JP2012144864A - 構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造設計の自由度を高めることが可能な、柱梁架構を有する構造物を提供する。
【解決手段】第2柱梁架構18の面外方向の力が第1柱梁架構16の面内方向へ伝達されるように第1柱梁架構16と第2柱梁架構18とを床版34で連結しているので、第1柱梁架構16の面内方向に対する第1柱梁架構16の柱位置と第2柱梁架構18の柱位置とを全て合わせる必要がなくなり、構造設計の自由度を高めることができる。
【選択図】図2
【解決手段】第2柱梁架構18の面外方向の力が第1柱梁架構16の面内方向へ伝達されるように第1柱梁架構16と第2柱梁架構18とを床版34で連結しているので、第1柱梁架構16の面内方向に対する第1柱梁架構16の柱位置と第2柱梁架構18の柱位置とを全て合わせる必要がなくなり、構造設計の自由度を高めることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、柱梁架構を有する構造物に関する。
特許文献1には、平面視にて桁行方向に立設され対向し合う柱梁架構と、住戸同士の戸境に沿ってこの柱梁架構の間に立設された複数の間柱とを有する集合住宅が開示されている。間柱と柱梁架構の柱、及び間柱同士は、小梁によって連結されている。
特許文献1の集合住宅のような、外周に柱梁架構が立設されている構造物においては、間柱と柱梁架構の柱とを梁によって連結しているので、桁行方向に対する間柱と柱梁架構の柱との位置を合わせなければならない。すなわち、間柱の位置は柱梁架構の柱の位置に拘束されてしまい、または、柱梁架構の柱の位置は間柱の位置に拘束されてしまうので、自由な構造設計を妨げる1つの要因となる。
本発明は係る事実を考慮し、構造設計の自由度を高めることが可能な、柱梁架構を有する構造物を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、第1柱梁架構と、前記第1柱梁架構に隣接配置され、構面の延長面が前記第1柱梁架構の構面と交差するように配置された第2柱梁架構と、を備え、前記第2柱梁架構の面外方向の力が前記第1柱梁架構の面内方向へ伝達されるように前記第1柱梁架構と前記第2柱梁架構とを床版で連結し、前記床版は、前記第2柱梁架構の面外方向の力によりせん断変形してエネルギーを吸収する構造物である。
請求項1に記載の発明では、第2柱梁架構の面外方向の力が第1柱梁架構の面内方向へ伝達されるように第1柱梁架構と第2柱梁架構とを床版で連結しているので、第1柱梁架構の面内方向に対する第1柱梁架構の柱位置と第2柱梁架構の柱位置とを全て合わせる必要がなくなる。よって、構造設計の自由度を高めることができる。
また、第2柱梁架構の面外方向の力により床版がせん断変形してエネルギーを吸収する。これにより、構造物の耐震性を高めることができる。
請求項2に記載の発明は、前記床版は、鋼板または波形鋼板である。
請求項2に記載の発明では、床版を、鋼板または波形鋼板とすることにより、変形による高いエネルギー吸収能力を発揮させることができる。
請求項3に記載の発明は、前記第2柱梁架構の構面の延長面が前記第1柱梁架構の構面と直交するように、前記第1柱梁架構と前記第2柱梁架構とが配置されている。
請求項3に記載の発明では、直交する平面2方向(第1柱梁架構の面内方向と、第2柱梁架構の面内方向)の地震力に対して、第1柱梁架構と第2柱梁架構とを効果的に抵抗させることができる。
本発明は上記構成としたので、構造設計の自由度を高めることが可能な、柱梁架構を有する構造物を提供することができる。
図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、本実施形態では、集合住宅の建物を構成する躯体構造に本発明の構造物を適用した例を示すが、本発明の構造物は、病院や老人保健施設等のさまざまな用途の建物を構成する躯体構造に適用できる。
まず、本発明の実施形態である構造物について説明する。
図1の斜視図、図2(a)の平面図、及び図2(b)の正面図に示すように、集合住宅の建物を構成する躯体構造としての構造物10が、地盤12上に設けられた鉄筋コンクリート製の基礎14上に建てられている。
構造物10は、基礎14上に立設され対向して配置された一対の第1柱梁架構としての外架構16と、基礎14上に立設され外架構16に隣接して一対の外架構16の間に複数配置された第2柱梁架構としての内架構18とを備えている。隣り合う内架構18同士は、対向して配置されている。また、内架構18は、平面視にて構面の延長面が外架構16の構面と略直交するように配置されている。
外架構16は、略鉛直に配置されたH形鋼からなる柱20と、略水平に配置されたH形鋼からなる梁22とが格子状に組まれた柱梁架構であり、柱20と梁22とは、突き合わせ溶接によって接合されている。内架構18は、略鉛直に配置されたH形鋼からなる柱24と、略水平に配置されたH形鋼からなる梁26とが格子状に組まれた柱梁架構であり、柱24と梁26とは、突き合わせ溶接によって接合されている。
隣り合い対向する内架構18の柱24同士は、H形鋼からなる繋ぎ梁28によってつながれている。柱24と繋ぎ梁28とは、突き合わせ溶接によって接合されている。また、隣り合い対向する内架構18の梁26には、居住部30を上方に形成する床スラブ32が架設されている。床スラブ32は、隣り合い対向する内架構18の梁26に架設され敷き並べられた複数のハーフプレキャスト床板上にコンクリート打設することによって形成され、梁26及び繋ぎ梁28に支持されている。図3(a)の側断面図に示すように、床スラブ32を構成するコンクリートVは、繋ぎ梁28のウェブ52の右側を覆うコンクリートVと一体に形成されている。なお、床スラブ32は、他の方法によって形成してもよい。
図3(a)、及び図4の平面図に示すように、建物のバルコニーを構成する波形鋼板からなる床版34が、外架構16の梁22と、内架構18の柱24同士をつなぐ繋ぎ梁28とに架設されている。床版34は、一方の端部が溶接等により梁22のウェブ50に固定され、他方の端部が溶接等により繋ぎ梁28のウェブ52に固定されている。これにより、内架構18の外柱24(内架構18を構成する複数の柱24の内、外側に配置されている柱24)、床スラブ32、及び繋ぎ梁28を、床版34だけで、外架構16の柱20及び梁22と連結している。すなわち、内架構18に生じる内架構18の面外方向の力が、外架構16に対して外架構16の面内方向へ伝達されるように、外架構16と内架構18とを床版34だけで連結している。
床版34は、地震等により内架構18に生じる内架構18の面外方向の力が伝達された際に、せん断変形してエネルギーを吸収する。また、床版34は、波形鋼板の折り筋が外架構16の面内方向(以下、「X方向」とする)と略一致するように配置されている。なお、床版34は、波形鋼板の折り筋が内架構18の面内方向(以下、「Y方向」とする)と略一致するように配置してもよい。波形鋼板の折り筋がX方向と略一致するように床版34を配置すれば、内架構18に生じるX方向の力を外架構16へ効果的に伝達できるので好ましい。
図5の側面図に示すように、内架構18の構面には、耐震部材としての波形鋼板耐震壁42と鋼製ブレース44とが上下方向に対して交互に配置され取り付けられている。なお、耐震部材としては、波形鋼板耐震壁42や鋼製ブレース44の他に、鋼板耐震壁、鋼製制振ブレース、鉄骨枠付きコンクリート耐震壁、ダンパー、コンクリート耐震壁等が挙げられる。鋼製ブレース、鋼板耐震壁、波形鋼板耐震壁、鋼製制振ブレースを用いれば、内架構18を軽量にすることができるので好ましい。
次に、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
例えば、外架構16と内架構18とを梁部材によってつなぐ構造物の場合、X方向に対する外架構16の柱20の位置と、内架構18の柱24の位置とを合わさなければならない。これに対して、本実施形態の構造物10では、図2(a)に示すように、内架構18に生じる内架構18の面外方向(X方向)の力が、外架構16に対して外架構16の面内方向(X方向)へ伝達されるように、外架構16と内架構18とを床版34だけで連結しているので、X方向に対する外架構16の柱20の位置と、内架構18の柱24の位置とを全て合わせる必要がなくなる。
よって、X方向に対する外架構16の柱20の位置に拘束されることなく、内架構18の柱24の位置を設定することができ、隣り合い対向する内架構18の間に構築される居住部30の住戸間取りを自由に設定することができる。また、X方向に対する内架構18の柱24の位置に拘束されることなく、外架構16の柱20の位置を設定することができ、外架構16の柱20を構造上や景観上において適した配置に設定できる。すなわち、構造設計の自由度を高めることができる。
また、内架構18の間柱24(内架構18を構成する複数の柱24の内、内側に配置されている柱24)は、一方向(Y方向)の地震力に対して抵抗できるように配置すればよいので、間柱24の配置自由度が高くなる。例えば、多くの間柱24で内架構18の梁26をロングスパンにならないように支持すれば、梁26の剛性が大きくなるので、この梁26に支持された床スラブ32の振動を低減することができる。
また、外架構16と内架構18とは、それぞれ一方向(外架構16はX方向、内架構18はY方向)の地震力に対して抵抗させればよいので、外架構16や内架構18の柱20、24に作用する曲げ荷重に対して効果的な構造断面配置(対象とする地震力の方向を長辺とする長方形状の構造断面配置)にできる。
また、内架構18は、平面視にて構面の延長面が外架構16の構面と略直交するように配置されているので、直交する平面2方向(X方向とY方向)の地震力に対して、外架構16と内架構18とを効果的に抵抗させることができる。
また、内架構18に生じるX方向の力は、外架構16が主に負担するので、隣り合い対向する内架構18同士をつなぐ繋ぎ梁28の梁成を小さくすることができる、又は無くすことができる。これにより、隣り合い対向する内架構18の間に構築される居住部30の住戸における、外架構16側へ向く面のハイサッシ化を図ることができる。
また、隣り合い対向する内架構18の柱24同士は、繋ぎ梁28によってつながれているので、内架構18の柱24と繋ぎ梁28とにより架構が構成されて、この架構をX方向の地震力に対して抵抗させることができる。例えば、内架構18の柱24と繋ぎ梁28とにより構成される架構に、構造物10に作用するX方向の全地震力の10%程度を負担させることができる。また、繋ぎ梁28を設けることにより、内架構18が建て易くなる。さらに、X方向の水平荷重に対する柱24の座屈長さを短くでき、座屈耐力を大きくすることができる。
また、構造物10に作用するY方向の地震力に対しては、内架構18により抵抗するとともに、耐震部材(波形鋼板耐震壁42及び鋼製ブレース44)の有するせん断剛性やエネルギー吸収性によって地震力を低減し、構造物10に作用するX方向の地震力に対しては、外架構16により抵抗するとともに、床版34のせん断変形によりエネルギーを吸収して地震力を低減する。これにより、構造物10の耐震性を高めることができる。
床版34は、波形鋼板により構成されているので、変形による高いエネルギー吸収能力を発揮させることができる。また、板厚や波形形状を調整することによって剛性やせん断降伏耐力等の性能を制御することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、本発明の実施形態で説明したように、外架構16と内架構18とは、内架構18に生じる内架構18の面外方向(X方向)の力が、外架構16に対して外架構16の面内方向(X方向)へ伝達されるように床版34だけで連結されていればよい。すなわち、内架構18の外柱24(内架構18を構成する複数の柱24の内、外側に配置されている柱24)、繋ぎ梁28、及び床スラブ32の少なくとも1つと、外架構16の柱20及び梁22の少なくとも1つとをつなぐ全てが床版34だけで連結されていればよい。例えば、内架構18と床版34とが直接接合されておらず、繋ぎ梁28や床スラブ32を介して内架構18と床版34とがつながっている構成も、「外架構16と内架構18とを床版34だけで連結している」ことに含まれる。
また、複数の内架構18の内の一部又は全部の内架構18は、外架構16と梁部材でつながれていてもよい。すなわち、外架構16と内架構18とは、必ずしも、内架構18に生じる内架構18の面外方向(X方向)の力が、外架構16に対して外架構16の面内方向(X方向)へ伝達されるように床版34だけで連結されていなくてもよい。必要に応じて梁部材を設けて外架構16と内架構18とを連結し、居住部30のレイアウトや外架構16の構造の都合等で、X方向に対する外架構16と内架構18との柱位置を合わせられない箇所においては梁部材を設けないようにしてもよい。このようにすれば、梁部材を設けた付近の床版34の剛性を小さくすることができる。
また、最初に複数の内架構18を立設した後に外架構16を立設する場合に、外架構16の建て方精度を確保するためにアングル材等の仮設の部材によって内架構18の外柱24を外架構16につないでいる状態は、「外架構16と内架構18とを床版34だけで連結している」ことに含まれる。
また、本発明の実施形態では、隣り合い対向する内架構18の柱24同士が、繋ぎ梁28によってつながれている例を示したが、内架構18に生じるX方向の力を、外架構16だけで十分に負担できる場合には、繋ぎ梁28はなくてもよい。
また、本発明の実施形態で示した外架構16と内架構18とは、内架構18が外架構16に隣接配置され、内架構18の構面の延長面が外架構16の構面と交差するように配置されていればよい。例えば、図6(a)〜(d)の平面図に示すような外架構16と内架構18との平面配置であってもよいし、図6(a)〜(d)に示すような外架構16と内架構18との平面配置を自由に組み合わせてもよい。
また、本発明の実施形態では、外架構16及び内架構18の構造形式を鉄骨造とした例を示したが、外架構16及び内架構18は、さまざまな構造形式とすることができる。例えば、外架構16及び内架構18を、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、木造としてもよい。また、外架構16及び内架構18の柱20、24や、梁22、26を、形鋼と、形鋼のウェブと一体の鉄筋コンクリートとを有する部材(以下、「コンクリート・形鋼一体型柱部材」、「コンクリート・形鋼一体型梁部材」とする。)としてもよい。
内架構18を鉄骨造として、外架構16の柱20、梁22を、コンクリート・形鋼一体型柱部材、コンクリート・形鋼一体型梁部材とするのがより好ましい。このようにすれば、鉄骨柱や鉄骨梁に比べて、柱や梁の剛性及び耐火性能を向上させることができる。また、柱座屈や梁横座屈に対する座屈耐力を大きくすることができる。
また、外架構16及び内架構18を鉄骨造とするのが好ましい。このようにすれば、外架構16及び内架構18を軽量にすることができ、外架構16及び内架構18に作用する地震力を小さくすることができるので、外架構16及び内架構18の柱20、24や梁22、26の構造断面を小さくすることができる。これにより、居住部30のスペースを広くすることができる。
また、本発明の実施形態では、外架構16及び内架構18の柱20、24と、梁22、26や繋ぎ梁28とが、突き合わせ溶接によって接合されている例を示したが、必要とする接合強度が得られれば他の方法(例えば、PC鋼棒を用いた圧着接合、ボルト接合)を用いて柱20、24と、梁22、26や繋ぎ梁28とを接合してもよい。PC鋼棒を用いた圧着接合やボルト接合を用いた場合には、溶接やコンクリート打設等の煩雑な作業を行なわずに、効率よく柱20、24と、梁22、26や繋ぎ梁28との接合を行なうことができる。また、溶接工等のような熟練工によらずに柱梁接合作業を行うことができる。
また、本発明の実施形態では、床版34によりバルコニーを構成する例を示したが、床版34により建物の廊下を構成するようにしてもよい。床版34によりバルコニーや廊下を構成することによって、外架構16と内架構18との接続構造体としてバルコニーや廊下を兼用することができる。
また、図7の側断面図に示すように、床スラブ32を繋ぎ梁28よりも外側(外架構16側)に張り出させた跳ね出しスラブ56によりバルコニーを構成し、この下方に床版としての波形鋼板54を設置するようにしてもよい。この場合、波形鋼板54は、バルコニーや廊下の役割りを果たさなくてよいので、例えば、波形鋼板54に替えてオイルダンパーや粘性ダンパー等のダンパーを設置してもよい。
また、本実施形態では、外架構16の梁22と繋ぎ梁28とに、床版34を架設した例を示したが(図3(a)を参照のこと)、外架構16の柱20に床版34の端部を接合し、外架構16の梁22に床版34の端部を直接接合しなくてもよい。このようにすれば、外架構16の梁22の高さに拘束されることなく床版34の高さを自由に設定することができ、外架構16及び内架構18の構造設計の自由度をさらに高めることができる。内架構18に生じるX方向の力を外架構16の柱20に十分に伝達させることが期待できない場合には、図3(b)の側断面図に示すように、外架構20の梁22と、床版34の端部とを、コンクリート、ブレース、鋼板等の力伝達部材36によって連結すればよい。
また、本発明の実施形態では、床スラブ32を構成するコンクリートVを、繋ぎ梁28のウェブ52の右側を覆うコンクリートVと一体に形成した例(図3(a)を参照のこと)を示したが、図3(b)に示すように、H形鋼からなる繋ぎ梁28の上面に床スラブ32を支持するようにしてもよい。
また、本発明の実施形態で示した複数の内架構18の内、平面視にて構造物10の外周に沿って配置された内架構18(例えば、図2(a)においては、一番右に配置された内架構18と、一番左に配置された内架構18)の外柱24(内架構18を構成する柱24の内、外側に配置されている柱24)と、外架構16とを梁部材によってつなげてもよい。これにより、構造物10全体としての一体化を高めることができ、この梁部材を外壁の下地として利用することができる。
また、本発明の実施形態で示した外架構16の柱20を、複合柱にしてもよい。これにより、X方向の曲げ耐力及び曲げ剛性を大きくすることができる。また、小さい部品の組合せにより、X方向の曲げ耐力及び曲げ剛性の大きい柱20を構成することができる。
複合柱としては、例えば、図8の正面図に示すような、立設された複数のH形鋼58同士を形鋼60でつないだラダー状の複合柱20の他に、立設された複数のH形鋼同士をブレースやパネルによってつないだ複合柱が挙げられる。また、例えば、立設された複数のH形鋼同士を形鋼、ブレース、パネル等の部材によってつながずに、間隔をおいて配置するだけでもよい。
また、本発明の実施形態では、耐震部材としての波形鋼板耐震壁42及び鋼製ブレース44を、内架構18の構面に取り付けた例を示したが、内架構18の左右に位置する全ての層の構面にコンクリート耐震壁を設置して連層耐震壁を構成し、これらの連層耐震壁間を境界梁でつなげた建物構造にしてもよい。
また、例えば、構造物10の改修時に居住部30のレイアウト変更ができるように、内架構18の構面に乾式壁を設置してもよい。例えば、内架構18の左右に位置する構面に耐震壁を設置し、中央に乾式壁を設置すれば、改修時に乾式壁を取り壊して通路(中廊下)を造ることができる。本実施形態は、先に述べたように、間柱24の配置自由度が高いものなので、間柱24を多く配置して内架構18の構面を多く形成し、居住部30の住戸のレイアウトの変更自由度をさらに高めることも可能である。
また、本発明の実施形態では、床版34を波形鋼板とした例を示したが、床版34は、地震等により内架構18に生じるX方向の力が伝達された際に、せん断変形してエネルギーを吸収するものであればよい。例えば、床版34を、鋼板や、高強度コンクリート、繊維補強コンクリート等のコンクリートによって形成された床部材としてもよい。床版34を鋼板とした場合には、容易に床版34を形成することができる。また、床版34をコンクリートによって形成された床部材とする場合には、意図的に厚さの薄い部分を設け、この部分が先行して積極的に壊れるようにしてエネルギーを吸収させるようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 構造物
16 外架構(第1柱梁架構)
18 内架構(第2柱梁架構)
34 床版
16 外架構(第1柱梁架構)
18 内架構(第2柱梁架構)
34 床版
Claims (3)
- 第1柱梁架構と、
前記第1柱梁架構に隣接配置され、構面の延長面が前記第1柱梁架構の構面と交差するように配置された第2柱梁架構と、
を備え、
前記第2柱梁架構の面外方向の力が前記第1柱梁架構の面内方向へ伝達されるように前記第1柱梁架構と前記第2柱梁架構とを床版で連結し、
前記床版は、前記第2柱梁架構の面外方向の力によりせん断変形してエネルギーを吸収する構造物。 - 前記床版は、鋼板または波形鋼板である請求項1に記載の構造物。
- 前記第2柱梁架構の構面の延長面が前記第1柱梁架構の構面と直交するように、前記第1柱梁架構と前記第2柱梁架構とが配置されている請求項1又は2に記載の構造物。
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Cited By (2)
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JP2015124536A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 株式会社竹中工務店 | 連結建物 |
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