JP5957804B2 - 建物、及びその構築方法 - Google Patents
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Description
建物の外周に沿って配された鉄骨造の外周架構を有する建物であって、
該外周架構は複数のフィーレンデール形式の鋼製枠部材を有し、前記複数の鋼製枠部材は前記外周に沿って並んでおり、前記複数の鋼製枠部材は連結されており、
前記外周架構によって内方に区画された内部空間を横断して設けられた鋼製の梁部材であって、前記複数の鋼製枠部材のうちで、前記内部空間を隔てて互いに対向する鋼製枠部材同士に架け渡された前記梁部材を複数有し、
前記梁部材は、梁端にて、対応する前記鋼製枠部材にピン接合されており、
前記梁部材の上面は、前記鋼製枠部材の梁材の上面と高さ方向において揃っており、
前記梁部材の梁せいは、前記梁材の梁せいよりも大きく、
前記梁部材の梁せいは、前記梁端において縮小され、前記梁材の梁せいと揃っていることを特徴とする。
前記鋼製枠部材は、一対の柱材と、前記一対の柱材同士を繋ぐ梁材と、を有し、
前記柱材の断面形状は、強軸方向と、該強軸方向に直交する方向であって前記強軸方向よりも断面二次モーメントが小さい弱軸方向と、を有し、
前記柱材の強軸方向は、前記外周に沿っていることを特徴とする。
また、柱材の断面サイズを小さくできるので、外周架構の軽量化を図れる。
前記鋼製枠部材は、一対の柱材と、前記一対の柱材同士を繋ぐ複数の梁材と、を有し、
前記鋼製枠部材の前記梁材の断面形状は、強軸方向と、該強軸方向に直交する方向であって前記強軸方向よりも断面二次モーメントが小さい弱軸方向とを有し、
前記梁材の強軸方向は、鉛直方向を向いており、
前記梁材は、前記一対の柱材の間の空間を複数の開口部に区分するように、鉛直方向に間欠的に並んで配置されていることを特徴とする。
また、梁材の断面サイズを小さくできるので、外周架構の軽量化を図れる。
更には、鋼製枠部材の梁材は、一対の柱材の間の空間を複数の開口部に区分するように配置されているので、鋼製枠部材は少なくとも3本以上の梁材を有している。よって、梁材一本当たりの負荷荷重の軽減を図れ、各階の床部高さに位置する梁材の梁せいを小さくすることができる。そして、これにより、梁材の梁せい起因で階高が高くなってしまうことを回避可能となる。
前記複数の鋼製枠部材は、前記外周に沿って間欠的に配置されており、
前記複数の鋼製枠部材のうちで前記外周に沿う方向に互いに隣り合う鋼製枠部材同士は、前記梁材とは別の第2の梁材を介して連結されていることを特徴とする。
前記鋼製枠部材は、前記建物の複数階分に相当するサイズに形成されていることを特徴とする。
前記建物が具備すべき階数に対応させて、複数の前記鋼製枠部材が鉛直方向に積み重ねられていることを特徴とする。
前記複数の鋼製枠部材のうちの幾つかには、前記外周架構の振動エネルギーを吸収する制振部材が組み込まれていることを特徴とする。
また、制振部材は鋼製枠部材に組み込まれているので、外周架構の内部空間に、別途制振部材を設けずに済み、結果、内部空間を広く確保可能となる。
前記複数の鋼製枠部材のうちの幾つかには、前記外周架構の変形を抑制する耐震部材が組み込まれていることを特徴とする。
また、耐震部材は鋼製枠部材に組み込まれているので、外周架構の内部空間に、別途耐震部材を設けずに済み、結果、内部空間を広く確保可能となる。
前記外周に沿って複数のフィーレンデール形式の鋼製枠部材を並べて連結することにより、前記外周架構を形成する工程と、
前記外周架構によって内方に区画された内部空間を、鋼製の梁部材に横断させながら、前記梁部材を、互いに対向する前記鋼製枠部材同士に架け渡す梁部材架け渡し工程と、
前記梁部材を、梁端にて、対応する前記鋼製枠部材にピン接合する工程と、
を有し、
前記梁部材の上面は、前記鋼製枠部材の梁材の上面と高さ方向において揃っており、
前記梁部材の梁せいは、前記梁材の梁せいよりも大きく、
前記梁部材の梁せいは、前記梁端において縮小され、前記梁材の梁せいと揃っていることを特徴とする。
前記外周架構を形成する工程は、複数の前記鋼製枠部材を前記外周に沿って地面の基礎に配置する枠部材配置工程と、配置された複数の前記鋼製枠部材を前記外周に沿って連結する枠部材連結工程と、を有し、
更に、前記梁部材の上に床部を形成する床部形成工程と、を有することを特徴とする。
また、外周架構の内部空間を隔てて対向する鋼製枠部材同士に梁部材を架け渡すので、当該梁部材により外周架構は補剛・補強され、結果、外周架構の倒壊を有効に防ぐことができる。
形成された前記外周架構の上に、更に鋼製枠部材を積み重ねる枠部材積み重ね工程と、
積み重ねた前記鋼製枠部材を、前記外周に沿って連結する枠部材連結工程と、を有することを特徴とする。
前記鋼製枠部材は、前記建物の複数階分に相当するサイズに形成されていることを特徴とする。
請求項13に示す発明は、
建物の外周に沿って配された鉄骨造の外周架構を有する建物の構築方法であって、
一対の柱材と、前記一対の柱材同士を繋ぐ複数の梁材とを有するフィーレンデール形式の鋼製枠部材を予め作成する工程と、
予め作成された前記複数の鋼製枠部材を、前記外周に沿って高さを揃えて間欠的に配置する工程と、
前記複数の鋼製枠部材のうちで前記外周に沿う方向に互いに隣り合う鋼製枠部材同士を、前記梁材とは別の第2の梁材を介して連結する工程とを有し、
前記第2の梁材の断面形状は、前記梁材の断面形状と同じであり、
前記柱材の断面形状は、強軸方向と、該強軸方向に直交する方向であって前記強軸方向よりも断面二次モーメントが小さい弱軸方向と、を有し、前記柱材の強軸方向は、前記外周に沿っており、
前記外周架構より内側の柱が省略されており、
前記梁材と前記第2の梁材は、前記柱材の長手方向に揃っていることを特徴とする。
図2は、第1実施形態の建物5の概略斜視図である。また、図3A乃至図4Bは、建物5の構築手順の説明図である。なお、図2や図4Bでは、外壁材や屋根材等の建物5の一部の構成を省略して示している。
また、これら柱材11や梁材21を、窓枠や外壁材等の外装仕上げ材の支持部材として用いることもできるので、外装マリオンの縮小化を図ることもできる。
そして、これら枠部材F10,F10…を施工現場に搬入し、図3Aのように建物5の外周たる各辺に沿って間欠的に配置して基礎3に固定した後に、図3Bのように建物外周方向に互いに隣り合う枠部材F10,F10同士を、鋼製の連結部材J10を介して順次連結し、これにより、外周架構10が形成される。
なお、柱材11の場合と同様、梁材21,21cも何等H形鋼に限るものではなく、溝形鋼でも良いし、断面長方形形状の鋼製パイプでも良い。
また、このように梁部材50の梁端を切り欠けば、当該切り欠き部50kの下方に形成された空間を、カーテンボックスやブラインドボックス等の屋内装備品の設置スペースとして利用することもできる。なお、この梁端の切り欠き部50kの切り欠き形状は、何等図8Bの段状に限るものではなく、梁端へ向かうに従って梁せいh50eが漸減するテーパー形状にしても良いし(図9B)、これ以外の形状でも構わない。
また、望ましくは、ガセットプレート15を上下から補強する目的で、柱材11のウエブ11wに上下一対の水平プレート(不図示)を設け、これら水平プレートによってガセットプレート15を上下から挟みつつ剛接合しても良い。
先ず、専用の加工装置等を備える工場等において、柱材11及び梁材21を組んで枠部材F10を製造する(枠部材製造工程)。また、これと併せて連結部材J10(J10a,J10c)や梁部材50も製造する。なお、枠部材F10にあっては、必要に応じて制振部材80や耐震部材85も組み込んでおく。そして、これら枠部材F10等を、建物5の構築場所たる施工現場へ搬送する。
図13は、第2実施形態の建物5’の概略斜視図である。なお、この図13でも、外壁材や屋根材等の建物5’の一部の構成を省略して示している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
10 外周架構、10’ 外周架構、10’’ 外周架構、
11 柱材、11f フランジ、11fs フランジ面、11ss 小口面、
11w ウエブ、11ws ウエブ面、
15 ガセットプレート、17 連結部材、
21 梁材、21c 梁材、21ss 小口面、21us 上面、21ds 下面、
21w ウエブ、21ws ウエブ面、
50 梁部材、50f フランジ、50k 切り欠き部、50us 上面、
50w ウエブ、
60 床部、62 デッキプレート、
80 制振部材、85 鋼板耐震壁(耐震部材)、
OP 開口部、
F10 鋼製枠部材、F10a 鋼製枠部材、
F10b 鋼製枠部材、F10c 鋼製枠部材、
J10 連結部材、J10a 連結部材、J10c 連結部材、J10c’ 連結部材、
P10 拡幅用部品、
SP10 内部空間、SP10’ 内部空間、
G 地面、
Claims (13)
- 建物の外周に沿って配された鉄骨造の外周架構を有する建物であって、
該外周架構は複数のフィーレンデール形式の鋼製枠部材を有し、前記複数の鋼製枠部材は前記外周に沿って並んでおり、前記複数の鋼製枠部材は連結されており、
前記外周架構によって内方に区画された内部空間を横断して設けられた鋼製の梁部材であって、前記複数の鋼製枠部材のうちで、前記内部空間を隔てて互いに対向する鋼製枠部材同士に架け渡された前記梁部材を複数有し、
前記梁部材は、梁端にて、対応する前記鋼製枠部材にピン接合されており、
前記梁部材の上面は、前記鋼製枠部材の梁材の上面と高さ方向において揃っており、
前記梁部材の梁せいは、前記梁材の梁せいよりも大きく、
前記梁部材の梁せいは、前記梁端において縮小され、前記梁材の梁せいと揃っていることを特徴とする建物。 - 請求項1に記載の建物であって、
前記鋼製枠部材は、一対の柱材と、前記一対の柱材同士を繋ぐ梁材と、を有し、
前記柱材の断面形状は、強軸方向と、該強軸方向に直交する方向であって前記強軸方向よりも断面二次モーメントが小さい弱軸方向と、を有し、
前記柱材の強軸方向は、前記外周に沿っていることを特徴とする建物。 - 請求項1又は2に記載の建物であって、
前記鋼製枠部材は、一対の柱材と、前記一対の柱材同士を繋ぐ複数の梁材と、を有し、
前記鋼製枠部材の前記梁材の断面形状は、強軸方向と、該強軸方向に直交する方向であって前記強軸方向よりも断面二次モーメントが小さい弱軸方向とを有し、
前記梁材の強軸方向は、鉛直方向を向いており、
前記梁材は、前記一対の柱材の間の空間を複数の開口部に区分するように、鉛直方向に間欠的に並んで配置されていることを特徴とする建物。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の建物であって、
前記複数の鋼製枠部材は、前記外周に沿って間欠的に配置されており、
前記複数の鋼製枠部材のうちで前記外周に沿う方向に互いに隣り合う鋼製枠部材同士は、前記梁材とは別の第2の梁材を介して連結されていることを特徴とする建物。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の建物であって、
前記鋼製枠部材は、前記建物の複数階分に相当するサイズに形成されていることを特徴とする建物。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の建物であって、
前記建物が具備すべき階数に対応させて、複数の前記鋼製枠部材が鉛直方向に積み重ねられていることを特徴とする建物。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の建物であって、
前記複数の鋼製枠部材のうちの幾つかには、前記外周架構の振動エネルギーを吸収する制振部材が組み込まれていることを特徴とする建物。 - 請求項1乃至7の何れかに記載の建物であって、
前記複数の鋼製枠部材のうちの幾つかには、前記外周架構の変形を抑制する耐震部材が組み込まれていることを特徴とする建物。 - 建物の外周に鉄骨造の外周架構を有する建物の構築方法であって、
前記外周に沿って複数のフィーレンデール形式の鋼製枠部材を並べて連結することにより、前記外周架構を形成する工程と、
前記外周架構によって内方に区画された内部空間を、鋼製の梁部材に横断させながら、前記梁部材を、互いに対向する前記鋼製枠部材同士に架け渡す梁部材架け渡し工程と、
前記梁部材を、梁端にて、対応する前記鋼製枠部材にピン接合する工程と、
を有し、
前記梁部材の上面は、前記鋼製枠部材の梁材の上面と高さ方向において揃っており、
前記梁部材の梁せいは、前記梁材の梁せいよりも大きく、
前記梁部材の梁せいは、前記梁端において縮小され、前記梁材の梁せいと揃っていることを特徴とする建物の構築方法。 - 請求項9に記載の建物の構築方法であって、
前記外周架構を形成する工程は、複数の前記鋼製枠部材を前記外周に沿って地面の基礎に配置する枠部材配置工程と、配置された複数の前記鋼製枠部材を前記外周に沿って連結する枠部材連結工程と、を有し、
更に、前記梁部材の上に床部を形成する床部形成工程と、を有することを特徴とする建物の構築方法。 - 請求項9又は10に記載の建物の構築方法であって、
形成された前記外周架構の上に、更に鋼製枠部材を積み重ねる枠部材積み重ね工程と、
積み重ねた前記鋼製枠部材を、前記外周に沿って連結する枠部材連結工程と、を有することを特徴とする建物の構築方法。 - 請求項9乃至11の何れかに記載の建物の構築方法であって、
前記鋼製枠部材は、前記建物の複数階分に相当するサイズに形成されていることを特徴とする建物の構築方法。 - 建物の外周に沿って配された鉄骨造の外周架構を有する建物の構築方法であって、
一対の柱材と、前記一対の柱材同士を繋ぐ複数の梁材とを有するフィーレンデール形式の鋼製枠部材を予め作成する工程と、
予め作成された前記複数の鋼製枠部材を、前記外周に沿って高さを揃えて間欠的に配置する工程と、
前記複数の鋼製枠部材のうちで前記外周に沿う方向に互いに隣り合う鋼製枠部材同士を、前記梁材とは別の第2の梁材を介して連結する工程とを有し、
前記第2の梁材の断面形状は、前記梁材の断面形状と同じであり、
前記柱材の断面形状は、強軸方向と、該強軸方向に直交する方向であって前記強軸方向よりも断面二次モーメントが小さい弱軸方向と、を有し、前記柱材の強軸方向は、前記外周に沿っており、
前記外周架構より内側の柱が省略されており、
前記梁材と前記第2の梁材は、前記柱材の長手方向に揃っていることを特徴とする建物の構築方法。
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