JP6132143B2 - 建物解体システム - Google Patents
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また、RC造建物の解体の場合には、建物が高く、解体材を地上階に落とし込むことは振動や騒音が発生することから、採用するのは難しいという現状があった。さらに、S造建物の解体の場合には、建物が高く、タワークレーンによる解体材の荷降ろしが風の影響で荷振れしたり、また解体材が飛来したり、落下したりするおそれがあった。
すなわち、特許文献1では、屋根に既設屋上を部分的に使用しているため、システム全体の重量が大きくなるという問題があった。
また、地上荷降ろし用のテルハクレーンは、超高層建物の場合、その自重が大きくなる。そのため、仮設屋根上にテルハクレーンと天井クレーンが設置されることとなり、屋根フレームで負担する荷重が大きくなるという問題があった。また、屋根フレームの下側の天井クレーンでは、外壁部の揚重搬送のため、滑り出し式の天井クレーンを使用する場合があり、カンチレバー構造となるため、設置反力が大きく、屋根フレームの負担がさらに増大することから、屋根フレームの構造上の問題があった。
また、本発明の他の目的は、屋根フレームで負担する荷重を小さくすることにより、屋根フレームの構造を軽量化、簡略化することができる建物解体システムを提供することである。
そして、最上層が屋根フレームによって囲まれて閉鎖された解体空間となり、この解体空間内での解体作業となるため、解体中において高所からの飛来、落下等を無くすことができる。
また、本発明の建物解体システムによれば、屋根フレームで負担する荷重を小さくすることにより、屋根フレームの構造を軽量化し、簡略化することができるという効果を奏する。
また、建物10には、最上層F0及びその下の数階層(ここでは、第1下階層F1及び第2下階層F2)の各床スラブ13に複数のマスト用開口部16(図1、図2及び図5参照)が設けられている。
また、本実施の形態では、最上層F0は、解体時における建物高さのうち最上層をいい、その際の最上層F0よりも1階層下の階層を第1下階層F1といい、さらにその1階層下の階層を第2下階層F2といい、順にF3、F4、…(図示省略)とする。
これにより、建物10の最上層F0の上側には、閉鎖作業空間(これを解体空間Rという)が形成された状態となっている。なお、図1では、防音シート7及び防音パネル8の一部のみが示されているが、全周にわたって覆われている。
降下機構20は、マスト本体21に対して反力支持部22、上部支持脚23、及び下部支持脚24が上から下に向けてその順に互いに間隔をあけてワイヤ25によって連結されている。上部支持脚23及び下部支持脚24は、それぞれ建物10の床スラブ13に着脱可能に支持されている。ワイヤ25は、その上端と下端がそれぞれ反力支持部22及び下部支持脚24に固定され、ワイヤ25の長さ方向の中間部は上部支持脚23に通過されている。つまり、本実施の形態による支持マスト2は、マスト本体21の長さ方向の中間部分(上部支持脚23の支持部)が1層の床スラブ13に支持する構成(これを1層支持方式という)となっている。
このような降下機構20では、マスト本体21に対して上部支持脚23を交互に固定又は解放しつつ、油圧ジャッキ26を伸縮動作させることにより、支持マスト2を下層階に順次移設させる構造となっている。
本実施の形態の建物解体システム1では、図5に示すように、解体中の建物10の最上層F0において、天井クレーン4とテルハクレーン5とが別々で設けられているので、天井クレーン4を解体作業に使用し、テルハクレーン5を天井クレーン4で解体した解体材を地上層FGなどに吊り降ろす作業に使用をすることができる。そのため、最上層F0での解体材の水平搬送と地上荷降ろしとを並行で行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
そして、最上層F0が屋根フレーム6によって囲まれて閉鎖された解体空間Rとなり、この解体空間R内での解体作業となるため、解体中において高所からの飛来、落下等を無くすことができる。
しかも、内部クレーン41及び外周クレーン42A、42Bが互いの吊り領域内に移動させることができるので、テルハクレーン5が内部クレーン41の吊り領域内にあるとき、外壁14などの解体材を吊った外周クレーン42A、42Bを内部クレーン41による吊り領域に移動させることができる。
また、第2外周横行レール46Bと内部走行レール43とが互いに直線上に配置されたときに、第2外周クレーン42Bは第2外周横行レール46Bから内部走行レール43側に乗り移しさせることができる。
また、本実施の形態の建物解体システム1では、屋根フレーム6で負担する荷重を小さくすることにより、屋根フレーム6の構造を軽量化し、簡略化することができるという効果を奏する。
変形例による建物解体システムの支持マスト2Aは、上述した実施の形態では図6に示すように支持マスト2が1層支持方式となっているが、これに代えて、図20に示す2層支持方式とした構成のものである。この2層支持方式による支持マスト2Aの場合、上部支持脚23と下部支持脚24との間に中間支持脚28が設けられ、マスト本体21の長さ寸法も上述した図6に示す実施の形態の支持マスト2よりも2層分だけ長くなっている。なお、マスト本体21、反力支持部22、上部支持脚23、及び下部支持脚24の構成は上記実施の形態と同様の構成であるので、ここでは詳しい説明は省略する。
2、2A 支持マスト
3 支持フレーム
4 天井クレーン(水平クレーン)
5 テルハクレーン(垂直クレーン)
6 屋根フレーム
7 防音シート
8 防音パネル
10 建物
13 床スラブ
21 マスト本体
22 反力支持部
23 上部支持脚
24 下部支持脚
26 油圧ジャッキ
28 中間支持脚
31 縦フレーム
32 横フレーム
41 内部クレーン
42、42A、42B 外周クレーン
43 内部走行レール
44 内部横行レール
45A 第1外周走行レール
45B 第2外周走行レール
46A 第1外周横行レール
46B 第2外周横行レール
47 乗り移りレール
R 解体空間
X 長辺方向
Y 短辺方向
Claims (2)
- 高層建物の最上層に設置され、その最上層から順に建物を解体するための建物解体システムであって、
建物の外周部に沿って設けられる複数の支持マストによって支持される屋根フレームと、
該屋根フレームの下側に固定されて水平方向に移動する水平クレーンと、
前記建物の躯体に支持され、最上層から地上層まで連続する開口内で吊荷を昇降させる垂直クレーンと、
を備え、
前記水平クレーンは、平面視で前記建物の外周側に配置される外周クレーンと、内側に配置される内部クレーンと、からなり、
前記内部クレーン及び外周クレーンは、互いの吊り領域内に移動可能に設けられていることを特徴とする建物解体システム。 - 前記内部クレーンは、建物の第1方向に沿って延びる内部走行レールに案内されて走行する内部横行レール上を移動し、
前記外周クレーンは、前記第1方向に沿って延びる第1外周走行レールに案内されて走行する第1外周横行レール上を移動する第1外周クレーンと、平面視で前記第1方向に直交する方向に沿って延びる第2外周走行レールに案内されて走行する第2外周横行レール上を移動する第2外周クレーンと、を有し、
前記内部横行レールは、乗り移りレールを介して前記第1外周横行レールに対して直線上に配置され、
前記内部走行レールは、前記第2外周横行レールに対して直線上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の建物解体システム。
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JP2013105378A JP6132143B2 (ja) | 2013-05-17 | 2013-05-17 | 建物解体システム |
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