JP6868881B2 - 基礎構造及びその基礎工法 - Google Patents

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本発明は、建物の最下部において地盤上に構築される基礎構造及びその基礎工法に関する。
従来、鉄骨架構における鉄骨柱の柱脚と、建物の基礎構造とを連結する柱脚固定の方式としては、基礎コンクリートと鉄骨柱の間をアンカーボルトで連結するものがある。この方法では、アンカーボルトをコンクリートに植設されなければならないことから、基礎が完成してからでないと鉄骨柱が立てられず、建設工程のネックとなる場合がある。また、この方法では、柱脚部の固定部分に曲げモーメントが発生することから、基礎に従来の軸力、水平力の他に過大な曲げモーメントが付加され、その基礎は堅牢に構築する必要があった。
これに対し、鉄骨柱の柱脚を半固定にすることにより曲げモーメントを低減するとともに、鉄骨工事を捨てコンクリート工事の直後に開始可能とする工法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された工法では、地盤掘削部に打設されたコンクリートの上部で、鉄骨柱の曲げモーメントに抵抗する2本以上の第2基礎鉄骨梁と、この第2基礎鉄骨梁の間を繋ぎ、鉄骨柱を挟む位置における一部で前記掘削部に打設するコンクリートとの間に空隙等による梁可撓領域を形成した第1基礎鉄骨梁と、当該第1基礎鉄骨梁の上面に接合される鉄骨柱とからなり、各基礎鉄骨梁をコンクリートに埋設する。
特開2002−121747号公報
しかしながら、上述した引用文献1に開示された工法では、第2の基礎鉄骨梁を埋設するための掘削溝と、この第2の基礎鉄骨梁の上部においてこれら第2鉄骨梁の間を繋ぐための第1基礎鉄骨梁を埋設するための梁可撓領域を形成するなど、基礎構造の底面形状が複雑な形状となるとともに、2つの基礎鉄骨梁を上下に組み上げて埋設するために十分な深さの掘削溝を形成しなければならないという問題があった。
このような複雑で深い掘削溝を掘削する工事では、工事現場の足場が複雑になるうえ掘削溝が深いことから、作業員の転倒や墜落等の事故が発生する危険性が高まるという問題がある。また、建築物が近接する現場では、近隣建物との境界線に近い地盤を掘削する必要があり、あまりに深い溝を掘削し過ぎると掘削面が崩落したり、近隣の地盤が沈下したり建物が傾いたり等の悪影響が及ぶ可能性がある。したがって、このような近隣土留などの工事が必要となり、作業工程が複雑になり工費が嵩むとともに、工期も長期化するという問題があった。
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、建物の最下部において地盤上に構築される基礎構造に関し、工事現場の足場の危険性を低減するとともに、近隣建物に対して悪影響が及ぶのを回避できる基礎構造及びその基礎工法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされたものであり、本発明は、建物の最下部において地盤上に構築される基礎構造であって、
前記建物の最下部において前記地盤上に所定厚さのコンクリートで形成され、その底面が平坦なコンクリートスラブと、
前記コンクリートスラブ内に水平に埋設される鉄骨であって、少なくとも前記コンクリートスラブの周縁部において所定間隔離間されて配置される水平鉄骨と、
前記コンクリートスラブ内に配置された前記水平鉄骨の間に建込まれる鉄筋籠であって、前記水平鉄骨間を相互に接続する接続鉄筋部と、
前記コンクリートスラブ内において前記水平鉄骨に対して垂直に接続される鉄骨で形成された柱脚部と
を備えることを特徴とする。
また、本発明は、基礎構造を構築する基礎工法であって、
(1) 前記地盤を前記コンクリートスラブの厚さ分だけ掘削し前記コンクリートスラブの形状に合致した底面が平坦な掘削部を形成する工程と、
(2) 前記掘削部の底面から所定距離だけ離間させて前記水平鉄骨を支持して複数配置し、各水平鉄骨に対して垂直に前記柱脚部をそれぞれ接続するとともに、前記水平鉄骨の間に鉄筋籠を建込むことによって、前記水平鉄骨間を相互に接続する接続鉄筋部を構築する工程と、
(3) 前記掘削溝にコンクリートを打設して前記コンクリートスラブを形成する工程と
を含むことを特徴とする。
このような本発明によれば、水平に配置される水平鉄骨と、この水平鉄骨に対して垂直に接続される柱脚部とをコンクリートスラブに埋設するため、基礎の周縁部分に生じる軸力、水平力及び曲げモーメントに対する抗力が十分に得られることから、この部位の鉄筋量を低減できるとともに、コンクリート厚を薄くすることができる。また、水平鉄骨間は接続鉄筋部により相互に接続することから、この間の鉄骨量を低減させコンクリートの比率を高めることができ、圧縮力に対する抗力、軽量化を向上させることができる。
さらに、コンクリートスラブの少なくとも周縁部において、水平鉄骨を接続鉄筋部で接続するという簡単且つ曲げモーメントに強い構成となるため、コンクリートスラブの底面を平坦とすることができ、コンクリートスラブの厚さを薄くして、基礎の深さを浅くすることができることから、掘削溝を形成する作業を簡略化でき、且つ安全なものとすることができる。この結果、本発明によれば、建築物が近接する現場であっても、近隣建物との境界線に近い地盤を深く掘削する必要がなくなり、掘削面が崩落したり、近隣の地盤が沈下したり建物が傾いたり等の悪影響が生じるのを防止でき、さらには、掘削溝における土留などの工事も不要となり作業工程を簡素化でき、工費の圧縮、工期も短縮化が図れる。
上記発明において、前記水平鉄骨は、前記コンクリートスラブの周縁部から水平方向内側に向けて突出される内梁部を含み、前記内梁部は、前記コンクリートスラブ内において前記水平鉄骨に接続された鉄骨であることが好ましい。この場合には、コンクリートスラブの内側に向けて内梁部を形成することによって、コンクリートスラブの周縁部のみならず内部における強度も確保することができ、柱からの曲げモーメントをコンクリートスラブ全体に分散させることができる。
上記発明において、前記接続鉄筋部は、その接続鉄筋部の端部に接続された前記水平鉄骨を構成する鉄骨の端部から当該水平鉄骨に接続された前記柱脚部に至る領域において、当該水平鉄骨を構成する鉄骨を内包するオーバーラップ部を有することが好ましい。この場合、水平鉄骨や内梁部の鉄骨と、これを内包するように配筋されるオーバーラップ部を設けることによって、鉄骨と接続鉄筋との接続部分をより強固にできるとともに、水平鉄骨や内梁部に生じる軸力や水平力、曲げモーメントをスムーズに接続鉄筋に伝達させることができる。
上記発明において、前記水平鉄骨の前記柱脚部を囲繞するとともに、当該水平鉄骨を構成する各鉄骨の端部を内包する複数のオーバーラップ部を相互に接続する囲繞鉄筋部をさらに備えることが好ましい。この場合には、柱脚部を囲繞する囲繞鉄筋部によって、各柱脚部を中心として、各水平鉄骨や内梁部の鉄骨を内包する各オーバーラップ部を相互に接続することができ、柱脚部からの荷重を水平鉄骨や内梁部の鉄骨から、周囲の接続鉄筋にスムーズに伝達することができ、基礎構造の柔軟性を維持することができる。
上記発明において、前記水平鉄骨を前記コンクリートスラブの底面から所定距離だけ離間させて支持する底面支持部をさらに備え、前記底面支持部は、前記接続鉄筋部の最下部に配筋された鉄筋の断面直径よりも長い前記所定距離を確保していることが好ましい。この場合には、コンクリートスラブの打設前に、掘削溝の底面に底面支持部を配置しておき、この底面支持部上に水平鉄骨や内梁部の鉄骨を載置するとともに、これらの鉄骨を接続する接続鉄筋を配筋していくことができる。この鉄骨を載置する際に、底面支持部は接続鉄筋の鉄筋径を維持するように配置されることから、鉄骨の建込み作業と、鉄筋の配筋作業とを並行して進めることができる。
以上述べたように、これらの発明によれば、建物の最下部において地盤上に構築される基礎構造に関し、基礎のコンクリートスラブに生じる軸力、水平力及び曲げモーメントに対する抗力が十分に得られることから、鉄骨量若しくは鉄筋量を低減できるとともに、コンクリートスラブに作用する圧縮力に対する抗力を向上させてコンクリート厚を薄くすることができる。また、本発明の基礎構造は、簡単且つ曲げモーメントに強い構成となるため、コンクリートスラブの底面を平坦とすることができ、コンクリートスラブの厚さを薄くして、基礎の深さを浅くすることができることから、掘削溝を形成する作業を簡略化でき、且つ安全なものとすることができる。
これらの結果、建築物が近接する現場であっても、近隣建物との境界線に近い地盤を深く掘削する必要がなくなり、掘削面が崩落したり、近隣の地盤が沈下したり建物が傾いたり等の悪影響が生じるのを防止でき、さらには、掘削溝における土留などの工事も不要となり作業工程を簡素化でき、工費の圧縮、工期も短縮化が図れる。
実施形態に係る基礎構造の全体構成を示す上面図である。 実施形態に係る基礎構造の内部鉄骨及び内部鉄筋を示す斜視図である。 実施形態に係る基礎構造の内部鉄骨及び内部鉄筋を示す三面図であり、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 実施形態に係る鉄骨構造の斜視図である。 実施形態に係る鉄骨構造及び配筋構造を示す斜視図である。 実施形態に係る配筋構造を示す斜視図である。 実施形態に係る鉄骨構造及び配筋構造を示す上面図である。 実施形態に係る鉄骨構造及び配筋構造を示す正面図である。 実施形態に係る基礎工法の手順を示す説明図である。
(基礎構造の全体構成)
以下に添付図面を参照して、本発明に係る基礎構造の実施形態を詳細に説明する。図1は、実施形態に係る基礎構造の全体構成を示す上面図である。
同図に示すように、本実施形態に係る基礎構造1は、建物の最下部において地盤5上に構築される基礎構造物であって、地盤5上に構築されたコンクリートスラブ4と、コンクリートスラブ4内に建込まれる鉄骨構造2(2a,2b,2c)と、鉄筋構造3(3ab及び3bc)とから概略構成される。
コンクリートスラブ4は、建物の最下部において地盤5上に所定厚さのコンクリートで形成され、その底面が平坦に形成されている。このコンクリートスラブ4周縁部の四隅には、鉄骨構造2aが配置され、この周縁部における鉄骨構造2aの間に鉄骨構造2bが所定間隔で配置されている。このコンクリートスラブ4の周縁部では、鉄骨構造2a、2bの間を接続鉄筋部3abで相互に接続している。また、また、鉄骨構造2bは、コンクリートスラブ4の内方に向けて突出された部分を有して、上面視においてT字形をなしている。コンクリートスラブ4の内方には、四方に接続可能な鉄骨構造2cが配置されており、この鉄骨構造2cと、周囲の鉄骨構造2bを接続鉄筋部3bcで相互に接続することによって、全体的に格子状が形成されている。
鉄骨構造2は、図4に鉄骨のみを示したように、本実施形態では、コンクリートスラブ4内に所定間隔離間されて配置される水平鉄骨21,21及び内梁部22と、水平鉄骨21,21に対して垂直に接続される柱脚部23とから構成される。なお、図2〜図7には鉄骨構造の一例としてコンクリートスラブ4の周縁部に配置される鉄骨構造2bが例示されている。
水平鉄骨21は、少なくともコンクリートスラブ4の周縁部において所定間隔離間されて配置され、コンクリートスラブ4内に水平に埋設される鉄骨であり、本実施形態では、H鋼が用いられている。
内梁部22は、コンクリートスラブ4内において水平鉄骨21,21に接続された鉄骨であって、コンクリートスラブ4の周縁部から水平方向内側に向けて突出される構造材である。この内梁部22も、柱脚部23を構成するH鋼のウェブ部分に対し突当てられるようにして配置され、溶接等によって柱脚部23と強固に接続固定されている。この内梁部22は、水平鉄骨の一部を構成し、これにより鉄骨構造の水平鉄骨部分はT字形をなすこととなる。
柱脚部23は、コンクリートスラブ4内において水平鉄骨21に対して垂直に接続される鉄骨で形成された構造材であり、本実施形態では、H鋼が用いられている。この柱脚部23と水平鉄骨21の接続は、垂直に配置された柱脚部の下部においてH鋼のウエブ部分に対し、その両側方から水平鉄骨21が突当てられるようにして配置され、溶接等によって接続固定されている。なお、この柱脚部23には、同寸法のH鋼で構成された柱部材24が垂直方向に接続されている。これらの柱部材24と柱脚部23とは、連結プレート234が溶接やボルト止めされることによって、強固に接続されている。
この柱脚部23の下端部には、図4に示すように、水平鉄骨21,21をコンクリートスラブの底面51aから所定距離だけ離間させて支持する底面支持部25が設けられている。この底面支持部25は、接続鉄筋部3bcの最下部に配筋された下部鉄筋33の断面直径よりも長い所定距離を確保しており、この底面51a上に水平鉄骨21,21や内梁部22の鉄骨を載置するとともに、これらの鉄骨を接続する接続鉄筋部3ab又は3bcを配筋し、下部鉄筋33周囲のコンクリート厚を確保する。
鉄筋構造3は、図5及び図6にも示すように、水平鉄骨21,21や内梁部22の間に建込まれる接続鉄筋部3ab,3abと、柱脚部23を囲繞しつつ接続鉄筋部3ab,3ab或いは接続鉄筋部3bcを相互に接続する囲繞鉄筋部31とから概略構成される。
接続鉄筋部3ab及び3bcは、鉄筋を組み合わせて構成された鉄筋籠であり、コンクリートスラブ4の内部に配筋され、接続鉄筋部3abは、コンクリートスラブ4の周縁部に沿って延設され、接続鉄筋部3bcは、コンクリートスラブ4の内方において、内梁部22の鉄骨を相互に接続するように延設される。また、接続鉄筋部3ab及び3bcは、それぞれの端部に接続された水平鉄骨21、21或いは内梁部22を構成する鉄骨の端部から、柱脚部23に至る領域において、各水平鉄骨21,21又は内梁部22の鉄骨を内包するオーバーラップ部32,32を有している。
囲繞鉄筋部31は、柱脚部23の下部周辺を囲繞するとともに、柱脚部23に接続された各鉄骨を内包する複数のオーバーラップ部32,32を相互に接続する鉄筋籠である。この囲繞鉄筋部31で柱脚部23を囲繞することによって、各柱脚部23を中心として、各水平鉄骨21,21や内梁部22の鉄骨を内包しつつ、各オーバーラップ部32、32を相互に接続して、柱脚部23からの荷重を水平鉄骨21や内梁部22の鉄骨を介して、周囲の接続鉄筋部3ab,3bcに伝達させている。
(基礎工法の手順)
次いで、上述した基礎構造を構築する本発明の基礎工法について説明する。図9は、実施形態に係る基礎工法の手順を示す説明図である。
先ず、同図(a)に示すように、地盤5を掘削して、掘削溝51を形成する。この掘削溝51は、上述したコンクリートスラブ4の厚さ分だけの深さを有しており、後に打設されるコンクリートスラブ4の形状に合致した形状に掘削されているとともに、その底面51aは平坦となっている。なお、この地盤5において、掘削溝51を掘削する領域は、近隣領域との境界線に近接しており、境界線周囲の地盤の安定が要求される。次いで、同図(b)に示すように、掘削溝51を掘削した後、掘削溝51の底面51aに、所定厚の捨てコンクリート52を打設する。
その後、鉄骨構造2a〜2cを構築する箇所に底面支持部25を設置する。この底面支持部25の設置では、アンカーやピンなどをコンクリート52に打込んで底面支持部25を固定する。次いで、同図(c)に示すように、コンクリート52及び底面支持部25によって、掘削溝51の底面51aから所定距離だけ離間させて、水平鉄骨21を支持しつつ設置するとともに、各鉄骨21,21,22に対して垂直に柱脚部23をそれぞれ接続する。これと併せて、水平鉄骨21,21の間に鉄筋籠を建込むことによって、水平鉄骨21,21或いは内梁部22間を相互に接続する接続鉄筋部3ab,3bcを構築する。
そして、同図(d)に示すように、掘削溝51内にコンクリートを打設してコンクリートスラブ4を形成する。
(作用・効果)
以上説明した実施形態によれば、水平に配置される水平鉄骨21や内梁部22と、この水平鉄骨21に対して垂直に接続される柱脚部23とをコンクリートスラブ4に埋設するため、基礎の周縁部分に生じる軸力、水平力及び曲げモーメントに対する抗力が十分に得られることから、この部位の鉄筋量を低減できるとともに、コンクリートスラブ4のコンクリート厚を薄くすることができる。また、水平鉄骨21間は接続鉄筋部3bcにより相互に接続することから、この間の鉄骨量を低減させコンクリートの比率を高めることができ、圧縮力に対する抗力、軽量化を向上させることができる。
さらに、コンクリートスラブ4の少なくとも周縁部において、水平鉄骨を接続鉄筋部3bcで接続するという簡単且つ曲げモーメントに強い構成となるため、コンクリートスラブ4の底面51aを平坦とすることができ、コンクリートスラブ4の厚さを薄くして、基礎の深さを浅くすることができることから、掘削溝51を形成する作業を簡略化でき、且つ安全なものとすることができる。この結果、本実施形態によれば、建築物が近接する現場であっても、近隣建物との境界線に近い地盤を深く掘削する必要がなくなり、掘削面が崩落したり、近隣の地盤が沈下したり建物が傾いたり等の悪影響が生じるのを防止でき、さらには、掘削溝における土留などの工事も不要となり作業工程を簡素化でき、工費の圧縮、工期も短縮化が図れる。
また、本実施形態では、コンクリートスラブ4の内側に向けて内梁部22を形成することによって、コンクリートスラブの周縁部のみならず内部における強度も確保することができ、柱からの曲げモーメントをコンクリートスラブ4全体に分散させることができる。特に、本実施形態では、水平鉄骨21や内梁部22の鉄骨と、これを内包するように配筋されるオーバーラップ部32,32を設けることによって、鉄骨と接続鉄筋との接続部分をより強固にできるとともに、水平鉄骨21や内梁部22に生じる軸力や水平力、曲げモーメントをスムーズに接続鉄筋部3ab,3bcに伝達させることができる。また、柱脚部23を囲繞する囲繞鉄筋部31によって、各柱脚部23を中心として、各水平鉄骨21や内梁部22の鉄骨を内包する各オーバーラップ部32,32を相互に接続することができ、柱脚部23からの荷重を水平鉄骨21や内梁部22の鉄骨から、周囲の接続鉄筋部3ab,3bcにスムーズに伝達することができ、基礎構造の柔軟性を維持することができる。
さらに、本実施形態では、コンクリートスラブ4の打設前に、掘削溝51の底面に底面支持部25を配置しておき、この底面支持部25上に水平鉄骨21や内梁部22の鉄骨を載置するとともに、これらの鉄骨を接続する接続鉄筋部3ab,3bcを配筋していくことができる。この鉄骨を載置する際に、底面支持部25は接続鉄筋部3ab,3bcの鉄筋径を維持するように配置されることから、鉄骨の建込み作業と、鉄筋の配筋作業とを並行して進めることができる。
以上述べたように、本実施形態によれば、基礎のコンクリートスラブに生じる軸力、水平力及び曲げモーメントに対する抗力が十分に得られることから、鉄骨量若しくは鉄筋量を低減できるとともに、コンクリートスラブ4に作用する圧縮力に対する抗力を向上させてコンクリート厚を薄くすることができる。また、本実施形態の基礎構造は、簡単且つ曲げモーメントに強い構成となるため、コンクリートスラブの底面を平坦とすることができ、コンクリートスラブ4の厚さを薄くして、基礎の深さを浅くすることができることから、掘削溝51を形成する作業を簡略化でき、且つ安全なものとすることができる。
1…基礎構造
2…鉄骨構造
2a〜2c…鉄骨構造
3…鉄筋構造
3ab,3bc…接続鉄筋部
4…コンクリートスラブ
5…地盤
21…水平鉄骨
22…内梁部
23…柱脚部
24…柱部材
25…底面支持部
31…囲繞鉄筋部
32,32…オーバーラップ部
33…下部鉄筋
51…掘削溝
51a…底面
52…捨てコンクリート
234…連結プレート

Claims (6)

  1. 建物の最下部において地盤上に構築される基礎構造であって、
    前記建物の最下部において前記地盤上に所定厚さのコンクリートで形成され、その底面が平坦なコンクリートスラブと、
    前記コンクリートスラブ内に水平に埋設される鉄骨であって、少なくとも前記コンクリートスラブの周縁部において所定間隔離間されて配置される水平鉄骨と、
    前記コンクリートスラブ内に配置された前記水平鉄骨の間に建込まれる鉄筋籠であって、前記水平鉄骨間を相互に接続する接続鉄筋部と、
    前記コンクリートスラブ内において前記水平鉄骨に対して垂直に接続される鉄骨で形成された柱脚部と
    を備えることを特徴とする基礎構造。
  2. 前記水平鉄骨は前記コンクリートスラブの周縁部から水平方向内側に向けて突出される内梁部を含み、前記内梁部は、前記コンクリートスラブ内において前記水平鉄骨に接続された鉄骨であることを特徴とする請求項1に記載の基礎構造。
  3. 前記接続鉄筋部は、その接続鉄筋部の端部に接続された前記水平鉄骨を構成する鉄骨の端部から当該水平鉄骨に接続された前記柱脚部に至る領域において、当該水平鉄骨を構成する鉄骨を内包するオーバーラップ部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の基礎構造。
  4. 前記水平鉄骨の前記柱脚部を囲繞するとともに、当該水平鉄骨を構成する各鉄骨の端部を内包する複数の前記オーバーラップ部を相互に接続する囲繞鉄筋部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の基礎構造。
  5. 前記水平鉄骨を前記コンクリートスラブの底面から所定距離だけ離間させて支持する底面支持部をさらに備え、
    前記底面支持部は、前記接続鉄筋部の最下部に配筋された鉄筋の断面直径よりも長い前記所定距離を確保している
    ことを特徴とする請求項1に記載の基礎構造。
  6. 請求項1に記載の基礎構造を構築する基礎工法であって、
    前記地盤を前記コンクリートスラブの厚さ分だけ掘削し前記コンクリートスラブの形状に合致した底面が平坦な掘削部を形成する工程と、
    前記掘削部の底面から所定距離だけ離間させて前記水平鉄骨を支持して複数配置し、各水平鉄骨に対して垂直に前記柱脚部をそれぞれ接続するとともに、前記水平鉄骨の間に鉄筋籠を建込むことによって、前記水平鉄骨間を相互に接続する接続鉄筋部を構築する工程と、
    掘削溝にコンクリートを打設して前記コンクリートスラブを形成する工程と
    を含むことを特徴とする基礎工法。
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