JP6740738B2 - 鋼製部材の接合方法及び接合構造 - Google Patents
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Description
杭や柱として長尺の鋼管が必要な場合において、狭隘地等、一本の長尺の鋼管を施工できない現場では、複数本の短尺の鋼管を接合し長尺の鋼管とする必要がある。かかる場合における鋼管の接合には、施工時間の短い機械式接合が利用されている(特許文献1〜3参照)。
図の仮設桟橋構造体1は、河川、海などへの構造物の築造の際の作業機進入、資材運搬等のため、一時的に構築されるものであって、鋼管杭2と、鋼管柱3と、梁4と、ブレース5と、床板6とを備える。
鋼管柱3は、鋼管杭2に接合され仮設桟橋構造体1の柱を構成するものであり、鋼管杭2と同様に鉛直方向に延在する長軸を有する円形鋼管から成る。
梁4は、隣接する鋼管柱3間を相互に連結するものであり、例えばH形鋼から成る。
ブレース5は、仮設桟橋構造体1の強度を保つためのものであり、梁4間に架け渡されている。
床板6は、作業機や資材が載置されるものであり、例えばH形鋼で作製された覆工板から成り、複数本の鋼管柱3に跨るような状態で該鋼管柱3の上端に取付けられる。
カプラ40は、下側円形鋼管20の外周面に取付けられると共に上側円形鋼管30の外周面に取付けられる。より具体的には、カプラ40は、下側円形鋼管20と上側円形鋼管30に跨る形態で、かつ、下側円形鋼管20の上端部及び上側円形鋼管30の下端部の全周を覆う形態で、これら円形鋼管20、30の外周面に取付けられる。
以上の例では、下側円形鋼管20及び上側円形鋼管30の凹凸21、31は、凹凸21、31の凸部を構成する平鋼を溶接することにより形成していた。
これに代えて、図6(A)に示すように下側円形鋼管20´及び上側円形鋼管30´の本体となる円筒状の部材Hの外周に、圧延リブ付鋼板Kを溶接することにより凹凸21、31を形成してもよい。
図6の例では、凹凸21、31を形成する圧延リブ付鋼板Kは、下側円形鋼管20´及び上側円形鋼管30´の本体となる円筒状の部材Hの外周に、溶接されていた。
これに代えて、図7(A)に示すように、凹凸21、31を形成する圧延リブ付鋼板Kを、下側円形鋼管20”及び上側円形鋼管30”の本体となる円筒状の部材Hの延長上に、溶接するようにしてもよい。より具体的には、下側円形鋼管20”の本体となる円筒状の部材Hの上端に、該部材Hが延長するように、圧延リブ付鋼板Kを溶接し、上側円形鋼管30”の本体となる円筒状の部材Hの下端に、該部材Hが延長するように、圧延リブ付鋼板Kを溶接するようにしてもよい。
なお、余長部22にも凹凸を設けるようにしてもよい。
図2等の例では、カプラ40の分割体40a、40bにおける周方向の両端に設けられた耳部42をボルトとナットを用いて締結していた。
これに代えて、図8に示すように、カプラ50の分割体50a、50bの周方向の一端を蝶番51により固定し、他端については、該他端に設けられた耳部42の孔42aに挿通されたボルトとナットを用いて該耳部42を締結するようにしてもよい。蝶番51により予め固定しておくことで、締結に要する時間を短縮することができ、よって、鋼管同士の接合に要する時間を短縮することができる。
図2等の例では、カプラ40の凹凸41の凸部/凹部のピッチ(以下、ピッチと省略)は、円形鋼管20、30の凹凸21、31のピッチと同一であった。
しかし、図9に示すように、カプラ60の凹凸61のピッチP1は、円形鋼管20、30の凹凸21、31のピッチP2より大きくしてもよい。
円形鋼管20、30の凹凸21、31の凹部のうち、カプラ60の凹凸61の凸部と係合しないものの最大数は、余長部22の長さすなわち高さ調整代やピッチP1、P2により定まる。
言い換えると、円形鋼管20、30の凹凸21、31の凹部は、高さ調整代及びピッチP1、P2に対応した数の、カプラ60の凹凸61の凸部が係合されない凹部を含む。
なお、カプラの凹凸の凹部のうち、下側円形鋼管及び上側円形鋼管の凹凸の凸部と係合しないものの最大数は、高さ調整代やカプラ側と鋼管側のピッチにより決まる。
言い換えると、カプラの凹凸のピッチが円形鋼管の凹凸のピッチより小さい場合、カプラの凹凸の凹部は、高さ調整代及びカプラ側や鋼管側のピッチに対応した数の、円形鋼管の凸部が係合されない凹部を含む。
図2等の例では、カプラは、円環部材を周方向に2つ分割したものであったが、図10のカプラ70は、円環部材を周方向に4つに分割したものである。
なお、カプラは円環部材を3つに分割したものであってもよいし、5以上に分割したものであってもよい。ただし、分割数が少ないと、カプラを固定するのに要する時間を短縮することができる。
また、分割数を多くする場合は、分割体同士を固定する部分として、蝶番などにより予め固定する部分を多くし、ボルトとナットなどにより耳部同士を締結する部分を少なくすることが好ましい。締結に要する時間を短縮するためである。
以上の例では、本実施形態に係る方法で接合する鋼製部材は、外側面に凹凸を有する円形鋼管であるものとしていた。しかし、外側面に凹凸を有しているのであれば、図8の鋼製部材80のように角形鋼管であってもよい。なお、角形鋼管とは断面が角形の鋼管である。図8では余長部が切断された後の状態の斜視図であるため該余長部は図示されていないが、いずれかの鋼製部材80に余長部が設けられている。また、この鋼製部材80に対して用いられるカプラ90は、鋼製部材80の外周形状に対応した形状を有する。さらに、カプラ90は、図2のカプラ40と同様に、鋼製部材80の凹凸21、31と係合する凹凸41を有し、カプラ90を構成する分割体が耳部42を介して連結されて成る。
本実施形態に係る鋼製部材は、外側面に凹凸を有しているのであれば、上述の鋼管に限られず、図9の鋼製部材100のようにH形鋼であってもよい。また、この鋼製部材100に対して用いられるカプラ110は、鋼製部材100の外周形状に対応した形状を有する。なお、図示は省略するが、鋼製部材100には図2の下側円形鋼管20や上側円形鋼管30と同様に凹凸を外側面に有し、カプラ110は鋼製部材100の凹凸に係合する凹凸を内側面に有する。カプラ110は、図2のカプラ40等と同様に、カプラ110を構成する分割体が耳部42を介して連結されて成る。
また、鋼製部材の余長部に補助材の凹凸に係合する凹凸を設けるようにしてもよい。
以上の例では、杭となる鋼製部材と柱となる鋼製部材とを接合する例で説明したが、本実施形態による接合方法で柱となる鋼製部材同士を接合することができる。
また、鋼製部材側の凹凸の数が補助材の凹凸の数よりも大きい場合等、鋼製部材の凹凸の凹部に補助材の凹凸の凸部と係合しないものが存在することもある。
なお、補助材の凹凸の凹部のうち鋼製部材の凹凸と係合しない凹部や、鋼製部材の凹凸の凹部のうち補助材の凹凸の凸部と係合しない凹部が存在する場合、該係合しない凹部の数は、高さ調整代及び凹凸のピッチに応じて定まる。
2…鋼管杭
3…鋼管柱
4…梁
5…ブレース
20,20´,20”…下側円形鋼管
21,31,121…凹凸
22…余長部
30,30´,30”…上側円形鋼管
40,50,60,70,90,110…カプラ
41,61…凹凸
42…耳部
51…蝶番
80,100,120,130…鋼製部材
140…補助材
141…凹凸
Claims (3)
- 第1の鋼製部材と第2の鋼製部材とを、補助材を介して接合する鋼製部材の接合方法であって、
前記第1の鋼製部材及び前記第2の鋼製部材の外側面と前記補助材の内側面とには、それぞれ互いに係合する凹凸が形成され、
前記第1の鋼製部材と前記第2の鋼製部材との少なくともいずれか一方は、前記凹凸側の端部に余長部を有し、
前記第1の鋼製部材をその長軸が鉛直方向に延在するように設置するステップと、
前記第1の鋼製部材の高さが設計値となるよう前記余長部を切断するステップと、
前記第1の鋼製部材上に前記第2の鋼製部材をその長軸が鉛直方向に延在するように設置し、前記第1の鋼製部材の前記凹凸と前記第2の鋼製部材の前記凹凸との両方を覆うように前記補助材を取り付け、前記第1の鋼製部材と前記第2の鋼製部材とを接合するステップを含むことを特徴とする、鋼製部材の接合方法。 - 前記第1の鋼製部材及び前記第2の鋼製部材は鋼管であることを特徴とする、請求項1に記載の鋼製部材の接合方法。
- 前記補助材は、前記鉛直方向の全長にわたって前記凹凸が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の鋼製部材の接合方法。
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