JP3690481B2 - 建物の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主架構が鉄骨鉄筋コンクリート造のフィーレンディール架構とされた建物の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、フィーレンディール架構はトラス架構から斜材を省略した形態の四角形を単位とした構造骨組であり、橋桁等の構造として多用されている。そのようなフィーレンディール架構は建物の主架構として採用することも可能であるが、その場合には鉄骨柱と鉄骨梁とによる鉄骨造のフィーレンディール架構とされることが通常である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鉄骨造に比較してより高剛性で耐震性にも優れる鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物に上記のようなフィーレンディール架構を採用しようとすると、そのフィーレンディール架構は当然にSRC造となる。つまり、SRC造の柱とSRC造の梁とによってフィーレンディール架構を構成することになる。
【0004】
しかし、SRC造のフィーレンディール架構は、通常の純鉄骨造のフィーレンディール架構に比較すると次のような問題を内在している。すなわち、SRC造のフィーレンディール架構を構成するSRC造の柱や梁は鉛直荷重によりそれらのコンクリートに多少なりともひび割れが生じることが不可避であるので、それによる剛性低下が生じることがあり、またコンクリートのクリープによる歪みの発生も無視し得ず、そのため、建物全体としての鉛直たわみが純鉄骨造の場合に比較して大きくなるという問題がある。そのような鉛直たわみの増大は、たとえば開口部に設けるサッシュの歪みや耐久性の低下を招来し、また建物の使用勝手や見映えの低下にもつながり、そのための対策が不可欠となる。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、建物の主架構としてSRC造のフィーレンディール架構を支障なく採用し得る合理的な施工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、主架構が鉄骨鉄筋コンクリート造のフィーレンディール架構とされた建物を施工するに際し、フィーレンディール架構を構成する柱鉄骨および梁鉄骨を施工した後、スラブコンクリートの打設を行ってその鉛直荷重を梁鉄骨および柱鉄骨により支持せしめ、その後に柱鉄骨および梁鉄骨に対してコンクリートを打設して鉄骨鉄筋コンクリート造の柱と梁を完成させることにより、先行打設されるスラブコンクリートの鉛直荷重を梁鉄骨および柱鉄骨に負担させてそれらの周囲に後打ちされるコンクリートにはスラブコンクリートの鉛直荷重を負担させないことを特徴とする。
【0007】
従来一般のSRC造の建物は、鉄骨建方後に柱と梁とスラブに対するコンクリート打設を一括して行うが、それをそのままフィーレンディール架構の施工に適用すると上述の問題が生じる。そこで本発明では、鉄骨建方後、スラブコンクリートの打設のみを先行して行うことでその鉛直荷重を柱鉄骨と梁鉄骨により処理してしまい、しかる後に柱鉄骨と梁鉄骨に対してコンクリートを打設してSRC造の柱と梁を完成させる。このようにして施工される柱と梁はSRC造とはいえ構造的には実質的に鉄骨造と同様に梁鉄骨自体および柱鉄骨自体で鉛直荷重を負担するものとなり、後施工されるコンクリートはいわば仕上材として機能してそれには鉛直荷重が殆どかかることがない。そのため、SRC造の柱および梁のコンクリートにひび割れやそれに起因する剛性低下、クリープによる歪みが生じることを十分に抑制することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の施工方法により施工される建物の一例を示す。この建物は、外周柱1に耐震要素2(たとえば鉄筋コンクリート造の耐震壁、あるいはブレース等)を設けて外周部架構3を構成するとともに、その内側にSRC造のフィーレンディール架構4を採用して1階に無柱空間を設けた形態のものである。符号5は柱鉄骨を鉄筋コンクリートにより被覆したSRC造の柱であり、符号6は同じく梁鉄骨を鉄筋コンクリートにより被覆したSRC造の梁(大梁)であり、これら柱5と梁6とによりフィーレンディール架構4が構成されている。なお、上記の耐震要素2を省略して外周柱1のみで外周部架構3を構成することでも良い。
【0009】
この建物の施工は、通常のように柱鉄骨と梁鉄骨の建方後にコンクリート打設を行うものではあるが、通常のように柱鉄骨と梁鉄骨とスラブに対するコンクリート打設を一括して行うのではなく、スラブに対するコンクリート打設のみを先行して行い、その後に柱鉄骨と梁鉄骨に対するコンクリート打設を行ってSRC造の柱5と梁6を完成させることとする。
【0010】
上記の施工手順によると、スラブコンクリートを打設した時点でその鉛直荷重は柱鉄骨と梁鉄骨のみにより支持され、その後に打設されるコンクリートはいわば仕上材として機能してそれには鉛直荷重が殆どかかることがない。したがって、このようにして施工される柱5と梁6はSRC造とはいえ構造的には実質的に鉄骨造と同様に梁鉄骨自体および柱鉄骨自体で鉛直荷重を負担するものとなり、そのためコンクリートにひび割れやそれに起因する剛性低下、クリープによる歪みが生じることを十分に抑制することができる。すなわち、上記工法によれば、従来一般のSRC造のフィーレンディール架構においては不可避である柱や梁の剛性低下とクリープに起因する大きな歪みの発生を有効に回避でき、それ故にSRC造の建物に対してフィーレンディール架構を支障なく採用することが可能となる。
【0011】
なお、上記工法に併用して、梁鉄骨に予めむくりをつけておいて鉄骨建方時にプレロードをかけることでたわみを制御したり、柱5や梁6のコンクリートにひび割れの生じにくい特殊コンクリートを採用する等の手法を併用すれば、後打ちされるコンクリートのひび割れやクリープをより確実に防止することができる。
【0012】
また、類似の工法として、柱5や梁6、スラブに対してコンクリートを現場打ちすることに代えてプレキャストコンクリート版(PC版)を用いることも考えられるが、そのようなものはSRC造の範疇を越えてしまうものであるし、PC版を取り付けるためのファスナー等の納まりが複雑になるばかりでなく、SRC造に比較して剛性や耐震性が低下し、コスト高にもなり、好ましくない。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、SRC造のフィーレンディール架構を構成する柱鉄骨および梁鉄骨の建方後、スラブコンクリートの打設を行ってその鉛直荷重を梁鉄骨および柱鉄骨により支持せしめ、その後に柱鉄骨および梁鉄骨に対してコンクリートを打設して鉄骨鉄筋コンクリート造の柱と梁を完成させるという手順を採用したので、スラブコンクリートを打設した時点でその鉛直荷重は柱鉄骨と梁鉄骨により支持され、その後に打設されるコンクリートには鉛直荷重が殆どかかることがなく、したがって柱や梁のコンクリートにひび割れやそれに起因する剛性低下、クリープによる歪みが生じることを十分に抑制することができ、その結果、SRC造の建物の主架構としてフィーレンディール架構を支障なく採用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の施工方法による施工されるSRC造のフィーレンディール架構を主架構とする建物の一例を示す立面図である。
【符号の説明】
4 フィーレンディール架構
5 柱
6 梁
Claims (1)
- 主架構が鉄骨鉄筋コンクリート造のフィーレンディール架構とされた建物を施工するに際し、前記フィーレンディール架構を構成する柱鉄骨および梁鉄骨を施工した後、スラブコンクリートの打設を行ってその鉛直荷重を梁鉄骨および柱鉄骨により支持せしめ、その後に柱鉄骨および梁鉄骨に対してコンクリートを打設して鉄骨鉄筋コンクリート造の柱と梁を完成させることにより、先行打設されるスラブコンクリートの鉛直荷重を梁鉄骨および柱鉄骨に負担させてそれらの周囲に後打ちされるコンクリートにはスラブコンクリートの鉛直荷重を負担させないことを特徴とする建物の施工方法。
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