JP2017106281A - 既存柱の補強構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 既存柱1の外周から間隔を保って配置された補強枠体13内に、充填材7を充填してなる1又は複数の補強部12を備え、補強部12には、既存柱1に埋設されている既存の軸方向筋16からなる、第1の方向xの曲げ耐力を発揮する第1の軸方向筋群A,Bのそれぞれと協働可能な位置に設けた第1の補強用軸方向筋14a〜14dと、第2の方向yの曲げ耐力を発揮する第2の軸方向筋群C,Dのそれぞれと協働可能な位置に設けた第2の補強用軸方向筋14a〜14dとが埋設されている。
【選択図】 図1
Description
しかし、既存の建造物の中には、既存柱の両側に連続する壁などが障害となって既存柱の全周を補強できない場合がある。
このような場合に、図5に示すように、壁2を挟んだ両側にそれぞれ第1,2補強部3,4を別々に設けることが考えられる。このようにすれば、既存柱1の両側に連続した壁2を破損することなく、既存柱1を補強することができる。
また、上記一方の面と対向する他方の面を断面がコの字状の第2補強枠体8で囲い、この第2補強枠体8と既存柱1との間に一対の軸方向筋6c,6dを配置するとともに充填材7を充填して上記第2補強部4を構成している。
このようにした第1,2補強部3,4に埋設された軸方向筋6a,6b,6c,6dは、補強された柱において曲げ耐力を発揮する。
上記第1補強部3に埋設された軸方向筋6a,6bは、これら両軸の軸線に直交する方向すなわち図示のx方向の曲げ力に対して耐力を発揮する。
同様に、第2補強部4に埋設された一対の軸方向筋6c,6dも、上記x方向の曲げ耐力を発揮する。
このように、図5に示す補強構造は、x,y両方向の曲げ耐力を向上させ、既存柱1の全周を補強できなくても、柱の総合耐力を向上させることができる。
なお、図中符号9はタイバーであり、第1,2補強枠体5,8を貫通した突出端にナット10を締め付けることで、充填材7の圧力で上記第1,2補強枠体5,8の側面部が膨らまないようにしている。
また、符号11はアンカーボルトで、このアンカーボルト11に充填材7が付着することによって、既存柱1に対する第1,2補強部3,4の連結力が発揮され、既存柱1と第1,2補強部3,4との一体性を上げている。
例えば、文化財などの外壁側に補強部を設けて外観を変更することは許されない。このような場合には、室内側のみに補強部を設けなければならない。例えば、図5において第1補強部3のみを設け、第2補強部4を設けないことになる。
このように、既存柱1の一側面のみに第1補強部3を設けた場合には、一対の軸方向筋6a,6bによってx方向の曲げ耐力を向上させることはできるが、y方向の曲げ耐力については十分な補強ができない。結果として、柱の総合的な耐力を十分に向上させられなかった。
この発明の目的は、既存柱の周方向において補強できない側があったとしても、総合的な耐力向上が可能な既存柱の補強構造を提供することである。
そして、上記補強部には、上記既存柱に埋設されている既存の軸方向筋のうち、第1の方向の曲げ耐力を発揮する軸方向筋からなる一対の第1の軸方向筋群のそれぞれと協働可能な位置に設けた第1の補強用軸方向筋と、上記既存の軸方向筋のうち、上記第1の方向と直交する方向である第2の方向の曲げ耐力を発揮する軸方向筋からなる一対の第2の軸方向筋群のそれぞれと協働可能な位置に設けた第2の補強用軸方向筋とが埋設されたことを特徴とする。
第4の発明は、上記区画片の近傍には、上記区画片が突出する方向に沿って上記補強部及び上記補強枠体を貫通し、上記既存柱に固定された固定ボルトが設けられたことを特徴とする。
特に、上記区画片によって窓枠と充填材との間にすき間を設け、充填材によって窓枠の移動が阻害されないようにすることができる。
そして、この第1実施形態では、図1において壁2を境にした下側のみに補強部12を設けている。例えば、図1中において上記壁2の上側が建造物の外側であり、その外観を変更することができない場合などに有用である。
上記補強部12は、既存柱1の周囲を鋼板などからなる補強枠体13で間隔を保って囲い、その内側に、補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dを配置するとともに充填材7を充填して形成されている。
また、上記補強枠体13の軸方向長さは、既存柱1の補強必要長さを分割した長さであり、複数の補強枠体13を軸方向に積層して既存柱1の補強必要部分を囲んでいる。
ただし、既存柱1を囲む補強枠体13の軸方向長さを、補強必要長さに対応させて、1つの補強枠体13で補強必要部分を囲むようにしてもよい。
上記貫通ボルト15によって既存柱1に固定された補強枠体13の内側に、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dを配置してから充填材7を充填して補強部12を形成する。
なお、上記貫通ボルト15は、既存柱1に形成された貫通孔を貫通しているが、この貫通孔と上記貫通ボルト15との間には上記充填材7が入り込んで貫通ボルト15と既存柱1とが一体化される。
上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dの設置位置について、以下に詳しく説明する。
上記既存柱1内には、その周囲に沿って複数の軸方向筋16が埋設されている。これら既存の軸方向筋16のうち、矢印yに沿った2列の軸方向筋群A,Bが、それぞれx方向の曲げ耐力を発揮するこの発明の第1の軸方向筋群である。
一方、矢印xに沿った2列の軸方向筋群軸方向筋群C,Dが、それぞれ、y方向の曲げ耐力を発揮する第2の軸方向筋群である。つまり、上記x方向が第1の方向であり、y方向が第2の方向である。
具体的には、既存柱1の左側の補強用軸方向筋14a及び14bは、左側の第1の軸方向筋群Aと協働可能な位置に設けられ、右側の補強用軸方向筋14dと14cは、右側の第1の軸方向筋群Bと協働可能な位置に設けられている。
つまり、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dと軸方向筋群A,Bとが協働可能な位置関係とは、上記補強用軸方向筋14a,14bが第1の軸方向筋群Aと同一群と見なせる程度に近い位置であり、上記補強用軸方向筋14c,14dが上記軸方向筋群Bと同一群と見なせる程度に各軸方向筋群Bから近い位置である。そして、x方向の曲げ力に対して上記軸方向筋群A,Bが耐力を発揮するのとほぼ同時に、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dが曲げ耐力を発揮する位置である。
そして、上記壁2側の補強用軸方向筋14a及び14dは、壁側2の第2の軸方向筋群Cと協働し、壁2から離れた位置の補強用軸方向筋14b及び14cは、壁2から離れた側の第2の軸方向筋群Dと協働する。
なお、上記既存の軸方向筋群と補強用軸方向筋とが協働可能な位置関係は、既存の軸方向筋16の位置や強度、既存の軸方向筋群A,B,C,Dと補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dとの間の既存のコンクリートや充填材7の強度などによっても変化するものである。
もし、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dが、既存の軸方向筋群A,B,C,Dと協働可能な位置に設置されていない場合には、これら補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dは、既存の軸方向筋群A,B,C,Dとは別個に耐力を発揮することになって、十分な補強効果が発揮されないことになる。
なお、この第1実施形態では、各補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dが、x方向の曲げ耐力を発揮する第1の補強用軸方向筋の機能と、y方向の曲げ耐力を発揮する第2の補強用軸方向筋の機能とを兼ね備えているが、各方向の曲げ耐力を発揮する補強用軸方向筋を、別々に設けるようにしてもよい。
さらに、区画片13d,13eと壁2との間にすき間を設けることができるので、区画片13d,13eに対向して窓枠が設けられていた場合などにも、その窓枠に充填材7が付着して窓枠のスムーズな移動を阻害するようなことがない。
さらに、上記貫通ボルト15によって補強部12と既存柱1との一体性も上がる。したがって、柱の総合的な耐力をより強くできる。
なお、上記第1実施形態と同様の構成要素には、図1と同じ符号を用いている。
上記貫通ボルト15は、第1実施形態と同様に既存柱1に形成した貫通孔内で充填材7によって固定され、既存柱1の軸方向に間隔を保って複数設けられている。したがって、上記貫通ボルト15は、補強部17,18を既存柱1に固定する機能とともに、柱のせん断補強筋としても機能する。
したがって、この第2実施形態の補強構造も、既存柱1の特定の面のみにしか補強部を設けることができないような制約があったとしても、柱の総合的な耐力を向上させることができる。
また、断面コの字状にした第1,2の補強枠体19,20において、壁2と対向する側面部19a,20aは、充填材7が壁2や窓枠に付着しないようにする区画片として機能する。
この第3実施形態では、壁2で囲まれた内側において、既存柱1の2側面を、断面L字状の補強部21で囲い、この補強部21を一対の固定ボルト23で固定している。この固定ボルト23は、既存柱1の軸方向に所定の間隔を保って複数設けられている。
上記補強部21は、断面L字状にした補強用枠体22内に補強用軸方向筋14a,14b,14cを配置してから充填材7を充填して構成されている。
すなわち、一方の壁2の近くに設けられた補強用軸方向筋14aは、既存の軸方向筋群Aと協働してx方向の曲げ耐力を発揮するとともに、軸方向筋群Cと協働してy方向の曲げ耐力を発揮する。
同様に、もう一方の壁2の近くに設けられた補強用軸方向筋14cは、既存の軸方向筋群Bと協働してx方向の曲げ耐力を発揮するとともに、軸方向筋群Dと協働してy方向の曲げ耐力を発揮する。
このように、第3実施形態においても、補強部21内の補強用軸方向筋14a,14b,14cがそれぞれ、既存の軸方向筋群A,B,C,Dと協働して、全体としてx方向及びy方向の曲げ耐力を向上させる。
また、必要補強強度も既存の建造物によって異なる。
したがって、この第3実施形態においても、各軸方向筋群A,B,C,Dと協働可能な補強用軸方向筋14a,14b,14cによって、柱の総合的な耐力を向上させ、必要補強強度を実現することができる。
さらに、固定ボルト23と区画片22aで囲まれた部分、及び固定ボルト23と区画片22bとで囲まれた部分では充填材7に拘束力が作用し、この拘束部分の圧縮耐力を向上させている。
第1実施形態と同じ構成要素には、図1と同じ符号を用いそれぞれについての説明は省略する。以下には、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。
補強枠体25は鋼板などを断面コの字状にした部材で、対向する側面部の縦縁には、上記他の実施形態のような区画片を設けずに、縦縁側を挿入部25a,25bとしている。
このように、上記スリット2a,2bに挿入部25a,25bを挿入することによって、充填材7が補強枠体25の端部から外部へ漏れ出てしまうことを防止している。
なお、上記挿入部25a,25bは、スリット2a,2b内に挿入されているだけであるが、この第4実施形態においても、貫通ボルト15を設けているので、この貫通ボルト15が補強枠体25の開きを抑制して、補強部24と既存柱1との一体化を実現している。
上記スリット2a,2bを設けずに、補強枠体25の端部を壁2に当接させた場合には、そのすき間から充填材7が漏れ出ないように、なんらかのシール部材を設ける必要があるが、この第4実施形態のように、挿入部25a,25bをスリット2a,2bに挿入すれば、シール部材やすき間の閉鎖作業を省略できる。
ただし、この第4実施形態の補強構造は、壁2にスリット2a,2bを形成することが、可能な場合に限られる。スリットの形成によって壁2の強度が著しく下がってしまったり、たとえどんな小さなスリットでも形成してはならない特別な壁だったりした場合には、この構造は適用できない。
また、貫通ボルト15がせん断補強筋として機能する点も第1実施形態同様である。
したがって、この第4実施形態も、壁2の特定の面側を変更できないというような制約があったとしても、柱の総合的な耐力を向上させることができる構造である。
例えば、既存柱1を囲う補強枠体の両外側に取付片を設けて、この取付片をボルトなどで壁2に固定するようにしてもよい。また、図2に示す第2実施形態では、第1,2の補強枠体19,20において既存柱1の側面に沿った部分を延長して既存柱1の側面に直接固定するようにしてもよい。
そして、交差部用の補強枠体の両脇に取付片を設けて、この取付片を梁に固定するようにしてもよい。
また、補強枠体の表面に帯状シートを接着して、積層された補強枠体同士を連結したり、上記補強枠体に引っ張り強度を付加したりすることもできる。
また、補強用枠体は既存柱の周方向に複数に分割された部材を組み合わせて構成することもできる。
なお、上記では、外観の変更が制限されているような建造物への適用例を説明したが、外観の変更ではなく、内壁面の変更が制限されているような場合にも、適用可能である。
また、例えば壁の両側に補強部を設けることが可能な場合であっても、補強部に埋設する補強用軸方向筋の位置を、既存の軸方向筋群と協働可能な位置に設定することは、柱の総合的な補強強度を向上させるために有効である。
2 壁
2a,2b スリット
7 充填材
10 ナット
12 補強部
13 補強枠体
13d,13e 区画片
14a〜14d 補強用軸方向筋
15 貫通ボルト
16 既存の軸方向筋
17,18 (第1,2の)補強部
19,20 補強枠体
19a,20a 区画片
21 補強部
22 補強枠体
22a,22b 区画片
23 固定ボルト
24 補強部
25 補強枠体
25a,25b 挿入部
このような建造物、例えば文化財などの建造物の場合に、その外観を損なってはならないという制約条件が付けられることがある。この制約条件は、当然のこととして既存柱にも及ぶ。
そして、上記既存柱と補強枠体との間にグラウト材などの充填材が充填される。ただし、この発明では、上記既存構造体に隣接する上記既存柱の少なくとも2面が、区画片を備えた上記補強枠体で囲われる。
さらに、第2の発明は、上記区画片と対向する位置に固定ボルトが、上記補強枠体を貫通して、上記既存柱にその長手方向に間隔を保って複数固定される。そして、上記区画片と固定ボルトとの対向間隔に、既存柱の長手方向に連続する補強用軸方向筋が設けられる。
また、上記区画片によって窓枠と充填材との間にすき間を設ければ、充填材や区画片の圧力作用で窓枠の移動が阻害されたりしない。
上記固定ボルト15によって既存柱1に固定された補強枠体13の内側に、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dを配置してから充填材7を充填して補強部12を形成する。
なお、上記固定ボルト15は、既存柱1に形成された貫通孔を貫通しているが、この貫通孔と上記固定ボルト15との間には上記充填材7が入り込んで固定ボルト15と既存柱1とが一体化される。
上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dの設置位置について、以下に詳しく説明する。
上記既存柱1内には、その周囲に沿って複数の軸方向筋16が埋設されている。これら既存の軸方向筋16のうち、矢印yに沿った2列の軸方向筋群A,Bが、それぞれx方向の曲げ耐力を発揮する第1の軸方向筋群である。
一方、矢印xに沿った2列の軸方向筋群C,Dが、それぞれ、y方向の曲げ耐力を発揮する第2の軸方向筋群である。つまり、上記x方向が第1の方向であり、y方向が第2の方向である。
具体的には、既存柱1の左側の補強用軸方向筋14a及び14bは、左側の第1の軸方向筋群Aと協働可能な位置に設けられ、右側の補強用軸方向筋14dと14cは、右側の第1の軸方向筋群Bと協働可能な位置に設けられている。そして、上記区画片13d側に設けられた第1の補強用軸方向筋14aが、上記区画片13dと上記固定ボルト15との間に埋設されるとともに、上記区画片13e側に設けられた第2の補強用軸方向筋14dが、上記区画片13eと上記固定ボルト15との間に埋設されている。
さらに、上記固定ボルト15によって補強部12と既存柱1との一体性も上がる。したがって、柱の総合的な耐力をより強くできる。
上記固定ボルト15は、第1実施形態と同様に既存柱1に形成した貫通孔内で充填材7によって固定され、既存柱1の軸方向に間隔を保って複数設けられている。したがって、上記固定ボルト15は、補強部17,18を既存柱1に固定する機能とともに、柱のせん断補強筋としても機能する。
第1実施形態と同じ構成要素には、図1と同じ符号を用いそれぞれについての説明は省略する。以下には、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。
補強枠体25は鋼板などを断面コの字状にした部材で、対向する側面部の縦縁には、上記他の実施形態のような区画片を設けずに、縦縁側を挿入部25a,25bとしている。
このように、上記スリット2a,2bに挿入部25a,25bを挿入することによって、充填材7が補強枠体25の端部から外部へ漏れ出てしまうことを防止している。
なお、上記挿入部25a,25bは、スリット2a,2b内に挿入されているだけであるが、この参考例においても、固定ボルト15を設けているので、この固定ボルト15が補強枠体25の開きを抑制して、補強部24と既存柱1との一体化を実現している。
上記スリット2a,2bを設けずに、補強枠体25の端部を壁2に当接させた場合には、そのすき間から充填材7が漏れ出ないように、なんらかのシール部材を設ける必要があるが、この第4実施形態のように、挿入部25a,25bをスリット2a,2bに挿入すれば、シール部材やすき間の閉鎖作業を省略できる。
ただし、この参考例の補強構造は、壁2にスリット2a,2bを形成することが、可能な場合に限られる。スリットの形成によって壁2の強度が著しく下がってしまったり、たとえどんな小さなスリットでも形成してはならない特別な壁だったりした場合には、この構造は適用できない。
また、固定ボルト15がせん断補強筋として機能する点も第1実施形態同様である。
したがって、この参考例も、壁2の特定の面側を変更できないというような制約があったとしても、柱の総合的な耐力を向上させることができる構造である。
例えば、既存柱1を囲う補強枠体の両外側に取付片を設けて、この取付片をボルトなどで壁2に固定するようにしてもよい。また、図2に示す第2実施形態では、第1,2の補強枠体19,20において既存柱1の側面に沿った部分を延長して既存柱1の側面に直接固定するようにしてもよい。
2 壁
2a,2b スリット
7 充填材
10 ナット
12 補強部
13 補強枠体
13d,13e 区画片
14a〜14d 補強用軸方向筋
15 固定ボルト
16 既存の軸方向筋
17,18 (第1,2の)補強部
19,20 補強枠体
19a,20a 区画片
21 補強部
22 補強枠体
22a,22b 区画片
23 固定ボルト
24 補強部
25 補強枠体
25a,25b 挿入部
Claims (5)
- 周囲に沿った内側に複数の軸方向筋が埋設された既存柱の補強構造であって、
上記既存柱の外周から間隔を保って配置された補強枠体内に、グラウト材などの充填材を充填してなる1又は複数の補強部を上記既存柱に固定してなるとともに、
上記補強部には、
上記既存柱に埋設されている既存の軸方向筋のうち、第1の方向の曲げ耐力を発揮する軸方向筋からなる一対の第1の軸方向筋群のそれぞれと協働可能な位置に設けた第1の補強用軸方向筋と、
上記既存の軸方向筋のうち、上記第1の方向と直交する方向である第2の方向の曲げ耐力を発揮する軸方向筋からなる一対の第2の軸方向筋群のそれぞれと協働可能な位置に設けた第2の補強用軸方向筋とが埋設された既存柱の補強構造。 - 上記補強部と上記既存柱とを同時に貫通し、その両端を上記補強枠体の外部に突出させた貫通ボルトが、上記既存柱の軸方向に所定の間隔を保って複数設けられた請求項1に記載の既存柱の補強構造。
- 上記補強枠体は、その縦縁に沿って既存柱側に向かって突出し、上記既存柱に連続する壁や窓枠などの既存構造体と上記補強部とを区画する区画片を備えた請求項1又は2に記載の既存柱の補強構造。
- 上記区画片の近傍には、上記区画片が突出する方向に沿って上記補強部及び上記補強枠体を貫通し、上記既存柱に固定された固定ボルトが設けられた請求項3に記載の既存柱の補強構造。
- 上記補強枠体は、既存柱の側面に連続する壁などの既存構造体に対向する縦縁側を挿入部とするとともに、
上記既存構造体には、上記挿入部を挿入するための、既存柱の軸方向に連続するスリットを備え、
上記スリットに上記補強枠体の挿入部を挿入した請求項1又は2に記載の既存柱の補強構造。
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