JP6147621B2 - タワークレーンの支持構造およびタワークレーン装置 - Google Patents

タワークレーンの支持構造およびタワークレーン装置 Download PDF

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Description

本発明は、互いに平行に配置された一対の耐震壁を有する建物にタワークレーンを支持させるタワークレーンの支持構造およびこれを備えたタワークレーン装置に関する。
高層建物を建築する際には一般的にタワークレーンが用いられる。超高層建物の場合には、建物外に建てられたマストを建物の建設とともに高く伸ばしてゆくマストクライミング方式のタワークレーンが一般的に採用される。一方、敷地が狭隘な場合や建設する建物がS造(鉄鋼造)の場合には、建物の内部に建てたマストを上層階へ盛り替えることでクライミングさせるフロアクライミング方式のタワークレーンが採用されることが多い。近年では、RC造(鉄筋コンクリート造)の建物に対しても、フロアクライミング方式のタワークレーンが実施されつつある。
フロアクライミング方式のタワークレーンでは、マスト(タワークレーン)を梁に支持させることが多い。ところがこのような支持構造では、梁に局所的に大きな荷重が作用するため、特にRC造の場合には梁が損傷する虞がある。梁を補強することなくタワークレーンを躯体に支持させるための構造として、柱の側面に受台を固定し、タワークレーンの荷重の一部を受台から柱に伝達させるようにした発明が公知である(特許文献1参照)。また、柱やコア壁の側面にブラケットを固定し、タワークレーンの荷重の全部をブラケットから柱やコア壁に伝達させる、すなわち柱やコア壁にタワークレーンを支持させるようにした発明が公知である(特許文献2参照)。
一方、梁にタワークレーンを支持させることが困難な場合に、相対向する耐震壁の上面から突出するようにアンカーボルトを埋設し、タワークレーンのベースが設置される受梁を耐震壁の上面に載置してアンカーボルトで固定したタワークレーンの支持構造なども提案されている(特許文献3参照)。
特開2010−254477号公報 特開2005−272116号公報 特許第5192251号公報
しかしながら、特許文献1、2のように梁または柱にタワークレーンの荷重を加えると、その部材に曲げモーメントが発生し、部材の補強が必要になる場合がある。また、柱のスパンやコア壁のスパンが大きいときには、受台または架台の長さが長くなって大きな曲げモーメントが発生するため、受台または架台の断面寸法を大きくする必要があり、取り扱いが困難になる。また、コア壁を有しない耐震壁架構の建物では、耐震壁が連続しており、タワークレーンを支持する場所を確保できないことが多い。
これに対し、特許文献3の発明は、耐震壁の上面に受梁を載置してタワークレーンを支持するようにしているが、受梁設置のために耐震壁に大きなダメ開口を開けておく必要があり、ダメ開口に露出する鉄筋の処理が煩雑であるほか、ダメ開口の塞ぎ作業も煩雑である。また、耐震壁は壁厚が薄いため、荷重が局所的に集中すると耐力が保持できない。ここで、耐力確保のために荷重の分散を図ることが考えられるが、荷重分散のために受梁の支持面積を大きくすると、その分ダメ開口が大きくなるため、ダメ開口の塞ぎ作業が一層煩雑になってしまう。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、耐震壁架構の建物に、躯体を補強することなく、かつ煩雑な作業を伴うことなくタワークレーンを支持させるタワークレーンの支持構造およびタワークレーン装置を提供することをその主な目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一側面によれば、互いに平行に配置された一対の耐震壁(5、5)を有する耐震壁架構の建物(1)にタワークレーン(10)を支持させるタワークレーンの支持構造であって、前記タワークレーン(10)を支持する支持架台(20)を前記一対の耐震壁の対向面(5a、5a)に直接接合したことを特徴とする構成とする。
この構成によれば、支持架台を耐震壁の対向面に接合するため、耐震壁にダメ開口を設ける必要がなく、作業が煩雑になることがない。また、耐震壁の対向面は比較的大きな平面であるため、支持架台の鉛直荷重を分散支持すること、すなわち支持架台を支持する耐震壁の支持面を大きくすることが容易であり、これに伴う作業の煩雑化も殆どない。また、支持架台を耐震壁の対向面に直接接合するため、耐震壁には曲げモーメントが殆ど発生せず、躯体を補強することなくタワークレーンを躯体で支持することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記支持架台(20)は、前記耐震壁(5、5)の対向面(5a、5a)に直接接合される一対の接合面(22a、22a)を有し、前記タワークレーン(10)の荷重が前記支持架台(20)に加わったことによる前記支持架台(20)の撓みによって前記耐震壁(5、5)に発生する曲げモーメントが前記耐震壁(5、5)の曲げ耐力以下となるように前記接合面(22a、22a)の高さ寸法が設定されている構成とすることができる。
支持架台を耐震壁の対向面に直接取り付けることにより、耐震壁に曲げモーメントが発生することは基本的にはない。しかし、支持架台に加わる荷重の変化によって支持架台が撓むと、耐震壁に曲げモーメントが発生する。そこで、このように、支持架台の接合面の高さ寸法が支持架台の撓み量に応じた高さに設定された構成とすることにより、耐震壁の曲げ耐力の範囲内でタワークレーンを耐震壁に支持させることが可能になる。
また、本発明の一側面によれば、前記支持架台(20)は、平面視で前記タワークレーン(10)のマスト(11)を挟むように配置された一対の枠状架台(21、21)を有し、各枠状架台(21)は、前記耐震壁(5、5)の対向面(5a、5a)に直接接合され、鉛直に延在する一対の縦材(22、22)と、当該一対の縦材(22、22)の上端を連結し、前記タワークレーン(10)のベース部(13)が取り付けられる桁材(23)と、前記一対の縦材(22、22)の下端を連結する水平つなぎ材(24)とを有する構成とすることができる。
この構成によれば、枠状架台の接合面の高さ寸法(縦材の高さ寸法)に対する枠状架台の撓み量の比を小さくしつつ、支持架台を軽量化することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記枠状架台(21)は、前記桁材(23)と前記水平つなぎ材(24)との間に配置される斜材(25)をさらに有する構成とすることができる。
この構成によれば、枠状架台の変形を効果的に抑制できるため、タワークレーンの荷重が加わったときに枠状架台が耐震壁に曲げモーメントを発生させることをより確実に防止することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記タワークレーンの支持構造と、前記タワークレーン(10)のクライミング時にクレーン本体(12)を前記建物(1)に支持させるためのベル受け架台(30)とを有するタワークレーン装置(40)であって、最上階(N+2)における一対の耐震壁(5、5)を構築する位置には、下階(N+1)の一対の耐震壁(5、5)から延びる鉄筋(5b)が床面から上方に突出しており、前記ベル受け架台(30)は、前記最上階(N+2)の床面における前記下階(N+1)の一対の耐震壁(5、5)の上方に設置され、前記鉄筋(5b)の突出長さよりも大きな高さ寸法を有し且つ下面に前記鉄筋(5b)を挿通させる孔(31a)または切欠が形成された下桁(31)と、当該下桁(31)の上面に設置され、前記下桁(31)の延在方向と略直交する方向に延在して前記クレーン本体(12)を支持する上桁(32)とを有する構成とすることができる。
この構成によれば、建物の建設中にタワークレーンをクライミングさせる際、建設中の建物の最上階よりも上方にクレーン本体を位置させたまま、ベル受け架台によってクレーン本体を支持することができる。また、最上階の耐震壁の上面からは鉄筋が突出しているが、鉄筋の突出長さよりも大きな高さ寸法を有し且つ鉄筋を挿通させる孔または切欠が形成された下桁をベル受け架台が有することにより、躯体を補強することなく、ベル受け架台を建物の躯体で支持することができる。
このように、本発明によれば、耐震壁架構の建物に、躯体を補強することなく、かつ煩雑な作業を伴うことなくタワークレーンを支持させるタワークレーンの支持構造およびタワークレーン装置を提供することができる。
実施形態に係るタワークレーンの支持構造を適用した建物の側面図 図1に示す建物の平面図 図2の要部を拡大した平面図 図3中のIV−IV矢視図 図4中のV−V矢視図 変形例に係る支持架台の図4に対応する図 タワークレーンの盛り替え手順の説明図 図7に示すベル受け架台の平面図 図8中のIX−IX矢視図 図8中のX−X矢視図
以下、図面を参照しながら本発明に係るタワークレーン10の支持構造の実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明で用いるタワークレーン10が用いられる建物1について説明する。図1および図2に示すように、建物1は、各フロアに長方形の住戸あるいは室が一列に複数配置されたいわゆる板状建物であり、躯体2が鉄筋コンクリート造とされている。図2に示すように平面上で直交する2つの方向をX方向およびY方向とすると、建物1は、X方向に沿って略等間隔に配置された柱3の列をY方向に所定の間隔を空けて2列有している。これらの柱3は建物1の外周に沿って配置されており、X方向については、同方向に延在する梁4によって隣接する柱3同士が互いに連結され、Y方向については、同方向に平行に延在する複数の耐震壁5によって2列の対応する柱3同士が互いに連結されている。つまり、建物1は、X方向についてはラーメン架構を有し、Y方向については耐震壁架構を有している。住戸あるいは室とされる複数の柱3の内部には床スラブ6が構築され、廊下や階段、エレベータシャフトなどは、複数の柱3の列の外側に設けられる。
本発明で用いるタワークレーン10は、建物1内部の敷地に設置されるフロアクライミング方式であり、建物1に支持されたマスト11と、マスト11に昇降可能に設けられたクレーン本体12とを有している。タワークレーン10は、図1に想像線で示すように、最初はマスト11の下端に設けられたベース部13を建物1の基礎7に固定した状態、すなわち建物1の基礎7に支持させた状態で使用され、建物1の建設が進んで建物1とクレーン本体12との間隔が小さくなると、マスト11を上層階に盛り替え、マスト11のベース部13を躯体2に固定した状態(躯体2に支持させた状態)で使用される。建物1の躯体2のうち、マスト11が設置される各フロアの住戸または室の床スラブ6には、マスト11設置用の開口6aが形成されている。各階に形成されたこれらの開口6aは、マスト11が上方に盛り替えられた後に、後施工によって下層階から順次閉塞される。
図3〜図5に示すように、ベース部13は、2本のビーム14aを互いに直交した状態で固定してなるクロスビーム14と、クロスビーム14の四隅(ビーム14aの端部)に水平面上を回動可能に設けられたアウトリガー15とを有する。各アウトリガー15の回動位置により、ベース部13が折り畳まれた状態または展開した状態となる。ベース部13は、展開状態でアウトリガー15が支持架台20に固定されることによって支持架台20により支持され、アウトリガー15の支持架台20に対する固定を解除して折り畳み状態とされることにより、支持架台20に対して上下方向に移動可能になり、上層階への盛り替えが可能となる。
支持架台20は、平面視でマスト11を挟む位置でX方向に延在する一対の枠状架台21、21により構成されている。各枠状架台21は、一対の耐震壁5、5の対向面5a、5aに直接接合され、鉛直に延在する一対の縦材22、22と、一対の縦材22、22の上端を連結し、タワークレーン10のベース部13が取り付けられる桁材23と、一対の縦材22、22の下端を連結する水平つなぎ材24と、桁材23と水平つなぎ材24との間に配置される斜材25とを有している。並行に配置された一対の枠状架台21、21は、図5に示すように、桁材23、23同士を連結する連結材26によって互いに連結される。
タワークレーン10のベース部13は、両枠状架台21の延在方向およびそれに直交する方向について両枠状架台21の中央に配置されている。つまり、タワークレーン10は、X方向において一対の耐震壁5、5の中央に配置され、Y方向においては耐震壁5で連結された2つの柱3の中央からオフセットした位置に配置されており、支持架台20の方がタワークレーン10を中央に配置するように2つの柱3の中央からオフセットした位置に配置されている。
各縦材22は、H型鋼に補強プレートを溶接したものであり、一方のフランジの外面が耐震壁5に対する接合面22aとなっている。縦材22のH型鋼としては、例えばH350×350を用いることができる。接合面22aを構成する縦材22のフランジには、図4の拡大図にも示すように、ウェブを挟む位置に2列に配置され、各列において縦に所定間隔に配置された複数のボルト挿通孔22bが形成されている。耐震壁5のこのボルト挿通孔22bに対応する位置には、複数のアンカーボルト27が設けられており、これらのアンカーボルト27によって縦材22が耐震壁5に直接接合される。ここで、「直接接合される」とは、他の部材などによって拘束されない自由な状態でアンカーボルト27のような接合手段によって接合力を加えられることにより、少なくとも2点以上の接点をもって耐震壁5に当接した状態(間にシートなどが介装された場合を含む)を意味するものである。
アンカーボルト27の径および本数は、タワークレーン10の支持荷重に応じたせん断力に耐えられるように設定される。各アンカーボルト27は、耐震壁5を貫通するように設けられており、使用後に撤去される。また、縦材22には、桁材23および水平つなぎ材24を接合すべくこれらと同一断面を有する鋼材を溶接してなる桁接合部22cおよびつなぎ材接合部22dや、斜材25を接合すべく鋼板を溶接してなるガセットプレート22eが耐震壁5に対する接合面22aと相反する側に設けられている。
桁材23は、タワークレーン10の支持荷重を縦材22に伝達するものであり、タワークレーン10の支持荷重や、支持架台20が設けられる一対の耐震壁5、5の対向面5a、5a間距離に応じて断面寸法が設定される。桁材23としては、例えばH700×300のH型鋼を用いることができる。桁材23は、2つの縦材22、22を耐震壁5に接合した後に、添接板を用いて桁接合部22cにボルトで摩擦接合されることにより両縦材22、22に接合される。つまり、桁材23は、縦材22、22にピン支持(ヒンジ支持)されるのではなく、縦材22、22に剛結合される。桁接合部22c、添接板および桁材23のうちの少なくとも1つに開けられるボルト通し孔は長孔とされており、施工誤差によって一対の耐震壁5、5の対向面5a、5a間距離が設計通りでなかった場合にも、両耐震壁5、5の対向面5a、5aに先に接合した縦材22に桁材23を接合できるようになっている。このように縦材22が先に耐震壁5に接合され、縦材22に引張力や圧縮力を加えることなく桁材23が一対の縦材22、22を連結するすることにより、耐震壁5に曲げモーメントを発生させることがない。
水平つなぎ材24は、一対の縦材22、22の下端同士を連結し、縦材22、22の下端同士が離間することを防止するものである。これにより、一体物とされた枠状架台21の剛性が高められる。水平つなぎ材24としては、例えばH150×150のH型鋼を用いることができる。水平つなぎ材24とつなぎ材接合部22dとの接合にも、ボルトと長孔とが用いられ、これにより耐震壁5に曲げモーメントが発生することが防止される。
斜材25は、桁材23と水平つなぎ材24との間で互いに交差するように2本配置されており、枠状架台21の変形を防止する。斜材25としては、例えばC150×75のチャンネル鋼材を用いることができる。本実施形態では、タワークレーン10が枠状架台21の延在方向の中央に配置されているため、枠状架台21に不釣合いな荷重が加わることは少ないが、クレーン本体12の向きや揚重荷重が変化すると、枠状架台21に加わる荷重が枠状架台21を変形させる力となって作用する。斜材25が設けられることにより、この枠状架台21の変形が防止される。斜材25とガセットプレート22eとの接合にも、ボルトと長孔とが用いられる。
このように構成された各枠状架台21は、耐震壁5の対向面5aに直接接合される一対の縦材22、22をもって一対の耐震壁5、5に取り付けられており、両端が耐震壁5に固定された状態となっている。そのため、枠状架台21にタワークレーン10の荷重が加わると、耐震壁5には少なからず曲げモーメントが発生する。そして耐震壁5は、鉛直方向の荷重に対する耐力は比較的大きい反面、壁厚が薄いために曲げモーメントに対する耐力は比較的小さい。そこで、本発明では、タワークレーン10の荷重で枠状架台21が撓むことによって耐震壁5に発生する曲げモーメントが耐震壁5の曲げ耐力以下となる程度に、縦材22の長さ(接合面22aの高さ)が長く設定されている。縦材22の長さが長いほど、耐震壁5に発生する曲げモーメントは小さくなる。そのため、縦材22の長さは躯体2の天井高の50%以上であることが好ましく、80%以上であることが更に好ましい。さらに、縦材22の長さは天井高と略同程度であることが最も好ましい。本実施形態では、施工性を考慮して、各縦材22の長さは躯体2の天井高(階高からスラブ厚を引いた高さ)よりも若干(30mm〜50mm)小さい程度とされている。
なお、縦材22をブラケットとして利用し、縦材22に取り付けた桁材23を両端支持梁とすることで、つまりタワークレーン10を支持する桁材23を、縦材22を介して間接的に耐震壁5に固定することで、耐震壁5に曲げモーメントが発生することを防止することが考えられる。しかしながら、縦材22における荷重の作用点が耐震壁5の対向面5aから水平方向に離れるために、耐震壁5にはより大きな曲げモーメントが発生するうえ、桁材23と縦材22との接合強度を確保するために接合幅をより大きくしなければならない。そのため、耐震壁5に発生する曲げモーメントを本実施形態と同程度に小さくすることや、桁材23および縦材22の幅を本実施形態と同程度に小さくすることはできない。
つまり、本発明では、一体物の各枠状架台21を一対の耐震壁5、5の対向面5a、5aに直接接合し、対向面5aに接合する縦材22の長さを可能な限り長くしたことにより、耐震壁5に発生する曲げモーメントを殆どなくすことができる。そのため、図4に矢印で示すように、ベース部13から桁材23に伝達された荷重は鉛直荷重として縦材22から一対の耐震壁5、5に伝達されることになり、躯体2を補強することなくタワークレーン10を躯体2で支持することが可能である。また、各枠状架台21を耐震壁5の対向面5aに接合するため、耐震壁5にダメ開口を設ける必要がなく、作業が煩雑になることがない。さらに、耐震壁5の対向面5aは比較的大きな平面であるため、支持架台20の鉛直荷重を分散支持すること、つまり本実施形態では縦材22を長くして各枠状架台21を支持する耐震壁5の支持面を大きくすることが容易であり、これに伴う作業の煩雑化も殆どない。
また、本実施形態では、支持架台20が平面視でタワークレーン10のマスト11を挟む一対の枠状架台21を有し、各枠状架台21が、一対の縦材22、22と桁材23に加え、水平つなぎ材24を有していることにより、枠状架台21の接合面22aの高さ寸法に対する枠状架台21の撓み量の比が小さくなり、支持架台20の軽量化が可能になっている。さらに、各枠状架台21が斜材25を有することにより、枠状架台21の変形が効果的に抑制され、耐震壁5に発生する曲げモーメントが確実に抑制される。
なお、枠状架台21は、図3〜図5に示した形態に限られることなく、様々な形態で実施できる。図6は、枠状架台21の複数の変形例を示している。(A)は、枠状架台21が鋼板によって壁状に形成された例である。この場合、耐震壁5に対する接合やベース部13の取り付けを行いやすいように、枠状架台21の上下左右にフランジ状鋼板を設けるとよい。(B)は、枠状架台21が斜材25を有しない例である。この場合、水平つなぎ材24が上記形態よりも大きな断面を有するとよい。例えば、水平つなぎ材24として、H350×350のH型鋼を用いるとよい。(C)は、斜材25の形状が異なるものであり、ハ字状に配置した一対の斜材25の上端を桁材23に接合し、下端を縦材22の下部に接合している。この構成では、桁材23に加わった荷重を斜材25によっても縦材22に伝達させることができるため、桁材23をより小断面にすることができる。なお、斜材25の上端は、ベース部13からの荷重伝達位置の近傍に配置するとよい。(D)は、(C)と同様の斜材25に加え、ベース部13からの荷重を縦材22に伝達しうる一部の面に壁材28を設け、斜材25および壁材28によっても荷重を縦材22に伝達させるようにした例である。
次に、図7を参照して、タワークレーン10の盛り替え手順について説明する。なお、ここでは、すでにタワークレーン10が躯体2に支持されている状態からさらに上層階への盛り替える手順を説明する。図7(A)では、タワークレーン10はM階の耐震壁5に取り付けられた支持架台20を介して躯体2に支持されている。建物1の建設が進むと、(B)に示すように上層階の躯体2が構築される。躯体2の構築と並行して、次にタワークレーン10を設置する階(N階とする)に別の支持架台20を設置する。この際、支持架台20が耐震壁5に直接接合されるように、拘束されていない状態で一対の縦材22、22(図4)を耐震壁5に接合する。所定の階(ここではN+1階)まで躯体2の構築を終えると、次に、(C)に示すように、最上階であるN+1階の上階すなわちN+2階に、クレーン本体12を支持するためのベル受け架台30を設定し、クレーン本体12を降下させてベル受け架台30上にクレーン本体12を固定する。この状態では、クレーン本体12はベル受け架台30を介して躯体2に支持される。その後、(D)に示すように、M階においてマスト11のベース部13と支持架台20との連結を切り外してマスト11を上昇させ、ベース部13をN階の支持架台20に連結する。支持架台20を介してマスト11を躯体2に支持させた後には、クレーン本体12を上昇させて(A)と同様の状態とし、躯体2の構築作業を続ける。このような手順を繰り返すことにより、タワークレーン10が建物1の構築に合わせて上層階へとクライミングしてゆく。なお、マスト11の上昇後、M階の支持架台20は解体・撤去し、次回の盛り替えのときに再使用する。また、N階以下の床スラブ6の開口6aは順次塞いでゆき、支持架台20を撤去した後には、縦材22の接合に用いられたアンカーボルト27を撤去して耐震壁5の仕上げを行う。
次に、盛り替え時に用いるベル受け架台30について図8〜図10を参照しながら説明する。ベル受け架台30は、建設中の建物1の最上階(N+2階)に設置され、タワークレーン10を自らクライミング可能にするクレーン装置40の一部を構成する。N+2階では、床スラブ6が構築されており、床スラブ6の上面における耐震壁5を構築する位置には、その下階(N+1階)の耐震壁5から延びる壁主筋5bが重ね継手の長さ分だけ床面から上方へ突出している。壁主筋5bは、耐震壁5の厚さ方向の中心面に対して両主面側に対称に配置され、耐震壁5の延在方向に所定間隔をもって耐震壁5の全長にわたって配置されている。
ベル受け架台30は、N+2階の床面において耐震壁5の上方に設置された2対の下桁31A、31A、31B、31Bと、各対の下桁31A、31Bの上面に設置され、耐震壁5と直交する方向に延びる2本の上桁32、32とを有している。各下桁31は、壁主筋5bの突出長さよりも大きな高さ寸法を有するH型鋼からなり、且つ下フランジに壁主筋5bを挿通させる孔31aまたは切欠が形成されている。下桁31としては、例えばH700×300のH型鋼を用いることができる。各下桁31は、耐震壁5の延在方向に沿って配置されており、ずれ止めアンカー33によって床スラブ6に固定されるとともに、一対の耐震壁5、5に対応する対ごとに斜材34が設けられることによって転等防止が図られている。上桁32は、ボルトナット35によって下桁31に固定され、その上面にクレーン本体12を載置してクレーン本体12およびマスト11を支持するようになっている。上桁32としては、例えばH700×300のH型鋼を用いることができる。
このように、耐震壁5の上面(床面)からは壁主筋5bが突出しているが、壁主筋5bの突出長さよりも大きな高さ寸法を有し且つ壁主筋5bを挿通させる孔31aまたは切欠が形成された下桁31を設置し、その上に上桁32を設置することにより、タワークレーン10の荷重を耐震壁5に伝達させることができるため、躯体2を補強することなく、ベル受け架台30を建物1の躯体2に支持させることができる。これにより、建設中の建物1の最上階よりも上方にクレーン本体12を位置させたまま、ベル受け架台30によってクレーン本体12を支持し、建物1の建設中にタワークレーン10をクライミングさせることができる。
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、建物1の構造や、タワークレーン10を支持する支持架台20、ベル受け架台30、各部材、部位の具体的構成、形状、配置、数量、素材、手順の要素や順序などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した構造および手順の各要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択してもよい。
1 建物
5 耐震壁
5a 対向面
5b 壁主筋(鉄筋)
10 タワークレーン
11 マスト
12 クレーン本体
13 ベース部
20 支持架台
21 枠状架台
22 縦材
22a 接合面
23 桁材
24 水平つなぎ材
25 斜材
30 ベル受け架台
31(31A、31B) 下桁
31a 孔
32 上桁
40 クレーン装置

Claims (4)

  1. 互いに平行に配置された一対の耐震壁を有する耐震壁架構の建物にタワークレーンを支持させるタワークレーンの支持構造であって、
    前記一対の耐震壁の対向面に直接接合され、前記タワークレーンを支持する支持架台を有し、
    前記支持架台は、平面視で前記タワークレーンのマストを挟むように配置された一対の枠状架台を有し、各枠状架台は、前記耐震壁の対向面に直接接合され、鉛直に延在する一対の縦材と、当該一対の縦材の上端を連結し、前記タワークレーンのベース部が取り付けられる桁材と、前記一対の縦材の下端を連結する水平つなぎ材とを有することを特徴とするタワークレーンの支持構造。
  2. 前記支持架台は、前記耐震壁の対向面に直接接合される一対の接合面を有し、前記タワークレーンの荷重が前記支持架台に加わったことによる前記支持架台の撓みによって前記耐震壁に発生する曲げモーメントが前記耐震壁の曲げ耐力以下となるように前記接合面の高さ寸法が設定されていることを特徴とする、請求項1に記載のタワークレーンの支持構造。
  3. 前記枠状架台は、前記桁材と前記水平つなぎ材との間に配置される斜材をさらに有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のタワークレーンの支持構造。
  4. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のタワークレーンの支持構造と、
    前記タワークレーンのクライミング時にクレーン本体を前記建物に支持させるためのベル受け架台とを有するタワークレーン装置であって、
    最上階における一対の耐震壁を構築する位置には、下階の一対の耐震壁から延びる鉄筋が床面から上方に突出しており、
    前記ベル受け架台は、前記最上階の床面における前記下階の一対の耐震壁の上方に設置され、前記鉄筋の突出長さよりも大きな高さ寸法を有し且つ下面に前記鉄筋を挿通させる孔または切欠が形成された下桁と、当該下桁の上面に設置され、前記下桁の延在方向と略直交する方向に延在して前記クレーン本体を支持する上桁とを有することを特徴とするタワークレーン装置。
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