JP2008196288A - 既設柱の耐震補強方法 - Google Patents
既設柱の耐震補強方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 三面が露出した既設柱の補強方法であって、厚みを大きくした間隔保持部(11)を両端部に有する鋼板(10)で前記三面を覆い、対向する間隔保持部間に柱(1)を貫通して鋼棒(13)を設置して鋼板を固定するとともに、鋼板と柱間に充填材(15)を充填して鋼板と柱を一体化する。
【選択図】 図1
Description
既設柱1の背面に土留壁2がある場合、土留壁と反対側の柱面から削孔して鋼板3を配設し、鋼板を通してアンカー筋4を施工してボルト5を締め付けることで鋼板と柱とを一体化し、アンカー筋4と柱との間の付着力で鋼板により柱を拘束する。
本発明は、三面が露出した既設柱の補強方法であって、厚みを大きくした間隔保持部を両端部に有する鋼板で前記三面を覆い、対向する間隔保持部間に柱を貫通して鋼棒を施工して鋼板を固定するとともに、鋼板と柱間に充填材を充填して鋼板と柱を一体化することを特徴とする。
また、本発明は、三面が露出した既設柱の補強方法であって、厚みを大きくした間隔保持部を両端部に有する鋼板で前記三面を覆い、間隔保持部材を通して柱に対してアンカー筋を施工して鋼板を柱に固定するとともに、鋼板と柱間に充填材を充填して鋼板と柱を一体化することを特徴とする。
また、本発明は、前記アンカー筋が、互い違いに反対側の面から施工されていることを特徴とする。
また、本発明は、三面が露出した既設柱の補強方法であって、両端部に補強プレートを溶接した鋼板で前記三面を覆い、対向する補強プレート間に柱を貫通して鋼棒を施工して鋼板を固定するとともに、鋼板と柱間に樹脂注入して鋼板と柱を一体化することを特徴とする。
また、本発明は、三面が露出した既設柱の補強方法であって、両端部に補強プレートを溶接した鋼板で前記三面を覆い、補強プレートを通して柱に対してアンカー筋を施工して鋼板を柱に固定するとともに、鋼板と柱間に樹脂注入して鋼板と柱を一体化することを特徴とする。
また、本発明は、前記補強プレートが、柱高さ方向に複数に分割されている、或いは一体であることを特徴とする。
図1はPC鋼棒を用い、既設柱三面から鋼板補強する例を示しており、図1(a)は平面図、図1(b)は側断面図、図1(c)は側面図である。
図示するように、既設柱1には土留壁2が柱背面側に存在しているため、四面補強はできないが、既設柱の三面が露出して鋼板を配設することが可能な状況にある。本実施形態では、この三面に対して鋼板10を配設する。鋼板10の両端部は既設柱との間に間隔を保持するための間隔保持部11(詳細は後述)を有しており、間隔保持部11を柱三面の端部位置(土留壁隣接位置)に対向させる。柱に対して鋼板を配設したとき、鋼板両端部の間隔保持部11は柱を介して対向する位置関係にあり、この間隔保持部11間をPC鋼棒13で締め付ける。なお、PC鋼棒13は削孔した孔を貫通させてモルタル等の充填材で充填し、両端部は緊締具14で固定する。そして、間隔保持部の厚みにより鋼板10と既設柱1の間にできた空間にはモルタルや無収縮モルタル等の充填材15を充填して鋼板と既設柱とを一体化して柱を拘束する。
鋼板10の両端部は既設柱との間に間隔を保持するための間隔保持部11を有していて、この間隔保持部11を柱三面の端部位置(土留壁隣接位置)に対向させて配設するのは図1の場合と同様である。そして、間隔保持部11と対向する位置で、軸方向鉄筋16を避ける位置に、互い違いに対向面側から削孔した穴に間隔保持部を通して、柱との付着をとるための異径鉄筋等からあるアンカー筋17を施工し、穴内にモルタル等の充填材を充填し、端部を緊締具14で固定する。そして、間隔保持部の厚みにより鋼板10と既設柱1の間にできた空間にはモルタルや無収縮モルタル等の充填材15を充填して鋼板と既設柱とを一体化して柱を拘束する。
間隔保持部11は、鋼板10の両端部に開先溶接等の方法で接合したものであり、20はその溶接部を示している。t1は鋼板面から突出している高さ、t2は間隔保持部の厚みであり、既設柱の置かれている状況により適宜の値を選択する。通常、可能であればt1は30mm程度であるが、それだけの高さがとれない場合もあり、例えば10〜35mm程度、t2は20〜45mm程度である。この間隔保持部はモルタル等の充填材の均一な厚みの層形成を可能にするとともに、充填材が逃げないように機能し、また、鋼棒やアンカー筋での締め付け部分に発生する応力集中に対して鋼板を補強する。この間隔保持部を設けたことで効果的に三面補強が可能となった。
補強プレート30は鋼板端部に溶接され、図1、図2に示した間隔保持部と同様に、補強プレート30を既設柱の露出した三面の端部位置に対向して配置し、図1、図2の場合と同様の方法で鋼板が既設柱の露出した三面に取り付けられる。
図5(a)は、補強プレートを柱高さ方向に分割し、各分割片の位置で鋼棒、或いはアンカー筋により固定する場合、図5(b)は柱高さ方向に長片の一体の補強プレートを用い、複数位置で鋼棒、或いはアンカー筋により固定する場合を示しており、既設柱の置かれた状況に応じて適宜採用すればよい。
Claims (6)
- 三面が露出した既設柱の補強方法であって、厚みを大きくした間隔保持部を両端部に有する鋼板で前記三面を覆い、対向する間隔保持部間に柱を貫通して鋼棒を施工して鋼板を固定するとともに、鋼板と柱間に充填材を充填して鋼板と柱を一体化することを特徴とする既設柱の耐震補強方法。
- 三面が露出した既設柱の補強方法であって、厚みを大きくした間隔保持部を両端部に有する鋼板で前記三面を覆い、間隔保持部材を通して柱に対してアンカー筋を施工して鋼板を柱に固定するとともに、鋼板と柱間に充填材を充填して鋼板と柱を一体化することを特徴とする既設柱の耐震補強方法。
- 前記アンカー筋は、互い違いに反対側の面から施工されていることを特徴とする請求項2記載の既設柱の耐震補強方法。
- 三面が露出した既設柱の補強方法であって、両端部に補強プレートを溶接した鋼板で前記三面を覆い、対向する補強プレート間に柱を貫通して鋼棒を施工して鋼板を固定するとともに、鋼板と柱間に樹脂注入して鋼板と柱を一体化することを特徴とする既設柱の耐震補強方法。
- 三面が露出した既設柱の補強方法であって、両端部に補強プレートを溶接した鋼板で前記三面を覆い、補強プレートを通して柱に対してアンカー筋を施工して鋼板を柱に固定するとともに、鋼板と柱間に樹脂注入して鋼板と柱を一体化することを特徴とする既設柱の耐震補強方法。
- 前記補強プレートは、柱高さ方向に複数に分割されている、或いは一体であることを特徴とする請求項4または5記載の既設柱の耐震補強方法。
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