JP2010242392A - 耐震補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】開口部の耐震補強において開口部を広く残すことができる。
【解決手段】既存の鉄筋コンクリート建物の耐震補強を行うために、既存の鉄筋コンクリート建物のコンクリート躯体10の開口部10aに鋼板2で形成された枠鋼板(枠材)3を設置し、枠鋼板3内にブレース4を設置する。枠鋼板3は、既存の鉄筋コンクリート建物の梁や柱などに囲まれた開口部10aの四方に沿って設置されており、所定の強度を有する帯状の鋼板2から形成されている。鋼板2は、あと施工アンカー5の締結部5aが貫通する複数のボルト孔2aが形成されていて、コンクリート躯体10に締結部5aを突出させた状態で埋設された複数のあと施工アンカー5によってコンクリート躯体10に固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリートなどの建物の耐震補強構造に関する。
従来、建物の耐震性を高めるために、耐震補強が行われている。
例えば、既存の鉄筋コンクリート建物の柱および梁に沿って、H形鋼で形成された枠材を接合し、枠材内にブレースを設置する耐震補強が行われている。H形鋼と開口部のコンクリート躯体とは、あと施工アンカーやスパイラル鉄筋などの割裂補強筋を用いて接合している。そして、枠材は既存コンクリートと一体化し、地震などにより建物に作用した力が枠材を介してブレースに伝わるので、耐震性を高めることができる。
また、特許文献1および2では、既存のコンクリート躯体の開口部に山型鋼や溝形鋼などの形鋼で形成された枠材を接合し、枠材内にブレースを設置する耐震補強構造が提案されている。この耐震補強構造では、枠材をコンクリート躯体にあと施工アンカーで固定し、枠体とコンクリート躯体との間に接着剤を充填して枠材とコンクリート躯体を一体化させている。
特開2006−104726号公報 特開2004−124522号公報
しかしながら、従来の建物の開口部の耐震補強構造では以下のような問題があった。
枠材はH形鋼や山型鋼、溝形鋼などの形鋼で形成されていることにより、地震などで力が作用した場合にも枠材は容易に座屈せず、この力をブレースへ伝達することができるが、開口部から形鋼が突出するので開口部が狭くなり、採光面積が小さくなるという問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、枠材の座屈を防ぐことができると共に、開口部の面積を広く残すことができる耐震補強構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る耐震補強構造は、鉄筋コンクリート建物などのコンクリート躯体の開口部に枠材およびブレースを設置する耐震補強構造において、枠材は、鋼板で形成されていて、コンクリート躯体に定着部または締結部を突出させて埋設されたアンカー部材によってコンクリート躯体に固定されることを特徴とする。
本発明では、コンクリート躯体の開口部に鋼板で形成された枠材を設置することにより、従来のH形鋼などの形鋼で形成された枠材に比べて、開口部からの突出を小さくすることができるので、開口部の面積を広くとることができる。
また、枠材はアンカー部材によってコンクリート躯体に固定されていることにより、鋼板で形成された枠材の座屈を防ぐことができるので、地震などにより建物に作用する力は枠材を介してブレースに伝達されて、建物の耐震性を高めることができる。
また、本発明に係る耐震補強構造では、アンカー部材の定着部は側面に凸部を備えて、枠材は定着部が挿入される貫通孔を備えており、貫通孔は定着部との間にクリアランスが形成される程度に大きく形成されると共に、枠材の外側から内側に向かって内径が大きくなる形状に形成されて、定着部が挿入された貫通孔と定着部との間には充填材が充填される構成としてもよい。
本発明では、枠材の貫通孔は定着部との間にクリアランスが形成される程度に大きく形成されることにより、コンクリート躯体に設置されたアンカー部材と貫通孔との位置に多少のずれが生じたとしても、定着部を貫通孔へ挿入できるので、容易に枠材をコンクリート躯体へ接合することができる。
また、定着部は側面に凸部を備えていて、貫通孔は枠材の外側から内側に向かって内径が大きくなる形状であることにより、枠材がコンクリート躯体から開口部の内側に引っ張られる方向の外力を受けた場合に、凸部とコンクリート躯体の間に圧縮ストラットが形成されるので、この外力に効率的に対抗することができて、枠材の座屈を防ぐことができる。
また、本発明に係る耐震補強構造では、枠材と前記コンクリート躯体との間には接着剤が充填されていてもよい。
本発明では、枠材とコンクリート躯体との間には接着剤が充填されることにより、枠材とコンクリート躯体とを密着させて一体化させることができるので、開口部に作用する力を効率的に枠材に伝達することができる。
また、本発明に係る耐震補強構造では、枠材はアンカー部材の締結部が挿入される貫通孔を備えており、貫通孔は締結部との間にクリアランスが形成される程度に大きく形成されていて、締結部が挿入された貫通孔の枠材の内側面には締結部が貫通すると共に貫通孔を覆うカバー用鋼板が配設されることが好ましい。
本発明では、枠材の貫通孔は締結部との間にクリアランスが形成される程度に大きく形成されることにより、枠材とコンクリート躯体とが設置面に平行な方向に相対変位しても、クリアランスの範囲内であれば貫通孔の内周面と締結部の外周面とが接触しないので、アンカー部材には、枠材とコンクリート躯体との相対変位によるせん断力が作用しない構造とすることができる。そして、アンカー部材に作用するせん断力を小さくできるので、アンカー部材の径を小さくしたり、設置するアンカー部材の本数を少なくしたりできる。
また、枠材の内側にはカバー用鋼板が設けられて、枠材はカバー用鋼板とコンクリート躯体に挟まれた状態で固定されているので、枠材がコンクリート躯体から離れて座屈することを防ぐことができる。
また、コンクリート躯体に設置されたアンカー部材と貫通孔との位置に多少のずれが生じたとしても、定着部を貫通孔へ挿入できるので、容易に枠材をコンクリート躯体へ設置することができる。
本発明によれば、枠材は鋼板で形成されて、アンカー部材によって固定されていることにより、枠材の座屈が防止され、地震などによって作用する力をブレースに伝達できるので、開口部の面積を広く残せると共に、地震などにより建物の開口部が変形することを防ぐことができる。
本発明の第一の実施の形態による耐震補強構造の一例を示す図である。 本発明の第二の実施の形態による耐震補強構造の一例を示す図である。 本発明の第三の実施の形態による耐震補強構造の一例を示す図である。 図3に示す耐震補強構造の部分拡大断面図である。 図3に示すあと施工アンカーがずれて施工された状態を示す断面図である。 本発明の第四の実施の形態による耐震補強構造の一例を示す図である。 図6に示す耐震補強構造の部分拡大側面図である。 図7に示す耐震補強構造の平面図である。 図7に示す耐震補強構造の枠鋼板の貫通孔の大きさと、カバー用鋼板の厚さとの関係を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態による耐震補強構造について、図1に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態による耐震補強構造1aは、既存の鉄筋コンクリート建物の耐震補強を行うために、既存の鉄筋コンクリート建物の梁や柱などのコンクリート躯体10に囲まれた開口部10aに鋼板2で形成された枠鋼板(枠材)3を設置し、枠鋼板3内にブレース4を設置する構造である。
枠鋼板3は、開口部10aの四方に沿って設置された所定の強度を有する帯状の鋼板2から形成されている。鋼板2には、あと施工アンカー5の締結部5aが貫通する複数のボルト孔2aが形成されていて、複数のあと施工アンカー5によってコンクリート躯体10に固定されている。
枠鋼板3を形成する上側の鋼板2の中央部と、下側の鋼板2の両端部には、ブレース4の端部を固定する図示しないブラケットなどが設置されており、本実施の形態では、枠鋼板3内に2本のブレース4が山型に設置されている。
なお、ブレース4の設置形状は、開口部10aの形状や要求される耐震強度などによって、V字型やX型などの他の設置形状としてもよく、ブレース4の本数も2本に限らず適宜設定するものとする。
あと施工アンカー5は、コンクリート躯体10に形成された孔部に埋設されるアンカー部5bと、アンカー部5bに連続して、アンカー部5bが埋設された際にコンクリート躯体10から突出する締結部5aとから構成される。
アンカー部5bは、例えば、孔部に挿入され打ち込まれて、アンカー部5bの側面に形成された図示しない凹凸が孔部内周のコンクリートに付着することでコンクリート躯体10に固定される公知の構成をしている。
締結部5aには、ねじ山が形成されていて座金12を設置してナット11が締結される構造である。
あと施工アンカー5は、枠鋼板3が座屈することがないように、所定の間隔をあけてコンクリート躯体10に複数設置されている。
次に、開口部10aへ耐震補強構造1aによる耐震補強を行う方法について図面を用いて説明する。
まず、コンクリート躯体10にあと施工アンカー5を設置する位置を決定し、コンクリート躯体10を穿孔してあと施工アンカー5用の孔部を形成し、その孔部にあと施工アンカー5のアンカー部5bを埋設して、打ち込みなどによりアンカー部5bをコンクリート躯体10に固定する。
次に、コンクリート躯体10に設置されたあと施工アンカー5の位置を確認し、この位置に合わせて鋼板2にボルト孔2aを形成する。そして、開口部10aの四方に合わせて鋼板2を配設して接合すると共に、あと施工アンカー5の締結部5aを鋼板2のボルト孔2aに挿入し、締結部5aに座金12を設置してナット11を締結することで、開口部10aに枠鋼板3が設置される。
そして、枠鋼板3内にブラケットを設置し、ブレース4を配設して耐震補強構造1aが完成する。
上述した第一の実施の形態による耐震補強構造1aでは、地震などにより建物に水平力が作用すると、まず建物から枠鋼板3に水平力が伝わり、この水平力が枠鋼板3からブレース4に伝達される。そして、この力をブレース4が負担することで建物の耐震性を向上させることができる構成である。
このとき、枠鋼板3は、あと施工アンカー5によってコンクリート躯体10に固定されているので、地震などにより枠鋼板3に圧縮力が作用しても、枠鋼板3が座屈することを防止することができる。
また、H形鋼や山型鋼などの形鋼で形成された枠材を開口部10aに沿って設置する従来の耐震補強構造と比べて、枠鋼板3は開口部10aからの突出が少ないので、開口部10aを広く残すことができる。
上述した第一の実施の形態による耐震補強構造1aでは、鋼板2で形成された枠鋼板3をあと施工アンカー5によって開口部10aに固定することにより、枠鋼板3の座屈が防止されて、地震などにより建物に作用する力を枠鋼板3がブレース4に伝達し、この力をブレース4が負担するので、建物の耐震性を向上させることができると共に、開口部10aの面積を広く残すことができる効果を奏する。
次に、他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第一の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第一の実施の形態と異なる構成について説明する。
図2に示す第二の実施の形態による耐震補強構造1bでは、枠鋼板3とコンクリート躯体10との間に接着剤21を充填している。
接着剤21は、枠鋼板3とコンクリート躯体10とを密着させ、コンクリート躯体10に作用する力を枠鋼板3へより伝達させるためのもので、例えば、無収縮モルタルや、エポキシ樹脂やアクリル系の樹脂を使用する。
このとき、接着剤21の付着を良くするために、コンクリート躯体10の表面に凹凸をつけたり、グラインダーで表面を削ったりしてもよい。また、枠鋼板3も接着剤21の付着を良くするために、黒皮のままとしてもよく、表面を削ってもよい。また、枠鋼板3にシアキーなどを設けて接着剤21の付着を良くしてもよい。
また、鋼板2を開口部10aに設置する際には、鋼板2と開口部10aとの間には接着剤21のスペースを設ける。
上述した第二の実施の形態による耐震補強構造1bでは、鋼板2で形成された枠鋼板3を、あと施工アンカー5および接着剤21によってコンクリート躯体10に固定しているので、第一の実施の形態による耐震補強構造1aと同様の効果を奏する。
図3および図4に示す第三の実施の形態による耐震補強構造1cでは、図1に示す第一の実施の形態による耐震補強構造1aにおける、締結部5aにナット11を締結するあと施工アンカー5に代えて、グラウト材26に定着する定着部27aを備えるあと施工アンカー27を備えている。
あと施工アンカー27は、コンクリート躯体10に形成された孔部に埋設されるアンカー部27bと、アンカー部27bと連続し、アンカー部27bが埋設された際にコンクリート躯体10から突出する定着部27aとから構成される。
定着部27aは、アンカー部27bとつながる軸部27cと、軸部27cの先端に接合された頭部27dとを備えている。頭部27dの断面形状は軸部27cの断面形状よりも大きく、例えば円形や略円形、または四角形や六角形などの多角形の形状となっている。なお、軸部27cと頭部27dとは一体に形成されていてもよく、また個々に形成されて溶接などで接合されていてもよい。また、頭部27dに代わって、定着部27aの側面にリブを形成してもよい。
アンカー部27bは、第一の実施の形態によるあと施工アンカー5のアンカー部5bと同様の形状とする。
鋼板2には、第一の実施の形態によるボルト孔2aに代わって、あと施工アンカー27の頭部27dよりも例えば、10〜30mmほど大きい内径の貫通孔28が形成されている。また、貫通孔28は、鋼板2が枠鋼板3を形成した際の枠鋼板3の外側から内側に向かって徐々に広くなるテーパー形状をしている。
グラウト材26は、後述する圧縮ストラットの圧縮力を枠鋼板3へ伝達するのに十分な強度を有する材料で、例えば、無収縮グラウトやコンクリート、ポリマーセメントモルタル、エポキシ樹脂などを使用する。
鋼板2とコンクリート躯体10との接合は、コンクリート躯体10に設置されたあと施工アンカー27の定着部27aを鋼板2の貫通孔28へ挿通させて、定着部27aと貫通孔28との間にグラウト材26を充填して行う。
このとき、貫通孔28の内周面があと施工アンカー27の定着部27aの外周面に比べて大きく形成されて、定着部27aと貫通孔28との間にはクリアランスが設けられた状態となるので、図5に示すように、コンクリート躯体10に対してあと施工アンカー27の設置位置がずれたとしても、鋼板2を設置することができる。
上述した第三の実施の形態による耐震補強構造1cでは、枠鋼板3とコンクリート躯体10とが、あと施工アンカー27で固定されているので、第一の実施の形態と同様の効果を奏する。
また、コンクリート躯体10に対してあと施工アンカー27の設置位置がずれたとしても、鋼板2を設置することができるので、貫通孔28を工場などで予め鋼板2に形成することができる。そして、労力を軽減させることができると共に、工期を短縮することができて、施工性を向上することができる。
また、貫通孔28がテーパー形状に形成されて、定着部27aに頭部27dが設けられていることにより、頭部27dとコンクリート躯体10との間に圧縮ストラットが形成されるので、頭部27dがグラウト材26を介して貫通孔28の内周面から枠鋼板3をコンクリート躯体10側に押圧することができる。そして、枠鋼板3がコンクリート躯体10から離れる方向の外力に対して効率的に対抗することができるので、枠鋼板3の座屈を防止することができる。
また、定着部27aをあと施工アンカー27の先端部に設けることによって、枠鋼板3の表面からあと施工アンカー27が突出しない仕上がりとすることができるので、見栄えをよくすることができる。
図6乃至9に示す第四の実施の形態による耐震補強構造1dでは、第一の実施の形態による耐震補強構造1aにおけるボルト孔2aに代わって、あと施工アンカー5の締結部5aの径よりも大きい貫通孔31を鋼板2に設けると共に、枠鋼板3の内側にあと施工アンカー5の締結部5aが挿通するボルト孔32aを備えて、貫通孔31を覆うカバー用鋼板32を設置する構成である。
カバー用鋼板32は、鋼板2の貫通孔31を覆うことができる大きさで所定の厚さの鋼板である。
カバー用鋼板32は、あと施工アンカー5の締結部5aが挿通するボルト孔32aを備え、ボルト孔32aの内径は、あと施工アンカー5の締結部5aの径に応じて規定された寸法とする。
ここで、鋼板2の貫通孔31の大きさと、カバー用鋼板32の厚さとの関係について説明する。
図9に示すように、ナット11の中心から外周の角11aまでの長さLaと、カバー用鋼板32の厚さtとの和を寸法L1とし、鋼板2の貫通孔31の直径Φaと、カバー用鋼板32のボルト孔32aの半径Lbとの差を長さL2とする。そして、長さL1が長さL2よりも大きくなるように、カバー用鋼板32の厚さtと鋼板2の貫通孔31の直径Φaを決定する。
このように鋼板2の貫通孔31の大きさとカバー用鋼板32の厚さを設定することにより、鋼板2の貫通孔31の中心軸と、カバー用鋼板32のボルト孔32aの中心軸とがずれたとしても、ナット11の外周から斜め方向に作用するナット11の締結力がカバー用鋼板32を介して枠鋼板3とコンクリート躯体10に伝わるので、枠鋼板3がコンクリート躯体10から離れて座屈することを防ぐことができる。
鋼板2のコンクリート躯体10への設置は、まず、コンクリート躯体10に設置されたあと施工アンカー5の締結部5aを鋼板2の貫通孔31に挿入し、鋼板2を開口部10aの四方に沿って配置する。そして、カバー用鋼板32のボルト孔32aにあと施工アンカー5の締結部5aを挿通し、締結部5aに座金12を設置してナット11を締結する。
このようにして設置された鋼板2によって、枠鋼板3が形成される。そして、カバー用鋼板32は、枠鋼板3の貫通孔31を覆った状態となる。
このとき、枠鋼板3の貫通孔31の内周面と、あと施工アンカー5の締結部5aの外周面との間には、コンクリート躯体10とカバー用鋼板32とに挟まれた空間が形成される。この空間は、空間のままとするか、貫通孔31の内周面と締結部5aとをほとんど固定しない強度の低い充填材を充填する。
上述した第四の実施の形態による耐震補強構造1dでは、枠鋼板3がコンクリート躯体10から離れる方向に引っ張られると、あと施工アンカー5には軸力(引張力)が作用し、あと施工アンカー5はこの軸力を負担する。そして、枠鋼板3のコンクリート躯体10への設置面に平行な方向に枠鋼板3とコンクリート躯体10とが相対変位しても、枠鋼板3の貫通孔31はあと施工アンカー5の締結部5aの径よりも大きくクリアランスがあるので、このクリアランスの範囲内であれば、貫通孔31の内周面があと施工アンカー5の締結部5aの外周面と接触しないので、あと施工アンカー5には、枠鋼板3とコンクリート躯体10との相対変位によるせん断力は作用せず、枠鋼板3とコンクリート躯体10との間に生じる摩擦と、枠鋼板3とカバー用鋼板32との間に生じる摩擦によるせん断力が作用する構造とすることができる。
上述した第四の実施の形態による耐震補強構造1dでは、枠鋼板3がコンクリート躯体10に固定されているので、第一の実施の形態と同様の効果を奏する。
また、あと施工アンカー5には軸力(引張力)が作用し、せん断力があまり作用しないことにより、あと施工アンカー5に軸力を負担させる場合には、あと施工アンカー5の径を小さくしたり、設置する本数を少なくしたりすることができるので、コストや労力を低減できると共に工期を短縮することができる効果を奏する。
また、あと施工アンカー5を設置する際の騒音や粉塵を低減することができる。
また、このとき、枠鋼板3の貫通孔31は、あと施工アンカー5の締結部5aの外周面に対して大きく形成されているので、コンクリート躯体10へあと施工アンカー5を設置する際に、あと施工アンカー5の位置が多少ずれたとしても、枠鋼板3を設置することができる
以上、本発明による耐震補強構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上記の実施の形態では、既存建物のコンクリート躯体10にあと施工アンカー5、27を設置して枠鋼板3およびブレース4を配設しているが、新設のコンクリート躯体にコンクリートの打設と共に埋設されるアンカー部材に枠鋼板3およびブレース4を配設してもよい。
また、第三の実施の形態の枠鋼板3に形成された貫通孔28は、枠鋼板3の外側から内側に向かって径が大きくなるテーパー形状となっているが、枠鋼板3の外側から内側に向かって径が大きくなる形状であれば、径の異なる円筒を組み合わせた形状でもよく、テーパーと円筒を組み合わせた形状としてもよい。
1a、1b、1c、1d 耐震補強構造
2 鋼板
3 枠鋼板(枠材)
4 ブレース
5、27 あと施工アンカー(アンカー部材)
5a 締結部
21 接着剤
27 定着部
28、31 貫通孔
32 カバー用鋼板

Claims (4)

  1. 鉄筋コンクリート建物などのコンクリート躯体の開口部に枠材およびブレースを設置する耐震補強構造において、
    前記枠材は、鋼板で形成されていて、コンクリート躯体に定着部または締結部を突出させて埋設されたアンカー部材によってコンクリート躯体に固定されることを特徴とする耐震補強構造。
  2. 前記アンカー部材の定着部は側面に凸部を備えて、前記枠材は前記定着部が挿入される貫通孔を備えており、前記貫通孔は前記定着部との間にクリアランスが形成される程度に大きく形成されると共に、前記枠材の外側から内側に向かって内径が大きくなる形状に形成されて、前記定着部が挿入された前記貫通孔と前記定着部との間には充填材が充填されることを特徴とする請求項1に記載の耐震補強構造。
  3. 前記枠材と前記コンクリート躯体との間には接着剤が充填されることを特徴とする請求項1または2に記載の耐震補強構造。
  4. 前記枠材は前記アンカー部材の締結部が挿入される貫通孔を備えており、前記貫通孔は前記締結部との間にクリアランスが形成される程度に大きく形成されていて、前記締結部が挿入された前記貫通孔の前記枠材の内側面には前記締結部が貫通すると共に前記貫通孔を覆うカバー用鋼板が配設されることを特徴とする請求項1に記載の耐震補強構造。
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