JP3645966B2 - 大架構塔状建築物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、高層マンションや事務所ビルなどに適用するのに好適な大架構塔状建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高層の塔状建築物が構築されており、このような建築物は、柱、梁部材により構成される純ラーメン構造とすることが多い。その他、超高層の事務所ビル等では、純ラーメン構造ではなく大架構柱梁(メガストラクチャー)を採用することもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような純ラーメン構造による建築物では、該建築物が高層化すればするほど、その分、柱部材等が支持すべき鉛直荷重や水平荷重が大きくなるため、単位水平面積内において設置すべき柱部材の本数が増加する。これにより、各フロア空間における平面計画の自由度が制約され都合が悪かった。
特に、前記塔状建築物がマンション等の集合住宅である場合には、平常時に発生する微弱な振動を極力防止して居住性を向上させる目的から鉄骨鉄筋コンクリート等が採用されている。この場合、大地震時における柱部材の崩壊等を防止し、安全性を確保するためには、柱部材の部材断面を極力大きくして塑性率を低く抑えることが必要となって来る。よって、上述したような、各フロア空間における平面計画の自由度の制約は更に大きくなる。
【0004】
一方、上述したような大架構柱梁を採用することにより、単位水平面積内において設置すべき柱部材の本数を極力減少させることができ、よって各フロア空間における平面計画の自由度を極力向上させることができたが、構造上、大架構柱を建物の外周部に配置する必要が生じ、この大架構柱(通常この大架構柱はコアや設備等のスペースとしてしか使用できない)の存在により、バルコニや窓などの設置が制約されていた(即ち、外壁面開口率の向上が困難であった。)。特に、前記塔状建築物がマンション等の集合住宅である場合には、大架構柱梁を採用することは計画上不可能であった。
【0005】
更に、従来は大地震などの際に柱、梁部材が損傷を受けることを極力防止するため、制震壁や制震ブレース等の制震手段を建物に組み込んでいた場合もあった。しかしこれでは、多数の制震手段を建物内の多様な箇所に設置することとなり、平面計画上の制約が大きかった。また、これら制震手段は建物内部の多様な箇所に存在するため、メンテナンスを行う上で不便であった。
【0006】
そこで本発明は上記事情に鑑み、高層マンション等の塔状建築物において、大地震等に対して安全で、かつ各フロア空間における平面計画の自由度を極力向上させることができ、しかも外壁面開口率を極力向上させることができ、制震手段等のメンテナンスを都合よく行うことができる大架構塔状建築物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明のうち第1の発明は、内部に複数のフロア空間(25)が上下層状に形成された塔状建築物(1)において、上下方向に伸延した筒枠状構造体(16)を有し、前記筒枠状構造体(16)は、面状に形成された複数の面状耐震要素部材(50)により閉鎖水平断面形状を形成する形で形成されており、前記筒枠状構造体(16)の周囲に、前記塔状建築物(1)の構造上の外周面(3a)を形成する形で外殻構造体(3)を設け、前記複数のフロア空間(25)は、前記筒枠状構造体(16)と前記外殻構造体(3)の間に形成されており、前記筒枠状構造体(16)と前記外殻構造体(3)との間に、面状に形成された複数の耐震要素構造体(15)を、これら筒枠状構造体(16)と外殻構造体(3)とを接続する形で上下方向に所定の間隔(L1)で配設し、前記複数の耐震要素構造体(15)は、水平方向においては、前記筒枠状構造体(16)を中心とする放射方向に、前記筒枠状構造体(16)と前記外殻構造体(3)とを接続する形で配置されており、前記外殻構造体(3)は、前記耐震要素構造体(15)と接続された、複数の柱と梁からなるラーメン構造を構成する耐震要素接続側構造体(40)及び、複数の柱(5)と梁(6)からなるラーメン構造体(41)を構成する外側構造体を有し、前記耐震要素接続側構造体(40)と前記外側構造体(41)とは、所定の制震手段(17、60、65、70、80)を介して接続して構成される。
【0008】
また本発明のうち第2の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記塔状建築物(1)は集合住宅用の建築物である。
【0009】
また本発明のうち第3の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記各フロア空間(25)にはバルコニ(30)を、前記外殻構造体(3)に沿って設け、前記バルコニ(30)は、前記外殻構造体(3)の前記制震手段(17、60、65、70、80)に隣接して配置されている。
【0010】
また本発明のうち第4の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記面状耐震要素部材(50)はトラス構造(18)を有する。
【0011】
また本発明のうち第5の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記面状耐震要素部材(50)は耐震壁(32)を有する。
【0012】
また本発明のうち第6の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記耐震要素構造体(15)はトラス構造(18)を有する。
【0013】
また本発明のうち第7の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記耐震要素構造体(15)は耐震壁(32)を有する。
【0014】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。以下の
「作用」の欄についても同様である。
【0015】
【作用】
上記した構成により本発明のうち第1の発明では、筒枠状構造体(16)と耐震要素構造体(15)と外殻構造体(3)により大架構柱梁を構成する構造となっており、常時荷重(鉛直荷重)は主に外殻構造体(3)側によって支持させ、地震等による水平力は主に筒枠状構造体(16)側で抵抗させる。
【0016】
また本発明のうち第2の発明では、各住戸の窓やバルコニ等の設置ができるようになる。
【0017】
また本発明のうち第3の発明では、制震手段(17、60、65、70、80)のメンテナンスはバルコニ(30)付近で、該バルコニ(30)を足場として利用する形で行われる。
【0018】
また本発明のうち第4の発明では、ブレース材(13)等を用いて面状耐震要素部材(50)を構成する。
【0019】
また本発明のうち第5の発明では、耐震壁(32)をフロア空間(25)とコア空間(16a)の間の仕切部材等として使用する。
【0020】
また本発明のうち第6の発明では、ブレース材(13)等を用いて耐震要素構造体(15)を構成する。
【0021】
また本発明のうち第7の発明では、耐震壁(32)をフロア空間(25)内を仕切る仕切部材等として使用する。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、本発明による大架構塔状建築物の一例であるマンションの構造を示した模式斜視図、
図2は、図1のマンションの構造を示した水平断面図、
図3は、図1のマンションの構造を示した側断面図、
図4(a)は、図1のマンションに設置された制震梁を示した側面図、
図4(b)は、図4(a)のX1−Y1線断面図、
図5(a)は、別の形の制震梁を示した側面図、
図5(b)は、図5(a)のX2−Y2線断面図、
図6(a)は、別の形の制震ユニットを示した側面図、
図6(b)は、図6(a)の鋼材スリットダンパを示した拡大図、
図7(a)は、別の形の制震ユニットを示した側面図、
図7(b)は、図7(a)のX3−Y3線断面図、
図8は、別の形の制震ユニットを示した側面図、
図9は、別の形のトラス構造を示した側面図、
図10は、別の形のトラス構造を示した側面図、
図11は、別の形の水平方向耐震構造体及び鉛直方向筒枠構造体を示した側面図である。
【0023】
本発明による大架構塔状建築物の一例であるマンション1は、図1乃至図3に示すように、地盤2中に構築された図示しない基礎構造物上に立設されたフレーム構造物100を有しており、フレーム構造物100は、外殻構造物3及び中核構造物7等から構成されている。
外殻構造物3は、図1乃至図3に示すように、前記基礎構造物上に立設された複数の柱部材5を有している。なお、本発明ではこれら柱部材5は鋼管コンクリートとなっているが、その他の実施例としてH鋼などによるもの又は鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートなどでも可能である(しかし、鋼管コンクリートの採用により柱部材の部材断面の縮小と工期短縮が容易に実現するので、鋼管コンクリートを採用することが望ましい。)。そして、外殻構造物3の複数の柱部材5のうち、8本の柱部材5A(なお、柱部材5Aは、前記複数の柱部材5のうちの特定のものを区別して表記したものとする)は、図2に示すように、水平断面において、対向した辺どうしが平行且つ等しい長さである所定の8角形の頂点に位置する形でそれぞれ配置されている。また、この8角形の所定の1辺
(図2の紙面で最も上側の辺)には、該1辺の両端に配置された2つの柱部材5A、5Aの他に、これら柱部材5A、5Aの間の位置において2つの柱部材5B、5B(なお、柱部材5Bは、前記複数の柱部材5のうちの柱部材5A以外の特定のものを区別して表記したものとする)が配置されており、該1辺と対向する別の1辺(図2の紙面で最も下側の辺)においても、該別の1辺の両端に配置された2つの柱部材5A、5Aの他に、これら柱部材5A、5Aの間の位置において2つの柱部材5B、5Bが配置されている。更に、これら1辺及び別の1辺の間に挟まれた2辺(図2の紙面で最も右側の辺及び最も左側の辺)においても、該各辺の両端に配置された2つの柱部材5A、5Aの他に、これら柱部材5A、5Aの間の位置において2つの柱部材5B、5Bが配置されている。そして、水平方向である図の矢印A、B方向(即ち図2の紙面上下方向)及び、該矢印A、B方向に直角な水平方向である図の矢印C、D方向(即ち図2の紙面左右方向)に、互いに対向した辺どうしでは、その対向方向に各柱部材5B、5Bが対応して位置しており、従って、これら対応した柱部材5B、5Bどうしを結んだ線は、井の字型の格子状に交差している。
【0024】
上述した8角形の周方向に隣接する柱部材5A、5A間、柱部材5A、5B間、柱部材5B、5A間には、水平方向に伸延した複数の梁部材6がそれぞれ接続されており、隣接する各柱部材5、5間では、これらを接続する梁部材6は上下方向に複数となっている。即ち、これら柱部材5A、5B、梁部材6によりラーメン構造を構成する外側構造体41が形成されており、この外側構造体41の外周面により、前記マンション1の構造上の外周面である構造外周面3aが形成されている。また、各柱部材5、5間の複数の梁部材6は、後述する複数のフロア空間25の位置に対応して上下方向に配置されている。なお、本実施例では、この梁部材6は鉄骨コンクリート(鋼管コンクリート等)によるものであるが、その他の実施例としてH鋼などによるもの又は鉄筋コンクリートなどでも可能である。また、隣接する各柱部材5B、5B間には梁部材6が接続されていない。更に、外殻構造物3の複数の柱部材5のうち、上記柱部材5A、5B以外の8つの柱部材5C(なお、柱部材5Cは、前記複数の柱部材5のうちの柱部材5A、5B以外のものを区別して表記したものとする)は、上述した柱部材5Bのうち、水平断面において、互いに対応した柱部材5B、5Bどうしを結んだ格子状に交差した井の字型の線上に存在し、かつ8つの各柱部材5Bよりもやや内側に位置した形で、また各柱部材5Bと1対1で対応した形で配置されている。これら8つの柱部材5Cのうち、図の矢印A、B方向或いは矢印C、D方向に隣接した2本1組の柱部材5C、5Cにおいて、各組の柱部材5C、5C間には水平方向に伸延した複数の梁部材6がそれぞれ接続されており、隣接する各柱部材5C、5C間では、これらを接続する梁部材6は上下方向に複数となっている。これら梁部材6の配置位置は、前記外側構造体41における複数の梁部材6の配置位置と対応している。これら柱部材5C、5C、梁部材6により、ラーメン構造を構成する内側構造体40が形成されている。
【0025】
以上のように構成された外側構造体41と内側構造体40の間、具体的には互いに対応配置されている柱部材5Bと柱部材5Cの間は、例えば図1乃至図4に示すような複数の所定の制震梁17で接続されている。なお、この制震梁17は、各柱部材5B、5C間に複数設置されており、これら制震梁17の配置位置は、前記外側構造体41及び内側構造体40における複数の梁部材6の配置位置と対応している。
各制震梁17は、図4(a)及び図4(b)に示すように、柱部材5B、5C間を接続した形のH型鋼からなる梁部材ユニット19を有しており、該梁部材ユニット19はその中央付近を境界とする形で柱部材5C側の梁部材片20Pと、柱部材5B側の梁部材片20Qとに分割されている。つまり、これら梁部材片20P、20Qはそれぞれの先端を突き合わした形で配置されている。なお、これら梁部材片20P、20Qの先端部位では、これらの相対的変位を妨げないように、各ウェブ20aにおいて切欠き21がそれぞれ形成されている。更にこれら梁部材片20P、20Qは、互いに突き合わされた先端部位において、適宜な接続プレート22及びボルト、ナットを介して、互いのフランジ20b、20bを接続する形で、かつ、低降伏点鋼からなるダンパ用プレート23及びボルト、ナットを介して、互いのウェブ20a、20aを接続する形で接合されている。外殻構造物3は以上の外側構造体41、内側構造体40、制震梁17で構成されている。なお、他の実施例として外殻構造物3は任意の外形をもち得る。
【0026】
以上のように構成された外殻構造物3の内側には、図1乃至図3に示すように、上述した中核構造物7が設けられている。中核構造物7は、前記図示しない基礎構造物上に立設された4つの柱部材9を有している(なお、本発明ではこれら柱部材9は鋼管コンクリートとなっているが、その他の実施例としてH鋼などによるもの又は鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートなどでも可能である)。これら4つの柱部材9は、上述した外殻構造物3の柱部材5のうち、水平断面において、互いに対応した柱部材5B、5Bどうしを結んだ格子状に交差した線での4つの交差点に対応した位置に配置されている。
これら各柱部材9と、上述した外殻構造物3の柱部材5Cうち、図の矢印A、B方向或いは矢印C、D方向に該柱部材9と隣接対向した柱部材5Cの間には、水平方向に伸延した複数の梁部材10がそれぞれ接続されており、隣接する各柱部材9、5C間では、これらを接続する梁部材10は上下方向に複数となっている。また、これら複数の梁部材10は、上述した外殻構造物3の複数の梁部材6或いは制震梁17の位置に対応して配置されている。
一方、図の矢印A、B方向或いは矢印C、D方向に隣接した柱部材9、9間にも、水平方向に伸延した複数の梁部材10がそれぞれ接続されており、隣接する各柱部材9、9間では、これらを接続する梁部材10は上下方向に複数となっている。しかし、各柱部材9、9間の複数の梁部材10は、各柱部材9、5C間における複数の梁部材10の上下方向の配置間隔とは基本的に異なった配置間隔(後述)で配置されている(なお本発明における柱部材9、9間の梁部材10の配置間隔は、本実施例における配置間隔に限定されない。)。なお、本実施例では、この梁部材10はH鋼によるものであるが、その他の実施例として鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートなどでも可能である。
【0027】
ところで上述した複数の梁部材10のうち、各柱部材9、5C間の梁部材10における上下間隔(従って、上述した外殻構造物3の複数の梁部材6或いは制震梁17における上下間隔)は、図3に示すように、基本的には所定の間隔H1であるが、特定の位置の上下間隔、例えば図3に示す10階及び20階に相当する位置での上下間隔は、前記間隔H1よりも大きな間隔H2(本実施例では間隔H1の1.5倍の大きさ)となっている。また、各柱部材9、9間の梁部材10における上下間隔は、図3に示すように、基本的には前記間隔H1の3倍に相当する所定の間隔H3であり、これは例えば図3に示すように1階〜3階に亙る上下間隔、4階〜6階に亙る上下間隔、7階〜9階に亙る上下間隔、或いは11階〜13階に亙る上下間隔、14階〜16階に亙る上下間隔、17階〜19階に亙る上下間隔、或いは21階〜23階に亙る上下間隔、24階〜26階に亙る上下間隔、27階〜29階に亙る上下間隔……という形で梁部材10が配置されている。ところが、特定の位置での梁部材10、10間の上下間隔は前記間隔H2と等しい大きさになっている。これは、10階及び20階に相当する位置であり、従って10階及び20階に相当する位置では、各柱部材9、9間の梁部材10、10の上下間隔は、上述した各柱部材9、5C間の梁部材10の上下間隔と対応している。なお、図3に示すように、このマンション1は30階建であり、30階の位置での、柱部材9、9間の梁部材10、10の上下間隔は間隔H2より小さい所定の間隔になっている。
【0028】
上述したように、図3の10階及び及び20階の位置において、間隔H2で配置された上側或いは下側の梁部材10に関しては、柱部材9、9間の梁部材10と、柱部材9、5C間の梁部材10とが同一の高さ位置にあることから、矢印A、B方向或いは矢印C、D方向に柱部材9、9を介して接続された3つの梁部材10によって梁ユニット11がそれぞれ構成されていると見做せる。また、図3の30階の位置において、所定の間隔で配置された上側或いは下側の梁部材10に関しては、柱部材9、9間の梁部材10と、柱部材9、5C間の梁部材10とが同一の高さ位置にあることから、矢印A、B方向或いは矢印C、D方向に柱部材9、9を介して接続された3つの梁部材10によって梁ユニット11がそれぞれ構成されていると見做せる。
ここで、図3の10階及び及び20階及び30階の位置において、上下に隣接した梁ユニット11、11間には、上下方向の複数の接続柱12が適宜接続され、これら梁ユニット11、11間には、隣接する接続柱12、12間、或いは隣接する接続柱12と柱部材9の間等において斜め方向のブレース材13が設置されている。つまり、上下に隣接した梁ユニット11、11、接続柱12、ブレース材13により水平方向に伸延したトラス梁14が構成されている。なお、このトラス梁14の位置(10階と20階)では梁部材10、10の間隔H2が通常の間隔H1よりも大きくなっているので、その分、トラス梁14の上下幅が大きくなり鉛直方向の剪断力に対する剛性が向上されている。
【0029】
また、矢印A、B方向或いは矢印C、D方向に隣接した柱部材9、9間には、上下に隣接した梁部材10、10の間(但し、図3の10階及び及び20階及び30階の位置は除く)において斜め方向のブレース材13が設置されている。つまり、4つの柱部材9及び、隣接した柱部材9、9間の梁部材10、ブレース材13等により上下方向に伸延した鉛直方向筒枠構造体16が構成されている。なお、図3の10階及び及び20階及び30階の位置では、各トラス梁14と鉛直方向筒枠構造体16が、各々の一部分を共有する形で交差接合されている。
以上のようにマンション1には、上下方向に伸延した鉛直方向筒枠構造体16が設けられており、該鉛直方向筒枠構造体16は、面状に形成された4つの面状耐震要素部材50(図2の四角形断面における各辺の位置に相当する部位)により閉鎖水平断面形状を形成する形で形成されている。この鉛直方向筒枠構造体16の周囲には、マンション1の構造上の構造外周面3aを形成する形で外殻構造物3が設けられている。また、鉛直方向筒枠構造体16と外殻構造物3との間には、面状に形成された複数の水平方向耐震構造体15、即ち上述したトラス梁14のうち鉛直方向筒枠構造体16との共有部位を除いた部分(なお、1つのトラス梁14は、鉛直方向筒枠構造体16の両側に位置する形で2つの水平方向耐震構造体15を有している)が、これら鉛直方向筒枠構造体16と外殻構造物3とを接続する形で図3に示す上下方向に所定の間隔L1(即ち上下に隣接する水平方向耐震構造体15、15間には間隔H1の9倍に相当する間隔L1が形成されている)で配設されており、これら水平方向耐震構造体15は、水平方向においては図2に示すように、鉛直方向筒枠構造体16を中心とする放射方向(矢印A、B、C、Dの各方向に向かってそれぞれ2本づつ)に、鉛直方向筒枠構造体16と外殻構造物3とを接続する形で配置されている。
【0030】
フレーム構造物100は、上述したように外殻構造物3及び中核構造物7からなっており、このフレーム構造物100には、中核構造物7の鉛直方向筒枠構造体16と外殻構造物3の間において、上述した複数の梁部材6、10等に支持された形で図示しないスラブが上下層状に設置されている。従ってこれらスラブの間には、図3に示すように前記複数の梁部材6、10の上下間隔に対応した形で複数のフロア空間25が上下層状に形成されている。各フロア空間25の階高は、10階と20階では間隔H2に対応した大きさであり、10階或いは20階以外の階では間隔H1に対応した大きさである。つまり、10階と20階ではフロア空間25の階高が通常よりも大きくなっているので、1.5層としての利用や設備の縦シャフトを取り回すスペース(従ってトラス梁14の上下階ではシャフトの位置を変えられる)としての利用ができる。
また、フレーム構造物100の外周には図示しない外壁が設けられており、各フロア空間25には、図示しない複数の住戸、図示しない共用空間等が、図示しない適宜な仕切部材等を介して設けられている。なお、フレーム構造物100のうち、前記鉛直方向筒枠構造体16の内部は、スラブ等が設けられておらず、図3の1階から30階まで上下方向に貫通したボイド空間となったコア空間16aが形成されている。なお、鉛直方向筒枠構造体16の内部は、本実施例のようにコア空間16aとして利用される以外にも立体駐車場やトランクルーム等を設置してもよい。
更に、各フロア空間25には上述した図示しない住戸用のバルコニ30が、図2に示すように、外殻構造物3に沿って設けられており、これらバルコニ30は、外殻構造物3の各制震梁17に隣接して配置されている。
【0031】
マンション1は以上のように鉛直方向筒枠構造体16と水平方向耐震構造体15と外殻構造物3により大架構柱梁を構成する構造となっているので、純ラーメン構造による建築物等に比べて、単位水平面積内において設置すべき柱部材5、9の本数を極力減少させることができ、よって各フロア空間25における平面計画の自由度を極力向上させることができる。しかも、大架構柱である鉛直方向筒枠構造体16をフレーム構造物100の外周部に配置せず内部中央に配置し、該鉛直方向筒枠構造体16を囲む形で、従って該フレーム構造物100の外周部には、外殻構造物3を配置したので、外壁面開口率を極力向上させることができる。なお、大架構柱である鉛直方向筒枠構造体16をフレーム構造物100の内部中央に配置しているので、該鉛直方向筒枠構造体16のみでは地震等による水平力に対する転倒スパンが比較的小さい。しかし、鉛直方向筒枠構造体16が水平力を受けた場合には、その力の一部は複数の水平方向耐震構造体15を介して、転倒スパンの比較的大きな外殻構造物3側に鉛直方向力として伝達される仕組みになっており、鉛直方向筒枠構造体16の柱脚に過大な軸力がかかることが防止され(フレーム構造体100の崩壊等が防止され)安全性が高い。
またこのようにマンション1では、常時荷重(鉛直荷重)は主に外殻構造物3側によって支持させ、また、地震等の際に発生する水平力は主に鉛直方向筒枠構造体16側で抵抗させる構造になっている。従って、外殻構造物3の外側構造体41等における複数の柱部材5は、その単位水平面積内において設置すべき本数を極力減少させることができるばかりでなく、これら柱部材5を鉄骨鉄筋コンクリート等で形成した場合でも、それらの部材断面を極力小さくすることができるので、各フロア空間25における平面計画の自由度は向上する。
更に外殻構造物3では、鉛直方向筒枠構造体16側からの力を水平方向耐震構造体15から直接受ける内側構造体40と、外側構造体41との間が制震梁17により接続されているので、大地震等による水平力の一部は、鉛直方向筒枠構造体16側から外殻構造物3に伝達され、該外殻構造物3内で内側構造体40から外側構造体41に伝達されようとする間に制震梁17により効果的に吸収されるようになる。よって、特に外側構造体41等の柱部材5や梁部材6が損傷を受けることは極力防止される。また、制震梁17が外殻構造物3内にのみ設置されており、しかもこのような設置態様により地震エネルギーの吸収が効果的に行われ得るようになっている。従って、従来のように多数の制震手段を建物内の多様な箇所に設置することと異なり、限定された設置場所に集中させることができるので、平面計画上の自由度が向上する。また、これら制震梁17はマンション1の外周部である外殻構造物3に設置されているので、メンテナンスを行う上でマンション1の内部での工事を極力避けることができ都合がよい。
【0032】
また、前記バルコニ30は前記制震梁17に隣接して配置されているので、制震梁17のメンテナンスは該バルコニ30付近で行われるため、住戸屋内等に立ち入る必要がなく、また作業用の足場が確保されているので都合がよい。
なお、本発明による大架構塔状建築物は、本実施例のようなマンション1等の集合住宅以外にも、事務所ビル等にも適用できる。また、本実施例では30階建てのマンション1を例示したが建築物は30階に限定されない。
【0033】
なお上述した実施例では、鉛直方向筒枠構造体16の各面状耐震要素部材50は、上下方向の柱部材9或いは接続柱12、梁部材10、ブレース13からなる複数のトラス構造18を有する形で構成されている。しかし、各面状耐震要素部材50は、図11に示すように、ブレース13等を採用せず、柱部材9及び梁部材10に設置された複数の耐震壁32を有する形で構成してもよい。なお、各面状耐震要素部材50の有するトラス構造18や耐震壁32の個数等は任意である。
【0034】
また上述した実施例では、各水平方向耐震構造体15は、上下方向の柱部材9或いは接続柱12、梁部材10、ブレース13からなる複数のトラス構造18を有する形で構成されている。しかし、各水平方向耐震構造体15は、図11に示すように、ブレース13等を採用せず、柱部材9及び梁部材10に設置された複数の耐震壁32を有する形で構成してもよい。なお、各水平方向耐震構造体15の有するトラス構造18や耐震壁32の個数等は任意である。
【0035】
また上述した実施例では、外殻構造物3の内側構造体40と外側構造体41を接続する制震手段として、図4(a)及び図4(b)に示す制震梁17を採用したが、本発明の構成要素である制震手段はこれに限定されない。
例えば制震手段は、図5(a)及び図5(b)に示す制震梁60を採用してもよい。制震梁60は、梁部材ユニット19を構成する梁部材片20P、20Qの間を、組立H型鋼である制震用H型鋼材61で接続して構成される。この制震用H型鋼材61は、上下の両フランジ61aが普通鋼で、ウェブ61bが低降伏点鋼で形成されている。
【0036】
また例えば制震手段は、図6(a)及び図6(b)に示す制震ユニット65を採用してもよい。制震ユニット65は、柱部材5B、5Cを水平なつなぎ梁66でピン接合すると共に、これら柱部材5B、5C間を適宜なブラケット67、67を介して鉛直な板状の鋼材スリットダンパ69で接続して構成する。この鋼材スリットダンパ69には水平方向に伸延した複数のスリット69aが設けられている。
【0037】
また例えば制震手段は、図7(a)及び図7(b)に示す制震ユニット70を採用してもよい。制震ユニット70は、柱部材5B、5Cを水平なつなぎ梁71でピン接合すると共に、これら柱部材5B、5C間を適宜なブラケット72、72を介して粘弾性ダンパ73で接続して構成する。この粘弾性ダンパ73は、ヒダ状に配置した複数の鉛直な板状鋼材73aを、両ブラケット72、72側から対向させ、かつ噛みあわせた形で配置し、噛みあった板状鋼材73a、73a間を所定の粘弾性体73bで接続して構成される。
【0038】
また例えば制震手段は、図8に示す制震ユニット80を採用してもよい。制震ユニット80は、柱部材5B、5Cを水平なつなぎ梁81でピン接合すると共に、これら柱部材5B、5C間を適宜なブラケット82、82を介して斜め方向に配置したオイルダンパ83で接続して構成する。このオイルダンパ83は、オイルが充填されたシリンダ及びピストン等から構成されている。
【0039】
更に上述した実施例では、鉛直方向筒枠構造体16の有するブレース材16は、単純な線状の鋼材からなるものであったが、このようなブレース材16の代わりに制震機能をもったものを採用することも可能である。即ち、地震の大部分を負担する鉛直方向筒枠構造体16に高い靭性と履歴性状を有する制震ブレースユニット(後述)を使用し、大地震時に降伏することにより大きな履歴エネルギーを吸収するようにする。これにより構造体の損傷が極力防止され、大地震に際しても安全性が高い。また、大架構構造と該制震ブレースユニットを組み込むことで、建物全体の水平剛性と耐力を設計上想定する地震レベルに対し制御することが可能になり、高い耐震安全性と経済性をもつ建築物とすることが可能である。更に、制震ブレースユニットの組込み位置が居室内ではないので、メンテナンスや交換においても便利である。
【0040】
例えば制震ブレースユニットは、例えば図9に示す制震ブレースユニット43のように構成される。制震ブレースユニット43は、格子状に接続された柱部材9、9及び梁部材10、10の4つの接続位置SZのうち、対向する2つの接続位置SZ、SZどうしを連絡するX字型の形状に形成されている。即ち、制震ブレースユニット43は、前記各接続位置SZにそれぞれ接合された4つのブラケット部45及び、1つの中央部パネル部46を有しており、各ブラケット部45と中央部パネル部46の間は、線状の低降伏点鋼材47及びジョイント部材49、49(即ち、中央部パネル部46と低降伏点鋼材47の間及び、ブラケット部45と低降伏点鋼材47の間にそれぞれジョイント部材49が介在している)によりそれぞれ接続されている。
【0041】
また例えば制震ブレースユニットは、例えば図10に示す制震ブレースユニット53のように構成される。制震ブレースユニット53は、格子状に接続された柱部材9、9及び梁部材10、10の4つの接続位置SZのうち、対向する2つの接続位置SZ、SZどうしを連絡するX字型の形状に形成されている。即ち、制震ブレースユニット53は、前記各接続位置SZにそれぞれ接合された4つのブラケット部55及び、1つの中央部パネル部56を有しており、各ブラケット部55と中央部パネル部56の間は、線状鋼材57によりそれぞれ接続されている。そして、中央パネル部56は低降伏点鋼材でできている。
なお、構造計画平面上平面的に複数箇所ある鉛直方向筒枠構造体16のトラス構造18のうち、上述したような制震ブレースユニット43、53にするものと、弾性状態を維持するブレース材16等のようなブレースを用いたものとを混在させることも可能であり、建築物全体の水平剛性を弾性時から塑性化した後も制御可能になる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のうち第1の発明は、内部に複数のフロア空間25等のフロア空間が上下層状に形成されたマンション1等の塔状建築物において、上下方向に伸延した鉛直方向筒枠構造体16等の筒枠状構造体を有し、前記筒枠状構造体は、面状に形成された複数の面状耐震要素部材50等の面状耐震要素部材により閉鎖水平断面形状を形成する形で形成されており、前記筒枠状構造体の周囲に、前記塔状建築物の構造上の構造外周面3a等の外周面を形成する形で外殻構造物3等の外殻構造体を設け、前記複数のフロア空間は、前記筒枠状構造体と前記外殻構造体の間に形成されており、前記筒枠状構造体と前記外殻構造体との間に、面状に形成された複数の水平方向耐震構造体15等の耐震要素構造体を、これら筒枠状構造体と外殻構造体とを接続する形で上下方向に間隔L1等の所定の間隔で配設し、前記複数の耐震要素構造体は、水平方向においては、前記筒枠状構造体を中心とする放射方向に、前記筒枠状構造体と前記外殻構造体とを接続する形で配置されており、前記外殻構造体は、前記耐震要素構造体と接続された、複数の柱と梁からなるラーメン構造を構成する内側構造体40等の耐震要素接続側構造体及び、複数の柱部材5等の柱と梁部材6等の梁からなるラーメン構造を構成する外側構造体41を有し、前記耐震要素接続側構造体と前記外側構造体とは、制震梁17、60、制震ユニット65、70、80等の所定の制震手段を介して接続して構成される。つまり本発明による大架構塔状建築物では、筒枠状構造体と耐震要素構造体と外殻構造体により大架構柱梁を構成する構造となっているので、純ラーメン構造による建築物等に比べて、単位水平面積内において設置すべき柱部材の本数を極力減少させることができ、よって各フロア空間における平面計画の自由度を極力向上させることができる。しかも本発明では、大架構柱である筒枠状構造体(この部位は階段、エレベータや設備等のスペースとして使用)を建築物の外周部に配置せず内部中央に配置し、該筒枠状構造体を囲む形で、従って該建築物の外周部には、外殻構造体を配置したので、外壁面開口率を極力向上させることができる。なお、本発明では大架構柱である筒枠状構造体を建築物の内部中央に配置しているので、該筒枠状構造体のみでは地震等による水平力に対する転倒スパンが比較的小さい。しかし、筒枠状構造体が水平力を受けた場合には、その力の一部は複数の耐震要素構造体を介して、転倒スパンの比較的大きな外殻構造体側に鉛直方向力として伝達される仕組みになっており、筒枠状構造体の柱脚に過大な軸力がかかることが防止され(建築物の崩壊等が防止され)安全性が高い。またこのように本発明では、常時荷重(鉛直荷重)は主に外殻構造体側によって支持させ、また、地震等の際に発生する水平力は主に筒枠状構造体側で抵抗させる構造になっている。従って、外殻構造体の外側構造体における複数の柱は、その単位水平面積内において設置すべき本数を極力減少させることができるばかりでなく、これら柱を鉄骨鉄筋コンクリート等で形成した場合でも、それらの部材断面を極力小さくすることができるので、各フロア空間における平面計画の自由度は向上する。更に外殻構造体では、筒枠状構造体側からの力を耐震要素構造体から直接受ける耐震要素接続側構造体と、外側構造体との間が制震手段により接続されているので、大地震等による水平力の一部は、筒枠状構造体側から外殻構造体に伝達され、該外殻構造体内で耐震要素接続側構造体から外側構造体に伝達されようとする間に制震手段により効果的に吸収されるようになる。よって、特に外側構造体の柱や梁が損傷を受けることは極力防止される。また、本発明では、制震手段が外殻構造体内にのみ設置されており、しかもこのような設置態様により地震エネルギーの吸収が効果的に行われ得るようになっている。従って、従来のように多数の制震手段を建物内の多様な箇所に設置することと異なり、限定された設置場所に集中させることができるので、平面計画上の自由度が向上する。また、これら制震手段は建築物の外周部である外殻構造体に設置されているので、メンテナンスを行う上で建築物の内部での工事を極力避けることができ都合がよい。また、水平荷重に抵抗する大架構では、各要素の断面と形状の調整により建物の強度と水平剛性を適正に制御でき、安全性と経済性を両立させた設計が可能となる。
【0043】
また本発明のうち第2の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記塔状建築物は集合住宅用の建築物であるので、第1の発明による効果に加えて、平面計画上の自由度が向上するので多種多様な住戸が設置でき都合がよい。また、外壁面開口率を極力向上させることができるので、居住性の向上が同時に実現する。更に、制震手段のメンテナンスは建築物の外周部で行われるため、住戸屋内で工事を行ったりすることが極力避けられ都合がよい。
【0044】
また本発明のうち第3の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記各フロア空間にはバルコニ30等のバルコニを、前記外殻構造体に沿って設け、前記バルコニは、前記外殻構造体の前記制震手段に隣接して配置されているので、第1の発明による効果に加えて、制震手段のメンテナンスはバルコニ付近で行われるため、住戸屋内に立ち入る必要がなく、また作業用の足場が確保されているので都合がよい。
【0045】
また本発明のうち第4の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記面状耐震要素部材はトラス構造18等のトラス構造を有するので、第1の発明による効果に加えて、ブレース材13等を用いて面状耐震要素部材を構成することになるので構築が簡単になり都合がよい。
【0046】
また本発明のうち第5の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記面状耐震要素部材は耐震壁32等の耐震壁を有するので、第1の発明による効果に加えて、耐震壁をフロア空間とコア空間16aの間の仕切部材等として使用できるので都合がよい。
【0047】
また本発明のうち第6の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記耐震要素構造体はトラス構造18等のトラス構造を有するので、第1の発明による効果に加えて、ブレース材13等を用いて耐震要素構造体を構成することになるので構築が簡単になり都合がよい。
【0048】
また本発明のうち第7の発明は、第1の発明による大架構塔状建築物において、前記耐震要素構造体は耐震壁32等の耐震壁を有するので、第1の発明による効果に加えて、耐震壁をフロア空間内を仕切る仕切部材等として使用できるので都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による大架構塔状建築物の一例であるマンションの構造を示した模式斜視図である。
【図2】図2は、図1のマンションの構造を示した水平断面図である。
【図3】図3は、図1のマンションの構造を示した側断面図である。
【図4】図4(a)は、図1のマンションに設置された制震梁を示した側面図、
図4(b)は、図4(a)のX1−Y1線断面図である。
【図5】図5(a)は、別の形の制震梁を示した側面図、
図5(b)は、図5(a)のX2−Y2線断面図である。
【図6】図6(a)は、別の形の制震ユニットを示した側面図、
図6(b)は、図6(a)の鋼材スリットダンパを示した拡大図である。
【図7】図7(a)は、別の形の制震ユニットを示した側面図、
図7(b)は、図7(a)のX3−Y3線断面図である。
【図8】図8は、別の形の制震ユニットを示した側面図である。
【図9】図9は、別の形のトラス構造を示した側面図である。
【図10】図10は、別の形のトラス構造を示した側面図である。
【図11】図11は、別の形の水平方向耐震構造体及び鉛直方向筒枠構造体を示した側面図である。
【符号の説明】
1……塔状建築物(マンション)
3……外殻構造体(外殻構造物)
3a……外周面(構造外周面)
5……柱(柱部材)
6……梁(梁部材)
15……耐震要素構造体(水平方向耐震構造体)
16……筒枠状構造体(鉛直方向筒枠構造体)
17……制震手段(制震梁)
18……トラス構造
25……フロア空間
30……バルコニ
32……耐震壁
40……耐震要素接続側構造体(内側構造体)
41……外側構造体
50……面状耐震要素部材
60……制震手段(制震梁)
65……制震手段(制震ユニット)
70……制震手段(制震ユニット)
80……制震手段(制震ユニット)
L1……間隔
Claims (7)
- 内部に複数のフロア空間が上下層状に形成された塔状建築物において、
上下方向に伸延した筒枠状構造体を有し、
前記筒枠状構造体は、面状に形成された複数の面状耐震要素部材により閉鎖水平断面形状を形成する形で形成されており、
前記筒枠状構造体の周囲に、前記塔状建築物の構造上の外周面を形成する形で外殻構造体を設け、
前記複数のフロア空間は、前記筒枠状構造体と前記外殻構造体の間に形成されており、
前記筒枠状構造体と前記外殻構造体との間に、面状に形成された複数の耐震要素構造体を、これら筒枠状構造体と外殻構造体とを接続する形で上下方向に所定の間隔で配設し、
前記複数の耐震要素構造体は、水平方向においては、前記筒枠状構造体を中心とする放射方向に、前記筒枠状構造体と前記外殻構造体とを接続する形で配置されており、
前記外殻構造体は、前記耐震要素構造体と接続された、複数の柱と梁からなるラーメン構造を構成する耐震要素接続側構造体及び、複数の柱と梁からなるラーメン構造を構成する外側構造体を有し、
前記耐震要素接続側構造体と前記外側構造体とは、所定の制震手段を介して接続して構成した大架構塔状建築物。 - 前記塔状建築物は集合住宅用の建築物であることを特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築物。
- 前記各フロア空間にはバルコニを、前記外殻構造体に沿って設け、
前記バルコニは、前記外殻構造体の前記制震手段に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築物。 - 前記面状耐震要素部材はトラス構造を有することを特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築物。
- 前記面状耐震要素部材は耐震壁を有することを特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築物。
- 前記耐震要素構造体はトラス構造を有することを特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築物。
- 前記耐震要素構造体は耐震壁を有することを特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築物。
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