JPH07259188A - 建築物の架構構造 - Google Patents

建築物の架構構造

Info

Publication number
JPH07259188A
JPH07259188A JP5721594A JP5721594A JPH07259188A JP H07259188 A JPH07259188 A JP H07259188A JP 5721594 A JP5721594 A JP 5721594A JP 5721594 A JP5721594 A JP 5721594A JP H07259188 A JPH07259188 A JP H07259188A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pillar
building
floor
post
tenon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5721594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3473863B2 (ja
Inventor
Yoshio Seki
嘉男 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujita Corp filed Critical Fujita Corp
Priority to JP05721594A priority Critical patent/JP3473863B2/ja
Publication of JPH07259188A publication Critical patent/JPH07259188A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3473863B2 publication Critical patent/JP3473863B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 細長比の大きい建築物の構造計画において建
築物中央のコア柱は水平剪断力を負担し、鉛直荷重は剛
性の高い耐力壁を介して外周柱に軸力を移行して引抜力
に抵抗せしめる建築物の架構構造を提供する。 【構成】 鉄骨建築物の躯体Aにおいて、中柱b1 の下
階中柱に対する鉛直荷重の伝達を中断する継手部Pを設
けるとともに、前記中柱と外周柱b2 との間に剛性の高
い耐力壁dを配設し、同耐力壁dを介して前記外周柱b
2 に前記中柱b1の軸力を移行せしめるように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築面積の割に階高の
高い建築物の架構構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築面積の割に階高の高い高層の建築
物、いわゆる細長比の大きい建築物の構造計画において
は、平面的に柱を中央に集中させてコアーを形成し建築
物の外周に外柱を配して、コアー柱と外周柱との間に耐
震壁を設けている。このような構造計画においては、コ
アーに集中して配置した柱は鉛直荷重の大部分を負担
し、建築物の外周に配した外柱は地震力及び風力による
水平力によって生ずる建築物全体の曲げ応力に対して
は、主として外柱が軸力として負担することになる。
【0003】従って外柱には大きな圧縮力、若しくは引
張力が生ずる。そして重量負担の少ない外柱には大きな
引抜力が架かるので、建築物の転倒防止の対策として、
建築物の外周に外柱には特別の配慮をするか、建築物の
下層部を平面的に大きくして重量を広い面積に亘って支
持させるような構造計画を行なう。例えば、建築物の転
倒防止策として建築物の下層部を平面的に大きくして重
錘の機能を発揮せしめるか、あるいは外周の外柱下の基
礎に重量が架かるように基礎を大きくして重錘の機能を
発揮せしめ、大口径の重量杭を打設して引抜力に対抗さ
せている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】建築物の下層部を平面
的に大きくするためには、建築する敷地上の計画に制約
されたり、必要以上に基礎や杭の形状を大きくすること
となるので経済設計とはならず建設コストが割高になる
という問題が生じる。本発明は、前記従来技術の有する
問題点に鑑みて提案されるもので、その目的とするとこ
ろは、細長比の大きい建築物の構造計画において、建築
物中央のコア柱は水平剪断力を負担し、鉛直荷重は剛性
の高い耐力壁を介して外周部の外柱に軸力を移行して引
抜力に抵抗するような構造計画にすることによって、建
築敷地への自由性と経済設計による、建設費が高騰しな
い建築物の架構構造を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明に係る建築物の架構構造は、建築物の中間階
において、中柱の鉛直荷重の下階柱への伝達を中断する
継手部を設けるとともに、前記中柱と外柱との間に剛性
の高い耐力壁を配設し、同耐力壁を介して前記外柱に前
記中柱の鉛直荷重を移行せしめるように構成されてい
る。
【0006】請求項2の発明においては、前記継手部
は、前記中間階の直下階に配設して、直下階の柱頭部に
ほぞを突設するとともに、高さ調整用ボルトを設け、前
記中間階の中柱下方部には前記ほぞの嵌合用の貫通孔を
設けて構成されている。請求項3の発明によれば、前記
中間階の中柱底部を貫通したほぞ頂部に減衰機構を装着
して構成されている。
【0007】
【作用】本発明は前記のように構成されているので、建
築物において、その中間階に中柱の鉛直荷重の直下階の
柱に対する伝達を中断する継手部を設け、同中間階の中
柱と外柱との間に設けた剛性の高い耐力壁に、上部階の
鉛直荷重を伝達して外柱に移行せしめることによって建
築物全体の曲げにより外柱の引抜力を抑制する。
【0008】請求項2の発明によれば、中間階の中柱の
直下階に設けた同中柱の鉛直荷重の下階柱への伝達を中
断する前記継手は、直下階柱の頭部のほぞと高さ調整用
ボルトが設けられているので、柱の建て方時には、高さ
調整用ボルトによって上階の柱との高さを調整して上階
の柱下方の貫通孔と直下柱の頭部のほぞに合わせ挿通し
て建方を行ない、上層階の構築後、前記高さ調整用ボル
トを緩めて中間階の中柱と直下階の中柱とに隙間を構成
して上下中柱間を構造的に絶縁し、上階柱の荷重が下階
柱と架からなくなるようにして、中間階の中柱と外柱と
の間に設けた剛性の高い耐震壁に上部階の荷重を伝達し
て外柱に移行せしめるものである。
【0009】なお前記ほぞは地震や風力による水平剪断
力に対抗し、従来と同様に直下階柱の中柱に伝達され
る。請求項3の発明によれば、中間階の中柱下方部を貫
通したほぞ頂部に設けた減衰機構は、前記継手部におい
て中間階の柱と直下階柱とに隙間が生じ上下間が構造的
に絶縁し、同継手部で中間階が上下に運動を起こすた
め、前記減衰機構のダンパー効果により上下動の振動を
制御するものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例について説明す
る。図1において、Aは鉄骨柱a、鉄骨梁cよりなり、
建築面積の割に階高が高い高層の鉄骨建築物、いわゆる
細長比の大きい鉄骨建築物の躯体で、前記柱は中央に寄
せて配設された中柱b1 と、外周に配設された外柱b2
とよりなり、中柱b 1 と外周柱b2 との間に剛性の高い
耐力壁dが配設されている。
【0011】このように構成された建築物の躯体Aにお
ける平面的に中央に寄せて設けた中柱b1 における、特
定階の中間階Nに、上階からの鉛直荷重の下階柱への伝
達を中断する継手部Pを設けて、中柱b1 の荷重を前記
剛性の高い耐力壁dを介して外周柱b2 に軸力Mを移行
させて外柱b2 の引張力を抑制する。前記した中柱b1
における上階からの荷重を遮断する継手部Pは、図1に
示す中間階Nの中柱における○印で示す位置に設けられ
ている。
【0012】図中Fは基礎、Gは地盤である。前記継手
部Pは図4に示すように、前記建築物の躯体Aにおける
前記中間階における直下階の中柱1の頭部2にほぞ3が
上方に突設されるとともに、同ほぞ3を囲んで4本の調
整ボルト4が下から上向きに螺挿され、前記中柱1の上
階の中柱1′の底部5に、前記ほぞ3の貫通する貫通孔
6が穿設されて構成されている。
【0013】前記建築物の中間階Nの建て方は、同中間
階の直下階の中柱1の頭部2に設けた調整ボルト4を予
め中間階の中柱1′の建て方レベルに決めておき、前記
中柱1の頭部のほぞ3を中柱1′の貫通孔6に嵌合して
中柱を建てる。(図2参照) 前記建築物の躯体Aの上階の建て方が完了したのち、前
記調整ボルト4をゆるめて、中間階における中柱1と中
柱1′との間に間隙eを形成し、中柱1に架かる鉛直荷
重の中柱1′への伝達を遮断し、両中柱1,1′を構造
的に遮断する。
【0014】従って中柱1に架かる軸力Mは、剛性の高
い前記耐力壁dを介して外周柱b2に移行され、外柱の
引張力が抑制される。(図3参照) 図5及び図6は本発明における中柱1,1′の継手部P
の他の実施例を示し、同各中柱はH形鋼より構成され、
前記ほぞ3は下部中柱1におけるH形鋼のウェブを挟ん
で2個所に配設され、従って上部中柱の貫通孔6も2個
所に設けられている。
【0015】図7及び図8は減衰機構を具えた本発明の
実施例を示し、前記建築物の中柱1′の底部5上に、同
底部の貫通孔6を貫通する直下階の中柱1のほぞ3と同
心状に立設された円筒体7の内周頂部に鉛ダンパーより
構成された減衰材8が、上下仕切板9,10間に内装さ
れ、押え金物11及びボルト12によってほぞ3に固着
され、前記上下中柱1,1′間の継手部Pで中間階が上
下運動を生起した際に、鉛の弾塑性による振動エネルギ
ーの吸収効果を発揮し、上下動の振動を抑制する。
【0016】図9は本発明の他の実施例を示し、前記建
築物の中柱1′の内周に水平板13が突設され、同水平
板13と前記ほぞ3との間に板ばね14が重層して配設
され、ボルト15を介してほぞ3に固定されている。前
記図8及び図9に示す減衰機構によれば、前記中間階の
中柱1,1′間の部分に生じる上下振動が板ばね14に
よるエネルギー吸収効果によって減衰効果が発揮され
る。
【0017】
【発明の効果】本発明は前記したように、細長比の大き
い建築物の構造計画において、中間階を同建築物中央の
コア部の中柱を構造的に中断して、柱軸力は剛性の高い
耐力壁を介して外周部の外柱に移行せしめることによっ
て、外柱には、建築物全体の曲げによる外柱の引抜力が
抑制されるので、従来のように建物下層階に転倒防止策
として重量をもたせることなく、また、外周の外柱下の
基礎に重量が架かるように基礎を大きくすることなく、
かつ、大口径の重量杭を打設することがなくなり、建築
計画における敷地への自由性と、経済設計による建設費
の高騰を避けることができる。
【0018】請求項2の発明によれば、中間階の中柱の
直下階に設け継手部は、同中柱の建て方が完了して、高
さ調整用ボルトを緩めることにより、上部階の柱と直下
階の柱とに隙間を構成して上下間を構造的に絶縁し、上
階の荷重が架からなくなり、中間階の中柱と外柱との間
に設けた剛性の高い耐震壁に上部階の重量を外柱に移行
して、基礎に対する引抜力を押え過大な基礎を構築する
ことがないようにしたものである。
【0019】また、継手部のほぞは地震や風力による水
平剪断力に対抗し、荷重は従来と同様に直下階柱の中柱
に伝達され不連続とならず耐力を低下させることがな
い。請求項3の発明によれば、減衰機構により建物の中
間階より上層階の振動を抑制することによって居住性を
損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築物の架構構造の一実施例を示
す縦断面図である。
【図2】中柱の継手部の縦断面図である。
【図3】前記継手部のボルトを緩めて上部柱と下部柱を
構造的に中断した縦断面図である。
【図4】前記継手部を分解して示す斜視図である。
【図5】他の継手部を表わし、柱がH形鋼の場合を示す
継手部の上部柱の横断平面図である。
【図6】下階柱の頭部の斜視図である。
【図7】内鉛ダンパーを用いた減衰機構の縦断面図であ
る。
【図8】図7の鉛ダンパーの平面図である。
【図9】減衰機構のため実施例で板ばねによる減衰機構
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
A 鉄骨建築物の躯体 F 基礎 G 地盤 N 中間階 M 軸力 P 継手部 a 鉄骨柱 b1 中柱 b2 外周柱 c 鉄骨梁 d 耐力壁 e 間隙 1 中柱 1′ 中柱 2 中柱1の頭部 3 ほぞ 4 調整ボルト 5 中柱1′の底部 6 貫通孔 7 円筒体 8 減衰材 9 上部仕切板 10 下部仕切板 11 押え金物 12 ボルト 13 水平板 14 板ばね 15 ボルト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の中間階において、中柱の鉛直荷
    重の下階柱への伝達を中断する継手部を設けるととも
    に、前記中柱と外柱との間に剛性の高い耐力壁を配設
    し、同耐力壁を介して前記外柱に前記中柱の鉛直荷重を
    移行せしめるように構成されたことを特徴とする建築物
    の架構構造。
  2. 【請求項2】 前記継手部は、前記中間階の中柱の直下
    階に配設して、直下階の柱頭部にほぞを突設するととも
    に、高さ調整用ボルトを設け、前記中間階の中柱下方部
    には前記ほぞの嵌合用の貫通孔を設けて構成された請求
    項1の記載の建築物の架構構造。
  3. 【請求項3】 前記中間階の中柱底部を貫通したほぞ頂
    部に減衰機構を装着した請求項2記載の建築物の架構構
    造。
JP05721594A 1994-03-28 1994-03-28 建築物の架構構造 Expired - Fee Related JP3473863B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05721594A JP3473863B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 建築物の架構構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05721594A JP3473863B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 建築物の架構構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07259188A true JPH07259188A (ja) 1995-10-09
JP3473863B2 JP3473863B2 (ja) 2003-12-08

Family

ID=13049312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05721594A Expired - Fee Related JP3473863B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 建築物の架構構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3473863B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006161436A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Takenaka Komuten Co Ltd 免震建物
JP2008063818A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Shimizu Corp 制震装置
JP4914940B1 (ja) * 2011-02-15 2012-04-11 スターツCam株式会社 中間層免震建物
JP2015025264A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 株式会社Ihi 構造物を構成する柱の免震構造
JP2016094716A (ja) * 2014-11-13 2016-05-26 新日鐵住金株式会社 鋼管柱の継手構造

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3052469B1 (fr) * 2016-06-14 2020-10-16 Ingerop Conseil Et Ingenierie Structure porteuse pour batiment a plusieurs etages comprenant un organe elastique

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006161436A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Takenaka Komuten Co Ltd 免震建物
JP2008063818A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Shimizu Corp 制震装置
JP4914940B1 (ja) * 2011-02-15 2012-04-11 スターツCam株式会社 中間層免震建物
JP2015025264A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 株式会社Ihi 構造物を構成する柱の免震構造
JP2016094716A (ja) * 2014-11-13 2016-05-26 新日鐵住金株式会社 鋼管柱の継手構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP3473863B2 (ja) 2003-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5271197A (en) Earthquake resistant multi-story building
JP5875718B1 (ja) 混合構造骨組による建築物
JP4092624B2 (ja) 建築物の免震構造
JPH09235890A (ja) 既存建築物の制震補強構造
JP3473863B2 (ja) 建築物の架構構造
JP2001090376A (ja) 耐力壁
JP3804904B2 (ja) 三階建て住宅における耐力壁のブレース構造
JP2003013614A (ja) 既存建物の耐震補強方法及びそれに使用されるブレースの取付装置
JP4706302B2 (ja) トリプルチューブ構造物及びトリプルチューブ構造物の制振システム
JP3181224B2 (ja) 大架構塔状建築物
JPH10280725A (ja) 制振躯体構造
JP2001073469A (ja) 柱の構造および耐震建物
JP6846219B2 (ja) 建物免震構造
JP6448832B1 (ja) 建物の耐震補強構造
JP6924867B1 (ja) 制振建物
JP2001090352A (ja) 住宅の耐震改修方法および耐震住宅
JP2012233374A (ja) 耐震補強構造
JP3728646B2 (ja) 制震躯体構造
JP2001140497A (ja) 耐震住宅
JP2527613Y2 (ja) 耐震壁を含む架構構造
JPH0874442A (ja) 制振構造物
JP3518414B2 (ja) 中高層建物の構造
JPH10292664A (ja) 高層建築物
JP6951851B2 (ja) 高層耐震建物
JP2016079799A (ja) 制振構造

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100919

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees