JP6752006B2 - 建物ユニットの固定構造及びユニット建物 - Google Patents

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本発明は、建物ユニットの固定構造及びユニット建物に関する。
従来、建物ユニットを構成する柱の下端部と、柱の下端部に接合された部材とを、それぞれアンカーボルトで基礎に固定(緊結)し、柱の浮き上がりを抑制する。これにより地震荷重、風荷重などの水平荷重(以下、総称して「水平荷重」という)に対する曲げ耐力を向上させる方法が知られている。
例えば、下記特許文献1には、柱材の下端部と、柱材と梁材の接合部に設けられ、柱材及び梁材に溶着された補強部材とを、それぞれアンカーボルトで基礎に固定する固定構造が開示されている。柱の直下及び近傍から柱及び補強部材をそれぞれ基礎に固定するため、柱及びその近傍を基礎に強固に固定し、水平荷重により生じる柱の浮き上がりを抑制する。この結果、柱に作用する引抜荷重に対する耐力を向上させて、転倒に対する耐力を上げることが可能となる。
特開2010−174452号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の固定構造では、柱材と、柱材及び梁材に溶着された補強部材とを固定することで、柱の浮き上がりを抑制する。このため、柱材を固定するアンカーボルトの締結点と、補強部材(梁材)を固定するアンカーボルトの締結点とが接近してしまう。この結果、引抜荷重に対する抵抗力が充分に得られないという問題があった。
本発明は上記事実を考慮し、断面形状や板厚等の建物ユニットの部材構成を変更することなく、建物ユニットの桁面の水平荷重に対する剛性を向上させることができる建物ユニットの固定構造及びユニット建物を得ることが目的である。
上記目的を達成するために、第1の態様に係る建物ユニットの固定構造は、4本の柱と、前記柱の上端部間に架設される4本の天井梁と、前記柱の下端部間に架設される4本の床梁と、を含んで構成される箱型の建物ユニットを有している。また、前記建物ユニットの桁面における前記柱の下端部を第1のアンカーボルトにより基礎に固定する第1の固定部を有している。また、前記桁面における前記床梁に設けられ、水平荷重により当該床梁に作用する曲げモーメントの反曲点を除いた位置で、当該床梁を第2のアンカーボルトにより前記基礎に固定する第2の固定部を有している。
第2の態様に係る建物ユニットの固定構造は、第1の態様に係る建物ユニットの固定構造において、前記第2の固定部が、前記床梁の長手方向の両端部と前記反曲点との各中間位置に設定されている。
第3の態様に係る建物ユニットの固定構造は、第1又は第2の態様に係る建物ユニットの固定構造において、前記第2のアンカーボルトが接合される前記基礎が、地盤に埋設されたフーチングと、前記フーチングに立設された立ち上がり部と、を有している。前記立ち上がり部の上端部には、アンカー孔が設けられており、当該アンカー孔に挿入されたアンカーボルトが主筋に対して直交して配置されかつ当該主筋を囲むフープ筋で囲まれている。
第4の態様に係る建物ユニットの固定構造は、第1乃至第3の態様のいずれか1態様に係る建物ユニットの固定構造において、前記第2の固定部が、クリップナットを含んで構成されている。クリップナットは、前記床梁の下フランジを挟持する上挟持部及び下挟持部と、当該上挟持部及び当該下挟持部を連結する連結部と、を含んで構成されている。前記上挟持部には、前記床梁よりも板厚が厚く設定されたワッシャプレートが固着され、前記ワッシャプレートにはナットが固着されている。
第5の態様に係るユニット建物は、第1〜第4の態様のいずれか1態様に係る建物ユニットの固定構造が適用された建物ユニットを1つ以上含んで構成されている。
第6の態様に係るユニット建物は、第5の態様に係るユニット建物において、3層の積層構造とされており、最下層の前記建物ユニットに、第1〜第4の態様のいずれか1態様に係る建物ユニットの固定構造が適用されている。
第1の態様に係る建物ユニットの固定構造によれば、箱型の建物ユニットの桁面における柱の下端部が、基礎に第1の固定部で第1のアンカーボルトによって固定される。また、同じ桁面における床梁が、水平荷重により床梁に作用する曲げモーメントの反曲点を除いた位置で、基礎に第2の固定部で第2のアンカーボルトによって固定される。これにより、桁面の2本の柱の下端部間に架設される床梁の基礎への固定点(アンカーボルトの締結点)が複数になり、第1の固定部及び第2の固定部の各固定点において引抜荷重に対する抵抗力が得られる。その結果、基礎に固定される建物ユニットの桁面の基礎への支持力が増加し、水平荷重に対して剛性が高い桁面が得られる。
第2の態様に係る建物ユニットの固定構造によれば、床梁の両端部と反曲点との各中間位置で、床梁が固定される。両端が第1の固定部で固定された床梁の場合、床梁の両端部と反曲点との各中間位置に最大曲げモーメントが作用する。従って、この位置に第2の固定部を設けると、曲げ耐力を得るのに効率が良い。
第3の態様に係る建物ユニットの固定構造によれば、立ち上がり部の上端部には、アンカー孔が設けられており、アンカー孔に挿入されたアンカーボルトがフープ筋で囲まれているため、アンカーボルトの周囲を補強することができる。このため、アンカーボルトに水平荷重に対する抵抗力が増強される。その結果、水平荷重が建物ユニットを介してアンカーボルトに作用した際に、アンカーボルトの周囲のコンクリートが剥落することを防止することができる。
第4の態様に係る建物ユニットの固定構造によれば、床梁の下フランジにおける第2の固定部の設置位置に、床梁よりも板厚が厚いワッシャプレートとナットが固着されたクリップナットが装着される。そして、第2のアンカーボルトを下挟持部側から挿入してナットに固定することで、床梁に第2のアンカーボルトを取付けることができる。このようにクリップナットを利用することにより、現場でのナット締結工程を省略し施工が容易になると共に、板厚の厚いワッシャプレートにより、第2の固定部の強度を容易に確保することができる。
第5の態様に係るユニット建物の固定構造によれば、ユニット建物が、第1〜第4の態様のいずれか1態様に係る建物ユニットの固定構造が適用された建物ユニットを1つ以上含んで構成されている。このため、その建物ユニットの桁面は、第1の固定点及び第2の固定点によってアンカーボルトで基礎に固定されることとなり、水平荷重に対する抵抗力が高いユニット建物が得られる。
第6の態様に係るユニット建物の固定構造によれば、建物ユニットが3層積層されており、上層2層の建物ユニットの自重が作用する最下層の建物ユニットに、第1〜第4のいずれか1態様に係る建物ユニットの固定構造が適用されている。ここで、水平荷重、例えば地震荷重は、建物の自重に比例するため、建物ユニットが複数(例えば3層)積層されている場合には、最下層ユニットの床梁に、上層2層の自重を加算した大きな水平荷重が作用する。このような場合に、最下層ユニットの床梁を固定することで、効果的にユニット建物の桁面の面剛性を向上させることができる。
以上説明したように、第1の態様に係る建物ユニットの固定構造は、断面形状や板厚等の建物ユニットの部材構成を変更することなく、建物ユニットの桁面の水平荷重に対する剛性を向上させることができるという優れた効果を有する。
第2の態様に係る建物ユニットの固定構造は、曲げモーメントによる撓みが大きくなる位置をアンカーボルトにより固定する結果、建物ユニットの桁面の水平荷重に対する剛性を効果的に向上させることができるという優れた効果を有する。
第3の態様に係る建物ユニットの固定構造は、建物ユニットの桁面の水平荷重に対する剛性をより一層向上させることができるという優れた効果を有する。
第4の態様に係る建物ユニットの固定構造は、施工が容易となる結果、現場での作業時間ひいては工期を短縮すると共に、板厚の厚いワッシャプレートを上挟持部に固着することにより、第2の固定部の強度を容易に確保できるという優れた効果を有する。
第5の態様に係るユニット建物は、断面形状や板厚等の建物ユニットの部材構成を変更することなく(即ち、ユニット工法の利点を損なうことなく)、水平荷重に対する耐力が強化されたプランの豊富化により、ユニット工法で構築される建物のプラン対応力を向上させることができるという優れた効果を有する。
第6の態様に係るユニット建物は、3層の積層構造とされたユニット建物を構築する場合においても、生産性を損なわず、水平荷重に対する抵抗力が高いユニット工法による建物を得ることができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る建物ユニットの固定構造が最下層の建物ユニットに適用されたユニット建物の断面図(図2のA−A線に沿った縦断面図)である。 図1に示されるユニット建物の基礎構造を中心に示す平面図である。 図1に示される建物ユニットの固定構造を模式的に示す概略構成図である。 図1に示される建物ユニットの固定構造の要部を示す縦断面図である。 図4に示される建物ユニットの固定構造により固定された床梁の平断面図である。 図4に示される建物ユニットの固定構造の分解斜視図である。 図2に示される梁受け基礎を拡大して示す縦断面図である。 図7に示される梁受け基礎を示す平面図である。 第2実施形態に係る建物ユニットの固定構造を示す図6に対応する分解斜視図である。
<第1実施形態>
以下、図1〜図8を用いて、本発明に係る建物ユニットの固定構造及びユニット建物の第1実施形態について説明する。
(ユニット建物10の全体構成)
まず、図1及び図2を用いて、ユニット建物の全体構成について説明する。図1には、建物ユニットの配置を二点鎖線で図示すると共に、基礎を断面で図示したユニット建物の縦断面図が示されている。また、図2には、このユニット建物の下層部分の建物ユニットの割付けと基礎の伏図が示されている。
図1に示されるように、ユニット建物10は、布基礎14、柱受け基礎16(図2参照)、梁受け基礎18と、これらの布基礎14、柱受け基礎16、梁受け基礎18上に構築された建物部分20とによって構成されている。建物部分20は、上層22、中層24及び下層26の3層を積層した構造とされている。
図2に示されるように、下層26は、中央部分28と左側部分30と右側部分32との3つの部分に大きく区分けされている。中央部分28には、標準サイズの2個の建物ユニット12Aとそのハーフサイズの1個の建物ユニット12Bとが布基礎14の妻方向に隣接して配置されている。また、左側部分30には、中央部分28に配置された建物ユニット12A、12Bに対して直交して、サイズが異なる2個の建物ユニット12C、12Dが配置されている。建物ユニット12C、12Dの桁側のスパン長は、前述した3個の建物ユニット12A、12Bの妻側のスパン長を合わせた長さとなっている。また、建物ユニット12Dは、建物ユニット12Cのハーフサイズとされている。さらに、右側部分32には、左側部分30で用いられたワイドサイズの建物ユニット12Cが左側部分30と同様に建物ユニット12A、12Bに対して直交配置されている。なお、図2に示される破線は、建物ユニット12A〜12Dの後述する床梁38を示している。
また、以下の説明においては、上述した建物ユニット12A、12B、12C、12Dを区別する必要がないときは、総称して「建物ユニット12」と称す。さらに、布基礎14についても、建物ユニット12のどの面が据え付けられるかによって、「桁面布基礎14A」、「妻面布基礎14B」と区別して図示しておく。
次に、建物ユニット12のフレーム構造について概説する。図3に示されるように、各建物ユニット12は、箱型ユニットとされており、四隅に立設された4本の柱34と、対向する柱34の上端部間に架設された4本の天井梁36と、対向する柱34の下端部間に架設された4本の床梁38と、を含んで構成されている。柱34と、天井梁36及び床梁38とは、それぞれ溶接により剛接合されており、建物ユニット12はラーメン構造の建物ユニットとして一体化されている。
柱34は、角形鋼管により形成されている。また、天井梁36及び床梁38は、溝形鋼とされている。床梁38は、ウェブ38Aと上フランジ38Bと下フランジ38Cとによって構成されている(一例として図4参照)。天井梁22も全く同様の溝形鋼が使用されているが、以降の説明で使用しないので、各部に符号を付すことは省略する。
(ユニット建物10の要部構成)
図3には、本発明に係る建物ユニット10の固定構造が適用された一例である建物ユニット12Aを模式的に図示した立面図が示されている。この図に示されるように、建物ユニット12Aにおいて屋内側に配置された桁面40は、左右両端に配置された柱34の下端部が第1の固定部42によって柱受け基礎16にそれぞれ固定されている。さらに、桁面40の床梁38が、長手方向の中間位置を除いた左右両側2か所で第2の固定部44によって梁受け基礎18にそれぞれ固定されている。上記固定構造が本実施形態に係る建物ユニット12の固定構造の要部であると共に特徴でもあるので、以下、この点について詳細に説明する。
第1の固定部42の構成は公知技術であるので、簡単に説明する。上記桁面40の左右両端の柱34の下端部には、図示しないベースプレートが予め溶接されている。建物ユニット12Aを布基礎14及び柱受け基礎16上に吊り込む際に、ベースプレートに第1のアンカーボルト46(図2参照)が装着される。柱受け基礎16の上端部には図示しないアンカ孔が形成されており、内部にグラウトが注入された状態で第1のアンカーボルト46がアンカ孔内に装着されて固定されるようになっている。
一方、第2の固定部44は、第1の固定部42とは異なり、新たに設置されたものである。建物ユニット12Aの桁面40の柱34の上端部に水平荷重が作用したときに、床梁38に作用する曲げモーメントの反曲点となる長手方向の中間位置を除いた位置に、第2の固定部44が設定されている。本実施形態では、床梁38の長手方向の端と中間点との2か所の中間位置に、第2の固定部44がそれぞれ設定されている。
次に、第2の固定部44の具体的な構成について説明し、更に第2の固定部44が固定される梁受け基礎18について説明する。
図4及び図5に示されるように、第2の固定部44は、第2のアンカーボルト48と、ナット50と、クリップナット52と、一対のスペーサ54とを含んで構成されている。第2のアンカーボルト48の上端部の外周面には雄ねじが形成されている。
クリップナット52は、各々平面視で略矩形平板状に形成されている。そして、床梁38の下フランジ38Cを挟持する上挟持部56及び下挟持部58と、上挟持部56及び下挟持部58の対向する端部同士を下フランジ38Cの板厚方向に連結する連結部60とを含んで構成されている。連結部60はH型に形成されている。また、これらの上挟持部56、下挟持部58及び連結部60はプレス成形品とされている。
上挟持部56の上端部には、上挟持部56の全幅に亘って、床梁38の板厚よりも厚く形成されているワッシャプレート62が予め溶着され、ワッシャプレート62の上端部には、ナット64が予め溶着されている。
現場施工に際しては、図6に示されるように、まず、床梁38の下フランジ38Cにクリップナット52が差し込まれる。このとき、下フランジ38Cに形成されたボルト挿通孔66と、ナット64とが同軸上に位置されるように位置決めする。その後、クリップナット52の下方側から第2のアンカーボルト48の上端部がナット64に螺合されると共に、ナット50が締め込まれる。次に、一対のスペーサ54を梁受け基礎18に穿設されたアンカー孔68の両側に載置し、建物ユニット12Aを吊り降ろしながら、グラウトが注入されたアンカー孔68内へ第2のアンカーボルト48が挿入される。グラウトが固化すれば、第2のアンカーボルト48が梁受け基礎18に固定される。
図7及び図8に示されるように、梁受け基礎18は、地盤70中に埋設されたフーチング72と、フーチング72に立設されると共に下部が地盤70に埋設された立ち上がり部74と、を含んで構成されている。立ち上がり部74の上端部には、一対のアンカー孔68(図8参照)が穿設され、第2のアンカーボルト48がそれぞれ挿入されることにより、隣接する建物ユニット12Aの床梁38が共通の梁受け基礎18に固定されている。
梁受け基礎18のフーチング72内には底板配筋76が配設されており、この底板配筋76から複数の主筋78が立ち上げられて立ち上がり部74内に配設されている。そして、2本の第2のアンカーボルト48を矩形状に取り囲むように、主筋78に固定されたフープ筋80が立ち上がり部74の高さ方向に複数段に配設されている。なお、説明は省略するが、柱受け基礎16も梁受け基礎18と基本的には同様に構成されている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態の建物ユニット12の固定構造では、箱型の建物ユニット12の桁面40における柱34の下端部が、布基礎14、柱受け基礎16に第1の固定部42で第1のアンカーボルト46によって固定される。また、同じ桁面40における床梁38が、水平荷重により床梁38に作用する曲げモーメントの反曲点を除いた位置で、梁受け基礎18に第2の固定部44で第2のアンカーボルト48によって固定される。これにより、桁面40の2本の柱34の下端部間に架設された床梁38の布基礎14、柱受け基礎16、梁受け基礎18の固定点(アンカーボルト46、48の締結点)が複数になり、第1の固定部42及び第2の固定部44の各固定点において引抜荷重に対する抵抗力が得られる。その結果、布基礎14、柱受け基礎16、梁受け基礎18に固定される建物ユニット12の桁面40の布基礎14、柱受け基礎16、梁受け基礎18への支持力が増加し、水平荷重に対して剛性が高い桁面40が得られる。従って、断面形状や板厚等の建物ユニット12の部材構成を変更することなく、建物ユニット12の桁面40の水平荷重に対する剛性を向上させることができる。
また、本実施形態では、床梁38の両端部と反曲点との各中間位置で、床梁38が固定される。両端が第1の固定部42で固定された床梁38の場合、床梁38の両端部と反曲点との各中間位置に最大曲げモーメントが作用する。従って、この位置に第2の固定部44を設けると、曲げ耐力を得るのに効率が良い。曲げモーメントによる撓みが大きくなる位置を第2のアンカーボルト48により固定する結果、建物ユニット12の桁面40の水平荷重に対する剛性を効果的に向上させることができる。
さらに、本実施形態では、梁受け基礎18の立ち上がり部74の上端部には、アンカー孔68が設けられており、アンカー孔68に挿入された第2のアンカーボルト48がフープ筋80で囲まれているため、第2のアンカーボルト48の周囲を補強することができる。このため、第2のアンカーボルト48に水平荷重に対する抵抗力が増強される。その結果、水平荷重が建物ユニット12を介して第2のアンカーボルト48に作用した際に、第2のアンカーボルト48の周囲のコンクリートが剥落することを防止することができる。建物ユニット12の桁面の水平荷重に対する剛性をより一層向上させることができる
また、本実施形態では、床梁38の下フランジ38Cにおける第2の固定部44の設置位置に、床梁38よりも板厚が厚いワッシャプレート62とナット64が固着されたクリップナット52が装着される。そして、第2のアンカーボルト48を下挟持部58側から挿入してナット50に固定することで、床梁38に第2のアンカーボルト48を取付けることができる。このようにクリップナット52を利用することにより、現場でのナット締結工程を省略し施工が容易になると共に、板厚の厚いワッシャプレート62により、第2の固定部44の強度を容易に確保することができる。施工が容易となる結果、現場での作用時間ひいては工期を短縮すると共に、板厚の厚いワッシャプレート62を上挟持部56に固着することにより、第2の固定部44の強度を容易に確保できる。
さらに、本実施形態では、ユニット建物10が、本実施形態に係る建物ユニットの固定構造が適用された建物ユニット12を1つ以上含んで構成されている。このため、その建物ユニット12の桁面40は、第1の固定部42及び第2の固定部44によって第1のアンカーボルト46、第2のアンカーボルト48で布基礎14、柱受け基礎16に固定されることとなり、水平荷重に対する抵抗力が高いユニット建物10が得られる。断面形状や板厚等の建物ユニット12の部材構成を変更することなく(即ち、ユニット工法の利点を損なうことなく)、水平荷重に対する耐力が強化されたプランを豊富化できる。その結果、ユニット工法で構築される建物のプラン対応力を向上させることができる。
また、本実施形態では、建物ユニット12が3層積層されており、上層2層の建物ユニット12の自重が作用する最下層の建物ユニット12に、本実施形態に係る建物ユニットの固定構造が適用された建物ユニット12の固定構造が適用されている。ここで、水平荷重、例えば地震荷重は、建物の自重に比例するため、建物ユニット12が複数(例えば3層)積層されている場合には、最下層の建物ユニット12の床梁38に、上層2層の自重を加算した大きな水平荷重が作用する。このような場合に、最下層の建物ユニット12の床梁38を固定することで、効果的にユニット建物10の桁面40の面剛性を向上させることができる。その結果、3層の積層構造とされたユニット建物10を構築する場合においても、生産性を損なわず、水平荷重に対する抵抗力が高いユニット工法による建物を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、図9を用いて、本発明に係る建物ユニット12の固定構造の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一構成の部材には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図9には、本実施形態に係る建物ユニット12の固定構造の分解斜視図が示されている。図9に示されるように、本実施形態に係る建物ユニット12の固定構造は、第2の固定部44を構成するクリップナット52に代えて、ナット82が、床梁38の下フランジ38Cの上端部に溶着されている点に特徴がある。
具体的には、床梁38の下フランジ38Cの下方側から第2のアンカーボルト48の上端部がナット82に螺合されると共に、ナット50が締め込まれる。次に、一対のスペーサ54を梁受け基礎18に穿設されたアンカー孔68の両側に載置し、建物ユニット12Aを吊り降ろしながら、グラウトが注入されたアンカー孔68内へ第2のアンカーボルト48が挿入される。グラウトが固化すれば、第2のアンカーボルト48が梁受け基礎18に固定される。
本実施形態に係る建物ユニット12の固定構造によれば、クリップナット52が使用できない場合でも、床梁38を梁受け基礎18に固定することができ、また第2の固定部44の部品点数を低減することができる。
<本実施形態の補足説明>
なお、本実施形態では、床梁24の両端と反曲点との中間部に第2の固定部44を設定したが、この位置に限定されるものではなく、床梁24の両端と反曲点との間の位置を1箇所又は複数箇所固定してもよい。その場合でも、その位置に応じた効果が得られる。
また、本実施形態では、ユニット工法のメリットを最大化するためにあと施工アンカー方式が採用されていたが、これに限らず、現場作業が増えるが、先付けアンカー方式を採用してもよい。
10 ユニット建物
12 建物ユニット
14 布基礎(基礎)
16 柱受け基礎(基礎)
18 梁受け基礎(基礎)
34 柱
36 天井梁
38 床梁
38C 下フランジ
40 桁面
42 第1の固定部
44 第2の固定部
46 第1のアンカーボルト
48 第2のアンカーボルト
52 クリップナット
56 上挟持部
58 下挟持部
60 連結部
62 ワッシャプレート
64 ナット
68 アンカー孔
70 地盤
72 フーチング
74 立ち上がり部
78 主筋
80 フープ筋

Claims (4)

  1. 4本の柱と、前記柱の上端部間に架設される4本の天井梁と、前記柱の下端部間に架設される4本の床梁と、を含んで各々構成され、かつ隣接された箱型の一対の建物ユニットと、
    前記建物ユニットの桁面における前記柱の下端部を第1のアンカーボルトにより基礎に固定する第1の固定部と、
    前記桁面における前記床梁に設けられ、前記床梁の長手方向の両端部と水平荷重により当該床梁に作用する曲げモーメントの反曲点との各中間位置で、当該床梁を第2のアンカーボルトにより前記基礎に固定する第2の固定部と、を有し、
    前記一対の建物ユニットにおける隣接した一対の前記床梁は、建物において複数箇所に設けられており、かつ、一の当該一対の床梁と他の一の当該一対の床梁とが相互に直交する方向に配置されており
    前記第2のアンカーボルトが接合される前記基礎は、地盤に埋設されたフーチングと、前記フーチングに立設されかつ上端部に一対の前記第2のアンカーボルトが挿入される一対のアンカー孔が穿設された立ち上がり部と、を有し、
    さらに、前記隣接した一対の前記床梁を当該立ち上がり部に固定している当該一対の前記第2のアンカーボルトが、当該第2のアンカーボルトと対向しかつ対角線上に配置された主筋に対して直交して配置されたフープ筋によって平面視で略矩形状に取り囲まれることで、前記一対の床梁が水平方向に一体に連結されている、
    建物ユニットの固定構造。
  2. 前記第2の固定部は、前記床梁の下フランジを挟持する上挟持部及び下挟持部と、当該上挟持部及び当該下挟持部を連結する連結部とを含んだクリップナットを含んで構成されており、
    前記上挟持部には、前記床梁よりも板厚が厚く設定されたワッシャプレートが固着され、前記ワッシャプレートにはナットが固着されている、
    請求項記載の建物ユニットの固定構造。
  3. 請求項1又は請求項に記載された建物ユニットの固定構造が適用された建物ユニットを1つ以上含んで構成されている、
    ユニット建物。
  4. 前記ユニット建物は、3層の積層構造とされており、
    最下層の前記建物ユニットに、請求項1又は請求項に記載された建物ユニットの固定構造が適用されている、
    請求項記載のユニット建物。
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