JP6320242B2 - 仮設柱の設置方法 - Google Patents
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Description
ここで、既存の建築物を解体する方法として、例えば、既存建物の屋上階を仮設屋根とし、この仮設屋根を支持する仮設柱を既存建物内に建て込んで、この仮設柱をジャッキダウンさせて仮設屋根を下降させながら、既存建物を解体する解体方法が提案されている(特許文献1参照)。
この提案によれば、仮設屋根に覆われた空間を解体作業スペースとし、この解体作業スペースで解体作業を行うことにより、粉塵や騒音を防止しつつ、上層から下層に向かって徐々に建築物を解体する。
図1は、本発明の一実施形態に係る仮設柱の設置方法が適用された構造物としての既存建物1の断面図である。
既存建物1は、ここでは、24階建ての鉄骨造であり、複数本の角形鋼管である既存柱11と、これら既存柱11同士を連結する複数の鉄骨梁である既存梁12と、既存梁12に支持される既存スラブ13と、を備える。
外周足場62は、仮設梁63に支持されている。
仮設柱15は、所定長さの柱本体20と、柱本体20の長さ方向に沿って延びるステップロッド24と、このステップロッド24を中心に挿通可能なセンターホール型のステップロッドジャッキ25と、このステップロッドジャッキ25の下端に取り付けられた第1かんぬき部材26と、柱本体20の下端側に取り付けられた一対の直線状のかんざし部材27(図4参照)と、このかんざし部材27に連結されて開閉可能な第2かんぬき部材30と、を備える。
水平支持レール23A、23Bは、下部柱部材211に設けられている。
具体的には、水平支持レール23Aは、断面略H形状である下部柱部材211のウエブに略平行に延びる当接面を有している。一方、水平支持レール23Bは、断面略H形状である下部柱部材211のフランジに略平行に延びる当接面を有している。
第2かんぬき部材30を閉じた状態では、第2かんぬき部材30の軸方向の長さが床開口14の内法寸法よりも短くなるため、第2かんぬき部材30は、床開口14を通って鉛直方向に移動可能となっている。
上述の第2かんぬき部材30の上面は、かんざし部材27の下面に当接して固定されている。これにより、第2かんぬき部材30は、柱本体20とともに略鉛直方向に移動するようになっている。
すなわち、水平反力受け部材51、52は、既存梁12上に取り付けられて柱本体20の側面に当接する略コの字形状の第1水平反力受け部材51と、既存スラブ13上に取り付けられて柱本体20の側面に当接する略コの字形状の第2水平反力受け部材52と、からなる。
水平反力受け部材51、52は、柱本体20を挟んで略矩形枠状に配置されており、これにより、第2かんぬき部材30の上下方向の移動に干渉しないようになっている。
ステップロッドジャッキ25の下端面には、水平に直線状に延びる第1かんぬき部材26が連結され、この第1かんぬき部材26の両端側は、2つの既存梁12の直上に位置している。第1かんぬき材の中央には、ステップロッド24が挿通される挿通孔が形成されている。
この状態では、第1かんぬき部材26が既存梁12に係止するので、柱本体20は第1かんぬき部材26を介して既存梁12に支持されることになる。
柱本体20の上部柱部材213の側面には、継手29が設けられている。柱本体20の上部柱部材213の側面は、この継手29を介して、仮設屋根61の一部である24階の既存柱11の上側の側面に連結されている。
柱本体20は、既存柱11の上端から互いに直交して延びる2つの仮設梁63の間に設置されている。
柱本体20の上端面には、水平に直線状に延びる支持部材28が設けられ、2つの仮設梁63は、この支持部材28の両端側の上面に位置している。これにより、柱本体20の上端面は、支持部材28を介して、仮設屋根61の仮設梁63に連結されている。
まず、図1に示すように、屋上階としてのR階の設備機器、目隠し壁、およびフレーム等を解体する。また、R階床レベルの既存梁12の一部を残して解体して、残った既存梁12を仮設梁63とする。さらに、24階床レベルの外周の既存梁12を残して、24階の外壁を含む立上りおよび24階床レベルの内側の既存梁12を解体する。
また、仮設柱15の外側に仮設梁63に支持される外周足場62を設ける。
なお、図示しないが、仮設屋根61には、雨水を利用した散水設備およびドライミスト装置を設ける。
その後、既存建物1の最上階外周の既存柱11の近傍に仮設柱15を配置する。
その後、23階の既存柱11を柱頭部で切断し、23階の外壁を含む立上がりを解体する。
これにより、仮設柱15が下降し、仮設屋根61および外周足場62も下降し、第2かんぬき部材30は21階床レベルの高さに位置する。このとき、水平反力受け部材51、52により、仮設柱15の移動を案内する。
次に、第2かんぬき部材30を伸長させて、この第2かんぬき部材30を21階床レベルの既存梁12に係止させ、仮設柱15の荷重を21階床の既存梁12に支持させる。
また、23階床レベルに設置した水平反力受け部材51、52を20階床レベルに盛り替える。
次に、解体作業スペース60内で、23階の床から22階の外壁を含む立上りまで(図10中破線で示す部分)を解体する。このとき、走行クレーン66を利用して、解体材を図示しない搬出口に移動し、図示しないホイストで下階に搬出する。下階に搬出した解体材は、リサイクル可能な材料と産業廃棄物との仕分けを行って、場外に搬出する。
図13に示すように、24階床レベルはまだ解体していないが、24階の外壁は解体されており、既存建物1の外側に、仮設梁63に支持される外周足場62が設けられた状態である。
一方、R階床の既存スラブ13上のうち仮設柱15の直上の位置にチェーンブロック67を設置し、このチェーンブロック67のフックを、既存スラブ13を貫通して24階に下ろす。そこで、このチェーンブロック67を用いて、支持部材28が一体化された最上部20Eを揚重し、支持部材28を仮設梁63に接合する。
また、20階〜23階の既存スラブ13に床開口14を形成する。
図14に示すように、24階床レベルは既に解体された状態で、仮設梁63の梁下にガーター65および走行クレーン66が取り付けられている。
次に、21階床レベルにおいて、下部柱部材211同士の間に第2かんぬき部材30を設置し、下部20Aにかんざし部材27を取り付けて、このかんざし部材27を第2かんぬき部材30に連結する。
すなわち、図15に示すように、23階床レベルにて、柱本体20の下側中間部20Bを横に寝かせた状態で組み立てる。次に、走行クレーン66により、この下側中間部20Bを建て起こして床開口14に吊り込み、下側中間部20Bの下端を、下部20Aの上端に接合し、溶接固定する。
すなわち、図16に示すように、既存建物1の内部に上側中間部20Cを構成する一対の中間部柱部材212を搬入して、走行クレーン66により、これら中間部柱部材212を建て起こして床開口14に吊り込み、これら中間部柱部材212の下端を、下側中間部20Bの上端に接合し、溶接固定する。
すなわち、柱本体20の中間部柱部材212同士の間に第1かんぬき部材26を設置する。次に、この第1かんぬき部材26に対して上方からステップロッド24を吊り下ろして、この第1かんぬき部材26にステップロッド24を挿通し、ステップロッド24の下部下端部を仮設柱15の連結部材22に仮固定しておく。
次に、ステップロッド24の上部が挿通されたセンターホール型のステップロッドジャッキ25を吊り下ろして、ステップロッド24の上部下端部と下部上端部をネジ付ジョイントで結合して一体化し、このステップロッドジャッキ25を第1かんぬき部材26の上に設置する。
すなわち、図18に示すように、既存建物1の内部に鋼材を搬入して、走行クレーン66により、この上部20Dを建て起こして床開口14に吊り込み、上部20Dの下端を、上側中間部20Cの上端に接合して、溶接固定する。
すなわち、図19に示すように、ステップロッドジャッキ25を駆動して、組み立てた柱本体20に対して下方に相対移動させる。すると、第1かんぬき部材26が23階床に係止しているので、この組み立てた柱本体20が既存建物1に対して上昇する。これにより、上部20Dの上端を最上部20Eの下端に接合し、溶接固定する。
これにより、仮設柱15が完成する。
(1)仮設柱15の柱本体20を複数の部材20A〜20Eに分割しておき、仮設柱15の設置箇所で、これら分割した部材20A〜20Eを組み立てたので、仮設柱15を所定の設置箇所に確実に設置できる。また、仮設柱15を複数の部材20A〜20Eに分割したことにより、この仮設柱15を組立てるための資材の搬出入が容易となるから、仮設柱15を容易かつ低コストで設置できる。
11…既存柱
12…既存梁
13…既存スラブ
14…床開口
15…仮設柱
20…柱本体
20A…下部
20B…下側中間部
20C…上側中間部
20D…上部
20E…最上部
21…柱部材
22…連結部材
23A、23B…水平支持レール
24…ステップロッド
25…ステップロッドジャッキ
26…第1かんぬき部材
27…かんざし部材
28…支持部材
29…継手
30…第2かんぬき部材
31…本体
32…係止部
51…水平反力受け部材
52…水平反力受け部材
53…第1ガイド部
54…第2ガイド部
60…解体作業スペース
61…仮設屋根
62…外周足場
63…仮設梁
64…板材
65…ガーター
66…走行クレーン
67…チェーンブロック
211…下部柱部材
212…中間部柱部材
213…上部柱部材
214…貫通孔
215…補強プレート
Claims (1)
- 構造物を解体するための仮設屋根を支持する仮設柱の設置方法であって、
当該仮設柱は、柱本体と、第1かんぬき部材と、当該第1かんぬき部材を前記柱本体に沿って昇降させるジャッキと、前記柱本体の下端側に開閉可能に設けられた第2かんぬき部材と、を備え、
前記柱本体を、長さ方向に沿って複数の部材に分割しておき、
当該分割された部材のうち最上段の部材を、前記仮設屋根に取り付ける工程と、
前記分割された部材のうち最下段の部材を所定位置に配置し、当該最下段の部材に前記第2かんぬき部材を取り付けて、前記構造物から当該第2かんぬき部材を介して前記最下段の部材を支持する工程と、
前記最下段の部材の上に前記分割された部材のうちの最上段の部材および最下段の部材を除いた残りの部材を取り付けて組み立てるとともに、当該組み立てた部材に、前記第1かんぬき部材および前記ジャッキを取り付ける工程と、
前記ジャッキを駆動して、前記組み立てた部材を上昇させて、前記最上段の部材に接合する工程と、
を備えることを特徴とする仮設柱の設置方法。
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