JP2016094716A - 鋼管柱の継手構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】経済的に製作することのできるせん断力伝達機構を追加して、建築物の架構柱を構成するものとして一対の鋼管柱を連結することのできる鋼管柱の継手構造を提供する。
【解決手段】本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、建築物の架構柱として一対の鋼管柱を連結するためのものであり、軸芯方向Yで互いに連結される一対の外嵌端部3と内嵌端部5とを備える。外嵌端部3は、第1ダイアフラム4と、外嵌側壁30とを有して、第1鋼管柱1の端部1aに設けられる。内嵌端部5は、第2ダイアフラム6と、内嵌側壁50とを有して、第2鋼管柱2の端部2aに設けられる。外嵌端部3及び内嵌端部5は、第1ダイアフラム4及び第2ダイアフラム6の何れか一方に、シアキー40が形成されるとともに、第1ダイアフラム及び第2ダイアフラムの何れか他方に、貫通孔60が形成されて、シアキー40の外周面40aと貫通孔60の内周面60aとが当接される。
【選択図】図2

Description

本発明は、建築物等の架構柱として複数の鋼管柱を連結するための鋼管柱の継手構造に関する。
従来から、建築物等の架構柱を構成する柱部材として構造用鋼管を用いる場合に、柱部材同士の連結は、建築工事現場での溶接による接合を用いることが一般的となっている。
しかし、工事現場での溶接は、雨風等の周囲の環境に影響を受けやすく、また、近年の溶接技術者の高齢化・減少に伴って、安定した施工を実現することが困難であることから、構造用鋼管を用いた柱部材同士の連結について、現場溶接レスとする市場ニーズが高まっている。
例えば、構造用鋼管同士を連結する継手構造については、特に鋼管杭の分野で、工事現場での溶接による接合を避けることを目的として、特許文献1〜3に開示される鋼管杭の継手構造のように、種々の機械式接合によるものが従来から提案されている。
特許文献1に開示された鋼管杭の継手構造は、軸芯方向に隣接する第1杭と第2杭とに互いに嵌合自在な一対の外嵌端部と内嵌端部とを各別に形成し、外嵌端部と内嵌端部とを嵌合させた状態で、軸芯周りの相対回転によって互いに係合し合う係合部と被係合部とが形成される。特許文献1に開示された鋼管杭の継手構造は、係合した係合部と被係合部とが第1杭又は第2杭の径方向に離間するのを阻止するための離間阻止手段が係合部及び被係合部に設けられる。
特許文献2に開示された鋼管杭の継手構造は、軸芯方向に隣接する第1杭と第2杭とに互いに嵌合自在な一対の外嵌端部と内嵌端部とを各別に形成し、外嵌端部と内嵌端部とを嵌合させた状態で、軸芯周りの相対回転によって互いに係合し合う係合凸部と被係合凸部とが軸芯方向で複数形成される。特許文献2に開示された鋼管杭の継手構造は、外嵌端部が先端部側に設けた係合凸部の形成箇所ほど基端部側に設けた係合凸部の形成箇所よりも大径に形成されて、内嵌端部が先端部側に設けた被係合凸部の形成箇所ほど基端部側に設けた被係合凸部の形成箇所よりも小径に形成される。
特許文献3に開示された鋼管杭の継手構造は、上杭の端部及び下杭の端部の各々に、互いに挿脱可能な雌円筒と雄円筒とを備えて、雄円筒の杭軸方向圧着端面に円周溝を設けて、雌円筒の杭軸方向圧着端面に先端部突起を設けることで、雄円筒を雌円筒に挿入して回動させたときに、雌円筒の先端部突起が雄円筒の円周溝に嵌入されて、上下鋼管杭を接続固定する印籠構造となる。
特開平11−43937号公報 特開平11−43936号公報 特開2004−92291号公報
ここで、特許文献1〜3に開示された鋼管杭の継手構造は、何れも第1杭と第2杭とを相対回転させることにより、外嵌端部及び内嵌端部に設けられた係合部を被係合部に係合させて、鋼管杭に作用する軸力や曲げモーメントを、互いに伝達させることを可能としたものである。
しかし、特許文献1〜3に開示された鋼管杭の継手構造は、何れも鋼管杭に適用されるものであり、鋼管杭に作用する軸力や曲げモーメントに比べて、外嵌端部及び内嵌端部の継手部分に作用するせん断力が相対的に小さいため、建築物の架構柱を構成する柱部材にそのまま適用することができないものとなる。
建築物の架構柱を構成する柱部材においては、鋼管杭に比べて柱部材の材長が一般的に短いため、建築物の架構柱が地震や風等の水平力を受けた場合、柱部材に発生する曲げモーメントに対して、継手部分に作用するせん断力は極めて大きくなる。そして、特許文献1〜3に開示された鋼管杭の継手構造を建築物の柱部材に適用した場合には、外嵌端部及び内嵌端部の側壁での支圧力により、継手部分に発生するせん断力を伝達させるほかないものとなる。
このとき、建築物の柱部材の継手部分に作用するせん断力は、鋼管杭の継手部分に作用するせん断力に比べて、軸力や曲げモーメントとの関係で相対的に大きいため、継手部分がせん断力により破壊するおそれがある。
このため、特許文献1〜3に開示された鋼管杭の継手構造を建築物の柱部材に適用した場合は、継手部分のせん断力による破壊を防止するために、外嵌端部及び内嵌端部の側壁における支圧力に十分耐えられるものとして、外嵌端部及び内嵌端部の側壁の板厚を非常に厚くさせる必要があるため、継手部分の製造コストの上昇は避けられないものとなる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、経済的に製作することのできるせん断力伝達機構を追加して、建築物等の架構柱を構成するものとして一対の鋼管柱を連結することのできる鋼管柱の継手構造を提供することにある。
第1発明に係る鋼管柱の継手構造は、建築物等の架構柱として一対の鋼管柱を連結するための鋼管柱の継手構造であって、軸芯方向で互いに連結される一対の外嵌端部と内嵌端部とを備え、前記外嵌端部は、軸芯方向の基端側に取り付けられる第1ダイアフラムと、前記内嵌端部と連結させたときに軸芯直交方向の外側に配置される外嵌側壁とを有し、軸芯方向で互いに対向する一対の鋼管柱の何れか一方の端部に設けられて、前記内嵌端部は、軸芯方向の先端側に取り付けられる第2ダイアフラムと、前記外嵌端部と連結させたときに軸芯直交方向の内側に配置される内嵌側壁とを有し、軸芯方向で互いに対向する一対の鋼管柱の何れか他方の端部に設けられて、前記外嵌端部及び前記内嵌端部は、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか一方に、軸芯方向に突出させたシアキーが形成されるとともに、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか他方に、前記シアキーが挿通される貫通孔が形成されて、前記外嵌端部及び前記内嵌端部に軸芯直交方向のせん断力が作用したときに、前記シアキーの外周面と前記貫通孔の内周面とが当接されることを特徴とする。
第2発明に係る鋼管柱の継手構造は、第1発明において、前記外嵌端部及び前記内嵌端部は、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか一方に、断面形状が略円形状の前記シアキーが形成されるとともに、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか他方に、略円形状の前記貫通孔が形成されることを特徴とする。
第3発明に係る鋼管柱の継手構造は、第1発明又は第2発明において、前記外嵌端部及び前記内嵌端部は、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか一方に、軸芯方向の頂部が略錐体形状又は略錐台形状の前記シアキーが形成されるとともに、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか他方に、前記貫通孔が形成されることを特徴とする。
第4発明に係る鋼管柱の継手構造は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記外嵌端部及び前記内嵌端部は、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか一方に形成される前記シアキーの外径Dsと、前記貫通孔が形成されるものとなる前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか他方の板厚tdとの関係が、下記(1)式により規定される関係を満足することを特徴とする。ここで、D:鋼管柱の外径、t:鋼管柱の板厚とする。
[数1]
(td/t)≧0.3/(Ds/D) ・・・(1)
第1発明〜第4発明によれば、外嵌端部と内嵌端部とを互いに連結させたときに、外嵌端部及び内嵌端部にせん断力が作用して、シアキーの外周面と貫通孔の内周面とが確実に当接されるため、外嵌端部の外嵌側壁及び内嵌端部の内嵌側壁での支圧力に依存することなく、第1ダイアフラム及び第2ダイアフラムに負担させる支圧力により、外嵌端部及び内嵌端部に作用する非常に大きいせん断力に抵抗することで、鋼管柱の継手部分がせん断力により破壊することを回避することが可能となる。
第1発明〜第4発明によれば、シアキー及び貫通孔が形成された単純な形状の第1ダイアフラム及び第2ダイアフラムが用いられることで、外嵌端部及び内嵌端部の加工コスト、材料コスト等の製造コストの増大を抑制して、経済的に製作することのできるせん断力伝達機構を継手部分に追加することが可能となる。
第1発明〜第4発明によれば、建築物等の架構柱を構成するものとして一対の鋼管柱を連結することができるものであり、外嵌端部の外嵌山部と内嵌端部の内嵌山部とが係止されて軸力及び曲げモーメントに対して確実に抵抗させるものとなると同時に、第1ダイアフラム及び第2ダイアフラムに形成されたシアキーと貫通孔とでせん断力に対して確実に抵抗させるものとすることが可能となる。
特に、第2発明によれば、断面形状が略円形状のシアキーが形成されるとともに、略円形状の貫通孔が形成されることで、ギア式継手やネジ式継手等において、シアキーを貫通孔に挿通させた状態で、第1鋼管柱と第2鋼管柱とを軸周方向に相対回転させることが可能となる。
特に、第3発明によれば、シアキーの頂部が略円錐体形状又は略円錐台形状等に形成されて、シアキーの基部のみが略円柱形状又は略円筒形状等に形成されることで、シアキーを頂部から貫通孔に容易に挿通させることができるものとすると同時に、シアキーの外周面と貫通孔の内周面とをシアキーの基部で確実に当接させることが可能となる。
特に、第4発明によれば、シアキーの外径と、貫通孔が形成されるダイアフラムの板厚との関係が、上記(1)式により規定される関係を満足して、第2ダイアフラムに発生する最大支圧応力を許容支圧応力以下とすることが確実なものとなることで、シアキーから貫通孔が形成されるダイアフラムにせん断力を十分に伝達させることが可能となる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造が用いられる建築物等の架構柱を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造の外嵌端部を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造の内嵌端部を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造の第1ダイアフラム及び第2ダイアフラムを示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管柱の継手構造で頂部が略円錐体形状のシアキーを示す斜視図であり、(b)は、頂部が略円錐台形状のシアキーを示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造で外嵌端部に内嵌端部を挿入する状態を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造で外嵌端部に内嵌端部を挿入して相対回転させた状態を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造に作用する軸力、曲げモーメント及びせん断力を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造でシアキーの外周面と貫通孔の内周面とを当接させた状態を示す拡大正面図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造に作用する全塑性モーメントを示す正面図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造でDsmin/dとD/tとの関係を示すグラフである。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造でtdminとtとの関係を示すグラフである。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造で頂部が略円錐台形状のシアキーが貫通孔に挿通される状態を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管柱の継手構造がキー部材固定式継手に用いられた状態を示す正面図である。
以下、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、図1に示すように、建築物8の架構柱80を構成するものとして、軸芯直交方向Xに所定の管径を有する一対の鋼管柱を、軸芯方向Yで互いに連結させるために用いられる。本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、建築物8だけでなくプラント構造物や鉄塔等の構造物においても、建築物8等の架構柱80を構成するものとして用いられる。
架構柱80は、下側に設けられる第1鋼管柱1と上側に設けられる第2鋼管柱2とが、一対の鋼管柱として軸芯方向Yに連結されるものとなる。架構柱80は、建築物8の骨組みを構成する主架構や補架構の柱部材として、一対の鋼管柱が用いられるものとなる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、軸芯方向Yで互いに連結される一対の外嵌端部3と内嵌端部5とを備える。本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、図2に示すように、軸芯方向Yで互いに対向する第1鋼管柱1の端部1a及び第2鋼管柱2の端部2aに設けられる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、第1鋼管柱1の端部1aに外嵌端部3が溶接等で取り付けられるとともに、第2鋼管柱2の端部2aに内嵌端部5が溶接等で取り付けられて、外嵌端部3と内嵌端部5とを軸芯方向Yで互いに対向させるものとなる。
外嵌端部3は、断面形状が略円形状に形成されて、図3に示すように、略中空状の外嵌内部3aを形成する鋼製等の外嵌側壁30と、外嵌側壁30の内側面30aに沿って溶接等で取り付けられた第1ダイアフラム4とを有する。外嵌端部3は、軸芯方向Yで第1鋼管柱1の端部1aに近接した基端側Bに第1ダイアフラム4が取り付けられる。
外嵌側壁30は、軸芯直交方向Xで内側に向けて突出させて形成された複数の外嵌山部31と、軸周方向Wで外嵌山部31に隣り合って形成された複数の外嵌溝部32と、軸芯方向Yで外嵌山部31よりも基端側Bに形成された複数の外嵌谷部33とを有する。外嵌側壁30は、複数の外嵌山部31と複数の外嵌谷部33とが、軸芯方向Yで交互に隣り合って形成される。
外嵌側壁30は、複数の外嵌山部31が軸芯方向Y及び軸周方向Wで略一列に配置されるとともに、複数の外嵌溝部32が軸芯方向Yで略一列に配置されて、複数の外嵌山部31と複数の外嵌溝部32とが軸周方向Wで交互に隣り合って形成される。外嵌側壁30は、第1鋼管柱1の端部1aに溶接等で取り付けられる部位として外嵌余長部34を有する。
外嵌山部31は、軸芯方向Yで複数の段部を形成して設けられるものとなる。外嵌山部31は、例えば、外嵌端部3の軸芯方向Yで4段に亘って段部が設けられるものであるが、これに限らず、如何なる段数の段部が設けられてもよい。外嵌山部31は、軸周方向Wに隣り合った外嵌溝部32、及び、軸芯方向Yに隣り合った外嵌谷部33よりも、第1鋼管柱1の軸芯方向Yの中心軸に向けて、略矩形状等に突出させて形成される。
第1ダイアフラム4は、所定の板厚tdを有する略円形状の鋼板等が用いられて、略円形状の外嵌側壁30の内側面30aに沿って、略円形状の鋼板等の外周が溶接等で取り付けられるものとなる。第1ダイアフラム4は、軸芯方向Yで外嵌端部3の基端側Bの外嵌余長部34に、略中空状の外嵌内部3aを塞ぐように設けられて、略円形状の鋼板等の略中央で軸芯方向Yの先端側Aに突出させたシアキー40が形成される。
第1ダイアフラム4は、外嵌側壁30の内側面30aに沿って、鋼板等の外周が外嵌端部3の基端側Bから溶接で取り付けられて、軸芯方向Yの基端側Bに溶接箇所が設けられるものとなる。第1ダイアフラム4は、これに限らず、鋼板等の外周が外嵌端部3の先端側Aから溶接で取り付けられて、軸芯方向Yの先端側Aに溶接箇所が設けられてもよい。
内嵌端部5は、断面形状が略円形状に形成されて、図4に示すように、略中空状の内嵌内部5aを形成する鋼製等の内嵌側壁50と、内嵌側壁50の内側面50aに沿って溶接等で取り付けられた第2ダイアフラム6とを有する。内嵌端部5は、軸芯方向Yで第2鋼管柱2の端部2aから離間した先端側Aに第2ダイアフラム6が取り付けられる。
内嵌側壁50は、軸芯直交方向Xで外側に向けて突出させて形成された複数の内嵌山部51と、軸周方向Wで内嵌山部51に隣り合って形成された複数の内嵌溝部52と、軸芯方向Yで内嵌山部51よりも基端側Bに形成された複数の内嵌谷部53とを有する。内嵌側壁50は、複数の内嵌山部51と複数の内嵌谷部53とが、軸芯方向Yで交互に隣り合って形成される。
内嵌側壁50は、複数の内嵌山部51が軸芯方向Y及び軸周方向Wで略一列に配置されるとともに、複数の内嵌溝部52が軸芯方向Yで略一列に配置されて、複数の内嵌山部51と複数の内嵌溝部52とが軸周方向Wで交互に隣り合って形成される。内嵌側壁50は、第2鋼管柱2の端部2aに溶接等で取り付けられる部位として内嵌余長部54を有する。
内嵌山部51は、軸芯方向Yで複数の段部を形成して設けられるものとなる。内嵌山部51は、例えば、内嵌端部5の軸芯方向Yで4段に亘って段部が設けられるものであるが、これに限らず、如何なる段数の段部が設けられてもよい。内嵌山部51は、軸周方向Wに隣り合った内嵌溝部52、及び、軸芯方向Yに隣り合った内嵌谷部53よりも、第2鋼管柱2の軸芯方向Yの中心軸と反対側に向けて、略矩形状等に突出させて形成される。
第2ダイアフラム6は、所定の板厚tdを有する略円形状の鋼板等が用いられて、略円形状の内嵌側壁50の内側面50aに沿って、略円形状の鋼板等の外周が溶接等で取り付けられるものとなる。第2ダイアフラム6は、軸芯方向Yで内嵌端部5の先端側Aに、略中空状の内嵌内部5aを塞ぐように設けられて、略円形状の鋼板等の略中央で板厚方向に貫通させた貫通孔60が形成される。
第2ダイアフラム6は、内嵌側壁50の内側面50aに沿って、鋼板等の外周が内嵌端部5の先端側Aから溶接で取り付けられて、軸芯方向Yの先端側Aに溶接箇所が設けられるものとなる。第2ダイアフラム6は、これに限らず、鋼板等の外周が内嵌端部5の基端側Bから溶接で取り付けられて、軸芯方向Yの基端側Bに溶接箇所が設けられてもよい。
シアキー40は、図5に示すように、断面形状が略円形状に形成されて、所定の外径Dsを有するものとなるとともに、貫通孔60は、略円形状に形成されて、所定の内径Dhを有するものとなる。シアキー40及び貫通孔60は、シアキー40の外径Dsの大きさを貫通孔60の内径Dhの大きさ以下とすることで、シアキー40が貫通孔60に挿通されるものとなる。
シアキー40は、図6に示すように、第1ダイアフラム4の略円形状の鋼板等から離間して、軸芯方向Yの頂部40bが設けられるとともに、第1ダイアフラム4の略円形状の鋼板等に接続させて、軸芯方向Yの基部40cが設けられるものとなる。シアキー40は、軸芯方向Yの頂部40bから基部40cまで連続して、略円形状に外周面40aが形成される。
シアキー40は、軸芯方向Yの頂部40bから基部40cまで連続して、略中実状の略円柱形状に形成されるものであるが、これに限らず、略中空状の略円筒形状に形成されてもよい。また、シアキー40は、図7(a)に示すように、軸芯方向Yの頂部40bが略円錐体形状に形成されて、又は、図7(b)に示すように、軸芯方向Yの頂部40bが略円錐台形状に形成されて、軸芯方向Yの基部40cのみが略円柱形状又は略円筒形状に形成されてもよい。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、図8、図9に示すように、外嵌端部3と内嵌端部5とを互いに嵌合させることで、第1鋼管柱1と第2鋼管柱2とが軸芯方向Yに連結される。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、最初に、図8に示すように、第2鋼管柱2に取り付けられた内嵌端部5を、第1鋼管柱1に取り付けられた外嵌端部3に挿入する。このとき、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、外嵌山部31及び内嵌山部51の軸芯直交方向Xの高さを、外嵌溝部32及び内嵌溝部52の軸芯直交方向Xの深さ以下として、また、外嵌山部31及び内嵌山部51の軸周方向Wの幅を、外嵌溝部32及び内嵌溝部52の軸周方向Wの幅以下とすることで、外嵌山部31が内嵌溝部52を通過して、内嵌山部51が外嵌溝部32を通過するものとなる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、次に、図9に示すように、外嵌端部3に内嵌端部5を挿入させた状態で、第1鋼管柱1と第2鋼管柱2とを軸周方向Wに相対回転させる。このとき、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、外嵌谷部33及び内嵌谷部53の軸芯方向Yの長さを、外嵌山部31及び内嵌山部51の軸芯方向Yの長さ以上として、また、外嵌谷部33及び内嵌谷部53の軸芯直交方向Xの深さを、外嵌山部31及び内嵌山部51の軸芯直交方向Xの高さ以上とすることで、外嵌山部31が内嵌谷部53に嵌め込まれて、内嵌山部51が外嵌谷部33に嵌め込まれるものとなる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、図10に示すように、外嵌端部3の外嵌山部31が内嵌端部5の内嵌谷部53に嵌め込まれて、内嵌端部5の内嵌山部51が外嵌端部3の外嵌谷部33に嵌め込まれることで、外嵌端部3の外嵌山部31と内嵌端部5の内嵌山部51とが軸芯方向Yで互いに当接して係止されるものとなる。
このとき、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、外嵌端部3の外嵌山部31と内嵌端部5の内嵌山部51とが軸芯方向Yで互いに当接して係止されて、外嵌端部3と内嵌端部5とが軸芯方向Yで互いに連結されることで、第1鋼管柱1と第2鋼管柱2とを軸芯方向Yで互いに離間させないように連結させるものとなる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、第1鋼管柱1と第2鋼管柱2とを連結させた状態で、第1鋼管柱1及び第2鋼管柱2から外嵌端部3及び内嵌端部5に、軸芯方向Yで引張方向又は圧縮方向の軸力Pが伝達される。本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、外嵌端部3の外嵌山部31と内嵌端部5の内嵌山部51とが、軸芯方向Yで互いに当接して係止されることで、軸芯方向Yの軸力Pに対して抵抗するものとなり、また、軸芯方向Yと軸芯直交方向Xとを含んだ平面上の曲げモーメントMに対して抵抗するものとなる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、外嵌端部3と内嵌端部5とを軸芯方向Yで互いに連結させたときに、外嵌端部3の外嵌側壁30が軸芯直交方向Xの外側に配置されるとともに、内嵌端部5の内嵌側壁50が軸芯直交方向Xの内側に配置されて、また、第1ダイアフラム4のシアキー40が第2ダイアフラム6の貫通孔60に挿通される。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、第1鋼管柱1と第2鋼管柱2とを連結させた状態で、第1鋼管柱1及び第2鋼管柱2が地震や風等の水平力を受けた場合、外嵌端部3及び内嵌端部5に非常に大きいせん断力Qが作用する。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、図11に示すように、外嵌端部3と内嵌端部5とを軸芯方向Yで互いに連結させて、第1ダイアフラム4のシアキー40を第2ダイアフラム6の貫通孔60に挿通させたときに、軸芯方向Y又は軸周方向Wの少なくとも一部で、外嵌端部3の外嵌側壁30と内嵌端部5の内嵌側壁50とが、軸芯直交方向Xに離間又は当接されるとともに、外嵌端部3及び内嵌端部5に軸芯直交方向Xのせん断力Qが作用したときに、シアキー40の外周面40aと貫通孔60の内周面60aとが当接される。なお、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、外嵌端部3及び内嵌端部5にせん断力Qが作用する前から、シアキー40の外周面40aと貫通孔60の内周面60aとが当接されていてもよい。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、貫通孔60の内径Dhとシアキー40の外径Dsとの大きさの差が、貫通孔60にシアキー40を容易に挿通させるためのクリアランスC(=Dh−Ds)となる。本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、外嵌端部3の外嵌側壁30と内嵌端部5の内嵌側壁50とが離間されるときに、軸芯直交方向Xに所定の離間距離Δが形成されるものとなり、クリアランスCの大きさが離間距離Δの大きさ以下に設定されることで、外嵌端部3及び内嵌端部5にせん断力Qが作用したときに、シアキー40の外周面40aと貫通孔60の内周面60aとが確実に当接されるものとなる。
このとき、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、シアキー40の外周面40aと貫通孔60の内周面60aとが当接されることで、第1鋼管柱1及び第2鋼管柱2が地震等の水平力を受けた場合に、外嵌端部3及び内嵌端部5に作用する非常に大きいせん断力Qに対しても、第1ダイアフラム4及び第2ダイアフラム6に支圧力を負担させることができるものとなる。
これにより、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、外嵌端部3と内嵌端部5とを互いに連結させたときに、外嵌端部3及び内嵌端部5にせん断力Qが作用して、シアキー40の外周面40aと貫通孔60の内周面60aとが確実に当接されるため、外嵌端部3の外嵌側壁30及び内嵌端部5の内嵌側壁50での支圧力に依存することなく、第1ダイアフラム4及び第2ダイアフラム6に負担させる支圧力により、外嵌端部3及び内嵌端部5に作用する非常に大きいせん断力Qに抵抗することで、鋼管柱の継手部分がせん断力Qにより破壊することを回避することが可能となる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、図12に示すように、第1鋼管柱1と第2鋼管柱2とを軸芯方向Yに連結させるものであり、例えば、第1鋼管柱1と第2鋼管柱2とを併せた軸芯方向Yの全長L=1.5m〜7.5m程度となる。第1鋼管柱1及び第2鋼管柱2の各々は、例えば、鋼管柱の外径D=300mm〜1500mm程度で、鋼管柱の板厚t=9mm〜100mmとして、断面形状が略円形状に形成されるものとなる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、曲げモーメントMをも負担することができるものであり、第1鋼管柱1と第2鋼管柱2とを連結させた状態で、鋼管柱の上端80a及び下端80bの各々に、地震等により鋼管の全塑性モーメントMpが作用した状態を想定すると、最大で2Mp/Lのせん断力Qが外嵌端部3及び内嵌端部5に作用する。このため、第1ダイアフラム4及び第2ダイアフラム6の寸法は、最大せん断力Qmax=2Mp/Lに抵抗することのできるものとして設定することが必要となる。
ここで、第1鋼管柱1及び第2鋼管柱2の各々は、例えば、プレスベンド鋼管を用いた場合に、その製造上の制約から、鋼管柱の外径Dと板厚tとの関係がD/t≧10となる。また、第1鋼管柱1及び第2鋼管柱2は、鋼管柱の全長Lと外径Dとの関係をL/D≧5として、鋼管柱の外径Dを500mm、1000mm、1500mmとした各々のケースについて、図5に示すように、シアキー40の外径Dsと貫通孔60の内径Dhとを略同一(Dh≒Ds)とし、第1鋼管柱1、第2鋼管柱2及びシアキー40を同強度材質として検討するものとする。
軸芯方向Yの各断面での最大せん断応力が許容せん断応力以下となるときのシアキー40の最小外径Dsminについては、鋼管柱の外径Dを500mm、1000mm、1500mmとしたケースの何れにおいても、図13に示すように、シアキー40の最小外径Dsminと鋼管柱の外径Dとの比率(=Dsmin/D)、及び、鋼管柱の外径Dと板厚tとの比率(=D/t)の関係が、相関関係を示すことがわかる。
このとき、D/t≧10とする条件下においては、D/tが最小値(D/t=10)のときに、Dsmin/Dが最大値(Dsmin/D≒0.33)となるため、シアキー40の外径Dsを鋼管柱の外径Dの1/3以上の大きさとすることで(Ds/D≧1/3)、軸芯方向Yの各断面でのシアキー40の最大せん断応力を許容せん断応力以下とすることが確実なものとなり、鋼管柱の継手部分でシアキー40にせん断力Qを十分に伝達させることが可能となる。
さらに、シアキー40の外周面40aと貫通孔60の内周面60aとの間で伝達されるせん断力Qにより第2ダイアフラム6に発生する最大支圧応力が許容支圧応力以下となるときの第2ダイアフラム6の板厚tdについては、鋼管柱の外径Dを500mm、1000mm、1500mmとした各々のケースにおいて、図14に示すように、第2ダイアフラム6の最小板厚tdmin、及び、鋼管柱の板厚tの関係が、相関関係を示すことがわかる。なお、ここでも、第1鋼管柱1、第2鋼管柱2及び第2ダイアフラム6を同強度材質として検討している。
鋼管柱の外径Dを500mm、1000mm、1500mmとした何れのケースにおいても、Ds/D=1/3とする条件下においては、図14(a)に示すように、td/t≧0.9として、また、Ds/D=1/2とする条件下においては、図14(b)に示すように、td/t≧0.6とすることで、第2ダイアフラム6に発生する最大支圧応力を許容支圧応力以下とすることが確実なものとなる。
このとき、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、第1ダイアフラム4に形成されるものとなるシアキー40の外径Dsと、貫通孔60が形成されるものとなる第2ダイアフラム6の板厚tdとの関係が、下記(1)式により規定される関係を満足するものとなり、シアキー40の外径Dsを大きくすることで、第2ダイアフラム6の板厚tdを低減させることができるものとなることがわかる。
[数2]
(td/t)≧0.3/(Ds/D) ・・・(1)
これにより、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、シアキー40の外径Dsと、貫通孔60が形成されるものとなる第2ダイアフラム6の板厚tdとの関係が、上記(1)式により規定される関係を満足して、第2ダイアフラム6に発生する最大支圧応力を許容支圧応力以下とすることが確実なものとなることで、第1ダイアフラム4のシアキー40から貫通孔60を介して第2ダイアフラム6にせん断力Qを十分に伝達させることが可能となる。
なお、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、シアキー40の材質強度を第1鋼管柱1及び第2鋼管柱2の材質強度よりも大きくして、又は、第2ダイアフラム6の材質強度を第1鋼管柱1及び第2鋼管柱2の材質強度よりも大きくすることで、シアキー40の外径Dsや第2ダイアフラム6の板厚tdを低減させることができるものとなる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、図15に示すように、シアキー40の頂部40bが略円錐体形状又は略円錐台形状に形成されて、シアキー40の基部40cのみが略円柱形状又は略円筒形状に形成されることで、シアキー40を頂部40bから貫通孔60に容易に挿通させることができるものとすると同時に、シアキー40の外周面40aと貫通孔60の内周面60aとをシアキー40の基部40cで確実に当接させることが可能となる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、シアキー40及び貫通孔60が形成された単純な形状の第1ダイアフラム4及び第2ダイアフラム6が用いられることで、外嵌端部3及び内嵌端部5の加工コスト、材料コスト等の製造コストの増大を抑制して、経済的に製作することのできるせん断力伝達機構を継手部分に追加することが可能となる。
また、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、図1に示すように、建築物8の架構柱80を構成するものとして一対の鋼管柱を連結することができるものであり、図10に示すように、外嵌端部3の外嵌山部31と内嵌端部5の内嵌山部51とが係止されて軸力P及び曲げモーメントMに対して確実に抵抗させるものとなると同時に、第1ダイアフラム4及び第2ダイアフラム6に形成されたシアキー40と貫通孔60とでせん断力Qに対して確実に抵抗させるものとすることが可能となる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、図9に示すように、第1鋼管柱1と第2鋼管柱2とを軸周方向Wに相対回転させることで、外嵌端部3と内嵌端部5とが互いに嵌合されるギア式継手に用いられるものであるが、これに限らず、外嵌端部3に雌ねじ、内嵌端部5に雄ねじが形成されたネジ式継手に用いられてもよい。このとき、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、ギア式継手やネジ式継手において、断面形状が略円形状のシアキー40が形成されるとともに、略円形状の貫通孔60が形成されることで、シアキー40を貫通孔60に挿通させた状態で、第1鋼管柱1と第2鋼管柱2とを軸周方向Wに相対回転させることが可能となる。
本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、図3に示すように、外嵌端部3の基端側Bに第1ダイアフラム4が取り付けられることで、軸芯方向Yに突出したシアキー40が外嵌内部3aに収容されるものとなり、建築現場等で外嵌端部3を運搬するときに、シアキー40が障害物等に接触して損傷することを防止することが可能となる。本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、外嵌端部3の基端側Bに取り付けた第1ダイアフラム4のシアキー40を軸芯方向Yに長くすることで、内嵌端部5の基端側Bに第2ダイアフラム6を取り付けることもできる。
また、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、図16に示すように、外嵌端部3のネジ孔92に挿通したセットボルト91で円弧キー90が押し込まれて、外嵌端部3と内嵌端部5とを互いに相対回転させることなく連結することのできるキー部材固定式継手9に用いることもできる。このとき、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、シアキー40及び貫通孔60が略矩形状等に形成されたものであっても、第1鋼管柱1と第2鋼管柱2とを軸芯方向Yで互いに直進させて、シアキー40を貫通孔60に挿通させることができるものとなる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
例えば、本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、第1ダイアフラム4に貫通孔60が形成されるとともに、第2ダイアフラム6にシアキー40が形成されてもよい。本発明を適用した鋼管柱の継手構造7は、第1鋼管柱1及び第2鋼管柱2の端部を切削することで、第1鋼管柱1又は第2鋼管柱2の端部そのものに外嵌端部3又は内嵌端部5が設けられてもよく、また、第1鋼管柱1に内嵌端部5が設けられるとともに、第2鋼管柱2に外嵌端部3が設けられてもよい。
1 :第1鋼管柱
1a :第1鋼管柱の端部
2 :第2鋼管柱
2a :第2鋼管柱の端部
3 :外嵌端部
3a :外嵌内部
30 :外嵌側壁
30a :内側面
31 :外嵌山部
32 :外嵌溝部
33 :外嵌谷部
34 :外嵌余長部
4 :第1ダイアフラム
40 :シアキー
40a :外周面
40b :頂部
40c :基部
5 :内嵌端部
5a :内嵌内部
50 :内嵌側壁
50a :内側面
51 :内嵌山部
52 :内嵌溝部
53 :内嵌谷部
54 :内嵌余長部
6 :第2ダイアフラム
60 :貫通孔
60a :内周面
7 :鋼管柱の継手構造
8 :建築物
80 :架構柱
80a :上端
80b :下端
A :先端側
B :基端側
W :軸周方向
X :軸芯直交方向
Y :軸芯方向

Claims (4)

  1. 建築物等の架構柱として一対の鋼管柱を連結するための鋼管柱の継手構造であって、
    軸芯方向で互いに連結される一対の外嵌端部と内嵌端部とを備え、
    前記外嵌端部は、軸芯方向の基端側に取り付けられる第1ダイアフラムと、前記内嵌端部と連結させたときに軸芯直交方向の外側に配置される外嵌側壁とを有し、軸芯方向で互いに対向する一対の鋼管柱の何れか一方の端部に設けられて、
    前記内嵌端部は、軸芯方向の先端側に取り付けられる第2ダイアフラムと、前記外嵌端部と連結させたときに軸芯直交方向の内側に配置される内嵌側壁とを有し、軸芯方向で互いに対向する一対の鋼管柱の何れか他方の端部に設けられて、
    前記外嵌端部及び前記内嵌端部は、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか一方に、軸芯方向に突出させたシアキーが形成されるとともに、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか他方に、前記シアキーが挿通される貫通孔が形成されて、前記外嵌端部及び前記内嵌端部に軸芯直交方向のせん断力が作用したときに、前記シアキーの外周面と前記貫通孔の内周面とが当接されること
    を特徴とする鋼管柱の継手構造。
  2. 前記外嵌端部及び前記内嵌端部は、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか一方に、断面形状が略円形状の前記シアキーが形成されるとともに、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか他方に、略円形状の前記貫通孔が形成されること
    を特徴とする請求項1記載の鋼管柱の継手構造。
  3. 前記外嵌端部及び前記内嵌端部は、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか一方に、軸芯方向の頂部が略錐体形状又は略錐台形状の前記シアキーが形成されるとともに、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか他方に、前記貫通孔が形成されること
    を特徴とする請求項1又は2記載の鋼管柱の継手構造。
  4. 前記外嵌端部及び前記内嵌端部は、前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか一方に形成される前記シアキーの外径Dsと、前記貫通孔が形成されるものとなる前記第1ダイアフラム及び前記第2ダイアフラムの何れか他方の板厚tdとの関係が、下記(1)式により規定される関係を満足すること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の鋼管柱の継手構造。

    (td/t)≧0.3/(Ds/D) ・・・(1)

    ここで、D:鋼管柱の外径、t:鋼管柱の板厚とする。
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