JP3040649U - 木造住宅の耐震補強用内付けブレース金物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新築木造住宅又は既存木造住宅の耐力壁など
を耐震補強する内付け型のアンボンドブレース金物を提
供する。 【解決手段】 この耐震補強用ブレース金物は、住宅の
柱梁接合部の内隅へ取付けられるコーナー金物と、前記
コーナー金物と応力の伝達が可能に緊結されるアンボン
ドブレース材との組み合わせから成る。前記コーナー金
物は、住宅の柱梁接合部の内隅へ当てがわれる直角２辺
にフランジが形成され、三角形状のウエブに連結金物を
取り付ける要素を設けた構成である。前記連結金物は、
前記コーナー金物のウエブに取り付ける要素を備え、そ
の端部にブレース材を緊結可能とする受け部を有する構
成である。前記ブレース材は、その端部に前記連結金物
の受け部に緊結する手段を備え、且つ張力の導入が可能
な機構を備え、その外周に補剛管が嵌められたアンボン
ド構造である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、新しく建築される新築木造住宅又は既存する木造住宅の耐力壁若 しくは柱梁接合部、柱脚部などを耐震補強する内付け型のアンボンドブレース金 物の技術分野に属する。

【０００２】

【従来の技術】

神戸の大震災において、老朽化した既存木造住宅の被害度が特に著しかったこ とに鑑みて、不慮の地震対策として耐震補強の構法と共に耐震補強金物の開発が 各方面で精力的に進められている。 木造住宅の耐震補強技術は、新築住宅、既存住宅の別なく、基礎の補強、土台 の補強、柱の補強、胴差しの補強、壁、筋かいの補強、小屋組等の補強その他に 大別して実施される。

【０００３】

【本考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、主に耐力壁や柱梁接合部、或いは柱脚部などの耐震補強とし て有効であり、且つ簡単に、効果的に実施することが可能な内付け型のアンボン ドブレース金物を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決する手段として、請求項１記載の考案は、木造住宅の耐力壁 を構成する柱梁架構の面内へ取付けて耐震補強を行うブレース金物であって、 住宅の柱梁接合部の内隅へ取付けられるコーナー金物と、前記コーナー金物と 連結金物を介して応力の伝達が可能に緊結されるアンボンドブレース材との組み 合わせから成り、 前記コーナー金物は、住宅の柱梁接合部の内隅へ当てがわれる直角２辺に複数 の木ネジ等で固定されるフランジが形成され、三角形状のウエブに連結金物を取 り付ける要素を設けた構成であり、 前記連結金物は、前記コーナー金物のウエブに取り付ける要素を備え、その端 部にブレース材を緊結可能とする受け部を有する構成であり、 前記ブレース材は、その端部に前記連結金物の受け部に緊結する手段を備え、 且つ張力の導入が可能な機構を備えていると共にその外周に補剛管が緩く全長に わたり嵌められたアンボンド構造であることをそれぞれ特徴とする。

【０００５】

【考案の実施の形態及び実施例】

請求項１記載の考案に係る木造住宅の耐震補強用内付け型アンボンドブレース 金物は、木造住宅の耐力壁を構成する柱梁架構の面内へ取付けて耐震補強を行う 場合に好適に実施される。引っ張りと圧縮双方の外力に有効に働くアンボンドブ レース構造を設置できる。

【０００６】 以下、図１と図２に示した実施例を説明する。 この内付け型アンボンドブレース金物は、住宅の耐力壁３を構成する柱１と梁 ２又は土台７との接合部の内隅へ取付けられるコーナー金物４と、前記コーナー 金物４とは連結金物５を介して引っ張り、圧縮双方の応力の伝達が可能に緊結さ れるアンボンドブレース材６との組み合わせから成る（図３）。図２中の符号８ はコンクリート基礎である。

【０００７】 前記コーナー金物４は、亜鉛メッキ等の防錆処理を施された厚さ４．５mm程度 の鋼板を折り曲げ加工して、直角２辺の長さが２５０mm、フランジの幅が４５mm 程度の大きさに製作されている。このコーナー金物４は、住宅の柱梁接合部の内 隅へ図４のように当てがわれる直角２辺に、複数の木ネジ９（図３）等で強固に 固定されるフランジ４ａが形成され、このフランジ４ａの全面に釘孔１０が複数 設けられている。従って、このコーナー金物４を柱梁接合部等の内隅へ取り付け ることだけでも、同部の耐震補強にかなりの効果を奏する。正面方向に見て三角 形状のウエブ４ａに連結金物５を取り付ける要素としてボルト孔１１が複数設け られている。ブレースの取付け位置を調整可能とする為である。

【０００８】 連結金物５は、図６Ａ，Ｂに詳細を示したように、引っ張り、圧縮の双方に十 分働くように幅が７５mm、長さ１５０mm程度の亜鉛メッキされた丈夫な溝形鋼状 部材５ａを主体とする。その溝内のウエブにやはり亜鉛メッキされた厚さ６mm程 度の平板状の羽子板金物５ｂを一体的に溶接し、この羽子板金物５ｂの端部にブ レース材６を緊結可能とする筒状の受け部５ｂを取付けた構成とされている。ま た、前記コーナー金物４のウエブ４ｂへ取り付ける要素として、前記コーナー金 物４のボルト孔１１と一致するボルト孔１２が設けられ、外径が１６mmと太いボ ルト１３及びナット１４で連結する構成とされている。もっとも、連結の手段は 前記のボルト止めに限らない。

【０００９】 ブレース材６は図５に詳細を示したように、亜鉛メッキを施された外径が１３ mm程度の鋼棒によるブレース材６ａと、前記のブレース材６ａが緩く嵌まるよう に内径が１７mm程度、外径が２１mm程度の鋼管を亜鉛メッキしてなる補剛管６ｂ との組み合わせから成り、アンボンド構造に構成されている。ブレース材６ａの 両端には、長さ１５０mm程度の範囲にネジ部６ｃが形成され、このネジ部６ｃの 奥端にまでねじ込んだロックナット１５で前記補剛管６ｂの両端部が固定されて いる。前記ネジ部６ｃは連結金物５の受け部５ｃに緊結する手段であり、且つ張 力の導入が可能な機構でもある。即ち、前記ネジ部６ｃが前記受け部５ｃの中空 部内に通され、反対側からナット１６をねじ込み強く締結することにより、所要 の予張力を導入した緊結が行えるのである。但し、緊結の手段及び予張力導入の 手段は、前記のネジ機構に限らない。

【００１０】 上記構成のアンボンドブレース金物を使用して図１、図２のように耐力壁を構 成する柱梁架構の面内にブレースを組み入れると、圧縮と引っ張りの双方に働く ので、図１のように片方のみのブレースで十分に耐震補強の作用効果を奏する。 図１中の符号１７は小梁である。もっとも、必要に応じて、交差状に２本のブレ ースを組み入れることも出来る。

【００１１】

【本考案が奏する効果】 本考案に係る木造住宅の耐震補強用内付けブレース金物は、主に耐力壁や柱梁 接合部、柱脚部などの耐震補強を、新築、既存の別を問わず、引っ張り、圧縮の 双方に働くアンボンドブレースとして実施出来る。しかも、耐震補強工事を比較 的簡単に安価に短工期で行えるほか、各構成要素種々な態様の耐震補強を行うこ とができて便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る耐震補強ブレースの実施例を示し
た正面図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】ブレース金物の分解状態の斜視図である。

【図４】コーナー金物の取付け状態を示す側面図であ
る。

【図５】アンボンドブレース材の主要部を示した正面図
である。

【図６】Ａ，Ｂは連結金物の側面図と正面図である。

【符号の説明】

１ 柱 ２ 梁 ４ コーナー金物 ５ 連結金物 ６ アンボンドブレース材 ４ａ フランジ ９ 木ネジ ４ｂ ウエブ １２ ボルト孔 １３ ボルト １６ 通孔 ５ｃ 受け部 ６ｃ ねじ部 １６ ナット ６ｂ 補剛管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｂ 2/56 ６５１ Ｅ０４Ｂ 2/56 ６５１Ｌ ６５１Ｓ ６５２Ｊ ６５２ Ｅ０４Ｇ 23/02 Ｆ Ｅ０４Ｇ 23/02 Ｅ０４Ｂ 1/40 Ｂ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 木造住宅の耐力壁を構成する柱梁架構の
   面内へ取付けて耐震補強を行うブレース金物であって、 住宅の柱梁接合部の内隅へ取付けられるコーナー金物
   と、前記コーナー金物と連結金物を介して応力の伝達が
   可能に緊結されるアンボンドブレース材との組み合わせ
   から成り、 前記コーナー金物は、住宅の柱梁接合部の内隅へ当てが
   われる直角２辺に複数の木ネジ等で固定されるフランジ
   が形成され、三角形状のウエブに連結金物を取り付ける
   要素を設けた構成であり、 前記連結金物は、前記コーナー金物のウエブに取り付け
   る要素を備え、その端部にブレース材を緊結可能とする
   受け部を有する構成であり、 前記ブレース材は、その端部に前記連結金物の受け部に
   緊結する手段を備え、且つ張力の導入が可能な機構を備
   えていると共にその外周に補剛管が緩く全長にわたり嵌
   められたアンボンド構造であることをそれぞれ特徴とす
   る、木造住宅の耐震補強用内付けブレース金物。