JP2001140343A - 三階建て住宅 - Google Patents

三階建て住宅

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JP2001140343A
JP2001140343A JP32116699A JP32116699A JP2001140343A JP 2001140343 A JP2001140343 A JP 2001140343A JP 32116699 A JP32116699 A JP 32116699A JP 32116699 A JP32116699 A JP 32116699A JP 2001140343 A JP2001140343 A JP 2001140343A
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哲雄 平松
Yoshitomo Takahashi
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Toshihiro Horie
寿弘 堀江
Osamu Tabata
治 田畑
Kazumi Hijikata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐震性を向上させ、あわせて地震エネルギー
を吸収して躯体構造への損壊を最小化する部材を、三階
建て住宅に配設する。 【解決手段】 三階建て住宅1に縦フレーム22a・b
と横フレーム23a・bとから枠体25を形成し、該枠
体25により囲まれる空間内に複数のブレース32・3
3・34・35を配設し、該ブレース32・33・34
・35間を低降伏点鋼10aにより連結して構成される
耐力壁3bを配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の耐震性を向
上させる耐力壁を有する三階建て住宅に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高層建築では、柔構造によって大
きな地震力の影響を免れる構造がとられているが、この
柔構造においては、作用する地震力が小さい反面、変形
が大きくなるという特徴を有する。従って、高層建築に
おいては、地震による変形を各階に分散させ、一つの階
における変形を小さくするようにしているが、中・低層
建築である三階建て住宅においては、変形を分散できな
いため、大きな変形は躯体構造に多大な影響を与える。
例えば、強震によって約30cmの変形が生じる場合、
30階建ての建物では1 階につき1cmの変形で済み、
変形は弾性範囲にとどまっているが、3階建ての建物で
は一階につき10cm変形すれば、破壊される可能性が
ある。そこで中・低層建築の住宅では、耐震性を向上さ
せる方法として、このような柔構造ではなく、一般の住
宅よりも柱や梁を強化した専用設計が行われており、柱
や梁に特別に大径のものを使用したり、ブレースの配置
数を増やすなどの方法がとられている。
【0003】このうちブレースによる方法においては、
軸組にブレースを組み込んで水平耐力を向上させた耐力
壁とし、該耐力壁を壁面方向の要所要所に配置すること
によって、建物全体の水平耐力を増強するようにしてい
る。すなわち、図12、図13に示すように、耐力壁3
bにおいては、左右一対の縦フレーム22a・22b
と、該縦フレーム22a・22bの上端間若しくは下端
間を連結する上下一対の横フレーム23a・23bとか
ら枠体25が構成され、該枠体25で囲まれた空間内に
は、側面視X字状のブレース26・27や、側面視菱形
状のブレース28乃至31を設け、これを現場の基礎上
又は梁上に取り付けるようにしていた。このような構成
において、耐力壁3bに水平力Pが作用すると、ブレー
ス26・28・30には張力が発生し、ブレース27・
29・31には圧縮力が発生し、この張力と圧縮力とが
抵抗力となって、枠体25が図中点線で示す如く変形す
るのが防止されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】耐震設計においては、
建物の高さにかかわらず、一般に震度階が4、5弱の地
震(以下「中地震」とする)までは、建物全体の弾性変
形が保証され、震度階が5強、6の地震(以下「大地
震」とする)になると、塑性変形域に達し、該塑性変形
に伴う履歴減衰によって地震エネルギーを吸収して建物
全体の倒壊を防止するようにしている。
【0005】そのため、前記耐力壁3bで水平耐力を増
加させた三階建て住宅の場合も、大地震時には建物全体
の倒壊は免れるものの、大規模な修復を要する変形が残
留し、前記耐力壁3bを全て取り替える必要があり、修
復は可能であるものの莫大な費用を要する、という問題
があった。また、前記耐力壁3bを配置した場合には、
水平耐力の増大に伴い建物全体の剛性も大きくなるた
め、建物の地震力に対する応答性も顕著となり、耐震構
造部以外の剛性の小さな建築要素が損傷しやすい、とい
う問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。すなわち請求項1においては、三
階建て住宅に縦フレームと横フレームとから枠体を形成
し、該枠体により囲まれる空間内に複数のブレースを配
設し、該ブレース間を低降伏点鋼により連結して構成さ
れる耐力壁を配設する。
【0007】請求項2においては、三階建て住宅に縦フ
レームと横フレームとから枠体を形成し、該枠体により
囲まれる空間内に複数のブレースを配設し、ブレースの
部材中央位置に配設される低降伏点鋼により該ブレース
間を連結して構成される耐力壁を配設する。
【0008】請求項3においては、三階建て住宅に縦フ
レームと横フレームとから枠体を形成し、該枠体により
囲まれる空間内に複数のブレースを配設し、該ブレース
と該枠体との間を低降伏点鋼により連結して構成される
耐力壁を配設する。
【0009】請求項4においては、三階建て住宅に前記
低降伏点鋼が容易に交換可能に構成された前記耐力壁を
配設する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳述する。図1は耐力壁を配設する住宅の俯瞰
図、図2は軸組の取付け構成を示す図、図3は耐力壁を
配設する柱勝ちラーメン構造の三階建て住宅の俯瞰図で
あり、図4はX字状ブレース使用の圧縮・引張り型耐力
壁の側面図、図5は同じく応力状態を示す図、図6はX
字状ブレース使用の鉛直せん断型耐力壁の側面図、図7
は同じく応力状態を示す図、図8はX字状ブレース使用
の水平せん断型耐力壁の側面図、図9は同じく応力状態
を示す図、図10は菱形状ブレース使用の水平せん断型
耐力壁の側面図、図11は同じく応力状態を示す図、図
12は従来のX字状ブレースのみ使用の耐力壁の応力状
態を示す図、図13は従来の菱形状ブレースのみ使用の
耐力壁の応力状態を示す図である。
【0011】本発明の耐力壁を配設する住宅の躯体構造
について説明する。図1に示すように、本発明の住宅1
の躯体は、鋼製軸組3、柱8および梁4・5、小屋梁6
により構成されており、該躯体が基礎2上に立設される
ものである。住宅1は梁勝ちラーメン構造又は梁勝ちブ
レース構造で構成されており、梁4・5・6は通し梁で
あり、柱8は階毎で分断された柱である。このため梁勝
ちラーメン構造あるいは梁勝ちブレース構造の住宅にお
いては、躯体構造の強度・剛性を維持する範囲内で柱8
や軸組み3の配設個所を決定することができ、柱勝ちの
住宅と異なり自由度の高い内部構造を実現できる。軸組
3は基礎2上に立設され、該軸組3の下部は基礎2の上
面に固設されている。隣接する軸組3・3は柱8などに
より接続される。基礎2上に配設されている軸組3・3
・3・・・には耐力壁3bが含まれている。この耐力壁
3bにはブレースが組み込まれており、この耐力壁3b
が外周をはじめ建物全体にバランス良く配置されてい
る。基礎2の上に立設された軸組3・3・・・の上に
は、梁4が配設される。軸組3の上面に梁4がボルトな
どにより締結される。該梁4・4・・・には、水平ブレ
ースが配設されており、躯体に急激な力がかかっても、
躯体全体で、強くしなやかに受け止める構成になってい
る。
【0012】さらに梁4上に2階部分を構成する軸組3
が配設される。梁4上に立設された軸組3も、下面を梁
4に固設され、隣接する軸組3・3は柱8を介して互い
に接続される構成となっている。そして、梁4の上に配
設された軸組3・3・・・の上には梁5が配設される構
成となっている。梁5は軸組3の上面にボルトなどを締
結することにより、固設されている。梁5・5・5・・
・には水平ブレースが配設されており、梁5・5間の剛
性を高めるとともに、強度としなやかさを有する躯体を
構成するものである。
【0013】同様にして、梁5上に3階部分を構成する
軸組3が配設され、該軸組3・3・・・の上には小屋梁
6が配設される構成になっている。小屋梁6は軸組3の
上面にボルトなどを締結することにより、固設されてい
る。小屋梁6・6・6・・・には水平ブレースが配設さ
れており、小屋梁6・6間の剛性を高めるとともに、強
度としなやかさを有する躯体を構成するものである。そ
して、小屋梁6の上に、束、斜材、あるいはトラスフレ
ーム等を配設し、屋根を構成することができる。図1に
は、屋根付三階建て住宅を示したが、本発明の耐力壁を
配設する躯体構造は上記のものに限定されるものではな
く、耐力壁を基本部材とする軸組および梁より構成され
る住宅の躯体に使用できるものである。
【0014】基礎2上には、図2に示すように、一階部
分を構成する軸組3が立設される。軸組3は、基礎2上
面に突設されたアンカーボルト7を、該軸組3の下面に
接続することにより、基礎2に固設される。軸組3・3
は数箇所でボルトにより接続されるため、十分な接続の
強度を得ることができる。基礎2上において、このよう
に接続された軸組3の上には前記梁4が配設される。軸
組3の上面には上面に梁4を接続するための孔が穿設さ
れており、該孔を利用して、ボルトなどにより軸組3が
梁4に固設されるものである。軸組3はボルトなどによ
り基礎2および梁4に固設されるため、該ボルトを取り
外すことにより、軸組3を基礎2および梁4より容易に
取り外すことができる。そして、このような通常の軸組
3に替えて、本発明に係わる耐力壁3bを固設すること
により、建物全体の耐震性を大きく向上することができ
るのである。
【0015】また、図3に示すように、柱勝ちラーメン
構造で構成される三階建て住宅61に、耐力壁3bを配
設する構成とすることも可能である。住宅61は、鋼製
の通し柱63及び梁64・65、小屋梁66によって構
成され、躯体が基礎2上に立設されている。梁64・6
5、小屋梁66は、通し柱63を横架している。梁64
は二階の床面、梁65は三階の床面、小屋梁66は三階
の天井面を形成するが、それぞれの面を構成する該梁相
互間には、水平ブレースが配設されており、それぞれの
面の剛性を高めると共に、強度としなやかさを有する躯
体を構成するものである。加えて、前記耐力壁3bが外
周をはじめ建物全体にバランス良く配置されることによ
り、建物全体の耐震性を大きく向上することができるの
である。
【0016】これより、本発明の住宅1・61に配設さ
れる耐力壁3bの構造に関し、図4乃至図11により説
明する。まず、X字状ブレースを使用した圧縮・引張り
型耐力壁について説明する。図4に示すように、左右一
対の縦フレーム22a・22bの上端部間及び下端部間
には、上下一対の横フレーム23a・23bが、その端
部において連結されて枠体25を形成し、さらに、縦フ
レーム22a・22bの上下中間部の内側面間には、前
記横フレーム23a・23bに平行に、中間フレーム2
4が、その端部において連結されている。
【0017】該中間フレーム24の中央部にはスリット
24aが設けられ、該スリット24aには制振部10が
挟入され、該制振部10は方形等の低降伏点鋼10aに
より構成されている。該低降伏点鋼10aの四隅には、
ブレース32乃至35の一端が、ボルト等の固定具10
bで取り外し可能に連結・固定されている。そして、前
記枠体25内の各コーナー部には前記ブレース32乃至
35の他端が連結され、枠体25の空間内にX字状ブレ
ースを形成している。
【0018】前記枠体25、中間フレーム24、及びブ
レース32乃至35は、いずれも一般構造用鋼や溶接構
造用鋼などの一般鋼、例えばSM490などが適用され
る一方、前記低降伏点鋼10aには、降伏点又は耐力が
前記一般鋼の1/3〜2/3程度と小さく、小さい応
力、すなわち小さい歪みで降伏する材料が適用され、他
の部材に優先して塑性変形が起こるようにしている。
【0019】このように、ブレース32・33間、及び
ブレース34・35間を低降伏点鋼10aを介して連結
した構成にすると、図5に示すように、水平力Pが作用
した場合は、ブレース34・35内に発生する張力36
a・36bと、ブレース32・33内に発生する圧縮力
37a・37bとは、いずれも制振部10に作用し、該
制振部10を構成し降伏点又は耐力が部材のうちで最も
低い低降伏点鋼10aが、最初に降伏して塑性変形を開
始する。特に、低降伏点鋼10aをブレースの部材中央
位置に配設することにより、張力・圧縮力が低降伏点鋼
10aに集中的に作用するため、制振部10以外での塑
性変形を抑制することができるのである。
【0020】さらに、実際の地震力は、耐力壁3bを左
右に振動させるため、低降伏点鋼10aには対角方向に
張力と圧縮力が交互に作用しながら塑性変形が進行し、
履歴減衰が発生する。すなわち、地震力による建物への
振動エネルギーは、低降伏点鋼10aに集中的に作用
し、該低降伏点鋼10aの塑性変形に伴う履歴減衰の履
歴エネルギーとして吸収されるため、耐力壁3b全体の
損傷を最小限にとどめることができ、さらに、建物全体
の振動も大きく抑制させることができるのである。ま
た、耐力壁3bを配置したために水平耐力が増加し、建
物全体の剛性が顕著に増大した場合であっても、地震力
による振動エネルギーは前記低降伏点鋼10aにその大
部分が吸収されるため、地震に対する建物全体の応答性
を小さく抑えることができ、耐震構造部以外の部材の損
傷も軽微にとどめることができるのである。
【0021】また、低降伏点鋼10aは、前述の如く、
ブレース32乃至35の内側端にボルト等の固定具10
bで取り外し可能に連結・固定されているため、地震後
に損傷した制振部10の交換を極めて簡単かつ迅速に行
うことができる。加えて、低降伏点鋼10aは、中間フ
レーム24のスリット24aに挟入されており、建物の
内外方向への飛び出しが規制される構成となっているた
め、たとえ過大な圧縮力が作用して、低降伏点鋼10a
に座屈が生じたとしても、安定した塑性変形が進行す
る。
【0022】次に、X字状ブレースを使用した別形態の
鉛直せん断型耐力壁について説明する。図6に示すよう
に、前記圧縮・引張り型耐力壁と同様に、枠体25が形
成されており、左側の縦フレーム22a上下端からは、
ブレース32・35が枠体25中央に向かって延設さ
れ、縦フレーム22a上下中央部からは、中間フレーム
40が水平に枠体25中央に向かって延設され、該中間
フレーム40と前記ブレース32・35の延設端は、例
えば側面視台形状の連結部材47に連結・固定され、左
側の支持部43を一体的に構成している。
【0023】一方、同様にして、右側の縦フレーム22
b上下端から枠体25中央に向かって延設されたブレー
ス33・34と、縦フレーム22b上下中央部から水平
に枠体25中央に向かって延設された中間フレーム41
の各延設端は、例えば側面視台形状の連結部材48に連
結・固定され、右側の支持部44を一体的に構成してい
る。この左右の支持部43・44は側面視で略三角状を
示し、その内側の頂点間に低降伏点鋼11aがボルト等
の固定具11bにより、取り外し可能に連結・固定され
ている。
【0024】このように、ブレース32・33間、及び
ブレース34・35間を低降伏点鋼11aを介して連結
する構成に加え、枠体25の内側面に固設した剛性の高
い前記支持部43・44によって、制振部11を左右か
ら支持するように構成したため、地震時に水平力Pが作
用した場合には、低降伏点鋼11a内に、図7に示すよ
うな上下方向のせん断力42a・42bが発生する。
【0025】この場合、低降伏点鋼11a内に生じる応
力は、せん断力として上下方向に限定されるため、前記
圧縮・引張り型耐力壁のような、耐力壁の変形に伴って
応力方向が大きく変化する場合に比べ、より均一な塑性
変形が低降伏点鋼11a内では進行する。そのため、建
物への振動エネルギーは、この鉛直せん断型耐力壁にお
いて、より効果的に吸収されることとなり、一層の制震
性能の向上を図ることができるのである。さらに、低降
伏点鋼11a内に生じる応力は上下方向に限定されてい
ることから、耐力壁の制震性能は、低降伏点鋼11aの
せん断特性やサイズ、特に上下方向の長さを変更するこ
とにより簡単に変化させることができるため、建物全体
の耐震特性に一層適した制震性能を耐力壁3bに付与す
ることができる。
【0026】次に、前記せん断力が、前述のような鉛直
方向ではなく水平方向に発生するように構成した水平せ
ん断型耐力壁について説明する。図8に示すように、縦
フレーム22a・22bの上端からは、ブレース32・
34が枠体25中央に向かって垂設され、該ブレース3
2・34の下端部は、例えば側面視台形状の連結部材3
8に固定され、上側の支持部49が一体的に構成されて
いる。同様にして、縦フレーム22a・22b下端から
は、ブレース33・35が枠体25中央に向かって立設
され、該ブレース33・35の上端部は例えば側面視台
形状の連結部材39に固定され、下側の支持部50を一
体的に構成している。
【0027】該上下の支持部49・50は側面視で三角
状を呈し、その内側の頂点間に、低降伏点鋼12aがボ
ルト等の固定具11bにより、取り外し可能に連結・固
定されている。さらに、縦フレーム22a・22bの上
下中間部の内側面間には、横フレーム23a・23bに
平行に、中間フレーム24が、その端部において連結さ
れ、該中間フレーム24の中央部にはスリット24aが
設けられ、該スリット24aに前記制振部12が挟入さ
れている。
【0028】このように、ブレース32・33間、及び
ブレース34・35間を低降伏点鋼12aを介して連結
する構成に加え、枠体25の内側面に固設した剛性の高
い支持部49・50によって、制振部12を上下から支
持するように構成したため、地震時に水平力Pが作用し
た場合には、低降伏点鋼12a内に、図9に示すよう
に、左右方向にせん断力45a・45bが発生する。
【0029】すなわち、低降伏点鋼12a内に生じる応
力は、せん断力として左右方向に限定されるため、前記
鉛直せん断型耐力壁と同様に、均一な塑性変形が低降伏
点鋼12aでは進行し、建物への振動エネルギーが効果
的に吸収され、良好な制震性能を発揮することができる
のである。さらに、低降伏点鋼12a内に生じる応力
は、左右方向に限定されていることから、耐力壁の制震
性能を、低降伏点鋼12aのサイズやせん断特性を変更
することにより簡単に変化させることができ、建物全体
の耐震特性に合った制震性能を、簡単に耐力壁3bに付
与することができる構成となっている。また、低降伏点
鋼12aは、中間フレーム24のスリット24aに挟入
されており、建物の内外方向への飛び出しが規制される
構成となっているため、たとえ過大なせん断力が作用し
ても、安定した塑性変形が進行するようになっている。
【0030】次に、ブレースの配置構成を、側面視でX
字状から菱形に変更した菱形状ブレース使用の耐力壁に
ついて説明する。図10に示すように、X字状ブレース
の耐力壁と同様に、枠体25が形成され、縦フレーム2
2a・22bの上下中間部の内側面間には、中間フレー
ム24が、その端部において連結されている。
【0031】該中間フレーム24の左右両端にはブレー
ス51乃至54の一端が連結され、そのうちのブレース
51・52の他端は、上側の横フレーム23aの左右中
央部直下に配設された制振部13の連結部材13b下部
に固定されている。該連結部材13bの上部は、低降伏
点鋼13aの下部に取り外し可能に嵌合・固定され、該
低降伏点鋼13aの上部は、前記横フレーム23aの左
右中央部下面に固設された連結部材13cに嵌合・固定
されている。
【0032】同様にして、ブレース53・54の他端
は、下側の横フレーム23bの左右中央部直上に配設さ
れた制振部14の連結部材14b上部に連結・固定さ
れ、該連結部材14bの下部は、低降伏点鋼14aの上
部に取り外し可能に嵌合・固定され、該低降伏点鋼14
aの下部は、横フレーム23bの左右中央部上面に固設
された連結部材14cに嵌合・固定されている。
【0033】このように、上側の横フレーム23aとブ
レース51・52との間に制振部13を介設すると共
に、下側の横フレーム23bとブレース53・54との
間に制振部14を介設した構成にすると、図11に示す
ように、水平力Pが作用した場合には、上側の低降伏点
鋼13a内に左右方向にせん断力55a・55bが発生
し、下側の低降伏点鋼14a内にも左右方向にせん断力
56a・56bが発生する。従って、低降伏点鋼13
a、14a内に生じる応力は、前記X字状ブレースの場
合と同様、せん断力として左右方向に限定されるため、
均一な塑性変形が進行するのである。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
次のような効果を奏するものである。即ち、請求項1の
ように、三階建て住宅に縦フレームと横フレームとから
枠体を形成し、該枠体により囲まれる空間内に複数のブ
レースを配設し、該ブレース間を低降伏点鋼により連結
して構成される耐力壁を配設するので、地震の振動エネ
ルギーのかなりの部分を前記低降伏点鋼で吸収し、耐力
壁を含めた三階建て住宅全体の損傷を最小限にとどめる
ことができ、地震後の修復にかかる費用を大幅に低減す
ることができる。
【0035】請求項2のように、三階建て住宅に縦フレ
ームと横フレームとから枠体を形成し、該枠体により囲
まれる空間内に複数のブレースを配設し、ブレースの部
材中央位置に配設される低降伏点鋼により該ブレース間
を連結して構成される耐力壁を配設するので、振動エネ
ルギーを低降伏点鋼に集中的に吸収させることができ、
耐力壁の制震性能を大幅に向上させることができて、三
階建て住宅全体の制震効果も向上させることが出来る。
【0036】請求項3のように、三階建て住宅に縦フレ
ームと横フレームとから枠体を形成し、該枠体により囲
まれる空間内に複数のブレースを配設し、該ブレースと
該枠体との間を低降伏点鋼により連結して構成される耐
力壁を配設するので、地震の振動エネルギーのかなりの
部分を前記低降伏点鋼で吸収し、耐力壁を含めた三階建
て住宅全体の損傷を最小限に抑え、地震後の修復にかか
る費用を大幅に低減できる。
【0037】請求項4のように、三階建て住宅に前記低
降伏点鋼が容易に交換可能に構成された前記耐力壁を配
設するので、地震後の三階建て住宅の修復作業を、迅速
かつ低コストで行うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐力壁を配設する梁勝ちラーメン構造の三階建
て住宅の俯瞰図である。
【図2】梁勝ちラーメン構造の三階建て住宅への軸組の
取付け構成を示す図である。
【図3】耐力壁を配設する柱勝ちラーメン構造の三階建
て住宅の俯瞰図である。
【図4】X字状ブレース使用の圧縮・引張り型耐力壁の
側面図である。
【図5】同じく応力状態を示す図である。
【図6】X字状ブレース使用の鉛直せん断型耐力壁の側
面図である。
【図7】同じく応力状態を示す図である。
【図8】X字状ブレース使用の水平せん断型耐力壁の側
面図である。
【図9】同じく応力状態を示す図である。
【図10】菱形状ブレース使用の水平せん断型耐力壁の
側面図である。
【図11】同じく応力状態を示す図である。
【図12】従来のX字状ブレースのみ使用の耐力壁の応
力状態を示す図である。
【図13】従来の菱形状ブレースのみ使用の耐力壁の応
力状態を示す図である
【符号の説明】
1 住宅 10a・11a・12a・13a・14a 低降伏点鋼 22a・22b 縦フレーム 23a・23b 横フレーム 25 枠体 32・33・34・35・51・52・53・54
ブレース 61 住宅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 哲雄 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハウス株式会社内 (72)発明者 高橋 是友 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハウス株式会社内 (72)発明者 堀江 寿弘 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハウス株式会社内 (72)発明者 田畑 治 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハウス株式会社内 (72)発明者 土方 和己 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハウス株式会社内 Fターム(参考) 2E002 EA02 EA04 EB12 FA02 FB08 FB11 FB15 FB16 FB17 HB01 JA01 JA02 JA03 JB01 JB14 JB16 LA03 LB09 LB13 MA09 MA11 MA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦フレームと横フレームとから枠体を形
    成し、該枠体により囲まれる空間内に複数のブレースを
    配設し、該ブレース間を低降伏点鋼により連結して構成
    される耐力壁を配設することを特徴とする三階建て住
    宅。
  2. 【請求項2】 縦フレームと横フレームとから枠体を形
    成し、該枠体により囲まれる空間内に複数のブレースを
    配設し、ブレースの部材中央位置に配設される低降伏点
    鋼により該ブレース間を連結して構成される耐力壁を配
    設することを特徴とする三階建て住宅。
  3. 【請求項3】 縦フレームと横フレームとから枠体を形
    成し、該枠体により囲まれる空間内に複数のブレースを
    配設し、該ブレースと該枠体との間を低降伏点鋼により
    連結して構成される耐力壁を配設することを特徴とする
    三階建て住宅。
  4. 【請求項4】 前記低降伏点鋼が容易に交換可能に構成
    された前記耐力壁を配設することを特徴とする請求項1
    乃至請求項3記載の三階建て住宅。
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