JP2017115494A - 建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】、設備空間を確保するために第1の躯体と第2の躯体との相互間に無梁接続手段を設けた場合に、第1の躯体と第2の躯体との相互間の位置調節ができ、建築物の建方精度を向上させることが可能な建築物を提供する。【解決手段】建築物100は、第1の躯体1と、第1の躯体1に隣接する第2の躯体2と、第1の躯体1と第2の躯体2とを相互に接続する無梁接続部70であって、梁を有しない無梁接続部70と、を備え、無梁接続部70は、第1の躯体1と第2の躯体2とを相互に接続する架構部80と、架構部80の上方に打設されるスラブと、を備え、架構部80の下方に、設備を配置可能な設備空間Eを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物に関する。
従来、建築物が周囲(近隣の区域等)へ及ぼす圧迫感を和らげると共に、建築物の施工コストを抑制することを目的として、天井高を高く維持しながら階高を低くすることにより、建築物全体としての高さを低くする施工方法が提案されている。例えば特許文献1では、廊下を挟んで第1の躯体と第2の躯体とが配置される建築物の構造において、廊下の部分に梁を設けずスラブのみで接続する無梁接続手段を設け、当該無梁接続手段の下方の空間を、ダクトや配管あるいはケーブル等の主要動線の設置スペース(以下、設備空間)として使用している。このような構成によれば、梁を設けない分、設備空間を上方に移すことができるので、廊下の部分の天井高を高く維持しながら階高を低くすることができる。
特開2002−97715号公報
ここで、特許文献1の構成では、設備空間を確保するために、第1の躯体と第2の躯体との間に梁を有しない無梁接続手段を設けるので、無梁接続手段を介して相互に対向する位置にある梁である、第1躯体の梁と第2躯体の梁との位置調節(芯合わせ)が難しく、建方精度の管理が困難であった。したがって、設備空間を確保するために第1の躯体と第2の躯体との相互間に無梁接続手段を設けた場合に、第1の躯体と第2の躯体との相互間の位置調節を容易に行うことが可能な建築物が要望されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、設備空間を確保するために第1の躯体と第2の躯体との相互間に無梁接続手段を設けた場合に、第1の躯体と第2の躯体との相互間の位置調節ができ、建築物の建方精度を向上させることが可能な建築物を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の建築物は、第1の躯体と、前記第1の躯体に隣接する第2の躯体と、前記第1の躯体と前記第2の躯体とを相互に接続する無梁接続手段であって、梁を有しない無梁接続手段と、を備え、前記無梁接続手段は、前記第1の躯体と前記第2の躯体とを相互に接続する架構部と、前記架構部の上方に打設されるスラブと、を備え、前記架構部の下方に、設備を配置可能な設備空間を備える。
請求項2に記載の建築物は、請求項1に記載の建築物において、前記第1の躯体は、第1の柱と、前記第1の柱から前記第2の躯体へ向けて跳ね出された第1の片持ち梁とを備え、前記第2の躯体は、第2の柱と、前記第2の柱から前記第1の躯体へ向けて跳ね出された第2の片持ち梁とを備え、前記架構部は、前記第1の片持ち梁と前記第2の片持ち梁とにおける相互に向かい合う端部の相互間に前記設備空間を確保しつつ、これら第1の片持ち梁と第2の片持ち梁とを介して前記第1の柱と前記第2の柱とを相互に接続する。
請求項3に記載の建築物は、請求項2に記載の建築物において、前記架構部を、前記第1の片持ち梁及び前記第2の片持ち梁の上方に載置した。
請求項4に記載の建築物は、請求項3に記載の建築物において、前記スラブは、水平方向に沿って配筋された複数のスラブ筋を備え、前記スラブにおける前記架構部により支持された部分の前記スラブ筋の数が、前記スラブにおける他の部分の前記スラブ筋の数よりも少なくなるように構成した。
請求項1に記載の建築物によれば、無梁接続手段は、第1の躯体と第2の躯体とを相互に接続する架構部を備えるので、架構部により第1の躯体と第2の躯体との相互間の位置調節ができ、建築物の建方精度を向上させることが可能となる。
請求項2に記載の建築物によれば、架構部により一対の片持ち梁を接続するので、架構部により一対の片持ち梁の相互間の位置調節ができ、建築物の建方精度を向上させることが可能となる。
請求項3に記載の建築物によれば、架構部を一対の片持ち梁の上方に載置するので、設備空間を一層広く確保することが可能となると共に、片持ち梁の上方から容易に架構部を取り付けることが可能となる。
請求項4に記載の建築物によれば、スラブにおける架構部により支持された部分のスラブ筋の数を削減するので、スラブ筋のコストを削減することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る建築物を示す平面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 図2のA部拡大図である。 図3のB−B矢視断面図である。 架構部の周辺を示す斜視図である。 変形例に係る建築物の図3に対応する図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る建築物の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態は、建築物に関する。ここで、この建築物の利用の用途は任意であり、例えば生産施設、商業施設、飲食施設、又は娯楽施設等として利用することができる。また、建築物の総階数、大きさ、形状等については任意であるものとする。また、本実施の形態においては、建築物の構成として公知の点については適宜説明を省略する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
図1は、本実施の形態に係る建築物100を示す平面図、図2は、図1のA−A矢視断面図である。これらの図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る建築物100は、概略的に、第1の躯体1と、当該第1の躯体1に隣接する第2の躯体2とを備えている。そして、これらの第1の躯体1及び第2の躯体2は、それぞれ概略的に、柱10、大梁20、小梁30、片持ち大梁40、片持ち小梁50、端部小梁60を備えて構成されており、これらの第1の躯体1と第2の躯体2は、無梁接続部70を介して相互に接続されている。なお、これらの大梁20、小梁30、片持ち大梁40、及び片持ち小梁50を特に区別する必要の無い時には、単に「梁」と称して以下では説明する。
ここで、以下では、必要に応じて、これら図1や図2におけるX−X’方向を「幅方向」と称し、特にX方向を「右方向」、X’方向を「左方向」と称する。また、Y−Y’方向を「奥行き方向」と称し、特にY方向を「前方向」、Y’方向を「後方向」と称する。また、Z−Z’方向を「高さ方向」と称し、特にZ方向を「上方向」、Z’方向を「下方向」と称する。なお、図1や図2においては、建築物100の一部分のみを図示しており、他の部分については図示した部分と略同様に構成できるものとして説明を省略する。また、図1においては、後述するスラブ90の図示を省略している。
(構成−柱)
柱10は、建築物100を構成する部材であり、幅方向及び奥行き方向に沿って所定の間隔で複数配置されている。ここで、本実施の形態においては、第1の躯体1を構成する柱11a、11b、11c、11dと、第2の躯体2を構成する柱12a、12b、12c、12dに着目して以下では説明する。なお、柱11a、11b、12a、12bは幅方向に沿って所定の間隔で配置されており、これらの各柱10の後方向に所定距離離して柱11c、11d、12c、12dが配置されている。
ここで、各柱10の具体的な構造は任意で、本実施の形態ではプレキャストコンクリートの柱(PCa柱)であるものとするが、これに限らず、現場打ちコンクリートや、木造や、鉄骨造等の柱であっても構わない。また、各柱10の具体的な形状は任意で、本実施の形態では四角柱形状であるものとするが、これに限らず、円柱形状、又はその他の多角柱形状等であっても構わない。
(構成−大梁)
大梁20は、柱10を相互に接続する梁であり、各柱10の相互間において、幅方向又は奥行き方向に沿って複数配置されている。なお、本実施の形態においては、第1の躯体1を構成する大梁21a、21b、21c、21d及び第2の躯体2を構成する大梁22a、22b、22c、22dに着目して以下では説明する。
ここで、各大梁20の具体的な構造は任意で、本実施の形態では鉄骨造の梁であるものとするが、これに限らず、木造や鉄筋コンクリート造等の梁であっても構わない。また、各大梁20の具体的な形状は任意で、本実施の形態では公知のH型鋼であるものとして説明する。なお、後述する小梁30、片持ち大梁40、及び片持ち小梁50についても同様に、具体的な構造や形状については任意である。
(構成−小梁)
小梁30は、大梁20を相互に接続する梁であり、各大梁20の相互間において、幅方向に沿って複数配置されている。ここで、本実施の形態においては、上記の大梁21bと大梁21cとの間に架け渡された小梁31a、31b、31c、大梁22bと大梁22cとの間に架け渡された小梁32a、32b、32cに着目して以下では説明する。なお、各小梁30の構造や形状は任意で、本実施の形態において、各小梁30は、上述した大梁20と略同様の構造及び形状に形成されている。なお、小梁30のサイズは、本実施の形態においては大梁20よりも小さくしているが、構造上許容される限りにおいて任意に変更可能であり、大梁20と同サイズとしたり、大梁20よりも大きなサイズとしたりしてもよい。
(構成−片持ち大梁)
片持ち大梁40は、柱10に対して支持されている片持ち梁であって、無梁部に向けて跳ね出されて配置された片持ち梁である。ここで、本実施の形態においては、第1の躯体1に設けられた片持ち大梁41a、41bと、第2の躯体2に設けられた片持ち大梁42a、42bに着目して以下では説明する。なお、各片持ち大梁40の構造や形状は任意で、本実施の形態において、片持ち大梁40は、上述した大梁20と同様の構造及び形状に形成されている。
ここで、片持ち大梁41a、41bの自由端部(右端部)と、片持ち大梁42a、42bの自由端部(左端部)の相互間には、奥行き方向に沿って梁の無い空間(以降、「無梁部」)が形成されており、この無梁部が設備空間Eとして利用される。ここで、図3は、図2のA部拡大図である。この図3に示すように、「設備空間」Eとは、設備3を配置するための空間であって、本実施の形態においては、当該設備空間Eに、空調機用のダクトや、配管や、配電ケーブル等の設備3が配置されている。
(構成−片持ち小梁)
図1及び図2に戻り、片持ち小梁50は、大梁20によって支持されている片持ち梁であり、小梁30に対して大梁20を挟んで対向する位置に配置された片持ち梁である。ここで、本実施の形態においては、第1の躯体1に設けられた片持ち小梁50であって、上記の大梁21cから右方向に突出する片持ち小梁51a、51b、51cと、第2の躯体2に設けられた片持ち小梁50であって、上記の大梁22bから左方向に突出する片持ち小梁52a、52b、52cに着目して以下では説明する。なお、各片持ち小梁50の構造や形状は任意で、本実施の形態において、片持ち小梁50は、上述した小梁30と同様の構造及び形状に形成されている。
(構成−端部小梁)
端部小梁60は、片持ち大梁40や片持ち小梁50の自由端部側に設けられる梁であり、奥行き方向に沿って配置されている。なお、本実施の形態においては、第1の躯体1に設けられた端部小梁61と、第2の躯体2に設けられた端部小梁62に着目して以下では説明する。なお、各端部小梁60の構造や形状は任意で、本実施の形態において、端部小梁60は、上述した小梁30と同様の構造及び形状に形成されている。
(構成−無梁接続部)
無梁接続部70は、第1の躯体1と第2の躯体2とを相互に接続する無梁接続手段であって、梁を有しない無梁接続手段である。この無梁接続部70は、概略的に、架構部80と、スラブ90とを備えて構成される。
(構成−無梁接続部−架構部)
架構部80は、第1の躯体1と第2の躯体2とを相互に接続する架構手段である。具体的には、この架構部80は、第1の片持ち梁と第2の片持ち梁とにおける相互に向かい合う端部の相互間に設備空間Eを確保しつつ、これら第1の片持ち梁と第2の片持ち梁とを介して第1の柱10と第2の柱10とを相互に接続する架構手段である。ここで、「第1の柱」とは第1の躯体1を構成する柱10(例えば、柱11b、11d)であり、「第2の柱」とは第2の躯体2を構成する柱10(例えば、柱12a、12c)である。また、「第1の片持ち梁」とは第1の柱10から第2の躯体2へ向けて跳ね出された片持ち梁(例えば、片持ち大梁41a、41b)であり、「第2の片持ち梁」とは第2の柱10から第1の躯体1へ向けて跳ね出された片持ち梁(例えば、片持ち大梁42a、42b)である。
ここで、架構部80は、柱10の相互間において設備空間Eを横断するように複数箇所に配置されているが、本実施の形態においては、柱11bと柱12aとを相互に接続する架構部80、及び柱11dと柱12cとを相互に接続する架構部80について着目して説明する。
ここで、架構部80は、第1の柱10と第2の柱10とを相互に接続可能な限り任意に配置することができる。例えば、本実施の形態においては、架構部80は一対の片持ち大梁40の上方に載置されることにより、第1の柱10と第2の柱10とを間接的に(片持ち大梁40を介して)接続している。ここで、この架構部80の具体的な形状は任意で、本実施の形態においては、公知の溝形鋼であるものとして説明するが、これに限らず、例えば単なる長板形状体や山形鋼等といった様々な形状を適用することが可能である。また、架構部80の長手方向の長さは、設備空間Eの幅よりも大きく、架構部80の両端部は片持ち大梁40の上に載置された状態で、各片持ち大梁40に対して固定されている。この固定の具体的な方法は任意で、本実施の形態ではボルト締結であるものとするが、例えば溶接や接着剤による固定であっても構わない。
このように架構部80を設置することにより、架構部80により一対の片持ち大梁40を相互に接続することができるので、当該架構部80の両端部のボルト81を仮止めした状態で一対の片持ち梁の位置や傾きを調整することにより、一対の片持ち大梁40を同軸上に配置できる。このように、架構部80により第1の躯体1と第2の躯体2との相互間の位置調節ができ、建築物100の建方精度を向上させることが可能となる。また、無梁部である設備空間Eの上方に打設されるスラブ90を架構部80によって支持できるので、スラブ90の強度を向上させることが可能となる。
(構成−無梁接続部−スラブ)
スラブ90は、架構部80の上方に打設される床スラブである。このスラブ90は、具体的には、各梁、及び架構部80の上方に形成されており、スラブ筋91、デッキプレート92(後述する図5参照)、及びスラブコンクリート93を備えて構成されている。
スラブ筋91は、スラブ90の強度を向上させるための鉄筋であって、水平方向に沿って配筋された複数の鉄筋である。このスラブ筋91は、概略的に、上端筋91a及び下端筋91bを備えて構成されている。上端筋91aは、スラブ90における上方に配筋された格子状の鉄筋であって、下端筋91bは、スラブ90における下方に配筋された格子状の鉄筋である。図4は、図3のB−B矢視断面図である。この図4においては、スラブ筋91のうち下端筋91bのみを図示している。
ここで、当該スラブ90は、スラブ90における架構部80により支持された部分のスラブ筋91の数が、スラブ90における他の部分のスラブ筋91の数よりも少なくなるように構成されている。具体的には、スラブ90における架構部80により支持された部分の下端筋91bは省略されており、一方、当該部分の上端筋91aは配筋されている。より具体的には、格子状に配筋された下端筋91bの端部は、架構部80の位置で切断されており、下端筋91bの切断面が架構部80に当接するように配置されている。すなわち、架構部80はスラブ90を支持できるため、この架構部80を配置した分、架構部80により支持された部分のスラブ筋91を省略することができる。なお、スラブ筋91を省略せずに、例えば架構部80の上方に下端筋91bを迂回させて配筋しても構わず、この場合にはスラブ90の強度を一層向上させることが可能となる。
デッキプレート92は、スラブ90の下端部に位置するプレートである。図5は、架構部80の周辺を示す斜視図である。なお、図5においては、図示の便宜上、スラブ筋91及びスラブコンクリート93の図示を省略している。この図5に示すように、デッキプレート92は梁(例えば片持ち大梁41a、42a)の上面に架け渡されて敷設されたプレートであって、溶接等の公知の方法でこれらの梁の上面に固定されている。ここで、このデッキプレート92の具体的な形状は任意で、本実施の形態においては単に平板であるものとして説明するが、例えば公知の波型鋼板等を用いても構わない。なお、架構部80が配置された部分には当該デッキプレート92は配置できないので、当該デッキプレート92は架構部80の周囲に沿って切り欠かれた形状となっている。ここで、このデッキプレート92の上方にはスラブ筋91が配筋され、さらに、このデッキプレート92の上面に当接するようにスラブコンクリート93が打設されている。
図3に戻り、スラブコンクリート93は、スラブ筋91の周囲を覆うように打設されたコンクリートである。このスラブコンクリート93は、デッキプレート92の上に打設されて固化することにより所定の強度を実現する公知のコンクリートである。
(施工方法)
続いて、本実施の形態に係る建築物100の施工方法について説明する。なお、施工方法としては、1フロアずつ躯体を積み上げて施工する積層構法を採用するものとする。なお、各フロアの躯体の施工方法は相互に同様に実施できるため、以下では1フロア分の躯体を施工する方法のみを説明し、他のフロアについては説明を省略する。
まず、柱施工工程を行う。この柱施工工程は、建築物100を構成する柱10を構築する工程である。このように柱10を施工する方法は任意で、例えばPCa柱を高さ方向に沿って複数積み上げていく公知の方法を採用することができる。次に、大梁施工工程を行う。この大梁施工工程は、柱10に大梁20を接続する工程である。このように大梁20を接続する方法は任意で、例えば柱10の上端部から四方に突出するように形成されたH型鋼の仕口に対して大梁20をボルト留め及び溶接する公知の方法を採用することができる。次に、小梁施工工程を行う。この小梁施工工程は、大梁20に対して小梁30を接続する工程である。このように小梁30を接続する方法は任意で、例えば大梁20の側面に対して、公知のガセットプレート(図示省略)を介して小梁30をボルト留め及び溶接する公知の方法を採用することができる。
次に、片持ち大梁施工工程、及び片持ち小梁施工工程を行う。この片持ち大梁施工工程は、柱10に片持ち大梁40を接続する工程で、片持ち小梁施工工程は、大梁20に片持ち小梁50を接続する工程であり、いずれも上記の大梁施工工程や小梁施工工程と同様の方法を採用することができる。ここで、向かい合う一対の片持ち大梁40及び片持ち小梁50の相互間は無梁部となり、この無梁部が設備空間Eとして利用されるので、必要な設備空間Eの幅や、無梁部のスラブ90が許容できる距離に基づいて、片持ち大梁40や片持ち小梁50の突出長さを設定する。なお、本実施の形態においては、向かい合う一対の片持ち大梁40や、向かい合う一対の片持ち小梁50はいずれも相互に同一の長さとするが、これに限らず、相互に異なる長さとしても構わない。また、本実施の形態においては、各片持ち大梁40と各片持ち小梁50とは相互に同一の長さとするが、これに限らず、相互に異なる長さとしても構わない。
次に、端部小梁施工工程を行う。この端部小梁施工工程は、片持ち大梁40の自由端部及び片持ち小梁50の自由端部に奥行き方向に沿って端部小梁61、62を架設する工程である。この端部小梁61、62を施工する方法は任意で、片持ち大梁40と片持ち小梁50、又は片持ち小梁50同士を接続するように端部小梁61、62をボルト留め及び溶接する公知の方法を採用することができる。なお、このように端部小梁61、62を設けることにより、設備空間E付近のスラブ90を当該端部小梁61、62により支持することができ、スラブ90の強度を向上させることができる。
次に、架構部仮固定工程を行う。この架構部仮固定工程は、一対の対向する片持ち大梁40の自由端部に架構部80を仮固定する工程である。例えば、図5に示すように、片持ち大梁41bから片持ち大梁42bに至るように片持ち大梁40を載置し、架構部80の端部と、これらの片持ち大梁41b、42bとを相互にボルト81で緩く締結する。このように、架設部を仮固定することにより、建築物100の建方精度を向上させることが可能となる。すなわち、架構部80を仮固定しない場合には、片持ち大梁41bより左方の躯体と、片持ち大梁42bよりも右方の躯体とは完全に分離されており、これらの各躯体の傾きや位置を合わせることに多くの手間を要していた。特に、片持ち大梁41bと片持ち大梁42bとを同軸上に配置することは困難であった。そこで、本実施の形態のように架構部80を仮固定することにより、これらの各躯体同士を連結することができ、建築物100の建方精度を向上させることが可能となる。
次に、建築物100の建方精度調整を行った後、架構部本固定工程を行う。この架構部本固定工程は、一対の対向する片持ち大梁40の自由端部に架構部80を本固定する工程である。具体的には、上述した架構部仮固定工程にて仮固定したボルト81を固く締結する。
次に、スラブ施工工程を行う。このスラブ筋施工工程は、梁の上方にスラブ90を施工する工程である。具体的には、まず、梁の上フランジの上縁にデッキプレート92を架け渡し、次に、当該デッキプレート92の上方や梁の上方にスラブ筋91を配筋する。この際に、架構部80が形成されている部分にはスラブ筋91の上端筋91aのみを配筋し、その他の部分には上端筋91a及び下端筋91bの両方を配筋する。最後に、配筋したスラブ筋91や架構部80を覆うように、スラブコンクリート93を打設して固化させる。なお、スラブコンクリート93を打設する方法は公知であるため、詳細な説明を省略する。以上にて、建築物100の施工方法の説明を完了する。
(実施の形態の効果)
このように、本実施の形態に係る建築物100によれば、第1の躯体1と第2の躯体2とを相互に接続する架構部80を備えるので、架構部80により第1の躯体1と第2の躯体2との相互間の位置調節ができ、建築物100の建方精度を向上させることが可能となる。
また、架構部80により一対の片持ち梁を接続するので、架構部80により一対の片持ち梁の相互間の位置調節ができ、建築物100の建方精度を向上させることが可能となる。
また、架構部80を一対の片持ち梁の上方に載置するので、設備空間Eを一層広く確保することが可能となると共に、片持ち梁の上方から容易に架構部80を取り付けることが可能となる。
また、スラブ90における架構部80により支持された部分のスラブ筋91の数を削減するので、スラブ筋91のコストを削減することが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、実施の形態に係る建築物100によって、建築物100の建方精度を向上させることが出来ない場合であっても、従来と異なる技術により建築物100を構成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
(寸法や材料について)
発明の詳細な説明や図面で説明した建築物100の各部の寸法、形状、材料、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、材料、比率等とすることができる。
(片持ち大梁について)
本実施の形態においては、片持ち大梁40を設けるものとして説明したが、これに限らず、片持ち大梁40を省略しても良い。
(架構部について)
本実施の形態においては、架構部80を向かい合う一対の片持ち大梁40の上方に載置したが、これに限らず、例えば向かい合う一対の片持ち小梁50に載置したり、端部小梁61から端部小梁62に架けて載置したり、あるいはこれらを組み合わせて載置しても構わない。
また、本実施の形態においては、架構部80を片持ち大梁40の上方に載置したが、これに限らず、一対の柱10を接続可能な限りにおいて任意に配置して構わない。図6は、変形例に係る建築物200の図3に対応する図である。この図6に示すように、架構部210を、向かい合う一対の片持ち大梁40の自由端部の設備空間E側の面に取り付けても良い。この場合には、架構部210の上方にスラブ筋91の下端筋91bを配筋することが好ましい。また、図示は省略するが、一対の片持ち大梁41b、42bを形成せずに、柱11dと柱12cとを架構部210により直接接続しても構わない。
(付記)
付記1の建築物は、第1の躯体と、前記第1の躯体に隣接する第2の躯体と、前記第1の躯体と前記第2の躯体とを相互に接続する無梁接続手段であって、梁を有しない無梁接続手段と、を備え、前記無梁接続手段は、前記第1の躯体と前記第2の躯体とを相互に接続する架構部と、前記架構部の上方に打設されるスラブと、を備え、前記架構部の下方に、設備を配置可能な設備空間を備える。
付記2の建築物は、付記1に記載の建築物において、前記第1の躯体は、第1の柱と、前記第1の柱から前記第2の躯体へ向けて跳ね出された第1の片持ち梁とを備え、
前記第2の躯体は、第2の柱と、前記第2の柱から前記第1の躯体へ向けて跳ね出された第2の片持ち梁とを備え、前記架構部は、前記第1の片持ち梁と前記第2の片持ち梁とにおける相互に向かい合う端部の相互間に前記設備空間を確保しつつ、これら第1の片持ち梁と第2の片持ち梁とを介して前記第1の柱と前記第2の柱とを相互に接続する。
付記3の建築物は、付記2に記載の建築物において、前記架構部を、前記第1の片持ち梁及び前記第2の片持ち梁の上方に載置した。
付記4の建築物は、付記3に記載の建築物において、前記スラブは、水平方向に沿って配筋された複数のスラブ筋を備え、前記スラブにおける前記架構部により支持された部分の前記スラブ筋の数が、前記スラブにおける他の部分の前記スラブ筋の数よりも少なくなるように構成した。
(付記の効果)
付記1に記載の建築物によれば、第1の躯体と第2の躯体とを相互に接続する架構部を備えるので、架構部により第1の躯体と第2の躯体との相互間の位置調節ができ、建築物の建方精度を向上させることが可能となる。
付記2に記載の建築物によれば、架構部により一対の片持ち梁を接続するので、架構部により一対の片持ち梁の相互間の位置調節ができ、建築物の建方精度を向上させることが可能となる。
付記3に記載の建築物によれば、架構部を一対の片持ち梁の上方に載置するので、設備空間を一層広く確保することが可能となると共に、片持ち梁の上方から容易に架構部を取り付けることが可能となる。
付記4に記載の建築物によれば、スラブにおける架構部により支持された部分のスラブ筋の数を削減するので、スラブ筋のコストを削減することが可能となる。
1 第1の躯体
2 第2の躯体
3 設備
10、11a、11b、11c、11d、12a、12b、12c、12d 柱
20、21a、21b、21c、21d、22a、22b、22c、22d 大梁
30、31a、31b、31c、32a、32b、32c 小梁
40、41a、41b、42a、42b 片持ち大梁
50、51a、51b、51c、52a、52b、52c 片持ち小梁
60、61、62 端部小梁
70 無梁接続部
80 架構部
81 ボルト
90 スラブ
91 スラブ筋
91a 上端筋
91b 下端筋
92 デッキプレート
93 スラブコンクリート
100 建築物
200 建築物
210 架構部
E 設備空間

Claims (4)

  1. 第1の躯体と、
    前記第1の躯体に隣接する第2の躯体と、
    前記第1の躯体と前記第2の躯体とを相互に接続する無梁接続手段であって、梁を有しない無梁接続手段と、を備え、
    前記無梁接続手段は、
    前記第1の躯体と前記第2の躯体とを相互に接続する架構部と、
    前記架構部の上方に打設されるスラブと、を備え、
    前記架構部の下方に、設備を配置可能な設備空間を備える、
    建築物。
  2. 前記第1の躯体は、第1の柱と、前記第1の柱から前記第2の躯体へ向けて跳ね出された第1の片持ち梁とを備え、
    前記第2の躯体は、第2の柱と、前記第2の柱から前記第1の躯体へ向けて跳ね出された第2の片持ち梁とを備え、
    前記架構部は、前記第1の片持ち梁と前記第2の片持ち梁とにおける相互に向かい合う端部の相互間に前記設備空間を確保しつつ、これら第1の片持ち梁と第2の片持ち梁とを介して前記第1の柱と前記第2の柱とを相互に接続する、
    請求項1に記載の建築物。
  3. 前記架構部を、前記第1の片持ち梁及び前記第2の片持ち梁の上方に載置した、
    請求項2に記載の建築物。
  4. 前記スラブは、水平方向に沿って配筋された複数のスラブ筋を備え、
    前記スラブにおける前記架構部により支持された部分の前記スラブ筋の数が、前記スラブにおける他の部分の前記スラブ筋の数よりも少なくなるように構成した、
    請求項3に記載の建築物。
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