JP4278105B2 - 鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法並びに鉄骨補強用部材 - Google Patents

鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法並びに鉄骨補強用部材 Download PDF

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本発明は、鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包して構成した鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の梁や柱等の建築構造材の補強構造及びその施工方法並びに鉄骨補強用部材に関するものである。
図11に示すように、隣り合う一対の柱10と10の間に掛け渡されて設けられた梁20には、その長さ方向に間隔を置いて、梁20を図中前後方向(幅方向)にわたって貫く複数の貫通孔14が形成され、このような貫通孔14は、建物の空調設備や給排水設備等の配管やダクト(図示せず)等を通すのに用いることができるようになっている。
このように梁20に貫通孔14が形成されると、そのことにより梁20の強度が低下するので、その低下した強度を補強する必要があるが、このように梁20の低下した強度を補強するための従来の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造について、図面に基づいて以下に説明する(非特許文献1参照)。
図12ないし図14には、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の梁20の断面が示されており、この梁20のコンクリート22中には、鉄骨24の他に梁主筋や肋筋等の鉄筋が内包されるが、図が煩雑になるのを防止するために、それらの図にはコンクリート22中の梁主筋や肋筋等の鉄筋は省略して、鉄骨24のみが表示されている。
梁20は、コンクリート22中に、H型鋼等を用いた鉄骨24が内包されて設けられている。鉄骨24の、図12中左右方向中央部において上下方向に伸びるように表示された、板状のウェブ24aの表裏両面には、図13に示すような、四辺形の鋼板26が当てがわれて、この鋼板26はその周部の溶接部Mを溶接することにより上記ウェブ24aに一体的に固定されている。
図12に示すように、鉄骨24のウェブ24a及び鋼板26のそれぞれには、互いに連通する同じ径の孔が設けられており、この孔には、コンクリート22中をその幅全長にわたって貫く鋼管28が挿通されている。この鋼管28は、その長さ方向中央部外周面の溶接部Mを溶接することにより、2枚の鋼板26の孔の周りに固定されている。
図12に示す、鉄骨24のウェブ24aの表裏両面から、鋼管28の軸方向(図中左右両方向)に少し離れた位置のコンクリート22中には、図14に示すように、鋼管28からこの半径外方に少し離れてこの鋼管28を囲むように、複数の補強鉄筋27が配置されている。この補強鉄筋27は、井桁状に4本配置されると共に、その井桁状の四隅部にもそれぞれ斜めに1本ずつ補強鉄筋27が配置されるようになっている。
「建築鉄骨設計基準及び同解説」(平成10年版) 建設大臣官房庁営繕部監修 社団法人公共建築協会出版
しかしながら、上記従来の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造においては、梁20の、貫通孔14をあけたことによる強度低下を補強するために、鉄骨24のウェブ24aの表裏両面にそれぞれ鋼板26を溶接により接合し、さらに梁20の、コンクリート22の幅全長にわたる鋼管28をウェブ24a及び鋼板26の孔に挿通させて、その鋼管28を鋼板26に溶接により接合していたため、鉄骨24のウェブ24aと、鋼板26、及び鋼管28間の、溶接施工箇所が多くなっていた。
このため、鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工に大幅な施工工数と施工時間がかかり、それに伴ってその補強構造の施工においては大幅な施工コスト増を招くという問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、溶接の施工箇所を少なくして施工工数や施工時間の低減を図ることにより、施工コストの大幅な低減を図ることができる鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法並びに鉄骨補強用部材を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明による鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造は、
鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包した鉄骨鉄筋コンクリートにより建築構造材を構成し、当該構造材の幅方向に貫通孔が形成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材において、
鍛鋼または鋳鋼により形成され、前記鉄骨に形成された孔に嵌合した嵌合部が当該鉄骨に溶接され、前記貫通孔の径と略同等または小径の軸孔が形成された鉄骨補強用部材と、
前記鉄骨補強用部材からこの軸方向に離れた位置で、かつ前記貫通孔を囲むような位置のコンクリート中に内包されたコンクリート補強鉄筋と
コンクリート打設前に配置され、コンクリート硬化後に前記貫通孔を形成する紙管とを備え、
前記鉄骨補強用部材の軸孔の両端部のうち少なくとも一方の端部に対応する当該鉄骨補強用部材の部分に、前記紙管の一端部が係合して紙管の径方向及び軸方向の位置決めが行われるための紙管位置決め係合部が形成されたことを特徴とするものである。
また本発明の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造は、前記鉄骨補強用部材をこの軸線に沿って切断したと仮定した場合の前記嵌合部の断面に傾斜部が形成されたことを特徴とするものである。
また本発明の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造は、前記鉄骨補強用部材が、当該鉄骨補強用部材の軸線と直交する面において、円形、楕円形、多角形、又はこれらのいずれかに近い形状に形成されたことを特徴とするものである。
また上記課題を解決するために本発明は、
鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包した鉄骨鉄筋コンクリートにより建築構造材を構成し、当該構造材の幅方向に貫通孔が形成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材において、
鍛鋼または鋳鋼により形成され、前記鉄骨に形成された孔に嵌合した嵌合部が当該鉄骨に溶接され、前記貫通孔の径と略同等または小径の軸孔が形成された鉄骨補強用部材と、
前記鉄骨補強用部材からこの軸方向に離れた位置で、かつ前記貫通孔を囲むような位置のコンクリート中に内包されたコンクリート補強鉄筋と
を備えた鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工方法であって、
前記鉄骨鉄筋コンクリート構造材のコンクリート打設前に、前記鉄骨補強用部材の軸孔及び前記構造材の貫通孔を形成する位置のうち、少なくとも当該構造材の貫通孔を形成する位置に紙管を配置し、
この後で前記鉄骨鉄筋コンクリート構造材の型枠内にコンクリートを打設することにより、コンクリート硬化後に前記紙管の位置に前記構造材の貫通孔が形成されるようにするものであり、
前記鉄骨補強用部材の軸孔の両端部のうち少なくとも一方の端部に対応する当該鉄骨補強用部材の部分に、前記紙管の一端部が係合して紙管の径方向及び軸方向の位置決めが行われるための紙管位置決め係合部が形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工方法は、前記紙管が、所定の幅を有する帯状の紙材を螺旋状に配置し、隣り合う当該紙材の互いの側部同士が接合して形成され、前記紙管の一端部を当該紙管の軸方向外側に引っ張ることにより、前記紙材の側部間の接合部が前記紙管の一端部側から他端部側に向かって漸次破断されて、前記紙管を容易に帯状の紙材に解体することができるようにしたことを特徴とするものである。
また上記課題を解決するために本発明は、
鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包した鉄骨鉄筋コンクリートにより構成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材であって、当該構造材の幅方向に、コンクリート打設前に配置された紙管により貫通孔が形成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材における、前記鉄骨に取付けられる鉄骨補強用部材であって、
中央部に前記貫通孔の径と略同等または小径の軸孔が形成され、外周部に前記鉄骨に形成された孔に嵌合して当該鉄骨に溶接される嵌合部を有し、
前記軸孔の両端部のうち少なくとも一方の端部に対応する部分に、前記紙管の一端部が係合して紙管の径方向及び軸方向の位置決めが行われるための紙管位置決め係合部が形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法並びに鉄骨補強用部材によれば、溶接の施工箇所を少なくして施工工数や施工時間の低減を図ることにより、施工コストの大幅な低減を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1ないし図3は、本発明の第1の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造について説明するために参照する図である。従来と同様の部分には同一の符号を用いて説明し、従来において説明したと同様の構成については、その重複する説明を省略するものとする。
図1において、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の建築構造材としての梁30は、コンクリート22中に内包されて設けられた鉄骨24のウェブ24aを貫通する孔24bに鉄骨補強用部材32の嵌合部が嵌合して、この鉄骨補強用部材32は、溶接部Mを溶接することによりウェブ24aに固定されている(図2参照)。
鉄骨補強用部材32は、鋼材を用いて鍛造により製造される鍛鋼、または鋳造により製造される鋳鋼により形成されると共に、その軸線と直交する面において円形状に形成されている。
また鉄骨補強用部材32は、鉄骨24のウェブ24aの厚さより大きな厚さを有するように形成されると共に、ウェブ24aの孔24bより径が小さい軸孔32aが形成されている。この軸孔32aは、コンクリート22の貫通孔14と同じ径であり、これらは互いに連通している。
図1に示す、鉄骨補強用部材32の表裏両面から、鉄骨補強用部材32の軸方向に少し離れた位置の、コンクリート22中には、そのコンクリート22を補強するための補強鉄筋27(コンクリート補強鉄筋)が配置されている。
そして、この補強鉄筋27は、図3に示すように、コンクリート22の貫通孔14の周面からこの半径外方に少し離れて、この貫通孔14を囲むようにして従来と同様に複数配置されている(図14参照)。
このような、本発明の第1の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造によれば、従来よりも溶接の施工箇所を少なくすることができるので、施工工数や施工時間の低減を図ることができる。このため、鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工コストの大幅な低減を図ることができる。
すなわち、鉄骨24のウェブ24aに設けられた鉄骨補強用部材32は、前記鍛鋼または鋳鋼により形成され、ウェブ24aの厚さより大きな厚さに成形することができるので、非常に高い剛性を有している。
このため、従来用いていたような、ウェブ24aの裏表に設けられる2枚の鋼板26や鋼管28を用いなくとも、鉄骨24のウェブ24aの強度、ひいては梁30の強度を充分補強することができる。このため梁30は、用いる部品数を従来よりも少なくすることができることにより、溶接Mの施工箇所を従来よりも少なくすることができる。
このことにより、鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工工数や施工時間の低減を図ることができるので、その補強構造の施工コストの大幅な低減を図ることができる。
また、貫通孔14を囲むようにしてコンクリート22中に補強鉄筋27を内包させたため、コンクリート22中に貫通孔14があいていても、その貫通孔14の周りのコンクリート22が容易に崩れないように、貫通孔14の周りのコンクリート22を補強することができる。
図4ないし図8は、本発明の第2の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法について説明するために参照する図である。
前記第1の実施の形態における、鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造が施工された梁30においては、鉄骨補強用部材32が、その片面側の径とその裏面側の径が同じとなるよう外周面が円筒状に形成されていたのに対し、この第2の実施の形態に係る補強構造が施工された梁40においては、図4、図5に示すように、その鉄骨補強用部材42は、その片面側の径とその裏面側の径が同じではなく、軸線を含む断面が台形状に形成されている点において異なるものである。
すなわち、図5に示すように、鉄骨24のウェブ24aの孔24bに嵌合する鉄骨補強用部材42をこの軸線に沿って切断したと仮定した場合のその嵌合部の断面には傾斜部42aが形成されている。このため、同図に示すように、鉄骨24のウェブ24aの孔24bの周面と、鉄骨補強用部材42の嵌合部の傾斜部42aとの間には、開先角度θの隙間が形成されている。この開先角度θの隙間内の溶接部Mには溶接が施工されている。
図4に示す、鉄骨補強用部材42の表裏両面から、鉄骨補強用部材42の軸方向に少し離れた位置のコンクリート22中には、コンクリート22を補強するための補強鉄筋29(コンクリート補強鉄筋)が配置され、この補強鉄筋29は、図7に示すように、後述する紙管44からこの半径外方に少し離れてこの紙管44を囲むように複数配置されている。
そして補強鉄筋29は、前記第1の実施の形態における井桁状の補強鉄筋27と異なり、同心円上に配置された径が異なる2つのリング状の補強鉄筋29と、そのリング状の円周方向に間隔をおいて4本の直線状の補強鉄筋29が配置されている。
また、鉄骨鉄筋コンクリート構造材としての梁30を作る際に、梁30を作るための型枠内にコンクリートを打設するが、この本発明の第2の実施の形態においては、そのコンクリートの打設を行う前に予め、鉄骨補強用部材42の軸孔42b内に、ボール紙等の厚紙で形成された、一定以上の剛性を有する紙管44が嵌合して設けられるようになっている。
このように紙管44を予め配置してから、型枠内に流動状のコンクリートの打設を行うと、コンクリート硬化後に、鉄骨補強用部材42の軸孔42bと連通する貫通孔14をコンクリート22内に容易に形成することができる。
紙管44は、図8に示すように、所定の幅Wを有する帯状の紙材44aを螺旋状に配置し、互いに隣り合う紙材44aの側部同士を接合して形成されたものである。帯状の紙材44aの側部間の接合部は、所定値以上の力を加えると容易に破断されるような状態で接合されている。
このため、前記打設したコンクリート22が硬化した後で、紙管44の一端部をその軸方向外側に引っ張ることにより、隣合う紙材44a間の接合部が紙管44の一端部側から他端部側に向かって漸次破断されて、紙管44は帯状の紙材44aに解体され、貫通孔14の周面(コンクリート面)から容易に剥がして除去することができる。
このような本発明の第2の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法によっても、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
そして、前述のように、鉄骨24のウェブ24aの孔24bの周面と、鉄骨補強用部材42の傾斜部42aとの間には、開先角度θの隙間が形成されているので、この隙間内の溶接部Mを溶接施工することにより、盛り肉を形成する突合せ溶接を行うことができる。このため、鉄骨24のウェブ24aと鉄骨補強用部材42との結合力を著しく大きくすることができるので、鉄骨補強用部材42による鉄骨24のウェブ24aの補強効果、ひいては梁30の補強効果を向上させることができる。
また、本発明の第2の実施の形態は、前記第1の実施の形態のような、ウェブ24aの孔24bと鉄骨補強用部材32の外周円筒面との嵌め合いではなく、ウェブ24aの孔24bに鉄骨補強用部材42の傾斜部42aを嵌合させるようになっているので、孔と円筒面のように互いの嵌め合いが円滑に行えない場合が生じる可能性は全く無く、ウェブ24aの孔24bに鉄骨補強用部材42の傾斜部42aを極めて容易に、かつ確実に嵌合させることができる。
また、紙管44は、従来用いられていた鋼管28よりもコストが低いので、本実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造は、大幅な工数低減を図ることができるだけでなく、大幅なコスト低減を図ることができる。
さらに、紙管44を用いた場合においては、紙製なので燃えるおそれがあると共に、水を含むと膨張して変形するという欠点があるため、コンクリート硬化後に取り外さなければならないが、上述のように本実施の形態に係る紙管44は、容易に帯状の紙材44aに解体することができるので、コンクリート22の貫通孔14の周面(コンクリート面)から容易に取り外すことができる。
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法について説明するために参照する図である。
前記第2の実施の形態においては、1つの紙管44がコンクリート22の幅全長にわたって連続して形成されていたのに対し、この第3の実施の形態においては、紙管がコンクリート22の幅方向において2つの紙管45,46に分割されている点において異なるものである。
また、この第3の実施の形態において用いられる鉄骨補強用部材52の軸孔52aの両端部に対応するその鉄骨補強用部材52の部分には、この貫通孔52aの軸方向外側に突出するような紙管位置決め係合部52b、52cが形成されている。
そして、一方の紙管45の鉄骨補強用部材52側端部の内周面が紙管位置決め係合部52bの外周面に嵌合することにより、紙管45の径方向及び軸方向の位置決めが行われるようになっている。また、他方の紙管46の鉄骨補強用部材52側端部の内周面が紙管位置決め係合部52cの外周面に嵌合することにより、紙管46の径方向及び軸方向の位置決めが行われるようになっている。
このような本発明の第3の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法によっても、前記第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記のように紙管45,46の位置決めが行われるようになっているので、前記第2の実施の形態のように鉄骨補強用部材42の軸孔42bと紙管44の外周円筒面の互いの嵌め合いが円滑に行えない場合が生じる可能性は全く無く、鉄骨補強用部材52の紙管位置決め係合部52b,52cに紙管45,46の端部を極めて容易に、かつ確実に嵌合させることができる。
そして、紙管45,46の各長さが前記第2の実施の形態における紙管44の長さより著しく短いので、コンクリートの打設、硬化後に紙管45,46をコンクリート22の内側にできた貫通孔14の周面(コンクリート面)から容易に剥がして除去することができる。
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法について説明するために参照する図である。
前記第3の実施の形態においては、鉄骨補強用部材52の軸孔52aの両端部に紙管位置決め係合部52b,52cが軸孔52aの軸方向外側に突出するように形成されていたのに対し、この第4の実施の形態においては、鉄骨24のウェブ24aに溶接される鉄骨補強用部材62の軸孔62aの両端部に、凹状の紙管位置決め係合部62b,62cが形成されている点において異なるものである。
このためこの第4の実施の形態においては、紙管45,46の鉄骨補強用部材62側の端部を、鉄骨補強用部材62の紙管位置決め係合部62b,62cに係合させることにより、紙管45,46の径方向及び軸方向の位置決めが行われるようになっている。
このような本発明の第4の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法によっても、前記第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、この第4の実施の形態によれば、鉄骨補強用部材62には凹状の紙管位置決め係合部62b,62cが形成されているため、前記第3の実施の形態における鉄骨補強用部材52よりも、必要とする材料の量を低減させることができるので、第3の実施の形態よりも施工コストを低減させることができる。
なお、前記第1の実施の形態においては、その軸線と直交する面において円形状の鉄骨補強用部材32を用いたが、円形に近い形状、楕円形又はそれに近い形状、或は、3〜8角形等の多角形又はそれに近い形状の鉄骨補強用部材を用いることもできる。
また、前記実施の形態においては鉄骨24にH型鋼を用いていたが、鉄骨24にはH型鋼以外の、どのような断面形状の鉄骨を用いてもよい。
また、前記第2の実施の形態においては、溶接部Mを鉄骨補強用部材42の円周方向すべてに連続して施したが、その円周方向に間隔をおいて複数箇所だけに溶接部Mを施すようにすることもできる。
本発明の第1の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造を示す梁30の断面図である。 図1における梁30のII−II線断面図である。 図1における梁30のIII−III線断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造を示す梁40の断面図である。 図4における鉄骨24のウェブ24aと鉄骨補強用部材42との間の開先角度θの隙間の溶接部Mを示す部分拡大断面図である。 図4における梁40のVI−VI線断面図である。 図4における梁40のVII−VII線断面図である。 図4における梁40の紙管44の外観を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の要部を示す断面図である。 従来の鉄骨鉄筋コンクリート構造材としての柱10,10間に設けられた梁20を示す一部破断正面図である。 図11における梁20のA−A線断面図である。 図12における梁20のB−B線断面図である。 図12における梁20のC−C線断面図である。
符号の説明
10 柱
14 貫通孔
20 梁
22 コンクリート
24 鉄骨
24a ウェブ
24b 孔
26 鋼板
27 補強鉄筋
28 鋼管
29 補強鉄筋
30 梁
32 鉄骨補強用部材
32a 軸孔
40 梁
42 鉄骨補強用部材
42a 傾斜部
42b 軸孔
44 紙管
44a 紙材
45,46 紙管
52 鉄骨補強用部材
52a 軸孔
52b,52c 紙管位置決め係合部
62 鉄骨補強用部材
62a 軸孔
62b,62c 紙管位置決め係合部
M 溶接部
θ 開先角度

Claims (6)

  1. 鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包した鉄骨鉄筋コンクリートにより建築構造材を構成し、当該構造材の幅方向に貫通孔が形成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材において、
    鍛鋼または鋳鋼により形成され、前記鉄骨に形成された孔に嵌合した嵌合部が当該鉄骨に溶接され、前記貫通孔の径と略同等または小径の軸孔が形成された鉄骨補強用部材と、
    前記鉄骨補強用部材からこの軸方向に離れた位置で、かつ前記貫通孔を囲むような位置のコンクリート中に内包されたコンクリート補強鉄筋と
    コンクリート打設前に配置され、コンクリート硬化後に前記貫通孔を形成する紙管とを備え、
    前記鉄骨補強用部材の軸孔の両端部のうち少なくとも一方の端部に対応する当該鉄骨補強用部材の部分に、前記紙管の一端部が係合して紙管の径方向及び軸方向の位置決めが行われるための紙管位置決め係合部が形成された
    ことを特徴とする鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造。
  2. 前記鉄骨補強用部材をこの軸線に沿って切断したと仮定した場合の前記嵌合部の断面に傾斜部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造。
  3. 前記鉄骨補強用部材が、当該鉄骨補強用部材の軸線と直交する面において、円形、楕円形、多角形、又はこれらのいずれかに近い形状に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造。
  4. 鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包した鉄骨鉄筋コンクリートにより建築構造材を構成し、当該構造材の幅方向に貫通孔が形成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材において、
    鍛鋼または鋳鋼により形成され、前記鉄骨に形成された孔に嵌合した嵌合部が当該鉄骨に溶接され、前記貫通孔の径と略同等または小径の軸孔が形成された鉄骨補強用部材と、
    前記鉄骨補強用部材からこの軸方向に離れた位置で、かつ前記貫通孔を囲むような位置のコンクリート中に内包されたコンクリート補強鉄筋と
    を備えた鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工方法であって、
    前記鉄骨鉄筋コンクリート構造材のコンクリート打設前に、前記鉄骨補強用部材の軸孔及び前記構造材の貫通孔を形成する位置のうち、少なくとも当該構造材の貫通孔を形成する位置に紙管を配置し、
    この後で前記鉄骨鉄筋コンクリート構造材の型枠内にコンクリートを打設することにより、コンクリート硬化後に前記紙管の位置に前記構造材の貫通孔が形成されるようにするものであり、
    前記鉄骨補強用部材の軸孔の両端部のうち少なくとも一方の端部に対応する当該鉄骨補強用部材の部分に、前記紙管の一端部が係合して紙管の径方向及び軸方向の位置決めが行われるための紙管位置決め係合部が形成されている
    ことを特徴とする鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工方法。
  5. 前記紙管が、所定の幅を有する帯状の紙材を螺旋状に配置し、隣り合う当該紙材の互いの側部同士が接合して形成され、前記紙管の一端部を当該紙管の軸方向外側に引っ張ることにより、前記紙材の側部間の接合部が前記紙管の一端部側から他端部側に向かって漸次破断されて、前記紙管を容易に帯状の紙材に解体することができるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工方法。
  6. 鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包した鉄骨鉄筋コンクリートにより構成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材であって、当該構造材の幅方向に、コンクリート打設前に配置された紙管により貫通孔が形成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材における、前記鉄骨に取付けられる鉄骨補強用部材であって、
    中央部に前記貫通孔の径と略同等または小径の軸孔が形成され、外周部に前記鉄骨に形成された孔に嵌合して当該鉄骨に溶接される嵌合部を有し、
    前記軸孔の両端部のうち少なくとも一方の端部に対応する部分に、前記紙管の一端部が係合して紙管の径方向及び軸方向の位置決めが行われるための紙管位置決め係合部が形成されている
    ことを特徴とする鉄骨補強用部材。
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