JP6368522B2 - 建物 - Google Patents

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Description

本発明は、建物に関する。
屋根と、この屋根より下方に設けられた下部構造物とを備えた建物において、特許文献1には、スタンド(下部構造物)を構築した後に、このスタンド上で屋根を地組みして、所定の角度まで屋根を引き起こすことによって競技場を構築した発明が開示されている。
特開平7−76933号公報
しかしながら、特許文献1の発明では、スタンド(下部構造物)を構築した後でなければ屋根を地組みすることができないので、各工事の順番を入れ替えることができない。すなわち、工事を平準化することができず、工期の短縮や施工コストの削減が難しい。また、昨今では制振機能を備えた建物が望まれている。
本発明は、上記の事実を考慮し、工事の平準化が可能で、且つ制振機能を備えた建物を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る建物は、支持体と該支持体に支持された屋根とを備えた屋根構造物と、前記屋根の下方に構築された下部構造物と、前記屋根構造物と前記下部構造物とを連結して振動を減衰させるエネルギ吸収部材と、を有し、前記屋根は、一端部が前記支持体に支持され他端部が自由端とされており、前記下部構造物は、競技場の外周に沿って構築されたスタンドである
請求項1に記載の本発明に係る建物によれば、屋根構造物は、支持体と屋根とを備えており、この屋根構造物の屋根の下方には、下部構造物が構築されている。また、屋根構造物と下部構造物とは、振動を減衰させるエネルギ吸収部材によって連結されている。これにより、制振機能を備えた建物とすることができる。
また、屋根構造物と下部構造物とを別々に形成した後にエネルギ吸収部材で連結すればよいため、屋根構造物と下部構造物との構築順序を任意に選択することができる。これにより、例えば、工区毎に異なる構築順序で屋根構造物及び下部構造物を構築すれば、それぞれの工事を平準化できる。
請求項2に記載の本発明に係る建物は、請求項1に記載の建物であって、前記屋根構造物は、鉄骨部材で形成されており、前記スタンドは、鉄筋コンクリートで形成されている
請求項2に記載の本発明に係る建物によれば、屋根構造物を鉄骨部材で形成することにより、施工性を向上させることができる。また、スタンドが鉄筋コンクリートで形成されているため、屋根構造物とスタンドとの地震時の周期を異なるように設定すれば、エネルギ吸収部材で相互の振動を減衰して高い減衰効果を備えた競技場を構築することができる。
請求項3に記載の本発明に係る建物は、請求項1又は2に記載の建物であって、前記屋根の自由端側と前記スタンドとが前記エネルギ吸収部材とは別のダンパで上下に連結されている。
請求項4に記載の本発明に係る建物は、請求項1〜3の何れか1項に記載の建物であって、前記スタンドは、免震装置を介して基礎上に構築されており、前記支持体は、前記基礎に直接立設されている。
請求項5に記載の本発明に係る建物は、請求項1〜4の何れか1項に記載の建物であって、前記支持体は、前記スタンドの外周部の上に立設されている。
請求項に記載の本発明に係る建物は、一方向に間隔をあけて設けられた支持体と、前記支持体に支持された屋根と、前記支持体同士を連結し、一方向の振動を減衰させる第1エネルギ吸収部材と、を備えた屋根構造物と、前記屋根の下方に一方向に間隔をあけて設けられると共に、前記一方向と交差する他方向に延在され、且つ前記支持体に上下方向にスライド可能に連結された下部構造物と、前記下部構造物と前記支持体とに連結され、他方向の振動を減衰させる第2エネルギ吸収部材と、を有する。
請求項に記載の本発明に係る建物によれば、一方向の振動を第1エネルギ吸収部材で減衰させ、他方向の振動を第2エネルギ吸収部材で減衰させることで、屋根構造物及び下部構造物の両方に対して一方向及び他方向の両方の振動を減衰させることができる。また、下部構造物と支持体とが上下方向にスライド可能に連結されているので、地震時に下部構造物と支持体とを上下方向に相対移動させることができ、連結部分に応力が集中するのを抑制することができる。さらに、屋根構造物と下部構造物とが相互に地震力を負担するため、下部構造物に対して一方向に架け渡される梁を省略することができる。これにより、例えば、下部構造物の上に段床部を架け渡した構成などを採用すれば、工期の短縮及び施工コストの削減を図ることができる。
以上説明したように、本発明に係る建物によれば、工事の平準化が可能で、且つ制振機能を備えた建物を得ることができる。
第1実施形態に係る建物を示す立面図である。 第2実施形態に係る建物を示す立面図である。 第3実施形態に係る建物を示す立面図である。 第4実施形態に係る建物を示す立面図である。 第5実施形態に係る建物を示す立面図である。 第6実施形態に係る建物を示す立面図である。 第7実施形態に係る建物を示す立面図である。 第7実施形態に係る建物を示す平断面図である。 第8実施形態に係る建物を示す立面図である。 第8実施形態に係る建物を示す平断面図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、第1実施形態に係る建物について説明する。なお、各図において、鉛直方向(上下方向)を矢印Zで示し、水平方向における直交する2方向を矢印X及び矢印Yで示す。
図1に示されるように、本実施形態の建物10は、主として、屋根構造物12と、下部構造物としてのスタンド14と、エネルギ吸収部材としてのダンパ20とを含んで構成されている。なお、本実施形態では、建物10の一例として、スタジアムに本発明を適用した実施形態について説明するが、これに限らず、屋根構造物と下部構造物とを含む建物であれば、他の建物に本発明を適用してもよい。例えば、アリーナ、植物園、石炭サイロ、展示場、原子炉建屋などに適用してもよい。後述する第2実施形態〜第8実施形態についても同様である。また、本実施形態の屋根構造物12及びスタンド14は、競技領域(競技場)200を取り囲むように設けられているが、以下の説明では、一部の屋根構造物12及びスタンド14ついてのみ図示して説明する。なお、屋根構造物12及びスタンド14が競技領域200を取り囲んでいなくてもよい。
屋根構造物12は、上下方向に延在された支持体18と、この支持体18に支持された屋根16とを備えている。ここで、本実施形態の支持体18は、基礎22上に間隔をあけて立設された鉄骨柱24と、この鉄骨柱24間に架け渡された鉄骨梁26とを含んで構成されているが、これに限らず、他の構成で支持体を形成してもよい。例えば、基礎22上に断面略矩形状の鋼管を立設して支持体を形成してもよい。また、鉄骨部材以外の部材で形成してもよく、例えば、鉄筋コンクリートで支持体を形成してもよい。
支持体18には、屋根16が支持されている。屋根16は、例えば、鉄骨部材で形成された屋根梁に膜状部材を張り渡して形成されており、本実施形態では一例として、屋根16の一端部が支持体18に支持されており、屋根16の他端部が自由端とされている。すなわち、片持ちの支持構造とされているが、これに限らず、競技領域200を挟んで反対側にも支持体18と同様の支持体を形成し、この支持体の間に屋根16を架け渡した構成としてもよい。また、屋根16を開閉可能に構成してもよい。
さらに、本実施形態の屋根16は、一端部から他端部へ向かって直線状に延在されており、一端部より他端部の方が厚みが小さく形成されているが、これに限らず、屋根16の形状は特に限定しない。例えば、上方に膨らむように円弧状に湾曲させた形状としてもよい。
屋根16の下方には、鉄筋コンクリート製のスタンド14が設けられている。スタンド14は、屋根構造物12の支持体18より内側に構築されており、競技領域200の外周に沿って構築されている。また、スタンド14は、主として、柱部28と、梁部30と、傾斜部32とを含んで構成されている。柱部28は、基礎22に立設されて上下方向に延在されており、梁部30は、柱部28間に架け渡されている。また、傾斜部32は、外周側から内周側へ向かって下方へ傾斜するように形成されており、本実施形態では、スタンド14の上部と下部に傾斜部32が設けられている。そして、この傾斜部32には、図示しない座席が設置される。
ここで、屋根構造物12とスタンド14とは、間隔をあけて構築されており、これらがダンパ20によって連結されている。ダンパ20は、スタンド14の上端部と、スタンド14の上下方向の中間部とに設けられており、本実施形態では一例として、オイルダンパが用いられている。なお、これに限らず、振動を減衰させるエネルギ吸収部材であれば、他のダンパを用いてもよく、例えば、粘弾性体を用いた粘弾性ダンパであってもよい。また、本実施形態では、上下方向に2つのダンパ20が設けられて屋根構造物12とスタンド14とが連結されているが、これに限らず、上下方向に3つ以上のダンパ20を設けてもよい。さらに、複数の種類のダンパを組み合わせて用いてもよい。
また、本実施形態では、屋根構造物12を鉄骨部材で形成し、スタンド14を鉄筋コンクリートで形成したが、これに限らず、それぞれ別の部材で形成してもよい。例えば、屋根構造物12及びスタンド14を共に鉄骨部材で形成してもよく、逆に、屋根構造物12及びスタンド14を共に鉄筋コンクリートで形成してもよい。また、鉄骨部材及び鉄筋コンクリートを組み合わせて形成してもよい。
さらに、本実施形態では、同じ基礎22上に屋根構造物12とスタンド14とを構築したが、これに限らず、それぞれ別々の基礎の上に構築してもよい。この場合、屋根構造物12とスタンド14との間の部分には基礎を形成する必要がなくなり、コンクリート等の材料費を削減することができる。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。本実施形態の建物10では、屋根構造物12とスタンド14とがダンパ20によって連結されている。これにより、制振機能を備えた建物10を構築することができる。すなわち、地震時に建物10に地震力が作用した際に、ダンパ20が伸縮されて振動を減衰させることができる。
また、本実施形態では、屋根構造物12を鉄骨部材で形成しており、スタンド14を鉄筋コンクリートで形成しているため、屋根構造物12とスタンド14とを同じ部材で形成した場合と比較して、地震時の挙動が異なる。これにより、ダンパ20によるエネルギ吸収効率を向上させることができる。
さらに、本実施形態のように屋根構造物12とスタンド14とをダンパ20で連結した構成とすれば、屋根構造物12及びスタンド14の構築する構築順序を任意に選択することができる。これにより、例えば、屋根構造物12を先に構築し、その後、屋根16の下でスタンド14を構築することで、スタンド14を構築する際に雨風をしのぐことができる。また、逆に、スタンド14を先に構築し、その後、屋根構造物12を構築する場合は、スタンド14の一部を架設足場として利用することができる。また、スタンド14上に屋根16を地組みしてから引き上げる方法などを採用することができる。
また、大規模のスタジアムを施工する場合などでは、工区を複数に分割して、工区ごとに異なる構築順序を採用することにより、工事を平準化することができ、工期の短縮や施工コストの削減を図ることができる。また、支保工などの数を最小限にすることができる。さらに、同じ作業員で複数の工区の工事を行うことができるので、工事の効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、屋根構造物12とスタンド14とをダンパ20でX方向に連結しているが、さらにY方向にもダンパ20を設けて連結してもよい。この場合、隣り合う支持体18の間にスタンド14の一部が入り込むように構築すれば、X方向及びY方向にそれぞれダンパ20を設けて、2方向で屋根構造物12とスタンド14とを連結することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る建物について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。図2に示されるように、本実施形態の建物50は、屋根16とスタンド14とをエネルギ吸収部材としてのダンパ42によって上下に連結した点を特徴としている。
ダンパ42は、スタンド14と支持体18とをX方向に連結しているダンパ20より長いダンパが用いられており、このダンパ42の下端部は、スタンド14の上側の傾斜部32と下側の傾斜部32との間の梁部30に接続されている。また、ダンパ42の上端部は、下端部より競技領域200側に位置しており、屋根16のX方向の中間部より先端側の部位に接続されている。なお、ダンパ42は、ダンパ20と同様にオイルダンパとされているが、これに限らず、粘弾性体を用いた粘弾性ダンパなどであってもよい。また、ダンパ42を連結する位置については、特に制限せず、例えば、屋根16の先端部に連結してもよい。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。本実施形態の建物50では、第1実施形態の建物10と比較して、地震力によって屋根16が損傷するのをより効果的に抑制することができる。特に、支持体18で屋根16を片持ち支持している場合は、屋根16の自由端部が大きく上下に振動する。このため、ダンパ42でスタンド14と屋根16とを連結することにより、この屋根16の振動を減衰させて建物50全体の減衰効果を高めることができる。その他の作用については第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る建物について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。図3に示されるように、本実施形態の建物50は、スタンド14を免震化した点を特徴としている。
本実施形態の支持体18は、基礎22上に間隔をあけて立設された鉄骨柱24と、この鉄骨柱24間に架け渡された鉄骨梁26とを含んで構成されている。また、支持体18より内側に構築されたスタンド14は、主として、柱部28と、梁部30と、傾斜部32とを含んで構成されており、柱部28と基礎22との間には、免震装置の一例としての積層ゴム52が設けられている。
積層ゴム52は、剛板とゴム板とを交互に積層して構成されており、積層ゴム52の下端部には、下フランジ52Aが設けられている。下フランジ52Aは、基礎22に形成された免震架台22Aに載置され、図示しないボルトなどによって締結されている。また、積層ゴム52の上端部には、上フランジ52Bが設けられており、この上フランジ52Bは、鉄骨柱24の下端部とボルトなどによって締結されている。また、スタンド14と支持体18とがダンパ20によってX方向に連結されている。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。本実施形態の建物50では、スタンド14を免震化することにより、地震時にスタンド14が大きく揺れるのを抑制することができる。また、免震化によってスタンド14の周期が変化するので、屋根構造物12との周期の違いによって効果的にダンパ20を伸縮させることができ、高い減衰効果を得ることができる。その他の作用については、第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、免震装置の一例として、積層ゴム52を用いたが、これに限らず、他の免震装置を用いてスタンド14を免震化してもよく、例えば、転がり支承や滑り支承などを用いてもよい。また、本実施形態では、スタンド14を免震化しているが、これに限らず、屋根構造物12を免震化した構造でもよい。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る建物について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。図4に示されるように、本実施形態の建物60は、屋根構造物12とスタンド14とが低層部を共有している点を特徴としている。
屋根構造物12の支持体18は、鉄骨柱24と鉄骨梁26とを含んで構成されており、鉄骨柱24は、基礎22上に構築されたスタンド14の外周部62の上に立設されている。外周部62は、スタンド14の他の部位と同様に鉄筋コンクリートで形成されており、柱部64と梁部66とを備えている。ここで、支持体18の鉄骨柱24は、外周部62の梁部66から立設されている。また、梁部66が架け渡された柱部28の上部と、支持体18とがダンパ20で連結されている。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。本実施形態の建物60では、屋根構造物12を構成する鉄骨部材を削減することができる。その他の作用については、第1実施形態と同様である。
なお、全ての工区で本実施形態の構成を採用する必要はなく、例えば、スタンド14を先に構築する工区では、本実施形態のように外周部62を有する構成を採用し、屋根構造物12を先に構築する工区では、第1実施形態のように、基礎22上に支持体18を立設する構成を採用するようにしてもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係る建物について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。図5に示されるように、本実施形態の建物70は、地震時に屋根構造物12を浮き上がらせることで制振する、所謂ステッピング制振構造とした点を特徴としている。
本実施形態の屋根構造物12の支持体18は、鉄骨柱24と鉄骨梁26とを含んで構成されており、スタンド14側に位置する鉄骨柱24の下端部は、基礎22に形成された差込部78に差し込まれている。ここで、鉄骨柱24は、基礎22と接合されておらず、支持体18の浮き上がりを許容している。一方、外側に位置する鉄骨柱24は、ピン支持とされている。
また、スタンド14側の鉄骨柱24には、取付ブラケット72が上下に2つ設けられており、それぞれの取付ブラケット72の上方には、この取付ブラケット72と上下方向に対向するように、スタンド14の柱部28から取付部74が延出されている。そして、取付ブラケット72と取付部74との間には、エネルギ吸収部材としてのダンパ76が設けられており、このダンパ76で取付ブラケット72と取付部74とを上下に連結している。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。本実施形態の建物70では、屋根構造物12にステッピング制振構造を採用しているので、地震時にスタンド14側の鉄骨柱24が浮き上がって、地震力が伝達されるのを抑制することができる。特に、屋根構造物12のようなアスペクト比が大きい構造物では、地震時に支持体18の鉄骨柱24と基礎22との間に強力な引き抜き力が作用するため、支持体18の浮き上がりを許容することにより、引き抜き力が作用するのを抑制して屋根構造物12の制振機能を向上させることができる。また、支持体18が浮き上がった際に、ダンパ76が伸縮して振動を減衰させることができる。その他の作用については、第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、ダンパ76としてオイルダンパを用いたが、これに限らず、振動を減衰させるエネルギ吸収部材であれば、他のダンパを用いてもよく、例えば、粘弾性体を用いた粘弾性ダンパであってもよい。また、本実施形態では、外側に位置する鉄骨柱24をピン支持構造としたが、これに限らず、両方の鉄骨柱24を差込部78に差し込んで浮き上がりを許容する構造としてもよい。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態に係る建物について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。図6に示されるように、本実施形態の建物80は、回転ダンパ84と方杖ダンパ86とを用いた点を特徴としている。ここで、本実施形態の建物80は、基本的には、第1実施形態の建物10や第2実施形態の建物50と組み合わされて用いられる。すなわち、競技領域200に沿って一定の間隔で本実施形態の構成が用いられている。
本実施形態の屋根構造物12の支持体18の上部には、支持架台82が設けられており、この支持架台82には、エネルギ吸収部材としての回転ダンパ84を介して屋根16が支持されている。回転ダンパ84は、例えば、オイルなどの粘性体が収容された本体ケースと、この本体ケース内に回転可能に設けられたロータとを備えて構成されており、屋根16の図中矢印Aで示す方向の回転力を減衰できるように構成されている。一方、スタンド14の上端部と屋根16とがエネルギ吸収部材としての方杖ダンパ86によって連結されている。すなわち、屋根構造物12とスタンド14とが方杖ダンパ86によって連結されている。なお、スタンド14と支持体18との間にはダンパが設けられていない。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。本実施形態の建物80では、回転ダンパ84及び方杖ダンパ86を用いることにより、地震時に屋根16が大きく上下に振動するのを抑制することができる。また、方杖ダンパ86によって、屋根16が支持されているので、屋根16を片持ち支持構造とした場合と比較して、屋根16の支持強度を向上させることができる。その他の作用については、第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、スタンド14と支持体18とがダンパで連結されていなかったが、これに限らず、例えば、第1実施形態と同様のダンパ20でスタンド14と支持体18とをX方向に連結してもよい。また、本実施形態では、回転ダンパ84の一例として、粘性体を用いて振動を減衰させる構成を採用したが、これに限らず、屋根16の回転力を減衰できるダンパであればよく、例えば、摩擦力で減衰させる構成としてもよい。さらに、方杖ダンパ86は、振動を減衰させるエネルギ吸収部材であれば、他のダンパを用いてもよく、例えば、粘弾性体を用いた粘弾性ダンパであってもよい。また、本実施形態では、第1実施形態や第2実施形態と組み合わせることにより、方杖ダンパ86に屋根16の荷重が常時作用するのを抑制しているが、これに限らず、屋根16を支持する支持手段を別途設けた場合は、本実施形態の構造を連続させてもよい。また、競技領域200を取り囲んで配置することで立体効果を期待できる場合も同様に、本実施形態の構造を連続させてもよい。
<第7実施形態>
次に、第7実施形態に係る建物について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。図7に示されるように、本実施形態の建物90は、スタンド96を構成する架構内に屋根構造物94の支持体92を立設した点を特徴としている。
本実施形態のスタンド96は、柱部28と、梁部30と、傾斜部32とを含んで第1実施形態のスタンド14よりX方向に長く形成されている。ここで、スタンド96を構成する柱部28のうち、最も競技領域200から遠い最外側の柱部28と、この柱部28より内側の柱部28との間には、屋根構造物94の支持体92が立設されている。
屋根構造物94は、鋼管などで形成された支持体92と、支持体92に支持された屋根16とを含んで構成されている。支持体92は、図8に示されるように、断面略矩形状の鋼管で形成されており、スタンド96の梁部30及び梁部31で囲まれた領域に立設されている。また、支持体92と、梁部30又は梁部31との間には、エネルギ吸収部材としてのダンパ99A、99Bが設けられており、これらを連結している。なお、本実施形態では、支持体92と梁部31とをX方向に連結するダンパ99Aと、支持体92と梁部30とをY方向に連結するダンパ99BとをY方向に交互に設けているが、これに限らない。
また、本実施形態では、図7に示されるように、支持体92の下部から外側へ向かって斜め下方に脚部98が延びており、支持体92を支持しているが、これに限らず、支持する必要がない場合は脚部98を設けなくてもよい。また、第1実施形態と同様の支持体18を用いてもよい。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。本実施形態の建物90によれば、屋根構造物94の支持体92をスタンド96の架構内に立設することにより、屋根構造物94を構築するための領域をスタンド96の外側に別途確保する必要がない。また、ダンパ99A及びダンパ99Bによってスタンド96と支持体92とをX方向及びY方向に連結しているので、それぞれの方向に作用する地震力に対して減衰効果を得ることができる。その他の作用については、第1実施形態と同様である。
<第8実施形態>
次に、第8実施形態に係る建物について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。図9に示されるように、本実施形態の建物100は、簡易な下部架構112によってスタンド106を構成した点を特徴としている。
建物100は、主として、屋根構造物104と、下部構造物としての下部架構112を備えたスタンド106とを含んで構成されている。また、屋根構造物104は、上下方向に延在された支持体18と、この支持体18に支持された屋根16と、第1エネルギ吸収部材としてのダンパ126とを備えている。
支持体18は、基礎22上に間隔をあけて立設された鉄骨柱24と、この鉄骨柱24間に架け渡された鉄骨梁26とを含んで構成されている。なお、これに限らず、他の構成で支持体を形成してもよく、例えば、基礎22上に断面略矩形状の鋼管を立設して支持体を形成してもよい。また、鉄骨部材以外の部材で形成してもよく、例えば、鉄筋コンクリートで支持体を形成してもよい。ここで、支持体18は、図10に示されるように、Y方向(一方向)に間隔をあけて複数設けられており、隣り合う支持体18の間には、ブレース124とダンパ126とがY方向に交互に設けられている。詳細には、支持体18のY方向の一方側には、支持体18の外側に位置する鉄骨柱24同士を連結するブレース124が設けられており、支持体18のY方向の他方側には、支持体18の外側に位置する鉄骨柱24同士を連結するダンパ126が設けられている。
なお、本実施形態では、ダンパ126とブレース124とをY方向に交互に設けているが、これに限らず、例えば、ダンパ126を2つおきに設けてもよく、3つ以上おきに設けてもよい。また、ブレース124を設けずにダンパ126のみで連結した構成としてもよい。さらに、ダンパ126及びブレース124は、支持体18の内側(スタンド106側)に位置する鉄骨柱24同士を連結するように設けてもよく、鉄骨柱24間に架け渡された鉄骨梁26同士を連結するように設けてもよい。
図9に示されるように、屋根16の下方には、鉄筋コンクリート製のスタンド106が構築されている。スタンド106は、下部架構112を備えており、下部架構112は、X方向に間隔をあけて立設された2本の柱部114と、柱部114の上端に支持されてX方向(他方向)に延在された傾斜部116とを含んで構成されている。ここで、傾斜部116は、競技領域200の外側から内側へ向かって下方に傾斜されている。
また、図10に示されるように、下部架構112は、Y方向(一方向)に間隔をあけて複数設けられており、本実施形態では、屋根構造物104の支持体18と略同一のピッチで設けられている。そして、この下部架構112の上には、階段状の段床部118が架け渡されて下部架構112に支持されており、この段床部118に図示しない座席が設置される。
ここで、下部架構112と支持体18とがリニアスライダ120を介して連結されている。図9に示されるように、リニアスライダ120は、リニアレール120Aと、リニアブロック120Bとを含んで構成されており、リニアレール120Aは、支持体18の上部の下部架構112側に取り付けられている。一方、リニアブロック120Bは、下部架構112を構成する傾斜部116の端部に取り付けられており、リニアレール120Aと係合している。これにより、支持体18と下部架構112とが上下方向にスライド可能に連結されている。
また、傾斜部116と支持体18とは、ダンパ122によって上下に連結されている。詳細には、傾斜部116のリニアブロック120Bが設けられた端部の下面にダンパ122の上端部が接続されており、支持体18に取り付けられた取付ブラケット110にダンパ122の下端部が接続されて、支持体18と下部架構112とが連結されている。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。本実施形態の建物100では、Y方向に間隔をあけて下部架構112を設けられており、この下部架構112の上に段床部118を架け渡した構成としている。このように、下部架構112に対してY方向(一方向)に架け渡される梁を省略することで、簡易な架構でスタンド106を構成することができる。
また、スタンド106及び屋根構造物104に作用するY方向(一方向)の振動については、支持体18間に設けられたダンパ126が伸縮して減衰させ、X方向(他方向)の振動については、ダンパ122が伸縮して減衰させることができる。このようにして、屋根構造物104とスタンド106とが相互に地震力を負担することにより、簡易な架構で、且つ減衰効果を備えた建物100を構築することができる。その他の作用については、第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、スタンド106と屋根構造物104とをリニアスライダ120で連結したが、これに限らず、上下方向にスライド可能に連結すれば、他の連結部材で連結してもよく、例えば、シャフトとベアリングを用いて上下にスライド可能な構成としてもよい。
以上、本発明の第1実施形態〜第8実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、工区毎に異なる構成を採用してもよい。
10 建物
12 屋根構造物
14 スタンド(下部構造物)
16 屋根
18 支持体
20 ダンパ(エネルギ吸収部材)
40 建物
42 ダンパ(エネルギ吸収部材)
50 建物
60 建物
70 建物
76 ダンパ(エネルギ吸収部材)
80 建物
84 回転ダンパ(エネルギ吸収部材)
86 方杖ダンパ(エネルギ吸収部材)
90 建物
92 支持体
94 屋根構造物
96 スタンド(下部構造物)
99 ダンパ(エネルギ吸収部材)
100 建物
104 屋根構造物
112 下部架構(下部構造物)
122 ダンパ(第2エネルギ吸収部材)
126 ダンパ(第1エネルギ吸収部材)

Claims (6)

  1. 支持体と該支持体に支持された屋根とを備えた屋根構造物と、
    前記屋根の下方に構築された下部構造物と、
    前記屋根構造物と前記下部構造物とを連結して地震時の振動を減衰させるエネルギ吸収部材と、
    を有し、
    前記屋根は、一端部が前記支持体に支持され他端部が自由端とされており、
    前記下部構造物は、競技場の外周に沿って構築されたスタンドである建物。
  2. 前記屋根構造物は、鉄骨部材で形成されており、
    前記スタンドは、鉄筋コンクリートで形成されている請求項1に記載の建物。
  3. 前記屋根の自由端側と前記スタンドとが前記エネルギ吸収部材とは別のダンパで上下に連結されている請求項1又は2に記載の建物。
  4. 前記スタンドは、免震装置を介して基礎上に構築されており、
    前記支持体は、前記基礎に直接立設されている請求項1〜3の何れか1項に記載の建物。
  5. 前記支持体は、前記スタンドの外周部の上に立設されている請求項1〜4の何れか1項に記載の建物。
  6. 一方向に間隔をあけて設けられた支持体と、前記支持体に支持された屋根と、前記支持体同士を連結し、一方向の振動を減衰させる第1エネルギ吸収部材と、を備えた屋根構造物と、
    前記屋根の下方に一方向に間隔をあけて設けられると共に、一方向と交差する他方向に延在され、且つ前記支持体に上下方向にスライド可能に連結された下部構造物と、
    前記下部構造物と前記支持体とに連結され、他方向の振動を減衰させる第2エネルギ吸収部材と、
    を有する建物。
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