JP5283774B1 - 仮設建物用制震ダンパー - Google Patents

仮設建物用制震ダンパー Download PDF

Info

Publication number
JP5283774B1
JP5283774B1 JP2012181432A JP2012181432A JP5283774B1 JP 5283774 B1 JP5283774 B1 JP 5283774B1 JP 2012181432 A JP2012181432 A JP 2012181432A JP 2012181432 A JP2012181432 A JP 2012181432A JP 5283774 B1 JP5283774 B1 JP 5283774B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration control
temporary building
frame
temporary
damper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012181432A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014037741A (ja
Inventor
伸夫 松田
克則 仲本
浩敏 森田
Original Assignee
大和リース株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 大和リース株式会社 filed Critical 大和リース株式会社
Priority to JP2012181432A priority Critical patent/JP5283774B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5283774B1 publication Critical patent/JP5283774B1/ja
Publication of JP2014037741A publication Critical patent/JP2014037741A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

【課題】 比較的安価に製作でき、仮設建物の屋外面に簡単に設置できる仮設建物用制震ダンパーを提供する。
【解決手段】 この仮設建物用制震ダンパー1は、躯体30に屋外面に沿って設置され、上側および下側制震フレーム2,3と制震デバイス4とを備える。上側制震フレーム2は、2本の上側傾斜フレーム材10をV形に組み、その間につなぎ材11を固定状態に渡してなり、両上側傾斜フレーム材10の上端が躯体30における階層部分の上部に接合される。下側制震フレーム3は、2本の下側傾斜フレーム材15を逆V形に組み、その間につなぎ材16を固定状態に渡してなり、両下側傾斜フレーム材15の下端が階層部分の下部に接合される。制震デバイス4は、上側制震フレーム2の下端と下側制震フレーム3の上端とを粘弾性体22を介して互いに連結する。上側または下側制震フレーム2,3の屋外側の面または屋内側の面に接するようにガイドフレーム5を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、仮設校舎、仮設庁舎、仮設住宅、仮設事務所、催し用建物等の仮設建物に制震効果を高めるために取り付けられる仮設建物用制震ダンパーに関する。
仮設校舎、仮設住宅、仮設事務所、催し用建物等の仮設建物の場合、制震のために、例えば屋外に面する柱間に丸鋼の筋交いを設けることが行われている。
仮設でない一般住宅用では、V形の上側制震フレームと逆V形の下側制震フレームとをX状に配置し、これら上側制震フレームの下端と下側制震フレームの上端とを粘弾性体を介して互いに連結した制震構造、およびこの制震構造に用いられる制震デバイスが提案されている(例えば特許文献1,2)。
特開2008−7935号公報 特開2008−8342号公報
大地震の発生が危惧される昨今、仮設建物の地震対策として、従来の丸鋼の筋交いだけによる制震では不十分であるため、見直しが求められている。しかし、仮設建物の性格上、制震のためにあまり大きな予算を掛けることはできない。このような事情から、比較的安価で、しかも簡単な工事で仮設建物に設置することが可能な制震用構造材の開発が待たれている。また、この制震用構造材は、既存の仮設建物にも容易に設置できることが望ましい。
特許文献1,2に記載の制震構造に用いられている制震パネルは、簡易な構造であるため比較的安価に製作することができ、しかも施工が容易であることから、仮設建物の制震用構造材料に応用することが期待される。しかし、上記制震パネルは、建物の壁内に設置することを前提としているため、そのまま仮設建物に使用することはできない。例えば、仮設建物では、簡単に構築、解体が行え、また低コストが求められることから、簡単な外壁構造とする必要があって、建物の壁内に制震パネルを配置する空間が得られず、制震パネルは建物の外部に取り付けられる。このため、制震パネルの屋内外方向の両側に何も構造材がないため、制震パネルが屋内外方向へ変形する可能性がある。また、制震パネルにおける側制震フレームの下端と下側制震フレームの上端とを連結する前記粘弾性体は風雨に晒されると劣化の進行が早まるので、その対策が必要となる。
この発明の目的は、比較的安価に製作でき、仮設建物の屋外面に簡単に設置できる仮設建物用制震ダンパーを提供することである。
この発明の仮設建物用制震ダンパーは、仮設建物の躯体に前記仮設建物の屋外面に沿って設置される。仮設建物用制震ダンパーは、2本の上側傾斜フレーム材をV形に組み、これら2本の上側傾斜フレーム材間につなぎ材を固定状態に渡してなり、前記両上側傾斜フレーム材の上端が前記躯体における階層部分の上部に接合される上側制震フレームと、2本の下側傾斜フレーム材を逆V形に組み、これら2本の下側傾斜フレーム材間につなぎ材を固定状態に渡してなり、前記両下側傾斜フレーム材の下端が前記階層部分の下部に接合される下側制震フレームと、前記上側制震フレームの下端と前記下側制震フレームの上端とを粘弾性体を介して互いに連結する制震デバイスとを備える。
この仮設建物用制震ダンパーは、上側制震フレームの両上側傾斜フレーム材の上端が仮設建物の躯体における階層部分の上部に接合されるとともに、下側制震フレームの両下側傾斜フレーム材の下端が前記階層部分の下部に接合される。上側制震フレームおよび下側制震フレームは、上側または下側の各傾斜フレーム材間につなぎ材が固定状態に渡されており、各傾斜フレーム材の相対角度が変わらない剛体である。そのため、階層上部と下部の水平方向の層間変位等となる相対変位が、上側制震フレームの下端と下側制震フレームの上端の水平方向の相対変位として効率良く伝えられる。この上側制震フレームの下端と下側制震フレームの上端の水平方向の相対変位は、制震デバイスの粘弾性体がせん断変形をしてエネルギーを吸収することで、効果的に減衰させられる。よって、この仮設建物用制震ダンパーが設置される仮設建物の階層部分の上部と下部の相対変位動作も減衰させられる。
この仮設建物用制震ダンパーは、上側制震フレーム、下側制震フレーム、および制震デバイスで構成される簡易な構造であるため、比較的安価に製作することができる。また、仮設建物用制震ダンパーは、上側制震フレームの両上側傾斜フレーム材の上端、および下側制震フレームの両下側傾斜フレーム材の下端を、仮設建物の屋外面に露出した躯体に接合するだけで設置することができるため、施工が容易である。この仮設建物用制震ダンパーは、新規建設の仮設建物だけでなく、既設の仮設建物にも設置することができる。仮設建物を解体するときに取り外した仮設建物用制震ダンパーは、別の仮設建物に再利用することも可能である。
この発明の仮設建物用制震ダンパーにおいて、前記上側制震フレームの前記2本の上側傾斜フレーム材、または前記下側制震フレームの前記2本の下側傾斜フレーム材の屋外側の面または屋内側の面にそれぞれ接するように水平に配置されて両端が前記躯体に接合されるガイドフレームを設けるとよい。
この仮設建物用制震ダンパーは仮設建物の屋外面に沿って設置されるが、制震ダンパーの屋内外方向の両側に何も拘束する部材がないと、制震ダンパーが屋内外方向へ変形する可能性がある。上記のようにガイドフレームを設けると、制震ダンパーが屋内外方向へ変形するのが拘束され、常に制震ダンパーが制震効果を発揮する状態に保つことができる。ガイドフレームの設置箇所は、仮設建物用制震ダンパーに対して作用することが予想される屋内外方向の力の向きおよび分布に応じて定めればよい。
の発明の仮設建物用制震ダンパーにおいて、前記制震デバイスは、前記上側制震フレームの下端に固定された2枚の外プレートと、前記下側制震フレームの上端に固定され上部が前記2枚の外プレートの下部間に挿入された1枚の内プレートと、前記2枚の外プレートのうちの一方の外プレートの下部と前記内プレートの上部間、および前記2枚の外プレートのうちのもう一方の外プレートの下部と前記内プレートの上部間に介在させた粘弾性体とを有し、前記2枚の外プレートは、それぞれの上部は互いに接し、下部は前記内プレートの上部および前記粘弾性体を挟み込み可能な屈曲した形状とする
粘弾性体の材質にもよるが、一般的に粘弾性体は水に濡れると劣化の進行が早まる。上記構成であると、粘弾性体の上方は2枚の外プレートの互いに接する上部によって覆われているため、仮設建物用制震ダンパーに雨に当っても、雨水は外プレートの外面を伝って下方に流れ落ち、外プレートの内側にある粘弾性体は濡れない。このため、粘弾性体の劣化を抑えることができる。
さらに、前記2枚の外プレートの上部の接触面間、および前記2枚の外プレートの下部の幅方向両端間にシーリング材を注入して防水処理を施す
この場合、2枚の外プレートの上部の接触面間に雨水が浸み込んで粘弾性体を濡らすこと、ならびに2枚の外プレートの下部の幅方向両端間から吹き込む雨水によって粘弾性体が濡れることを防げる。
この発明の仮設建物用制震ダンパーは上記の作用効果を有するので、この発明の仮設建物用制震ダンパーを設けた仮設建物は、あまり大きな予算を掛けずに、制震効果を高めることができる。
この発明の仮設建物用制震ダンパーは、仮設建物の躯体に前記仮設建物の屋外面に沿って設置され、2本の上側傾斜フレーム材をV形に組み、これら2本の上側傾斜フレーム材間につなぎ材を固定状態に渡してなり、前記両上側傾斜フレーム材の上端が前記躯体における階層部分の上部に接合される上側制震フレームと、2本の下側傾斜フレーム材を逆V形に組み、これら2本の下側傾斜フレーム材間につなぎ材を固定状態に渡してなり、前記両下側傾斜フレーム材の下端が前記階層部分の下部に接合される下側制震フレームと、前記上側制震フレームの下端と前記下側制震フレームの上端とを粘弾性体を介して互いに連結する制震デバイスとを備え、前記制震デバイスは、前記上側制震フレームの下端に固定された2枚の外プレートと、前記下側制震フレームの上端に固定され上部が前記2枚の外プレートの下部間に挿入された1枚の内プレートと、前記2枚の外プレートのうちの一方の外プレートの下部と前記内プレートの上部間、および前記2枚の外プレートのうちのもう一方の外プレートの下部と前記内プレートの上部間に介在させた粘弾性体とを有し、前記2枚の外プレートは、それぞれの上部は互いに接し、下部は前記内プレートの上部および前記粘弾性体を挟み込み可能な屈曲した形状であり、前記2枚の外プレートの上部の接触面間、および前記2枚の外プレートの下部の幅方向両端間にシーリング材を注入して防水処理を施したため、比較的安価に製作でき、仮設建物の屋外面に簡単に設置できる。
この発明の一実施形態にかかる仮設建物用制震ダンパーを設置した仮設建物の一部の正面図である。 (A)は図1のIIA部の拡大図、(B)はその側面図である。 (A)は同仮設建物用制震ダンパーの制震デバイスの正面図、(B)はその側面図である。 (A)は図1のIVA部の拡大図、(B)はそのIVB−IVB断面図、(C)はそのIVC−IVC断面図である。 (A)は図1のVA部の拡大図、(B)はそのVB矢視図、(C)はそのVC−VC断面図である。 (A)は図1のVIA部の拡大図、(B)はそのVIB矢視図、(C)はその VIC−VIC断面図である。 (A),(B)は地震時の制震デバイスの動作を示す正面図である。 図1ないし図7に示す仮設建物用制震ダンパーが設けられた仮設建物の正面図である。 同仮設建物の背面図である。 同仮設建物の1階部分の平面断面図である。 同仮設建物に設けられる耐力壁用の制震ダンパーの正面図である。
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。図1は、この発明の仮設建物用制震ダンパーが設けられた仮設建物の一部の正面図である。この仮設建物用制震ダンパー1は、仮設建物の柱32と梁33とでなる躯体30に、この仮設建物の屋外面に沿って設置されるものであり、上側制震フレーム2および下側制震フレーム3と、これら両制震フレーム2,3を連結する制震デバイス4と、別設のガイドフレーム5とでなる。
上側制震フレーム2は、2本の上側傾斜フレーム材10,10をV形に組み、これら2本の上側傾斜フレーム材10,10間につなぎ材11を渡して設けたものである。上側傾斜フレーム材10およびつなぎ材11は例えば角形鋼管等の形鋼からなり、各上側傾斜フレーム材10とつなぎ材11は溶接等により互いに固定されている。つなぎ材11を設けることで、2本の上側傾斜フレーム材10,10の相対角度が拘束されて、上側制震フレーム2が剛体となっている。この実施形態では、つなぎ材11が両上側傾斜フレーム材10,10間に渡された1本の鋼管からなっているが、つなぎ材11は、複数本の鋼管からなっていてもよく、あるいはパネル形状であってもよい。
図2に示すように、2本の上側傾斜フレーム材10,10の下端は、それぞれ下端連結部材12に溶接等により固定されている。下端連結部材12は、上側傾斜フレーム材10,10の下端が固定された水平板部12aと、この水平板部12aの下面から垂直に垂れ下がる垂直板部12bとでなる。垂直板部12bは、複数のボルト挿通孔(図示せず)を有する。また、図4に示すように、各上側傾斜フレーム材10の上端には、仮設建物の躯体30の柱32に接続するための接合金物13が溶接等で固着されている。接合金物13は、鋼板からなり、複数のボルト挿通孔(図示せず)を有する。
図1において、下側制震フレーム3は、2本の下側傾斜フレーム材15,15を逆V形に組み、これら2本の下側傾斜フレーム材15,15間につなぎ材16を渡して設けたものである。下側傾斜フレーム材15およびつなぎ材16は例えば角形鋼管等の形鋼からなり、各下側傾斜フレーム材15とつなぎ材16は溶接等により互いに固定されている。つなぎ材16を設けることで、2本の下側傾斜フレーム材15,15の相対角度が拘束されて、下側制震フレーム3が剛体となっている。この実施形態では、つなぎ材16が両下側傾斜フレーム材15,15間に渡された1本の鋼管からなっているが、つなぎ材16は、複数本の鋼管からなっていてもよく、あるいはパネル形状であってもよい。
図2に示すように、2本の下側傾斜フレーム材15,15の下端は、それぞれ上端連結部材17に溶接等により固定されている。上端連結部材17は、下側傾斜フレーム材15,15の上端が固定された水平板部17aと、この水平板部17aの上面から垂直に立ち上がる垂直板部17bとでなる。垂直板部17bは、複数のボルト挿通孔(図示せず)を有する。また、図5に示すように、各下側傾斜フレーム材15の下端には、仮設建物の躯体30の柱32に接続するための接合金物18が溶接等で固着されている。接合金物18は、鋼板からなり、複数のボルト挿通孔(図示せず)を有する。
図2に示すように、制震デバイス4は、上側制震フレーム2の下端に固定された屋内側および屋外側の2枚の外プレート20,20と、下側制震フレーム3の上端に固定された1枚の内プレート21との間に粘弾性体22,22を介在させ、これら粘弾性体22,22を介して上側制震フレーム2の下端と下側制震フレーム3の上端とを互いに連結するものである。
詳しくは、2枚の外プレート20,20は、それぞれの上部20a,20aは互いに接し、下部20b,20bは外側に開いて両者間に隙間が形成されるように屈曲した形状であり、上部20a,20aに形成されたボルト挿通孔23(図3)および前記下端連結部材12のボルト挿通孔(図示せず)に挿通されたボルト24Aとナット24Bのボルトセット24により、下端連結部材12の水平板部12aに固定されている。内プレート21は平板状で、下部21aに形成されたボルト挿通孔25(図3)および前記上端連結部材17のボルト挿通孔(図示せず)に挿通されたボルト26Aとナット26Bのボルトセット26により、上端連結部材17の水平板部17aに固定され、上部21bが前記2枚の外プレート20,20の下部20b,20b間に挿入されている。そして、屋内側の外プレート20の下部20bと内プレート21の上部21b間、および屋外側の外プレート20の下部20bと内プレート21の上部21b間に、それぞれ前記粘弾性体22,22が介在している。粘弾性体22,22は、接着剤により外プレート20,20および内プレート21に接着されている。上記ボルトセット24,26として、例えば溶融亜鉛メッキ高力ボルトセットを使用する。
粘弾性体22の材質は、例えばアクリル系高分子からなる。この粘弾性体22の寸法は、想定される地震時に仮設建物用制震ダンパー1に作用する力の大きさによって決められる。
また、図3に示すように、2枚の外プレート20,20の上部20a,20aの接触面間における上端と左右両端の部分(図3(A)において斜線のハッチングで示す部分)、および2枚の外プレート20,20の下部20b,20bの幅方向両端間(図3(A),(B)においてクロスハッチングで示す部分)には、シーリング材が注入された防水処理部S1,S2が設けられている。シーリング材としては、例えばアクリル系のものが用いられる。
この仮設建物用制震ダンパー1は、例えば図1に示すように設置される。図の例では、仮設建物の躯体30は、土台31上に複数本の柱32を建て、これらの柱32間に梁33を架け渡したものであり、その1階の階層部分に仮設建物用制震ダンパー1が設置されている。具体的には、図4に示すように、柱32と梁33の交差部の箇所で柱32に溶接等により取り付けられた接合金物34に対して、上側制震フレーム2の前記接合金物13をボルト35Aおよびナット35Bにより接合すると共に、図5に示すように、柱32の下端に溶接等により取り付けられた接合金物36に対して、下側制震フレーム3の前記接合金物18をボルト37Aおよびナット37Bにより接合することで、仮設建物用制震ダンパー1を設置する。上記ボルト35A,37Aは例えば10.9ボルトであり、これらボルト35A,37Aの頭部と接合金物13,18との間、およびにナット35B,37Bと柱32を構成するリップH形鋼32aのフランジの裏面との間に、それぞれ平座金(図示せず)を介在させる。
なお、柱32は、図5(B),(C)に示すように、リップH形鋼32aをリップ溝形鋼32bで部分的に補強したものである。リップ溝形鋼32bによる補強は、必ずしも行わなくてもよい。
さらに、図1に示すように、上側制震フレーム2の2本の上側傾斜フレーム材10,10の屋外側の面に接するようにガイドフレーム5を水平に配置し、このガイドフレーム5の左右両端を左右の柱32,32にそれぞれ接合する。ガイドフレーム5は、例えば角形鋼管からなる。ガイドフレーム5と柱32の接合は、図6のように、柱32の屋外側の面にアングル金物41を取り付け、このアングル金物41の水平部41aにガイドフレーム5の端部を載せ、ガイドフレーム5の端部とアングル金物41の水平部41aとをボルト42Aとナット42Bにより結合する。
上記ガイドフレーム5は、上側傾斜フレーム材10,10の屋内側の面に接するように配置してもよい。また、上記ガイドフレーム5は、下側制震フレーム3の2本の下側傾斜フレーム材15,15の屋外側の面または屋内側の面に接するように配置してもよい。仮設建物用制震ダンパー1に対して作用することが予想される屋内外方向の力の向きおよび分布に応じて、ガイドフレーム5の設置箇所が決められる。
上記のように仮設建物用制震ダンパー1を仮設建物の躯体30に設置すると、仮設建物用制震ダンパー1が設置された階層部分の階層上部と下部の水平方向の相対変位が、剛体である上側制震フレーム2および下側制震フレーム3を介して、制震デバイス4に伝えられる。すると、図7(A),(B)のように、制震デバイス4の外プレート20,20と内プレート21が左右水平方向に相対変位動作をし、粘弾性体22,22がせん断変形をしてエネルギーを吸収することで、前記相対変位動作を減衰させる。よって、階層部分の上部と下部の相対変位動作も減衰させられる。
また、この仮設建物の場合、仮設建物用制震ダンパー1の上部に対して屋外方向の力が作用することが予想され、その対策として、上側制震フレーム2の2本の上側傾斜フレーム材20,20の屋外側の面にそれぞれ接するようにガイドフレーム5が設けられている。そのため、制震ダンパー1が屋内外方向へ変形するのが防止され、常に制震ダンパー1が制震効果を発揮する状態に保つことができる。
仮設建物用制震ダンパー1の制震デバイス4は、上側制震フレーム2の下端に2枚の外プレート20,20を固定し、下側制震フレーム3の上端に1枚の内プレート21を固定し、2枚の外プレート20,20は、それぞれの上部20a,20aは互いに接し、下部20b,20bは外側に屈曲させて、下部20b,20b間に内プレート21の上部21bおよび粘弾性体20,20を挟み込む構造とした。これにより、粘弾性体22,22の上方は2枚の外プレート20,20の互いに接する上部20a,20aによって覆われている。そのため、仮設建物用制震ダンパー1が雨に当っても、図3(B)に示すように、雨水は外プレート20,20の外面を伝って下方に流れ落ち、粘弾性体22,22が濡れない。さらに、2枚の外プレート20,20の上部20a,20aの接触面間、および2枚の外プレート20,20の下部20b,20bの幅方向両端間にシーリング材を注入して防水処理部S1,S2が設けられているため、2枚の外プレート20,20の間に雨水が浸み込んで粘弾性体22,22を濡らすことも防げる。このため、粘弾性体22,22の劣化の進行を抑えることができる。
上述したように、仮設建物用制震ダンパー1は、ボルト接合により仮設建物の躯体30に設置されるため、施工が容易である。また、この仮設建物用制震ダンパー1は、新規建設の仮設建物だけでなく、既設の仮設建物にも設置することができる。仮設建物を解体するときには仮設建物用制震ダンパー1を取り外し、その取り外した仮設建物用制震ダンパー1を別の仮設建物に再利用することも可能である。さらに、この仮設建物用制震ダンパー1は、上側制震フレーム2、下側制震フレーム3、制震デバイス4、およびガイドフレーム5で構成される簡易な構造であるため、比較的安価に製作することができる。
図8ないし図10は、この仮設建物用制震ダンパー1が設けられた仮設建物の一例を示す。この仮設建物50は、校舎の耐震補強または建て替えのために一時的に建設される2階建ての仮設校舎であり、躯体30は、形鋼からなる柱32および梁33を組んだ軸組の鉄骨構造である。仮設建物50の1階部分および2階部分における複数の隣合う柱32間に、丸鋼による筋交い51が仮設建物50の屋外面に沿って設置されている。また、1階部分における前記筋交い51が設置されていない柱32間のうちの複数の柱32間に、仮設建物用制震ダンパー1が仮設建物50の屋外面に沿って設置されている。図の例では、仮設建物用制震ダンパー1は、正面の2箇所、背面の2箇所、および両側面の各1箇所の計6箇所に設置されている。また、屋内の1階部分の耐力壁52にも制震ダンパー1´が2箇所に設置されている。これら筋交い51および制震ダンパー1,1´の数および配置は、強度計算等によって導き出される。
前記耐力壁52の制震ダンパー1´は、耐力壁52内に設置されることから、屋外に露出して設置される前記仮設建物用制震ダンパー1とは若干異なっている。図11は制震ダンパー1´の一例を示す。この制震ダンパー1´は、耐力壁52の厚さ方向の両側に耐力壁52の構造材が存在し、前記厚さ方向に変形する可能性がないので、ガイドプレート5(図1)を設けなくてもよい。また、制震デバイス4に雨水対策が不要であるので、粘弾性体22,22の防水処理部S1,S2(図3)が設けられていない。上側、下側制震フレーム2,3に対して制震デバイス4を固定するボルトセット24´,26´として、例えば高力ボルトセットを使用する。他は、仮設建物用制震ダンパー1と同じである。
仮設建物用制震ダンパー1は前記作用効果を有するので、この仮設建物用制震ダンパー1を設置した仮設建物50は、あまり大きな予算を掛けずに、制震効果を高めることができる。この発明の仮設建物用制震ダンパー1は、仮設校舎以外に、仮設庁舎、仮設住宅、仮設事務所、催し用建物等の仮設建物に設置してもよい。
1…仮設建物用制震ダンパー
2…上側制震フレーム
3…下側制震フレーム
4…制震デバイス
5…ガイドフレーム
10…上側傾斜フレーム材
11…つなぎ材
15…下側傾斜フレーム材
16…つなぎ材
20…外プレート
20a…外プレートの上部
20b…外プレートの下部
21…内プレート
21a…内プレートの上部
21b…内プレートの下部
22…粘弾性体
30…躯体
50…仮設建物
S1,S2…防水処理部

Claims (2)

  1. 仮設建物の躯体に前記仮設建物の屋外面に沿って設置される仮設建物用制震ダンパーであって、
    2本の上側傾斜フレーム材をV形に組み、これら2本の上側傾斜フレーム材間につなぎ材を固定状態に渡してなり、前記両上側傾斜フレーム材の上端が前記躯体における階層部分の上部に接合される上側制震フレームと、2本の下側傾斜フレーム材を逆V形に組み、これら2本の下側傾斜フレーム材間につなぎ材を固定状態に渡してなり、前記両下側傾斜フレーム材の下端が前記階層部分の下部に接合される下側制震フレームと、前記上側制震フレームの下端と前記下側制震フレームの上端とを粘弾性体を介して互いに連結する制震デバイスとを備え、
    前記制震デバイスは、前記上側制震フレームの下端に固定された2枚の外プレートと、前記下側制震フレームの上端に固定され上部が前記2枚の外プレートの下部間に挿入された1枚の内プレートと、前記2枚の外プレートのうちの一方の外プレートの下部と前記内プレートの上部間、および前記2枚の外プレートのうちのもう一方の外プレートの下部と前記内プレートの上部間に介在させた粘弾性体とを有し、前記2枚の外プレートは、それぞれの上部は互いに接し、下部は前記内プレートの上部および前記粘弾性体を挟み込み可能な屈曲した形状であり、
    前記2枚の外プレートの上部の接触面間、および前記2枚の外プレートの下部の幅方向両端間にシーリング材を注入して防水処理を施した仮設建物用制震ダンパー。
  2. 請求項1に記載の仮設建物用制震ダンパーを設けた仮設建物。
JP2012181432A 2012-08-20 2012-08-20 仮設建物用制震ダンパー Active JP5283774B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012181432A JP5283774B1 (ja) 2012-08-20 2012-08-20 仮設建物用制震ダンパー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012181432A JP5283774B1 (ja) 2012-08-20 2012-08-20 仮設建物用制震ダンパー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5283774B1 true JP5283774B1 (ja) 2013-09-04
JP2014037741A JP2014037741A (ja) 2014-02-27

Family

ID=49274012

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012181432A Active JP5283774B1 (ja) 2012-08-20 2012-08-20 仮設建物用制震ダンパー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5283774B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018074131A1 (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 日立オートモティブシステムズ株式会社 制震装置
CN111980190A (zh) * 2019-05-21 2020-11-24 任吉如 一种建筑用抗震装置
JP2022076139A (ja) * 2020-11-09 2022-05-19 建二 金井 制振構造

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7079623B2 (ja) * 2018-02-28 2022-06-02 住友理工株式会社 木造建築物の補強構造及び補強方法
JP2021134646A (ja) * 2020-02-28 2021-09-13 住友ゴム工業株式会社 制震ユニットおよび添接板

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS589404U (ja) * 1981-07-09 1983-01-21 イワムラハウス株式会社 プレハブ建築用緊結装置
JPS5886805U (ja) * 1981-12-07 1983-06-13 ナショナル住宅産業株式会社 建物補強構造
JP3040649U (ja) * 1997-02-17 1997-08-26 川崎市 木造住宅の耐震補強用内付けブレース金物
JPH11270623A (ja) * 1998-01-23 1999-10-05 Nippon Steel Corp 張力構造用振動エネルギ―吸収装置及びその施工法
JP2000100399A (ja) * 1998-09-21 2000-04-07 Toshiba Battery Co Ltd ポリマーリチウム二次電池の製造方法
JP2003286774A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Shimizu Corp 粘弾性ダンパー、その製造方法およびそれを用いた制震構造
JP2006152722A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Tokai Rubber Ind Ltd 建物の制震構造
JP2007187178A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Toyota Motor Corp ネジ締結用ナット
JP2008007935A (ja) * 2006-06-26 2008-01-17 Daiwa House Ind Co Ltd 制震構造及び制震パネル
JP2008256191A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Oiles Ind Co Ltd 座金装置及びこの座金装置を具備した摩擦ダンパ

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS589404U (ja) * 1981-07-09 1983-01-21 イワムラハウス株式会社 プレハブ建築用緊結装置
JPS5886805U (ja) * 1981-12-07 1983-06-13 ナショナル住宅産業株式会社 建物補強構造
JP3040649U (ja) * 1997-02-17 1997-08-26 川崎市 木造住宅の耐震補強用内付けブレース金物
JPH11270623A (ja) * 1998-01-23 1999-10-05 Nippon Steel Corp 張力構造用振動エネルギ―吸収装置及びその施工法
JP2000100399A (ja) * 1998-09-21 2000-04-07 Toshiba Battery Co Ltd ポリマーリチウム二次電池の製造方法
JP2003286774A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Shimizu Corp 粘弾性ダンパー、その製造方法およびそれを用いた制震構造
JP2006152722A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Tokai Rubber Ind Ltd 建物の制震構造
JP2007187178A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Toyota Motor Corp ネジ締結用ナット
JP2008007935A (ja) * 2006-06-26 2008-01-17 Daiwa House Ind Co Ltd 制震構造及び制震パネル
JP2008256191A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Oiles Ind Co Ltd 座金装置及びこの座金装置を具備した摩擦ダンパ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018074131A1 (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 日立オートモティブシステムズ株式会社 制震装置
CN110088414A (zh) * 2016-10-18 2019-08-02 日立汽车系统株式会社 减震装置
JPWO2018074131A1 (ja) * 2016-10-18 2019-08-08 日立オートモティブシステムズ株式会社 制震装置
CN110088414B (zh) * 2016-10-18 2021-08-27 日立安斯泰莫株式会社 减震装置
CN111980190A (zh) * 2019-05-21 2020-11-24 任吉如 一种建筑用抗震装置
JP2022076139A (ja) * 2020-11-09 2022-05-19 建二 金井 制振構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014037741A (ja) 2014-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5283774B1 (ja) 仮設建物用制震ダンパー
KR101372087B1 (ko) 단위 모듈러 지진하중 흡수장치를 이용한 철골구조물 보강방법
JP5201627B2 (ja) 住宅用制振装置
JP5201626B2 (ja) 住宅用制振装置
JP6053485B2 (ja) 既存建物への間柱の設置構造
JP2988470B2 (ja) 既存構造物の補強構造及び補強構造物
JP5827804B2 (ja) 構造物
JP5615599B2 (ja) 制振装置及び建物
JP5596338B2 (ja) 木造建築物の補強金具及び木造建築物の補強方法
JP2010276080A (ja) エネルギー吸収部材及び該エネルギー吸収部材を設置した構造物
JP2010248835A (ja) 制振構造物及び制振方法
JP7248510B2 (ja) 柱梁接合構造
JP5946165B2 (ja) 耐震補強構造
JP2011038294A (ja) 付加質量制震建物
JP6144033B2 (ja) 耐力壁フレーム
JP2010236180A (ja) 耐震構造体
JP6535157B2 (ja) 耐震構造、建築用パネル及び建物
JP6837865B2 (ja) 制振建物
JP5235530B2 (ja) 制振ダンパーが取付けられた制振構造物
JP5116587B2 (ja) ブレース構造による制振装置付門型フレーム
JP2012144864A (ja) 構造物
JP2004300912A (ja) 居住性対応制振ダンパー
JP6293207B2 (ja) 既存建物への間柱の設置構造
JP2012233374A5 (ja)
JP2014185422A (ja) 複合耐震パネル並びにそれを用いた耐震構造及び耐震施工法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5283774

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250