に現場打ちコンクリート22を打設して梁とスラブを一体化することを特徴とする。
フルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブ10の欠き込みによる梁架け用顎18の梁上厚さは160mm程度となるように形成し、同梁架け用顎18の内隅部に応力集中によるひび割れを防止するR加工を形成し、また、中実構造とした梁架け端部14内にせん断力伝達能力を高める補強筋25を配筋することを特徴とする。
梁1の上面に頭付きスタッド21を設けて、梁1上で相対峙するコンクリートスラブおよび梁を現場打ちコンクリート22により一体化することを特徴とする。
梁1上で相対峙するコンクリートスラブの接合鉄筋15を機械式継手20により結合する場合には、補強筋23を配筋して現場打ちコンクリート22を打設し、梁とスラブを一体化することを特徴とする。
一方向に並列する中空部12、13は梁架け端部の近傍位置まで形成され、前記中空部より外側の梁架け端部14は中実構造とされ、その端面に接合鉄筋15が必要な長さ突き出され、端面部にシヤーコッター17が形成されており、前記梁架け端部14の端面下部に欠き込みによる梁架け用顎18が形成され端部下がり形状に構成されていることを特徴とする。
欠き込みによる梁架け用顎18の内隅部に応力集中によるひび割れを防止するR加工が形成され、中実構造とした梁架け端部14内にはせん断力伝達能力を高める補強筋25が配筋されていることを特徴とする。
一方向に並列する中空部12、13は、折り板11と型枠代用中空材12との組合せにより形成されていることを特徴とする。
更に言えば、通例腹部コンクリート充填鉄骨1Aを用いる集合住宅等を建築する場合でも、従来の図12に示した実施例のように梁上面へハーフプレキャスト板3を単純に載せ架ける工法に比較すると、建物の階高は同じでもより大きな天井高さを確保することができる(図11を参照)。
本発明に係るフルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブ10を使用すると、現場打ちコンクリートの打設量が極めて少なくて済み、現場作業の能率が向上して、工期の短縮に寄与する。また、フルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブ10は、軽量で曲げ剛性が大きいので、鉄骨造事務所ビル等の建築において、スラブの許容スパンを大きくできるから、その分だけ小梁を削減し又は省略することができ、作業性と経済性が高まり、工期の短縮を図れる。
前記フルPCa一方向中空スラブ10の梁架け端部14の前記梁架け用顎18を梁1の上面へ載せ架け、その接合鉄筋15を、梁上で相対峙するコンクリートスラブの接合鉄筋15と溶接又は機械式継手20などにより結合する。そして、前記梁上で相対峙するコンクリートスラブ(双方がフルPCa一方向中空スラブ10である場合のほか、一方が現場打ちのデッキ床スラブ、又はハーフPCaスラブによる中空スラブである場合等を含む。以下、同じ。)の端面間に、現場打ちコンクリート22を打設して梁とスラブを一体化する。
図1〜図3に、請求項1〜4の方法で構築した中空スラブの実施例を示し、図4に同方法に使用するフルPCa一方向中空スラブ10の平面図を示している。
本発明の中空スラブ構築方法に使用するフルPCa一方向中空スラブ10は、図2と図3および図4に示したように、一方向に並列する中空部が、折り板11と、その波形溝の一つ置きの上向き溝へ嵌め込んだ、例えば発泡スチレンフォーム等で成形された型枠代用中空材12の上に上端コンクリートを打設して床スラブ厚さを例えば260mm程度に形成されている(図2を参照)。図2で明らかなように、折り板11の波形溝のうち下向きに開口する波形溝13、および型枠代用中空材12を埋めた上向きに開口する波形溝がそれぞれ、一方向に並列する中空部として形成されている。折り板11は、下向きの山部が、先行して打設した下端コンクリートが未だ柔らかいうちに頂角部を少し埋め込んで一体化されている。
このフルPCa一方向中空スラブ10の前記梁架け端部14の端面部には、スラブの水平方向せん断力に抵抗するシヤーコッター17が、平面視が凹凸の波形状に形成されている。また、前記梁架け端部14の端面下部に欠き込みによる梁架け用顎18が形成されて端部下がり形状に構成されている。
先ず図示した鉄骨梁1(但し、鉄骨梁の限りではなく、PCa梁、或いは後述する腹部コンクリート充填鉄骨梁などでも良い。)の上側フランジの上面の片側に、上記フルPCa一方向中空スラブ10の梁架け用顎18を載せ架ける。そして、接合端面に突き出る接合鉄筋15を、鉄骨梁1のフランジ上で相対峙する隣接のコンクリートスラブ(図示した実施例ではフルPCa一方向中空スラブ10を示しているが、この限りではないことは、上記の段落番号[0015]に説明した通り。)の接合鉄筋15と、溶接又は機械式継手20により一体的に結合する。
また、機械式継手20を使用して相対峙する2本の接合鉄筋15、15を結合する場合には、図5のような棒鉄筋、或いは図6に示したような網状鉄筋を補強筋23として配筋し、現場打ちコンクリートによる一体性の向上を図るのが好ましい。
因みに、図8はU形状鉄筋25aを補強筋として配筋した実施例を示す。図9は溶接金網25bを補強筋として配筋した実施例を示す。図10はスパイラル鉄筋25cを補強筋として配筋した実施例を示している。
図2中の符号30は、フルPCa一方向中空スラブ10相互の現場打ちコンクリートによる板−板接合部を示す。
14 梁架け端部
15 接合鉄筋
17 シヤーコッター
18 梁架け用顎
1 梁
20 機械式継手
22 現場打ちコンクリート
25 補強筋
21 頭付きスタッド
23 補強筋
12、13 中空部
Claims (7)
- フルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブの梁架け端部を中実構造に構成すると共にその端面から接合鉄筋を必要な長さ突き出させ、同端面部にシヤーコッターを形成し、梁架け端部の端面下部に欠き込みによる梁架け用顎を形成して端部下がり形状となし、
前記フルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブの前記梁架け用顎を梁の上面へ載せ架け、その接合鉄筋を、梁上で相対峙するコンクリートスラブの接合鉄筋と溶接又は機械式継手などにより結合し、
前記梁上で相対峙するコンクリートスラブの端面間に現場打ちコンクリートを打設して梁とスラブを一体化することを特徴とする、フルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブを用いた中空スラブの構築方法。 - フルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブの欠き込みによる梁架け端部の梁上厚さが160mm程度となるように形成し、その内隅部に応力集中によるひび割れを防止するR加工を形成し、また、中実構造とした梁架け端部内にせん断力伝達能力を高める補強筋を配筋することを特徴とする、請求項1に記載したフルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブを用いた中空スラブの構築方法。
- 梁の上面に頭付きスタッドを設けて、梁上で相対峙するコンクリートスラブおよび梁を現場打ちコンクリートにより一体化することを特徴とする、請求項1又は2に記載したフルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブを用いた中空スラブの構築方法。
- 梁上で相対峙するコンクリートスラブの接合鉄筋を機械式継手により結合する場合には補強筋を配筋して現場打ちコンクリートを打設し、梁とスラブを一体化することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載したフルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブを用いた中空スラブの構築方法。
- 一方向に並列する中空部は梁架け端部の近傍位置まで形成され、前記中空部より外側の梁架け端部は中実構造とされ、その端面に接合鉄筋が必要な長さ突き出され、端面部にシヤーコッターが形成されており、前記梁架け端部の端面下部に欠き込みによる梁架け用顎が形成され端部下がり形状に構成されていることを特徴とする、フルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブ。
- 欠き込みによる梁架け用顎の内隅部に応力集中によるひび割れを防止するR加工が形成され、中実構造とされた梁架け端部内にせん断力伝達能力を高める補強筋が配筋されていることを特徴とする、請求項5に記載したフルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブ。
- 一方向に並列する中空部は、折り板と型枠代用中空材との組合せにより形成されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載したフルプレキャスト一方向中空コンクリートスラブ。
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