JP6504824B2 - 制振構造の構築方法 - Google Patents

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本発明は、制振構造及び制振構造の構築方法に関する。
質量体と免震装置とを備えた制振装置として、特許文献1には、制振装置を構成する部品(リニアスライダ、鋼製枠、ウェイトなど)を分割して既存の建物に搬入し、その後に部品を組み合わせて制振構造を構築する方法が開示されている。詳細には、クレーンを用いて基礎フレームを既存建物の屋上まで持ち上げて設置し、この基礎フレーム上に、リニアスライダ、鋼製枠を順にクレーンで持ち上げて設置する。そして、鋼製枠内にウェイト(重りプレート)を積み重ねてモルタルで固化させることで制振装置の質量体を構築している。
特許第5094695号公報
しかしながら、既存建物の屋上に制振構造を構築する領域が無ければ、既存建物の内部に制振構造を構築する必要が生じる。この場合、狭小な空間での作業となり、施工性が悪化する可能性がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、狭小な空間でも施工性を確保することができる制振構造及び制振構造の構築方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る制振構造の構築方法は、既存柱に梁部材を架設して格子状のベース架台を形成するベース架台形成工程と、前記ベース架台上にジャッキを設置し、該ジャッキの上に質量体を構築する質量体構築工程と、前記質量体をジャッキアップするジャッキアップ工程と、ジャッキアップされた前記質量体と前記ベース架台との間に、前記質量体を水平方向に移動可能に支持する支持体を設置する支持体設置工程と、を有する。
請求項1に記載の本発明に係る制振構造の構築方法によれば、既存建物内に制振構造を構築する際に、質量体と天井との隙間が狭い場合でも制振構造を構築することができる。すなわち、ベース架台上に支持体を設置し、この支持体の上に質量体を構築する場合、天井との隙間が狭ければ十分な作業スペースを確保することができない。これに対して、質量体を構築した後にジャッキアップして支持体を設置することで、狭小な空間であっても施工性を確保することができる。
また、ジャッキアップ後に質量体が天井に接触しない範囲で質量体のサイズを設定することができる。すなわち、制振性能を満足するのに必要なサイズの質量体を構築した場合に作業領域を確保できなくなる、といった不具合を回避することができる。
以上説明したように、本発明に係る制振構造及び制振構造の構築方法によれば、狭小な空間でも施工性を確保することができる。
実施形態に係る制振構造を示す側面図である。 制振構造を構成するベース架台の平面図である。 ベース架台を構築する手順を示す、図2の3−3線で切断した断面図であり、(A)は下部T型鋼が架設された状態が示され、(B)は下部T型鋼と既存躯体とが締結された状態が示され、(C)は下部T型鋼の上方に上部T型鋼が接合された状態が示されている。 実施形態に係る制振構造を構成する質量体の一部破断した平面図である。 図4の5−5線で切断した切断面を示す断面図であり、一部の重りプレートの図示を省略した図である。 質量体を構築する手順を示す、図5に対応する断面図であり、(A)はジャッキの上に下部T型鋼を設置した状態が示され、(B)はPC鋼棒に重りプレートが挿通されている状態を示す図である。 実施形態に係る制振構造を示す側面図であり、ジャッキアップ工程で質量体をジャッキアップした状態を示す図である。 実施形態の変形例を示す図であり、(A)は既存躯体とベース架台との接合部分を拡大して示す要部拡大図であり、(B)は図8(A)の8B−8B線で切断した切断面を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る制振構造について説明する。なお、各図において適宜示される矢印Zは、建物の高さ方向(上下方向)を示しており、各図において適宜示される矢印X及び矢印Yは、互いに直交する水平二方向を示している。
例えば、本実施形態の制振構造が適用された建物10は、50階以上の高層のテナントビルであり、この建物10の上層階に本実施形態の制振構造を構成する制振装置12が配置されている。なお、高層のテナントビルに限らず、高層マンションや他の建物に適用してもよく、例えば、中層以下のビルに適用してもよい。また、上層階に限らず、他の場所に配置してもよい。例えば、建物10の中層階に制振装置12を配置してもよい。
図1に示されるように、本実施形態の制振構造は、主として、制振装置12と、この制振装置12を支持するベース架台14とを含んで構成されている。また、制振装置12は、質量体16と、支持体としての積層ゴム18とを含んで構成されたTMD(Tuned Mass Damper)であり、この他に図示しないダンパなどの減衰装置等を備えている。また、制振装置12の両側における建物10の柱(既存柱)20には、緩衝器であるオイルバッファ22が設けられている。
(ベース架台の構成)
ベース架台14は、梁部材としての大梁23を建物10の柱20に架設して形成されている。大梁23は、図2に示されるように、建物10の柱20の間にX方向及びY方向に架設されており、隣り合う大梁23の間には小梁24が架設されている。また、図1に示されるように、大梁23は、上下一対の上フランジ23A及び下フランジ23Cと、上フランジ23Aと下フランジ23Cとを上下に繋ぐウェブ23Bとを備えて断面略H字状に形成されている。そして、上フランジ23A及び下フランジ23Cが建物10の柱20の外壁に設けられたダイアフラム26に溶接されており、ウェブ23Bが柱20の外壁に溶接されている。また、小梁24は、大梁23と同様に上フランジ、下フランジ、及びウェブを備えて断面略H字状に形成されている。
さらに、大梁23の下フランジ23Cには、間隔をあけて複数のPC鋼棒28が上下に挿通されている。詳細には、PC鋼棒28の上端部が下フランジ23Cに挿通されており、PC鋼棒28の下端部が建物10のスラブ100(既存躯体)に挿通されている。そして、下フランジ23Cの上面側からナット30が捩じ込まれると共に、スラブ100の下面側からナット30捩じ込まれて大梁23とスラブ100とが締結されている。
ここで、本実施形態では、図2に示されるように、一例として、X方向に3本の大梁23が架設されており、Y方向に4本の大梁23が架設されているが、大梁23の数については、制振装置12の大きさや制振装置12を設置する部屋の大きさに応じて適宜増減してもよい。
また、本実施形態では、大梁23の梁幅よりも小梁24の梁幅の方が広幅に形成されているが、これに限定されず、大梁23の梁幅及び小梁24の梁幅はベース架台14に要求される条件に応じて適宜変更してもよい。
ここで、図3を参照して、本実施形態における大梁23の形成方法の一例について説明する。なお、小梁24の形成方法は、大梁23の形成方法と同様の形成方法であるため、ここでは大梁23の形成方法のみを図示して説明し、小梁24の形成方法の説明を省略する。初めに、図3(A)に示されるように、大梁23の下半分を構成する断面略T字状の下部T型鋼34を柱20に架設する。ここで、下部T型鋼34のウェブ34Bが上方を向くようにして架設する。
次に、図3(B)に示されるように、下部T型鋼34のフランジ34A及びスラブ100にPC鋼棒28を挿通し、ナット30を捩じ込んで締結する。そして、図3(C)に示されるように、下部T型鋼34の上方に断面略T字状の上部T型鋼36を配置し、この上部T型鋼36のウェブ36Bと下部T型鋼34のウェブ34Bとを溶接すると共に、上部T型鋼36を柱20に架設する。ここで、上部T型鋼36のフランジ36Aが大梁23の上フランジ23Aとなり、下部T型鋼34のフランジ34Aが大梁23の下フランジ23Cとなる。また、符号38は、裏当て金である。
以上のように下部T型鋼34及び上部T型鋼36のウェブ同士を溶接して断面略H字状の大梁23(梁部材)を形成する方法では、建物10に搬入する際の部材のサイズを小さくできる。このため、建物10のエレベータ等を利用することができる。
(積層ゴムの構成)
図1に示されるように、ベース架台14上には、積層ゴム18が設置されている。積層ゴム18は、剛板とゴム板とを相互に積層して構成されており、質量体16を水平方向に移動可能に支持している。また、積層ゴム18の上端部には、上フランジ18Aが設けられており、この上フランジ18Aが図示しないボルト及びナットによって後述する質量体16に締結されている。一方、積層ゴム18の下端部には、下フランジ18Bが設けられており、この下フランジ18Bが図示しないボルト及びナットによってベース架台14に締結されている。
なお、本実施形態では、質量体16を支持する支持体として積層ゴム18を設けたが、本発明はこれに限定されず、質量体16を水平方向に移動可能に支持する構成であれば、他の支持体を用いてもよい。例えば、水平二方向にスライド可能に構成されたリニアスライダを用いてもよい。
(質量体の構成)
積層ゴム18の上方には、質量体16が配置されている。図4に示されるように、質量体16は、断面略H字状に形成された複数のH型フレーム40及びH型フレーム42と、隣り合うH型フレーム40(H型フレーム42)の間に積層された複数の重りプレート44及び重りプレート45とを含んで構成されている。
H型フレーム40は、Y方向に延在されており、上フランジ40Aとウェブ40Bと下フランジ40Cとを備えている。また、本実施形態では、一例として、X方向に間隔をあけて複数のH型フレーム40が配列されている。一方、H型フレーム42は、H型フレーム40の間をX方向に延在されており、上フランジ42Aとウェブ42Bと下フランジ42Cとを備えている(図5参照)。
ここで、一対のH型フレーム40及び一対のH型フレーム42で囲まれた領域には、複数の重りプレート44が配置されている。重りプレート44は、平面視でY方向を長手方向とする略矩形状に形成されており、一対のH型フレーム40及び一対のH型フレーム42で囲まれた5つの領域にそれぞれ配置されている。また、重りプレート44は、それぞれの領域において複数積層されている。
重りプレート44が配置された領域に対してウェブ42Bを挟んだY方向の両側の領域には、重りプレート45が配置されている。重りプレート45は、平面視で重りプレート44よりもY方向の長さが短い略矩形状に形成されており、質量体16のY方向の両端部に沿って配置されている。
次に、図5を参照してH型フレーム42及び重りプレート44の詳細な構成について説明する。なお、図5では、説明の便宜上、重りプレート44のみを図示しており、重りプレート45の図示を省略している。また、以下の説明では、H型フレーム42についてのみ説明するが、H型フレーム40も同様の構成とされている。
H型フレーム42は、主として、下部に配置された断面略T字状の下部T型鋼46と、下部T型鋼46のウェブ46Aに接続されて上下方向に延在されたウェブプレート48と、ウェブプレート48の上端部に取り付けられた上フランジプレート50とを含んで構成されている。
下部T型鋼46は、ウェブ46Aが上方を向くように配置されている。また、下フランジ42Cを構成している下部T型鋼46のフランジ46Bの下面には、外側スプライスプレート52が配置されており、フランジ46Bの上面には、内側スプライスプレート54が配置されている。そして、外側スプライスプレート52の下方から複数のボルト56が挿通され、内側スプライスプレート54の上方からナット58が捩じ込まれている。このようにして、外側スプライスプレート52と内側スプライスプレート54とでフランジ46Bが挟み込まれている。
下部T型鋼46のウェブ46Aの上端部には、ウェブプレート48の下端部が突き合わされており、このウェブ46Aとウェブプレート48とによってH型フレーム42のウェブ42Bが構成されている。ここで、下部T型鋼46とウェブプレート48との接続部における両面には一対の添え板60及び添え板62が配置されており、ボルト及びナットで添え板60と添え板62とが締結されることで下部T型鋼46とウェブプレート48とを固定している。なお、これに限らず、他の方法で下部T型鋼46とウェブプレート48とを固定してもよく、例えば、下部T型鋼46にウェブプレート48を溶接してもよい。
ウェブプレート48の上端部には、上フランジプレート50が配置されている。上フランジプレート50は、下部T型鋼46のフランジ46Bと略平行に配置されており、ウェブプレート48との間に配置されたL字アングル64によって固定されている。なお、これに限らず、他の方法でウェブプレート48と上フランジプレート50とを接続してもよい。また、上フランジプレート50の上面には、外側スプライスプレート66が配置されており、上フランジプレート50の下面には、内側スプライスプレート68が配置されている。そして、この外側スプライスプレート66と内側スプライスプレート68とで上フランジプレート50が挟み込まれている。
以上のように構成されたH型フレーム42の上フランジ42Aと下フランジ42Cとの間には、複数の重りプレート44が積層されている。本実施形態では、一例として、15枚の重りプレート44が積層されているが、これに限定されず、質量体16の質量に応じて適宜重りプレート44の数を増減してもよい。
ここで、H型フレーム40には、上フランジ42Aと下フランジ42Cとの間を上下に延びる棒体としてのPC鋼棒72が配置されており、このPC鋼棒72に重りプレート44の貫通孔が挿通されている。また、積層された複数の重りプレート44は、上フランジ42Aと下フランジ42Cとの間に挟持されている。なお、重りプレート44の設置面をフラットにするために、最下段の重りプレート44と内側スプライスプレート54との間に、ナット58の形状に対応する孔が形成された下敷プレート70が配置されている。また、本実施形態では、カプラ74を介してPC鋼棒72を繋いでいるため、このカプラ74が設けられた位置における重りプレート44には、他の重りプレート44よりも大径の貫通孔が形成されている。ただし、これに限らず、カプラ74を介さずに上フランジ42Aから下フランジ42Cまで延在されたPC鋼棒を用いてもよい。
次に、図6を参照して、本実施形態における質量体16の構築方法の一例について説明する。なお、本実施形態では、一例として、ジャッキ102の上に質量体16を構築する方法について説明するが、これに限定されない。
初めに、図6(A)に示されるように、ベース架台14上のジャッキ102の上に、外側スプライスプレート52を配置し、この外側スプライスプレート52上に下部T型鋼46を配置する。このとき、ウェブ46Aが上方を向くように下部T型鋼46を配置する。また、下部T型鋼46のフランジ46Bの上面に内側スプライスプレート54を配置し、フランジ46Bを挟むようにして外側スプライスプレート52と内側スプライスプレート54とをボルト56及びナット58で締結する。さらに、重りプレート44の貫通孔に対応する位置には、PC鋼棒72を配置する。詳細には、外側スプライスプレート52の下方からPC鋼棒72を挿通させ、反対側からナット58を捩じ込んでPC鋼棒72を固定する。
次に、図6(B)に示されるように、重りプレート44が積層される側の内側スプライスプレート54の上面に下敷プレート70を配置する。そして、下敷プレート70の上に複数の重りプレート44を順に積層する。ここで、PC鋼棒72に挿通させながら積層させることで、効率よく重りプレート44を位置決めすることができるようになっている。
下部T型鋼46のウェブ46Aの上端部の近傍まで重りプレート44を積層した後、図5に示されるように、ウェブ46Aの上端部にウェブプレート48を固定する。また、カプラ74を取り付けてPC鋼棒72を延長する。その後、先と同様に重りプレート44を積層させる。ここで、カプラ74の位置に積層される2枚の重りプレート44は、他の重りプレート44よりも大径の貫通孔が形成された重りプレート44を用いる。
重りプレート44を所定の枚数まで積層させた後、内側スプライスプレート68をPC鋼棒72に挿通させる。そして、ウェブプレート48にL字アングル64の一方の面を締結し、上フランジプレート50にL字アングル64の他方の面を締結して、ウェブプレート48に上フランジプレート50を固定する。
最後に、上フランジプレート50の上に外側スプライスプレート66を配置し、PC鋼棒72にナット58を捩じ込んで重りプレート44を挟持させる。なお、実際には、重りプレート44を積層するタイミングで、ウェブプレート48を挟んで重りプレート44の反対側にも重りプレート45を積層する。ただし、これに限らず、重りプレート44だけで質量体16を構成する場合は、重りプレート45を積層しなくてもよい。
(制振構造の構築方法)
次に、制振構造の構築方法の一例について説明する。図7に示されるように、初めに、上述した方法で建物10の柱20(既存柱)に梁部材としての大梁23を架設してベース架台を形成する(ベース架台形成工程)。
次に、ベース架台14上にジャッキ102を設置する。このとき、ジャッキ102は、質量体16を支持できるだけの数を設置する。また、積層ゴム18が配置される場所を避けてジャッキ102を設置する。そして、このジャッキ102の上に、上述した方法で質量体16を構築する(質量体構築工程)。
続いて、ジャッキ102により質量体16をジャッキアップする(ジャッキアップ工程)。そして、ジャッキアップされた質量体16とベース架台14との間に、支持体としての積層ゴム18を設置し、この積層ゴム18で質量体16を支持させる。
最後に、ジャッキ102を撤去し、図示しないダンパやオイルバッファ22を取り付ける。なお、オイルバッファ22等を取り付ける順番は特に限定しない。例えば、ベース架台14を形成する前でもよい。また、場合によっては、積層ゴム18を二段構成としてもよく、積層ゴム18とリニアスライダとを組み合わせて用いてもよい。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の制振構造の作用及び効果について説明する。本実施形態では、上述したように、積層ゴム18を設置する前に質量体16を構築しておき、質量体16をジャッキアップして積層ゴム18を設置する方法としている。これにより、質量体16を構築する際の作業スペースを確保することができるので、完成後の質量体16と天井との間の隙間が狭い場合(狭小な空間)であっても、制振構造の施工性を確保することができる。
また、質量体16を構築した後にジャッキアップするため、ジャッキアップ後に質量体16が天井に接触しない範囲で、質量体16のサイズを自由に設定することができる。このため、例えば、質量体16を天井の近傍まで配置しなければ制振性能を満足できない場合、従来の方法では重りプレート44を積層するための作業スペースを確保できず、狭小な空間で制振構造を構築することができなかった。これに対して、本実施形態の構築方法では、上記の不具合を回避することができ、質量体16を天井の近傍まで配置することができる。
さらに、本実施形態では、図3に示されるように、2つのT型鋼(下部T型鋼34及び上部T型鋼36)のウェブ同士を接合することで、断面略H字状の大梁23を形成している。これにより、大梁23を一般的なH型鋼で構成する場合よりもサイズを小さくすることができる。この結果、建物10内で制振構造を構築する際に、下部T型鋼34及び上部T型鋼36を既存建物のエレベータで搬入することができ、クレーンなどの揚重機で搬入するような大掛かりな工事を必要とせずに済む。また、天候による施工計画への影響を考慮する必要がない。さらに、施工時の安全性を向上することができる。
また、同様に、本実施形態では、質量体16を複数のH型フレーム40と複数の重りプレート44及び重りプレート45で構成しているため、これらの部材もエレベータで搬入することができる。さらに、図5に示されるように、重りプレート44(重りプレート45)を積層する際には、PC鋼棒72に挿通するだけで位置決めすることができるので、作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、H型フレーム40の上フランジ42A(上フランジプレート50)と下フランジ42C(下部T型鋼46のフランジ46B)とで複数の重りプレート44を挟持させている。これにより、H型フレーム40と重りプレート44とを一体化させることができ、質量体16の剛性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、本実施形態では、TMDによって制振する構成としたが、これに限らず、質量体16を能動的に動かして制振するAMD(Active Mass Damper)としてもよい。このAMDの一例として、質量体16にアクチュエータ及びセンサを取り付け、建物へ入力された振動エネルギーの大きさに応じてアクチュエータを作動させることで、質量体16をベース架台14に対して水平移動させる方法がある。
また、本実施形態では、図4において、プレート44に対してY方向の両側に重りプレート45が配置されているが、これに限定されない。例えば、必要な質量が比較的小さい場合は、重りプレート44のみで質量体16を構成してもよい。
さらに、本実施形態では、図5において、下部T型鋼46の上下に内側スプライスプレート54及び外側スプライスプレート52を配置しており、上フランジプレート50の上下に外側スプライスプレート66及び内側スプライスプレート68を配置しているが、これに限定されない。すなわち、これらのスプライスプレートに代えて他の部材を配置してもよい。また、内側スプライスプレート54の上に配置された下敷プレート70についても同様である。
また、制振構造を構築する部材の全てをエレベータで搬入する構成に限定するものではなく、必要に応じてクレーン等の揚重機を用いてもよい。すなわち、大掛かりな工事を回避する観点から全ての部材をエレベータで搬入するのが好ましいが、例えば、リニアスライダ等の部材を用いる場合、精度を確保するために分割が困難であれば、クレーン等の揚重機を用いて搬入してもよい。
さらに、本実施形態では、図1に示されるように、大梁23の下フランジ23C及スラブ100にPC鋼棒28を挿通することによって大梁23とスラブ100とを締結しているが、本発明はこれに限定されず、他の構造を採用してもよい。一例として、図8に示される変形例のように、束材76を用いた構造としてもよい。
図8(A)及び図8(B)に示されるように、本変形例では、スラブ100を斫って鉄骨梁104を露出させており、この鉄骨梁104の上フランジ104A上に束材76(鋼材)が溶接されている。そして、この束材76の上端部に大梁23を溶接することによって、大梁23が束材76を介して鉄骨梁104に支持された構造としている。
なお、本変形例では、大梁23のウェブ23Bにリブ25を設けているが、これに限らず、リブ25が無い構造としてもよい。また、鉄骨梁104にもリブ106を設けているが、これに限らず、リブ106が無い構造としてもよい。さらに、本変形例では、図8(A)に示されるように、スラブ100と大梁23との間の隙間にモルタル101を充填しているが、これに限らない。また、本変形例は、既存建物の鉄骨梁104を利用した構造としているが、これに限らず、鉄骨梁を新設してもよい。
さらに、束材76の大きさや厚みは大梁23を支持可能な寸法であれば、特に制限しない。また、束材76の両面に別途リブを溶接してもよい。この場合、リブの上端部を大梁23の下フランジ23Cと溶接し、リブの下端部を鉄骨梁104の上フランジ104Aと溶接すれば、大梁23側のリブ25と鉄骨梁104側のリブ106との間の荷重伝達効率を向上させることができる。
14 ベース架台
16 質量体
18 積層ゴム(支持体)
20 柱(既存柱)
23 大梁(梁部材)
34 下部T型鋼(T型鋼)
34B ウェブ
36 上部T型鋼(T型鋼)
36B ウェブ
40 H型フレーム
40A 上フランジ
40C 下フランジ
42 H型フレーム
42A 上フランジ
42C 下フランジ
44 重りプレート
45 重りプレート
72 PC鋼棒(棒体)
102 ジャッキ

Claims (1)

  1. 既存柱に梁部材を架設して格子状のベース架台を形成するベース架台形成工程と、
    前記ベース架台上にジャッキを設置し、該ジャッキの上に質量体を構築する質量体構築工程と、
    前記質量体をジャッキアップするジャッキアップ工程と、
    ジャッキアップされた前記質量体と前記ベース架台との間に、前記質量体を水平方向に移動可能に支持する支持体を設置する支持体設置工程と、
    を有する制振構造の構築方法。
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