JP5638443B2 - 揚重システム - Google Patents
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Description
ここで、既存の建築物を解体する方法として、例えば、以下のような手法が提案されている。すなわち、最上階にハットトラスからなる仮設屋根を設け、さらに、この仮設屋根を仮設柱であるマストで支持し、マストベースを介してこのマストを既存の建築物に支持させる。この仮設屋根に覆われた空間を解体作業スペースとし、この解体作業スペースで解体作業を行うことにより、粉塵や騒音を防止しつつ、建築物を解体する(特許文献1参照)。
すると、同一の水平面内で天井走行クレーン同士が交差する方向に移動することになるが、この場合、天井走行クレーンが障害物に衝突するのを防止するため、例えば、天井走行クレーンにタッチセンサや光電センサを設けることが提案されている(特許文献2参照)。
この提案によれば、障害物がタッチセンサに接触したり、光電センサで計測した所定距離内に障害物が接近したりすると天井走行クレーンの移動を停止させるため、天井走行クレーンが障害物に接触するのを防止できる。
なテルハをさらに備え、当該テルハには、当該テルハ下方の所定範囲を検知範囲として障
害物を検知する検知装置が設けられることが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態に係る揚重システムが適用された既存建物1の断面図である。
既存建物1は、24階建ての鉄骨造であり、複数本の角形鋼管である既存柱11と、これら既存柱11同士を連結する複数の鉄骨梁である既存梁12と、既存梁12に支持される既存スラブ13と、を備える。
外周足場62は、仮設梁63に支持されている。
また、テルハ40、70の直下には、床開口15、16が形成されている(図6参照)。
以下、既存柱11のうち既存柱11Aの近傍に設置された仮設柱20Aについて説明するが、他の仮設柱20も同様の構成である。
仮設柱20は、既存建物1の既存スラブ13を貫通して延びている。すなわち、既存柱11Aの近傍の各階の既存スラブ13には、床開口14が形成されており、仮設柱20は、各階の床開口14に挿通される。
上述の第2かんぬき部材30の上面は、かんざし部材27の下面に当接して固定されている。これにより、第2かんぬき部材30は、仮設柱20とともに略鉛直方向に移動するようになっている。
この状態では、第2かんぬき部材30が既存梁12に係止し、この第2かんぬき部材30にかんざし部材27が係止するので、仮設柱20は第2かんぬき部材30を介して既存梁12に支持されることになる。
すなわち、水平反力受け部材51、52は、既存梁12上に取り付けられて仮設柱20の側面に当接する略コの字形状の第1水平反力受け部材51と、既存スラブ13上に取り付けられて仮設柱20の側面に当接する略コの字形状の第2水平反力受け部材52と、からなる。
水平反力受け部材51、52は、仮設柱20を挟んで略矩形枠状に配置されており、これにより、第2かんぬき部材30の上下方向の移動に干渉しないようになっている。
ステップロッドジャッキ25の下端面には、水平に直線状に延びる第1かんぬき部材26が連結され、この第1かんぬき部材26の両端側は、2つの既存梁12の直上に位置している。
第1かんぬき材の中央には、ステップロッド24が挿通される挿通孔が形成されている。
第1かんぬき部材26を所定高さに配置することで、第1かんぬき部材26は既存柱11Aから互いに直交して延びる2つの既存梁12に跨って配置される。このとき、これら2本の既存梁12の上面が露出しているため、第1かんぬき部材26は、既存梁12に直接載置される。
この状態では、第1かんぬき部材26が既存梁12に係止するので、仮設柱20は第1かんぬき部材26を介して既存梁12に支持されることになる。
仮設柱20は、既存柱11Aの上端から互いに直交して延びる2つの仮設梁63の間に設置されている。
仮設柱20の上端面には、水平に直線状に延びる支持部材28が設けられ、2つの仮設梁63は、この支持部材28の両端側の上面に位置している。これにより、仮設柱20の上端面は、支持部材28を介して、仮設屋根61の仮設梁63に連結されている。
床開口15は、最も上に位置する既存スラブ13の長さ方向略中央に形成されている。床開口16は、既存スラブ13の長さ方向両端側に形成されて1階まで連通している(図1参照)。
大型テルハ40は、床開口15を通じて解体作業用の重機を下階に降ろすためのものである。小型テルハ70は、床開口16を通して解体材を搬出階である1階に降ろすためのものである。
小型テルハ70は、既存梁12の上面に設けられて床開口16を跨いで既存建物1の幅方向に延びる2条の走行レール71と、これら走行レール71に沿って移動可能なテルハ本体72と、テルハ本体72に設けられた巻上げ装置73と、テルハ本体72に設けられた滑車74、75と、動滑車76と、フック77と、テルハ本体72の下面に設けられた一対のレーザスキャナである検知装置78と、を備える。
天井走行クレーン80、90は、既存建物1の長さ方向両端側に設けられて外壁面の内側を水平面内で幅方向に移動可能な2台の第1クレーンとしてのX方向天井走行クレーン80と、既存建物1の幅方向両端側に設けられて外壁面の内側を水平面内で既存建物1の長さ方向に移動可能な2台の第2クレーンとしてのY方向天井走行クレーン90と、で構成される。
X方向天井走行クレーン80は、既存梁12の下面に設けられて既存建物1の長さ方向に延びる2条の走行レール81と、これら走行レール81に沿って移動可能な上段ガータ82と、上段ガータ82の下面に設けられて既存建物1の幅方向にスライド可能な下段ガータ83と、下段ガータ83の下面に設けられてこの下段ガータ83に沿って移動可能な巻上げ装置84と、を備える。
下段ガータ83は、既存建物1の幅方向に延びるガータ本体831と、このガータ本体831に設けられて上段ガータ82のガータ本体821の下面に沿って走行する走行装置832と、を備える。
巻上げ装置84は、ウインチ841と、このウインチ841に設けられて下段ガータ83のガータ本体831の下面に沿って走行する走行装置842と、を備える。
すなわち、X方向天井走行クレーンの移動範囲を6つに分割し、図6中左側から順に、第1制御領域、第2制御領域、第3制御領域、第4制御領域、第5制御領域とする。これらの制御領域は、X方向天井走行クレーン80が走行レール81に設けられた切替えスイッチを通過することにより、自動的に切り替わるようになっている。
第2制御領域では、検知範囲Bは、仮設柱20および既存柱11に衝突するのを回避するように設定される。
第3、5制御領域では、検知範囲Bは、小型テルハ70、仮設柱20および既存柱11に衝突するのを回避するように設定される。
第4制御領域では、検知範囲Bは、大型テルハ40、仮設柱20および既存柱11に衝突するのを回避するように設定される。
Y方向天井走行クレーン90は、既存梁12の下面に設けられて既存建物1の幅方向に延びる2条の走行レール91と、これら走行レール91に沿って移動可能な上段ガータ92と、上段ガータ92の下面に設けられて既存建物1の長さ方向にスライド可能な下段ガータ93と、下段ガータ93の下面に設けられてこの下段ガータ93に沿って移動可能な巻上げ装置94と、を備える。
下段ガータ93は、既存建物1の長さ方向に延びるガータ本体931と、このガータ本体931に設けられて上段ガータ92のガータ本体921の下面に沿って走行する走行装置932と、を備える。
巻上げ装置94は、ウインチ941と、このウインチ941に設けられて下段ガータ93のガータ本体931の下面に沿って走行する走行装置942と、を備える。
まず、図16に示すように、X方向天井走行クレーン80の下段ガータ83を既存建物1の外側に向かってスライドさせた状態で、X方向天井走行クレーンを用いて外壁材を解体する。その後、X方向天井走行クレーンを走行レールに沿って図16中右側に向かって移動させたとする。
そこで、既存柱11が検知範囲Bの外に位置するまで、既存柱11から離れる方向つまり図17中左側に向かってX方向天井走行クレーン80を移動させる。
まず、図19に示すように、X方向天井走行クレーン80の下段ガータ83が既存建物1の内側に向かってスライドした状態で、X方向天井走行クレーン80を走行レール81に沿って図19中右側に向かって移動させたとする。ここで、Y方向天井走行クレーン90は停止した状態である。
まず、図22に示すように、下段ガータ83が既存建物1の内側に向かってスライドした状態で、X方向天井走行クレーン80が床開口16の直上に位置している。そして、小型テルハ70のフックがある程度降りた状態で、小型テルハ70を走行レール71に沿って図22中上方に向かって移動させる。
そこで、過巻防止スイッチが作動するまで、小型テルハ70のフック77を巻き上げる。
その後、図24に示すように、再び、小型テルハ70を図24中上方に向かって移動させる。
ステップ1では、図1に示すように、屋上階としてのR階の設備機器、目隠し壁、およびフレーム等を解体する。また、R階床レベルの既存梁12の一部を残して解体して、残った既存梁12を仮設梁63とする。さらに、24階床レベルの外周の既存梁12を残して、24階の外壁を含む立上がりおよび24階床レベルの内側の既存梁12を解体する。
また、仮設柱20の外側に仮設梁63に支持される外周足場62を設ける。
なお、図示しないが、仮設屋根61には、雨水を利用した散水設備およびドライミスト装置を設ける。
その後、既存建物1の外周の既存柱11の近傍に仮設柱20を配置する。
その後、23階の既存柱11を柱頭部で切断し、23階の外壁を含む立上がりを解体する。このとき、天井走行クレーン80、90を利用して、解体材を床開口16に移動し、小型テルハ70によりこの解体材を搬出階に荷下ろしする。荷下ろしした解体材は、リサイクル可能な材料と産業廃棄物との仕分けを行って、場外に搬出する。
これにより、仮設柱20が下降し、仮設屋根61および外周足場62も下降し、第2かんぬき部材30は21階床レベルの高さに位置する。このとき、水平反力受け部材51、52により、仮設柱20の移動を案内する。
次に、第2かんぬき部材30を伸長させて、この第2かんぬき部材30を21階床レベルの既存梁12に係止させ、仮設柱20の荷重を21階床の既存梁12に支持させる。
また、23階床レベルに設置した水平反力受け部材51、52を19階床レベルに盛り替える。
次に、解体作業スペース内で、23階の床から22階の外壁を含む立上がりまで(図26中破線で示す部分)を解体する。このとき、天井走行クレーン80、90を利用して、解体材を床開口16に移動し、小型テルハ70によりこの解体材を搬出階に荷下ろしする。
(1)X方向天井走行クレーン80に、このX方向天井走行クレーン80の周囲の水平方向の所定範囲を検知範囲Bとして障害物を検知する検知装置85を設け、この検知装置85の検知範囲B内にY方向天井走行クレーン90が侵入した場合には、X方向天井走行クレーン80およびY方向天井走行クレーン90の移動を停止する。これにより、天井走行クレーン80、90同士が接触するのを確実に防止できる。
例えば、本実施形態では、既存建物1の解体作業に本発明を適用したが、これに限らず、建物の新築にも適用できる。
11、11A…既存柱
12…既存梁
13…既存スラブ
14、15、16…床開口
20、20A…仮設柱
21…柱部材
22…連結部材
23A…水平支持レール
23B…水平支持レール
24…ステップロッド
25…ステップロッドジャッキ
26…第1かんぬき部材
27…かんざし部材
28…支持部材
29…継手
30…第2かんぬき部材
31…本体
32…係止部
51…水平反力受け部材
52…水平反力受け部材
53…第1ガイド部
54…第2ガイド部
60…解体システム
61…仮設屋根
62…外周足場
63…仮設梁
64…板材
70…小型テルハ
71…走行レール
72…テルハ本体
73…巻上げ装置
74、75…滑車
76…動滑車
77…フック
78…検知装置
79…巻上ワイヤ
80…X方向天井走行クレーン(第1クレーン)
81…走行レール
82…上段ガータ
83…下段ガータ
84…巻上げ装置
85…検知装置
90…Y方向天井走行クレーン(第2クレーン)
91…走行レール
92…上段ガータ
93…下段ガータ
94…巻上げ装置
211…下部
212…中央部
213…上部
214…貫通孔
821…ガータ本体
822…走行装置
831…ガータ本体
832…走行装置
841…ウインチ
842…走行装置
921…ガータ本体
922…走行装置
931…ガータ本体
932…走行装置
941…ウインチ
942…走行装置
A、B…検知範囲
Claims (1)
- 所定高さの水平面内で所定方向に移動可能な第1クレーンと、所定高さの水平面内で前記所定方向に交差する方向に移動可能な第2クレーンと、を備える揚重システムであって、
前記第1クレーンには、当該第1クレーン周囲の水平方向の所定範囲を検知範囲として障害物を検知する検知装置が設けられ、
前記検知装置の検知範囲内に前記第2クレーンが侵入した場合には、前記第1クレーンおよび前記第2クレーンのうち少なくとも一方の移動を停止し、
前記検知装置の検知範囲は、当該第1クレーンの水平面内の位置に応じて、複数種類に設定されることを特徴とする揚重システム。
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