JP6383533B2 - 既存建物の耐震改修方法 - Google Patents

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本発明は、既存建物の耐震改修方法に関する。
既存建物の耐震性能を向上させる改修工事では、居ながらにして改修を行う方法が望まれている。このような方法の一例として、既存建物の最上階部分(上部構造体)と下層階部分(下部構造帯)とを切り離し、この最上階部分と下層階部分との間に免震装置を設置することによって下層階部分を制振する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開昭62−273374号公報
しかしながら、上記特許文献1では、上部構造体の質量だけで制振させるため、制振効果を十分に得ることができない。一方、上部構造体に質量体を設置すれば、特定の柱に作用する荷重が大きくなり、下部構造体での補強作業が必要となる。このため、居ながらの耐震改修が困難となる。
本発明は、上記の事実を考慮し、居ながらにして制振効果を高めることができる既存建物の耐震改修方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る既存建物の耐震改修方法は、下部構造体の上に上部構造体が設けられた既存建物の前記上部構造体を構成する柱に鉄骨梁を架設して格子状の架台を形成する架台形成工程と、前記架台上に質量体を前記架台に対して相対移動可能に置する、又は前記架台上に質量体を設置すると共に前記上部構造体を免震装置を介して前記下部構造体で支持する、質量体設置工程と、を有し、前記鉄骨梁は、前記柱間に架設される鉄骨大梁と、前記鉄骨大梁間に架設される鉄骨小梁とを備え、前記質量体の下方に位置する前記鉄骨大梁と前記柱とをピン接合で接合し、前記質量体の外側に位置する前記鉄骨大梁と前記柱とを剛接合で接合し、前記質量体の下方に位置する前記鉄骨大梁及び前記質量体の外側に位置する前記鉄骨大梁と前記鉄骨小梁との接合を剛接合としている。
請求項1に記載の本発明に係る既存建物の耐震改修方法によれば、架台形成工程で既存建物の上部構造体を構成する柱に鉄骨梁を格子状に架設して架台を形成する。そして、質量体設置工程では、この架台上に質量体を相対移動可能に設置して建物を制振する。あるいは、架台上に質量体を相対移動不能に設置すると共に免震装置を介して上部構造体を下部構造体で支持することで、上部構造体を制振装置として機能させる。このように、質量体設置工程で架台上に質量体を設置することにより、鉄骨梁を伝って複数の柱に質量体の荷重を分散させることができ、下部構造体の補強作業を行うことなく制振効果を高めることができる。もしくは、下部構造体の補強作業を最小限にとどめることができる。
また、特定の柱だけに荷重が伝達されるのを抑制し、鉄骨梁を伝って他の柱へ効率よく荷重を分散させることができる。例えば、質量体の下方で質量体を支持する鉄骨大梁と柱とをピン接合とし、この鉄骨大梁と鉄骨小梁との接合を剛接合とすることにより、鉄骨小梁へ質量体の荷重をより多く伝達することができる。
請求項2に記載の本発明に係る既存建物の耐震改修方法は、請求項1に記載の既存建物の耐震改修方法であって、前記質量体設置工程は、前記柱を切断して前記上部構造体と前記下部構造体とに分断する柱切断工程と、前記柱の切断箇所に免震装置を設置する免震装置設置工程と、を有し、前記免震装置上の前記柱に鉄骨梁を架設して格子状の前記架台を形成して前記質量体を設置することを特徴とする。
請求項に記載の本発明に係る既存建物の耐震改修方法によれば、上部構造体を制振装置として機能させることができる。これにより、上部構造体に制振装置を設置する場合と比較して、質量体の質量を小さくすることができる。
以上説明したように、本発明に係る既存建物の耐震改修方法によれば、居ながらにして制振効果を高めることができる。
本発明の第一実施形態に係る耐震改修後の建物を示す断面図である。 図1の2−2線で切断した平断面図である。 図2の状態から制振装置を取り除いた架台を示す平断面図である。 ピン接合の一例を示した模式図である。 剛接合の一例を示した模式図である。 質量体の荷重が分散されている状態を示す平断面図である。 本発明の第二実施形態に係る耐震改修後の建物を示す断面図である。 建物の耐震改修前の状態を示す断面図である。
<第一実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る耐震改修後の建物10について説明する。なお、ここでいう「耐震改修」とは、建築構造物や土木構造物が地震に対して破壊や損傷しないようにする改修のことであり、建物に入力される地震力を減衰させる制振改修の概念を含む。また、本実施形態では、50階以上の高層のテナントビルを耐震改修した実施形態について説明するが、これに限らず、高層マンションや他の建物に適用してもよく、中層以下のビルに適用してもよい。第二実施形態についても同様である。さらに、各図において適宜示される矢印Zは、建物10の高さ方向(上下方向)を示しており、各図において適宜示される矢印X、Yは、互いに直交する水平二方向を示している。
(耐震改修後の建物10の構成)
図1に示されるように、本実施形態の建物10は、下部構造体としての建物本体12と、上部構造体としての塔屋14とを備えている。建物本体12は、既存の柱16と既存の梁18とを含むラーメン構造で構成されており、本実施形態では、一例として、鉄筋コンクリート造(RC造)とされている。なお、これに限らず、例えば、鉄骨造(S造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、又はコンクリート充填鋼管構造(CFT造)でもよく、これらを組み合わせてもよい。
建物本体12の最上部(屋上)には、上部構造体としての塔屋14が設けられている。塔屋14は、建物本体12を構成している柱16と、柱16間に架設された既存の梁20とを備えており、本実施形態では、一例として、二階建ての塔屋14とされている。なお、これに限らず、一階建ての塔屋でもよく、三階建て以上としてもよい。また、塔屋14以外の構造物を上部構造物としてもよい。さらに、塔屋14が設けられていない建物の場合等では、建物の最上階部分を上部構造物としてもよい。
塔屋14の中央部分には、一般的なビルと同様の機械室22が設けられている。機械室22は、塔屋14の一階から二階に跨って設けられており、機械室22には図示しない電気設備や空調設備が収容されている。
ここで、塔屋14の二階部分には、架台24が形成されている。架台24は、塔屋14の一階部分と二階部分とを隔てる梁20より上方に形成されており、図2に示されるように、鉄骨大梁26、28、30及び鉄骨小梁32によって格子状に形成されている。鉄骨大梁26は、柱16間に架設された梁部材であり、本実施形態では、一例として、H形鋼を用いているが、これに限らず、T形鋼やI形鋼などの他の形鋼を用いてもよい。以下で説明する鉄骨大梁28、30及び鉄骨小梁32についても同様である。
鉄骨大梁26は、機械室22の両側にそれぞれ二本ずつ設けられており、柱16間にY方向に架設されている。また、鉄骨大梁26の間には、鉄骨大梁26と平行に鉄骨大梁28が架設されている。鉄骨大梁28は、柱16間にY方向に架設されており、質量体38の下方で質量体38を支持している。ここで、鉄骨大梁28は、鉄骨大梁26より剛性が低い鉄骨梁を用いている。
鉄骨大梁26が架設された柱16と鉄骨大梁28が架設された柱16との間には、鉄骨大梁30が設けられている。鉄骨大梁30は、柱16間にX方向に架設されており、本実施形態では、一例として、塔屋14の一側面及び反対の側面に沿って八本ずつ設けられている。
一方、鉄骨大梁26と鉄骨大梁28との間には、鉄骨小梁32が架設されている。鉄骨小梁32は、図3に示されるように、鉄骨大梁26を等分する位置にX方向に架設されており、鉄骨大梁26及び鉄骨大梁28に接合されている。このように鉄骨大梁26、28、30及び鉄骨小梁32によって形成された格子状の架台24は、機械室22の両側に二箇所設けられている。なお、本実施形態では、二箇所の架台24の間の柱にも鉄骨大梁30が架設されており、それぞれの架台24に作用する荷重を伝達できるようになっているが、これに限らず、架台24の間の柱16には鉄骨大梁30を架設しなくてもよい。
鉄骨大梁26、28、30、鉄骨小梁32、及び柱16の間には、斜め方向に水平ブレース34が架設されて塔屋14を耐震補強している。また、図1に示されるように、塔屋14の一階部分及び二階部分にはそれぞれ、十字形状の垂直ブレース35が架設されている。なお、水平ブレース34及び垂直ブレース35の形状は特に制限されず、例えば、水平ブレース34を垂直ブレース35と同様に十字形状としてもよい。また、塔屋14の水平力及び鉛直力に対する強度が十分に確保されている場合は、水平ブレース34及び垂直ブレース35を架設しなくてもよい。
ここで、鉄骨大梁28と柱16との接合は、ピン接合とされている。詳細には、図4に示されるように、鉄骨大梁28と柱16とを、ガセットプレート42を介してピン接合している。ガセットプレート42は、柱の表面に溶接された剛板であり、このガセットプレート42には、複数のボルト孔が形成されており、ガセットプレート42に鉄骨大梁26のウェブ部28Bを重ねた状態で複数のボルト44及び図示しないナットによって接合されている。このようにピン接合としているため、鉄骨大梁26のフランジ部28Aと柱16とは接合されていない。
一方、鉄骨大梁28と鉄骨小梁32との接合は、剛接合とされている。詳細には、図5に示されるように、鉄骨小梁32は、その上下一対のフランジ部32Aが、鉄骨大梁28の上下一対のフランジ部28Aとそれぞれ連続するように配置されている。そして、鉄骨小梁32のフランジ部32Aの端部と鉄骨大梁28のフランジ部28Aの端部とが溶接により結合されている。これにより、鉄骨大梁28と鉄骨小梁32とが曲げモーメントを伝達可能に剛接合されている。
また、鉄骨大梁28には、ウェブ部28Bの両側にガセットプレート46が設けられており、このガセットプレート46に鉄骨小梁32のウェブ部32Bが重ねられた状態で複数のボルト48及び図示しないナットによって接合されている。なお、これに限らず、他の方法で鉄骨大梁28と鉄骨小梁32とを剛接合してもよく、例えば、鉄骨小梁32のウェブ部32Bをフランジ部32Aより突出させて、鉄骨大梁28のフランジ部28A及びウェブ部28Bに溶接してもよい。
図2に示されるように、鉄骨大梁28を除く残りの鉄骨大梁26、30と柱16との接合は、剛接合とされている。また、架台24の上には制振装置36が設置されている。制振装置36は、主として、質量体38と、質量体38を架台24に対して相対移動可能に支持する支持台40とを備えており、本実施形態では、一例として、二箇所の架台24にそれぞれ同じ制振装置36が設置されている。
質量体38は、略直方体形状に形成されており、質量体38の質量は、建物10の重量や要求される制振性能に応じて適宜設定される。本実施形態では、一例として、700tの質量体38を用いている。
支持台40は、図示しないリニアスライダーを備えており、質量体38を架台24に対してX方向及びY方向に相対移動可能に支持している。なお、これに限らず、積層ゴム等の弾性体を用いて質量体38を相対移動可能に支持してもよく、滑り支承を用いてもよい。また、質量体38を吊り下げて振り子式にしてもよい。ここで、建物10にはオイルダンパー等の図示しない減衰手段が設けられており、TMD(Tuned Mass Damper)を構成している。
このため、風揺れや地震によって建物10へ振動エネルギーが入力されると、質量体38が架台24に対して相対移動し、建物10の振動エネルギーを質量体38の運動エネルギーに変換して吸収する。これにより、建物10の振動を低減することができる。
なお、本実施形態では、TMDによって制振させる構成としてが、これに限らず、質量体を能動的に動かして制振させるAMD(Active Mass Damper)としてもよい。このAMDの一例として、質量体38にアクチュエータ及びセンサを取り付け、建物10へ入力された振動エネルギーの大きさに応じてアクチュエータを作動させることで、質量体38を架台24に対して相対移動させて制振する方法がある。
(建物10の耐震改修方法)
次に、本実施形態の建物10の耐震改修方法について説明する。図8に示されるように、耐震改修前の建物10は、柱16と梁18とで構成された建物本体12と、建物本体12の屋上に設けられた塔屋14とを備えている。また、塔屋14は、建物本体12と同様の柱16を用いており、柱16には梁18が架設されている。さらに、塔屋14の中央部分には、機械室22が設けられている。
この図8の状態で、図3に示されるように、塔屋14の柱16に鉄骨大梁26、28、30、及び鉄骨小梁32を架設して格子状の架台24を形成する(架台形成工程)。このとき、上述したように、鉄骨大梁28と柱16との接合をピン接合とする(図4参照)。また、鉄骨大梁28と鉄骨小梁32との接合を剛接合とする(図5参照)。さらに、鉄骨大梁26と柱16とを剛接合で接合し、鉄骨大梁30と柱16とを剛接合で接合する。
次に、必要に応じて、塔屋14に水平ブレース34及び垂直ブレース35を架設する。そして、図2に示されるように、二箇所に形成した架台24の中央部分に支持台40を設置し、この支持台40上に、質量体38を設置する。すなわち、架台24上に質量体38を架台24に対して相対移動可能に設置する(質量体設置工程)。
以上のようにして、建物10の耐震改修を行うことができる。ここで、必要に応じて、柱16の補強作業を行ってもよい。なお、本実施形態では、塔屋14の内部に架台24を形成したが、これに限らず、他の場所に架台24を形成してもよい。例えば、屋上に架台を形成し、この架台の上に質量体38を相対移動可能に設置してもよい。また、塔屋14が設けられていない建物の場合等では、建物の最上階部分より上方を上部構造体として、この最上階部分に架台24を形成してもよい。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の建物10の耐震改修方法の作用及び効果について説明する。本実施形態の耐震改修方法では、架台形成工程で格子状の架台24を形成しており、この架台24上に質量体38を設置している。このため、図6に示されるように、質量体38の荷重が鉄骨小梁32及び鉄骨大梁26を伝って複数の柱16へ分散される。これにより、格子状の架台24を形成せずに質量体38を設置する場合と比較して、質量体38の荷重が特定の柱16に作用するのを抑制することができる。
特に、本実施形態のように、耐震改修の前後で建物10の外観が変化しないように改修を行う場合、既存の構造物の内部に質量体38を含む制振装置36を設置する必要がある。すなわち、限られたスペースに制振装置36を設置しなければならないが、格子状の架台24を形成して、この架台24上に制振装置36を設置することにより、比較的大きい質量体38を設置しても既存の柱16に過大な荷重が作用するのを抑制することができる。これにより、建物10のデザインを害することなく耐震改修を行うことができる。
また、本実施形態では、質量体38の下方に架設された鉄骨大梁28と柱16との接合をピン接合としており、質量体38から離れた位置にある鉄骨大梁26と柱16との接合及び鉄骨大梁30と柱16との接合を剛接合としている。さらに、鉄骨大梁28と鉄骨小梁32とを剛接合で接合している。このようにして、一部の鉄骨大梁28と柱16との接合をピン接合とし、残りを剛接合とすることで、質量体38の荷重が鉄骨大梁28から鉄骨小梁32へ伝達されやすくなり、質量体38の荷重を効率よく分散させることができる。
また、鉄骨大梁28の梁幅を鉄骨大梁26の梁幅より小さくすることにより、質量体38の荷重が剛性が高い鉄骨大梁26へ伝達されやすくなる。なお、鉄骨大梁28の剛性を低くしなくても質量体38の荷重を分散することができる場合は、鉄骨大梁28を鉄骨大梁26と同じ形状にしてもよい。
以上のように耐震改修を行うことで、建物本体12での補強作業が不要となり、耐震改修中であっても建物本体12の各テナントで通常業務を行うことができる。また、仮に補強作業が必要となった場合であっても、最小限の補強にとどめることができ、建物本体12での補強作業に要する時間を短縮することができる。さらに、建物10が高層マンション等で住居空間を含んでいる場合は、建物本体12の各住居の住人に負担を強いることなく耐震改修を行うことができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係る既存建物の耐震改修方法について説明する。本実施形態に係る耐震改修後の建物50は、第一実施形態と同様に、建物本体12と、塔屋14とを備えており、建物本体12は、既存の柱16と既存の梁18とを含むラーメン構造で構成されている。
また、塔屋14は、建物本体12を構成している柱16と、柱16間に架設された既存の梁20とを備えており、塔屋14の中央部分には、機械室22が設けられている。ここで、本実施形態では、塔屋14の一階部分14Aと二階部分14Bとが分断されており、一階部分14Aと二階部分14Bとの間には、柱16の位置に免震装置としての積層ゴム52が設置されている。積層ゴム52は、ゴム板と鋼板とが上下方向に積層されて形成されている。なお、これに限らず、他の免震装置を設置してもよく、例えば、滑り支承を用いてもよい。
積層ゴム52の上には、架台24が形成されている。架台24は、第一実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。また、架台24の上には、質量体54が設置されている。ここで、質量体54の質量は、第一実施形態の質量体38よりも小さいものが用いられている。さらに、塔屋14は、図示しない水平ブレース及び垂直ブレース35によって耐震補強されている。
次に、本実施形態の建物50の耐震改修方法について説明する。耐震改修前の建物50は、第一実施形態と同様に図8に示されている状態である。この状態から、塔屋14の柱16を切断して、下部構造体となる一階部分14Aと上部構造体となる二階部分14Bとに分断する(柱切断工程)。
次に、柱16を切断した切断箇所に積層ゴム52を設置し、この積層ゴム52を介して一階部分14Aで二階部分14Bを支持させる(免震装置設置工程)。ここで、本実施形態では、切断した柱16の位置の全てに積層ゴム52を設置したが、これに限らず、積層ゴム52を間引いて設置してもよい。また、柱16の位置以外の位置にも別途積層ゴム52を設置してもよい。さらに、積層ゴム52より水平剛性の低いリニアスライダー等のすべり支承を用いてもよい。この場合、積層ゴムやバネ等を使用して復元力を備えた構成とする。
次に、積層ゴム52の上に架台24を形成する。架台24を形成する方法は、第一実施形態と同様であり、図3に示されるように、柱16の間に鉄骨大梁26、28、30及び鉄骨小梁32を架設して架台24を形成する。
架台24を形成した後、架台24の上に質量体54を設置する。なお、本実施形態では、架台24の上に鋼板56を設けて、この鋼板56の上に質量体54を設置しているが、これに限らず、架台24の上に直接質量体54を設置してもよい。また、既存の梁20を補強して、質量対54を梁20から吊り下げてもよい。
質量体54を設置した後、必要に応じて、水平ブレース及び垂直ブレース35を架設する。なお、水平ブレース及び垂直ブレース35の架設は、架台24の形成直後に行ってもよい。
以上のように塔屋14の二階部分14Bを免震化することにより、風揺れや地震によって建物50へ振動エネルギーが入力されると、二階部分14Bが一階部分14Aに対して相対移動し、建物50の振動エネルギーを二階部分14Bの運動エネルギーに変換して吸収する。これにより、塔屋14の二階部分14BをTMDとして機能させることができるので、二階部分14Bの質量も考慮することができ、質量体54の質量を第一実施形態より小さくすることができる。その他の作用については、第一実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、塔屋14の一階部分14Aと二階部分14Bとを分断したが、これに限らず、建物本体12と塔屋14との間で柱16を切断してもよい。この場合、建物本体12と塔屋14との間に積層ゴム52を設置して、塔屋14全体をTMDとして機能させることができる。
以上、本発明の第一実施形態、第二実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、架台24を複数層形成してもよい。
10 建物
12 建物本体(下部構造体)
14 塔屋(上部構造体)
14A 一階部分(下部構造体)
14B 二階部分(上部構造体)
16 柱
24 架台
26 鉄骨大梁(鉄骨梁)
28 鉄骨大梁(鉄骨梁)
30 鉄骨大梁(鉄骨梁)
32 鉄骨小梁(鉄骨梁)
38 質量体
50 建物
52 積層ゴム(免震装置)
54 質量体

Claims (2)

  1. 下部構造体の上に上部構造体が設けられた既存建物の前記上部構造体を構成する柱に鉄骨梁を架設して格子状の架台を形成する架台形成工程と、
    前記架台上に質量体を前記架台に対して相対移動可能に置する、又は前記架台上に質量体を設置すると共に前記上部構造体を免震装置を介して前記下部構造体で支持する、質量体設置工程と、
    を有し、
    前記鉄骨梁は、前記柱間に架設される鉄骨大梁と、前記鉄骨大梁間に架設される鉄骨小梁とを備え、
    前記質量体の下方に位置する前記鉄骨大梁と前記柱とをピン接合で接合し、前記質量体の外側に位置する前記鉄骨大梁と前記柱とを剛接合で接合し、前記質量体の下方に位置する前記鉄骨大梁及び前記質量体の外側に位置する前記鉄骨大梁と前記鉄骨小梁との接合を剛接合とした既存建物の耐震改修方法。
  2. 前記質量体設置工程は、前記柱を切断して前記上部構造体と前記下部構造体とに分断する柱切断工程と、
    前記柱の切断箇所に免震装置を設置する免震装置設置工程と、
    を有し、
    前記免震装置上の前記柱に鉄骨梁を架設して格子状の前記架台を形成して前記質量体を設置する請求項1に記載の既存建物の耐震改修方法。
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