JP2017106281A - 既存柱の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 既存柱の周方向において補強できない側があったとしても、総合的な耐力向上を可能にすることである。
【解決手段】 既存柱1の外周から間隔を保って配置された補強枠体13内に、充填材7を充填してなる1又は複数の補強部12を備え、補強部12には、既存柱1に埋設されている既存の軸方向筋16からなる、第1の方向xの曲げ耐力を発揮する第1の軸方向筋群A,Bのそれぞれと協働可能な位置に設けた第1の補強用軸方向筋14a〜14dと、第2の方向yの曲げ耐力を発揮する第2の軸方向筋群C,Dのそれぞれと協働可能な位置に設けた第2の補強用軸方向筋14a〜14dとが埋設されている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、既存柱を補強する補強構造に関する。
従来から、既存柱を補強する補強構造として、柱の全周を、間隔を保って鋼板などからなる補強枠体で囲い、その内側に充填材を充填した補強部を備えた補強構造が知られている(特許文献1参照)。この補強構造は、既存柱の全周を囲んだ補強部と既存柱とが一体となって、一回り太い柱として耐力を発揮するものである。
しかし、既存の建造物の中には、既存柱の両側に連続する壁などが障害となって既存柱の全周を補強できない場合がある。
このような場合に、図5に示すように、壁2を挟んだ両側にそれぞれ第1,2補強部3,4を別々に設けることが考えられる。このようにすれば、既存柱1の両側に連続した壁2を破損することなく、既存柱1を補強することができる。
上記壁2を挟んで互いに対向する既存柱1の側面のうち一方の面を、断面がコの字状の第1の補強枠体5で囲い、この第1補強枠体5と既存柱1との間に形成される空間に、一対の軸方向筋6a,6bを配置するとともにグラウト材などの充填材7を充填して上記第1補強部3を構成している。
また、上記一方の面と対向する他方の面を断面がコの字状の第2補強枠体8で囲い、この第2補強枠体8と既存柱1との間に一対の軸方向筋6c,6dを配置するとともに充填材7を充填して上記第2補強部4を構成している。
そして、上記第1,2補強枠体の軸方向長さを、上記既存柱1の軸方向に沿った補強対象長さにし、既存柱1の軸方向に沿った第1,2補強部3,4を形成している。
このようにした第1,2補強部3,4に埋設された軸方向筋6a,6b,6c,6dは、補強された柱において曲げ耐力を発揮する。
上記第1補強部3に埋設された軸方向筋6a,6bは、これら両軸の軸線に直交する方向すなわち図示のx方向の曲げ力に対して耐力を発揮する。
同様に、第2補強部4に埋設された一対の軸方向筋6c,6dも、上記x方向の曲げ耐力を発揮する。
さらに、第1補強部3の軸方向筋6aと第2補強部4の軸方向筋6c、軸方向筋6bと軸方向筋6dとはそれぞれy方向の曲げ耐力を発揮する。
このように、図5に示す補強構造は、x,y両方向の曲げ耐力を向上させ、既存柱1の全周を補強できなくても、柱の総合耐力を向上させることができる。
なお、図中符号9はタイバーであり、第1,2補強枠体5,8を貫通した突出端にナット10を締め付けることで、充填材7の圧力で上記第1,2補強枠体5,8の側面部が膨らまないようにしている。
また、符号11はアンカーボルトで、このアンカーボルト11に充填材7が付着することによって、既存柱1に対する第1,2補強部3,4の連結力が発揮され、既存柱1と第1,2補強部3,4との一体性を上げている。
特開2008−240368号公報
ところが、現実には壁2などを挟んだ両側に、補強部を設けることができない場合がある。
例えば、文化財などの外壁側に補強部を設けて外観を変更することは許されない。このような場合には、室内側のみに補強部を設けなければならない。例えば、図5において第1補強部3のみを設け、第2補強部4を設けないことになる。
このように、既存柱1の一側面のみに第1補強部3を設けた場合には、一対の軸方向筋6a,6bによってx方向の曲げ耐力を向上させることはできるが、y方向の曲げ耐力については十分な補強ができない。結果として、柱の総合的な耐力を十分に向上させられなかった。
この発明の目的は、既存柱の周方向において補強できない側があったとしても、総合的な耐力向上が可能な既存柱の補強構造を提供することである。
第1の発明は、周囲に沿った内側に複数の軸方向筋が埋設された既存柱の補強構造であって、上記既存柱の外周から間隔を保って配置された補強枠体内に、グラウト材などの充填材を充填してなる1又は複数の補強部を上記既存柱に固定している。
そして、上記補強部には、上記既存柱に埋設されている既存の軸方向筋のうち、第1の方向の曲げ耐力を発揮する軸方向筋からなる一対の第1の軸方向筋群のそれぞれと協働可能な位置に設けた第1の補強用軸方向筋と、上記既存の軸方向筋のうち、上記第1の方向と直交する方向である第2の方向の曲げ耐力を発揮する軸方向筋からなる一対の第2の軸方向筋群のそれぞれと協働可能な位置に設けた第2の補強用軸方向筋とが埋設されたことを特徴とする。
協働とは、二つのものが協力して働くことである。したがって、上記既存の軸方向筋と補強用軸方向筋とが協働するとは、既存の軸方向筋と補強用軸方向筋とが、連係し、一体化して耐力を発揮するということである。例えば、補強用軸方向筋のみで耐力を発揮したり、既存の軸方向筋が耐えられなくなってから、補強用軸方向筋が耐力を発揮したりするものは、上記協働には含まれない。
第2の発明は、上記補強部と上記既存柱とを同時に貫通し、その両端を上記補強枠体の外部に突出させた貫通ボルトが、上記既存柱の軸方向に所定の間隔を保って複数設けられていることを特徴とする。
第3の発明は、上記補強枠体が、その縦縁に沿って既存柱側に向かって突出し、上記既存柱に連続する壁や窓枠などの既存構造体と上記補強部とを区画する区画片を備えたことを特徴とする。
第4の発明は、上記区画片の近傍には、上記区画片が突出する方向に沿って上記補強部及び上記補強枠体を貫通し、上記既存柱に固定された固定ボルトが設けられたことを特徴とする。
第5の発明は、上記補強枠体が、既存柱の側面に連続する壁などの既存構造体に対向する縦縁側を挿入部とするとともに、上記既存構造体には、上記挿入部を挿入するための、既存柱の軸方向に連続するスリットを備え、上記スリットに上記補強枠体の挿入部を挿入したことを特徴とする。
第1の発明によれば、補強部に設けた補強用軸方向筋が、既存の軸方向筋と協働して全方向の曲げ耐力を発揮することになる。補強用軸方向筋の設置位置を、既存の軸方向筋と協働して必要な耐力を発揮する位置に設定すれば、既存柱においえて壁などを挟んだ両側や、全周に補強部を設けることができないような場合であっても、柱の総合的な耐力を向上させることができる。
第2の発明によれば、柱を貫通した貫通ボルトによって、補強部と既存柱との一体性が上がり、既存柱と補強部とが一体として耐力を発揮することができる。また、貫通ボルトが既存柱のせん断補強筋として機能する。その結果、柱の総合的な耐力がさらに向上する。
第3の発明によれば、補強枠体に形成された区画片によって、補強部の充填材と既存構造体との接触部分をなくすことができる。既存の壁面や窓枠などが弱く、充填材の圧力を作用させたくない場合に有効である。
特に、上記区画片によって窓枠と充填材との間にすき間を設け、充填材によって窓枠の移動が阻害されないようにすることができる。
第4の発明によれば、上記区画片と固定ボルトとによって充填材に拘束力が作用して、拘束された部分の圧縮耐力が向上する。その結果、柱の総合的な耐力が向上する。
第5の発明によれば、既存構造体のスリットに挿入された挿入部が、補強枠体内に充填した充填材が外部へ漏れ出ることを防止できる。挿入部をスリットへ挿入するだけで、充填材の漏れ防止ができるので、補強枠体と既存構造体とのすき間を閉鎖するための部材や作業を省略できる。
第1実施形態の補強構造の断面図である。 第2実施形態の補強構造の断面図である。 第3実施形態の補強構造の断面図である。 第4実施形態の補強構造の断面図である。 従来の補強構造の断面図である。
図1に示すこの発明の第1実施形態は、両脇に連続する壁2の一方側に突出した既存柱1を補強する補強構造である。
そして、この第1実施形態では、図1において壁2を境にした下側のみに補強部12を設けている。例えば、図1中において上記壁2の上側が建造物の外側であり、その外観を変更することができない場合などに有用である。
上記補強部12は、既存柱1の周囲を鋼板などからなる補強枠体13で間隔を保って囲い、その内側に、補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dを配置するとともに充填材7を充填して形成されている。
上記補強枠体13は、既存柱1の各側面に対向する側面部13a,13b,13cを備え、上記対向する側面部13a,13cの縦縁には既存柱1側に突出する区画片13d,13eを設けている。そして、上記補強枠体13は、この区画片13d,13eの先端が既存柱1に接触するように設置される。
また、上記補強枠体13の軸方向長さは、既存柱1の補強必要長さを分割した長さであり、複数の補強枠体13を軸方向に積層して既存柱1の補強必要部分を囲んでいる。
ただし、既存柱1を囲む補強枠体13の軸方向長さを、補強必要長さに対応させて、1つの補強枠体13で補強必要部分を囲むようにしてもよい。
さらに、既存柱1を貫通する貫通ボルト15を、上記一対の側面部13a,13c間にわたし、その突出端にナット10を締め付けている。この貫通ボルト15は、既存柱1の軸方向に、所定の間隔を保って複数設けられている。
上記貫通ボルト15によって既存柱1に固定された補強枠体13の内側に、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dを配置してから充填材7を充填して補強部12を形成する。
なお、上記貫通ボルト15は、既存柱1に形成された貫通孔を貫通しているが、この貫通孔と上記貫通ボルト15との間には上記充填材7が入り込んで貫通ボルト15と既存柱1とが一体化される。
また、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dは、既存柱1に埋設されている既存の軸方向筋16と協働可能な位置に設置されている。
上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dの設置位置について、以下に詳しく説明する。
上記既存柱1内には、その周囲に沿って複数の軸方向筋16が埋設されている。これら既存の軸方向筋16のうち、矢印yに沿った2列の軸方向筋群A,Bが、それぞれx方向の曲げ耐力を発揮するこの発明の第1の軸方向筋群である。
一方、矢印xに沿った2列の軸方向筋群軸方向筋群C,Dが、それぞれ、y方向の曲げ耐力を発揮する第2の軸方向筋群である。つまり、上記x方向が第1の方向であり、y方向が第2の方向である。
そして、上記既存の軸方向筋16の軸方向筋群A,B,C,Dと協働可能な位置に、補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dが設けられている。
具体的には、既存柱1の左側の補強用軸方向筋14a及び14bは、左側の第1の軸方向筋群Aと協働可能な位置に設けられ、右側の補強用軸方向筋14dと14cは、右側の第1の軸方向筋群Bと協働可能な位置に設けられている。
上記補強用軸方向筋14a及び14bと、補強用軸方向筋14d及び14cとが、それぞれ第1の軸方向筋群A,Bと協働するとは、上記補強用軸方向筋と既存の軸方向筋群とが一体となって機能するということである。
つまり、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dと軸方向筋群A,Bとが協働可能な位置関係とは、上記補強用軸方向筋14a,14bが第1の軸方向筋群Aと同一群と見なせる程度に近い位置であり、上記補強用軸方向筋14c,14dが上記軸方向筋群Bと同一群と見なせる程度に各軸方向筋群Bから近い位置である。そして、x方向の曲げ力に対して上記軸方向筋群A,Bが耐力を発揮するのとほぼ同時に、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dが曲げ耐力を発揮する位置である。
また、y方向の曲げ耐力を発揮する第2の軸方向筋群C,Dに対しても、これらと協働可能な位置に、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dが配置されている。
そして、上記壁2側の補強用軸方向筋14a及び14dは、壁側2の第2の軸方向筋群Cと協働し、壁2から離れた位置の補強用軸方向筋14b及び14cは、壁2から離れた側の第2の軸方向筋群Dと協働する。
なお、上記既存の軸方向筋群と補強用軸方向筋とが協働可能な位置関係は、既存の軸方向筋16の位置や強度、既存の軸方向筋群A,B,C,Dと補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dとの間の既存のコンクリートや充填材7の強度などによっても変化するものである。
以上のように、この第1実施形態では、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dのそれぞれが、第1の方向であるx方向の曲げ耐力を発揮する第1の補強用軸方向筋と、第2の方向の曲げ耐力を発揮する第2の補強用軸方向筋とを兼ね、x,y両方向の曲げ耐力を発揮し、総合的な柱の耐力を向上させることができる。つまり、この第1実施形態のように、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dの位置を設定すれば、例えば、外観を変更することができないという制約があるような場合でも、柱の総合的な耐力を十分に向上させることができる。
もし、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dが、既存の軸方向筋群A,B,C,Dと協働可能な位置に設置されていない場合には、これら補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dは、既存の軸方向筋群A,B,C,Dとは別個に耐力を発揮することになって、十分な補強効果が発揮されないことになる。
また、上記第1,2の補強用軸方向筋として機能する補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dの位置や各補強用軸方向筋の強度を調整することで、x方向あるいはy方向の曲げ耐力の補強強度のバランスを調整することもできる。例えば、上記補強用軸方向筋14bを補強用軸方向筋14aよりも強くし、補強用軸方向筋14cを補強用軸方向筋14dよりも強くすれば、y方向の曲げのうち、補強枠体13の側面部13b側から壁2側への曲げに対する耐力を反対方向の曲げ耐力よりも強くできる。
また、壁2側に位置する補強用軸方向筋14a,14dは、y方向において既存の軸方向筋群C,Dの間よりも内側に位置しているため、y方向の耐力を発揮しにくいが、図1に示すように壁2の近くに設けることによって、既存の軸方向筋群Cに近づき、この軸方向筋群Cと協働して、図の上から下へ向かうy方向の曲げ耐力を発揮することができる。
なお、この第1実施形態では、各補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dが、x方向の曲げ耐力を発揮する第1の補強用軸方向筋の機能と、y方向の曲げ耐力を発揮する第2の補強用軸方向筋の機能とを兼ね備えているが、各方向の曲げ耐力を発揮する補強用軸方向筋を、別々に設けるようにしてもよい。
一方、既存柱1に対する必要補強強度は、壁2や図示していない梁との位置関係や、建造物全体のバランスなどによって決まるものである。したがって、既存柱1に対する必要補強強度に応じて、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dの強度や本数、配置などを設定すればよい。
また、この第1実施形態では、補強枠体13の区画片13d,13eを設けて、充填材7と壁2との間を区画している。そのため、充填材7の圧力を壁2に作用させることがなく、壁2の強度が弱い場合にも、壁2に余計な負荷をかけることがない。
さらに、区画片13d,13eと壁2との間にすき間を設けることができるので、区画片13d,13eに対向して窓枠が設けられていた場合などにも、その窓枠に充填材7が付着して窓枠のスムーズな移動を阻害するようなことがない。
また、この第1実施形態では、既存柱1及び補強部12を貫通する貫通ボルト15を既存柱1の軸方向に複数設けているため、これら貫通ボルト15が、補強後の柱のせん断補強筋として機能する。
さらに、上記貫通ボルト15によって補強部12と既存柱1との一体性も上がる。したがって、柱の総合的な耐力をより強くできる。
また、上記貫通ボルト15を上記区画片13d,13eの近傍に設ければ、この貫通ボルト15がこの発明の固定ボルトとして機能し、貫通ボルト15と区画片13d,13eとの間の充填材7に拘束力を作用させて、この拘束部分の圧縮耐力を上げることができる。ただし、上記区画片13d,13eとで充填材7を拘束する部材としては、既存柱1を貫通する貫通ボルト15でなくてもよく、一端を補強枠体13から突出させ、他端を既存柱1内に固定した固定ボルトであってもよい。
図2に示す第2実施形態は、壁2から一方に突出した既存柱1の対向する一対の側面に第1,2の補強部17,18を固定し、上記壁2と平行な側面には補強部を設けていない補強構造である。
なお、上記第1実施形態と同様の構成要素には、図1と同じ符号を用いている。
上記第1,2の補強部17,18は、それぞれ断面をコの字状にした鋼板などからなる第1,2の補強枠体19,20で囲まれた空間内に、補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dを配置し、充填材7を充填して構成されている。これら第1,2の補強枠体19,20も、軸方向に積層して既存柱1の補強必要部分を覆う長さにしてもよいし、補強必要部分の全長に対応する長さにしてもよい。
そして、既存柱1を挟んで対向する上記第1,2の補強部17,18は、これら補強部17,18とともに既存柱1を貫通する貫通ボルト15によって既存柱1に固定されている。
上記貫通ボルト15は、第1実施形態と同様に既存柱1に形成した貫通孔内で充填材7によって固定され、既存柱1の軸方向に間隔を保って複数設けられている。したがって、上記貫通ボルト15は、補強部17,18を既存柱1に固定する機能とともに、柱のせん断補強筋としても機能する。
この第2実施形態においても、第1,2の補強部17,18に埋設された補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dは、それぞれx方向及びy方向の曲げ耐力を発揮する既存の軸方向筋群A,B,C,Dと協働可能な位置に配置されている。そして、既存の軸方向筋群A,B,C,Dと補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dとの協働関係は、上記第1実施形態と同じである。
したがって、この第2実施形態の補強構造も、既存柱1の特定の面のみにしか補強部を設けることができないような制約があったとしても、柱の総合的な耐力を向上させることができる。
また、断面コの字状にした第1,2の補強枠体19,20において、壁2と対向する側面部19a,20aは、充填材7が壁2や窓枠に付着しないようにする区画片として機能する。
図3に示す第3実施形態は、直交する一対の壁2,2間に位置する既存柱1に対する補強構造であって、壁2の外側を変更することなく補強できるものである。
この第3実施形態では、壁2で囲まれた内側において、既存柱1の2側面を、断面L字状の補強部21で囲い、この補強部21を一対の固定ボルト23で固定している。この固定ボルト23は、既存柱1の軸方向に所定の間隔を保って複数設けられている。
上記補強部21は、断面L字状にした補強用枠体22内に補強用軸方向筋14a,14b,14cを配置してから充填材7を充填して構成されている。
上記補強用軸方向筋14a,14b,14cは、上記補強部21の角であって、既存の軸方向筋群A,B,C,Dと協働可能な位置に設けられている。
すなわち、一方の壁2の近くに設けられた補強用軸方向筋14aは、既存の軸方向筋群Aと協働してx方向の曲げ耐力を発揮するとともに、軸方向筋群Cと協働してy方向の曲げ耐力を発揮する。
同様に、もう一方の壁2の近くに設けられた補強用軸方向筋14cは、既存の軸方向筋群Bと協働してx方向の曲げ耐力を発揮するとともに、軸方向筋群Dと協働してy方向の曲げ耐力を発揮する。
さらに、補強用軸方向筋14bは、軸方向筋群A,Dと協働して、x方向、y方向の曲げ耐力を発揮する。
このように、第3実施形態においても、補強部21内の補強用軸方向筋14a,14b,14cがそれぞれ、既存の軸方向筋群A,B,C,Dと協働して、全体としてx方向及びy方向の曲げ耐力を向上させる。
なお、この第3実施形態では、上記既存の軸方向筋群A,B,C,Dのうち、補強部21側に配置された軸方向筋群A,Dには、それぞれ2本の補強用軸方向筋14a及び14b、14b及び14cが協働可能であるが、補強部21から離れた方の軸方向筋群C,Bにはそれぞれ1本の軸方向筋14a,14cのみが協働可能である。
このように、軸方向筋群A,B,C,Dによって協働可能な補強用軸方向筋の本数が異なるので、補強強度が全方向において均等にならない場合がある。しかし、上記したように、補強強度は補強用軸方向筋の本数のみで決まるものではなく、補強用軸方向筋の本数のほか、各補強用軸方向筋の強度や、既存の軸方向筋群との位置関係によって調整可能である。
また、必要補強強度も既存の建造物によって異なる。
したがって、この第3実施形態においても、各軸方向筋群A,B,C,Dと協働可能な補強用軸方向筋14a,14b,14cによって、柱の総合的な耐力を向上させ、必要補強強度を実現することができる。
また、この第3実施形態の補強用枠体22の両端には既存柱1側に向かって折り曲がった区画片22a,22bが形成され、これらの区画片22a,22bによって充填材7と壁2とを区画している。この区画片22a,22bによって充填材7の漏れを防止できるとともに、充填材7の付着によって窓枠のスムーズな移動が阻害されることもない。
さらに、固定ボルト23と区画片22aで囲まれた部分、及び固定ボルト23と区画片22bとで囲まれた部分では充填材7に拘束力が作用し、この拘束部分の圧縮耐力を向上させている。
図4に示す第4実施形態は、既存柱1に固定される補強部24を構成する補強枠体25の端部の形状が、図1に示す第1実施形態の補強枠体13と異なる補強構造である。
第1実施形態と同じ構成要素には、図1と同じ符号を用いそれぞれについての説明は省略する。以下には、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。
補強枠体25は鋼板などを断面コの字状にした部材で、対向する側面部の縦縁には、上記他の実施形態のような区画片を設けずに、縦縁側を挿入部25a,25bとしている。
一方、既存柱1の両側に連続する既存構造体である壁2には、既存柱1の軸方向に連続するスリット2a,2bを形成し、このスリット2a,2b内に上記補強枠体25の挿入部25a,25bを差し込んでいる。
このように、上記スリット2a,2bに挿入部25a,25bを挿入することによって、充填材7が補強枠体25の端部から外部へ漏れ出てしまうことを防止している。
なお、上記挿入部25a,25bは、スリット2a,2b内に挿入されているだけであるが、この第4実施形態においても、貫通ボルト15を設けているので、この貫通ボルト15が補強枠体25の開きを抑制して、補強部24と既存柱1との一体化を実現している。
上記貫通ボルト15を設ければ、補強枠体25が開く方向の圧力を、壁2に設けたスリット2a,2bが全面的に受けることがなく、壁2が破損することもない。
上記スリット2a,2bを設けずに、補強枠体25の端部を壁2に当接させた場合には、そのすき間から充填材7が漏れ出ないように、なんらかのシール部材を設ける必要があるが、この第4実施形態のように、挿入部25a,25bをスリット2a,2bに挿入すれば、シール部材やすき間の閉鎖作業を省略できる。
ただし、この第4実施形態の補強構造は、壁2にスリット2a,2bを形成することが、可能な場合に限られる。スリットの形成によって壁2の強度が著しく下がってしまったり、たとえどんな小さなスリットでも形成してはならない特別な壁だったりした場合には、この構造は適用できない。
この第4実施形態においても、補強部24内には、第1実施形態と同様に、既存の軸方向筋群A,B,C,Dと協働可能な位置に補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dを配置している。
また、貫通ボルト15がせん断補強筋として機能する点も第1実施形態同様である。
したがって、この第4実施形態も、壁2の特定の面側を変更できないというような制約があったとしても、柱の総合的な耐力を向上させることができる構造である。
上記第1〜4実施形態では、補強部と既存柱1とを貫通ボルト15や固定ボルト23によって固定しているが、その固定方法は上記実施形態に限らない。
例えば、既存柱1を囲う補強枠体の両外側に取付片を設けて、この取付片をボルトなどで壁2に固定するようにしてもよい。また、図2に示す第2実施形態では、第1,2の補強枠体19,20において既存柱1の側面に沿った部分を延長して既存柱1の側面に直接固定するようにしてもよい。
さらに、上記では、図示しない梁と既存柱1との交差部の補強構造については省略しているが、交差部の補強構造はどのようなものでも構わない。ただし、図1〜4に示した梁下部分の補強部に埋設した補強用軸方向筋を、交差部においても連続させる必要がある。例えば、図1〜4に示した補強枠体と同幅、あるいはそれ以上の幅を備えた交差部用の補強枠体を積層すれば、補強部及び補強用軸方向筋を上下に連続させることができる。
そして、交差部用の補強枠体の両脇に取付片を設けて、この取付片を梁に固定するようにしてもよい。
また、補強枠体の表面に帯状シートを接着して、積層された補強枠体同士を連結したり、上記補強枠体に引っ張り強度を付加したりすることもできる。
さらに、補強枠体の材質としては、鋼板、繊維強化プラスチック、合板など様々なものが利用できる。
また、補強用枠体は既存柱の周方向に複数に分割された部材を組み合わせて構成することもできる。
なお、上記では、外観の変更が制限されているような建造物への適用例を説明したが、外観の変更ではなく、内壁面の変更が制限されているような場合にも、適用可能である。
また、例えば壁の両側に補強部を設けることが可能な場合であっても、補強部に埋設する補強用軸方向筋の位置を、既存の軸方向筋群と協働可能な位置に設定することは、柱の総合的な補強強度を向上させるために有効である。
外観や、内壁など、特定の面側の変更が制限されているような様々な建造物の補強に最適である。
1 既存柱
2 壁
2a,2b スリット
7 充填材
10 ナット
12 補強部
13 補強枠体
13d,13e 区画片
14a〜14d 補強用軸方向筋
15 貫通ボルト
16 既存の軸方向筋
17,18 (第1,2の)補強部
19,20 補強枠体
19a,20a 区画片
21 補強部
22 補強枠体
22a,22b 区画片
23 固定ボルト
24 補強部
25 補強枠体
25a,25b 挿入部
第1の発明は、既存柱の2面に壁や窓枠などの既存構造体が隣接して設けられ、この既存構造体の一方の側に既存柱が露出する建造物の補強構造に関する。
このような建造物、例えば文化財などの建造物の場合に、その外観を損なってはならないという制約条件が付けられることがある。この制約条件は、当然のこととして既存柱にも及ぶ。
そこで、上記既存構造体の一方の側に露出する既存柱を補強枠体で囲い、外観に直接影響する他方の側に露出する既存柱はそのままにして、補強枠体で囲わないようにしている。
そして、上記既存柱と補強枠体との間にグラウト材などの充填材が充填される。ただし、この発明では、上記既存構造体に隣接する上記既存柱の少なくとも2面が、区画片を備えた上記補強枠体で囲われる。
そして、上記補強枠体で上記既存柱の少なくとも2面が囲われた状態で、上記補強枠体に一体に設けられた区画片が、上記既存構造体に沿って既存柱の長手方向に連続する。
さらに、第2の発明は、上記区画片と対向する位置に固定ボルトが、上記補強枠体を貫通して、上記既存柱にその長手方向に間隔を保って複数固定される。そして、上記区画片と固定ボルトとの対向間隔に、既存柱の長手方向に連続する補強用軸方向筋が設けられる。
第1の発明によれば、区画片と固定ボルトとで囲われた補強部分に補強用軸方向筋が設けられるので、区画片と固定ボルトとで囲われた補強部分の補強強度が大きくなる。
さらに、補強枠体に形成された区画片によって、充填材と既存構造体との接触部分をなくすことができる。充填材と既存構造体との接触部分がなくなれば、充填材の圧力が既存の壁面や窓枠などに作用することがなくなる。
また、上記区画片によって窓枠と充填材との間にすき間を設ければ、充填材や区画片の圧力作用で窓枠の移動が阻害されたりしない。
第2の発明によれば、柱を貫通した固定ボルトによって、補強部と既存柱との一体性が向上する。また、固定ボルトが既存柱のせん断補強筋として機能するので、柱の総合的な耐力がさらに向上する。
第1実施形態の補強構造の断面図である。 第2実施形態の補強構造の断面図である。 第3実施形態の補強構造の断面図である。 参考例の補強構造の断面図である。 従来の補強構造の断面図である。
さらに、既存柱1を貫通する固定ボルト15を、上記一対の側面部13a,13c間に貫通させ、その突出端にナット10を締め付けている。この固定ボルト15は、既存柱1の軸方向に、所定の間隔を保って複数設けられている。
上記固定ボルト15によって既存柱1に固定された補強枠体13の内側に、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dを配置してから充填材7を充填して補強部12を形成する。
なお、上記固定ボルト15は、既存柱1に形成された貫通孔を貫通しているが、この貫通孔と上記固定ボルト15との間には上記充填材7が入り込んで固定ボルト15と既存柱1とが一体化される。
また、上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dは、既存柱1に埋設されている既存の軸方向筋16と協働可能な位置に設置されている。
上記補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dの設置位置について、以下に詳しく説明する。
上記既存柱1内には、その周囲に沿って複数の軸方向筋16が埋設されている。これら既存の軸方向筋16のうち、矢印yに沿った2列の軸方向筋群A,Bが、それぞれx方向の曲げ耐力を発揮する第1の軸方向筋群である。
一方、矢印xに沿った2列の軸方向筋群C,Dが、それぞれ、y方向の曲げ耐力を発揮する第2の軸方向筋群である。つまり、上記x方向が第1の方向であり、y方向が第2の方向である。
そして、上記既存の軸方向筋16の軸方向筋群A,B,C,Dと協働可能な位置に、補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dが設けられている。
具体的には、既存柱1の左側の補強用軸方向筋14a及び14bは、左側の第1の軸方向筋群Aと協働可能な位置に設けられ、右側の補強用軸方向筋14dと14cは、右側の第1の軸方向筋群Bと協働可能な位置に設けられている。そして、上記区画片13d側に設けられた第1の補強用軸方向筋14aが、上記区画片13dと上記固定ボルト15との間に埋設されるとともに、上記区画片13e側に設けられた第2の補強用軸方向筋14dが、上記区画片13eと上記固定ボルト15との間に埋設されている。
また、この第1実施形態では、既存柱1及び補強部12を貫通する固定ボルト15を既存柱1の軸方向に複数設けているため、これら固定ボルト15が、補強後の柱のせん断補強筋として機能する。
さらに、上記固定ボルト15によって補強部12と既存柱1との一体性も上がる。したがって、柱の総合的な耐力をより強くできる。
また、上記固定ボルト15を上記区画片13d,13eの近傍に設ければ、固定ボルト15と区画片13d,13eとの間の充填材7に拘束力を作用させて、この拘束部分の圧縮耐力を上げることができる。ただし、上記区画片13d,13eとで充填材7を拘束する部材としては、既存柱1を貫通する固定ボルト15でなくてもよく、一端を補強枠体13から突出させ、他端を既存柱1内に固定した固定ボルトであってもよい。
そして、既存柱1を挟んで対向する上記第1,2の補強部17,18は、これら補強部17,18とともに既存柱1を貫通する固定ボルト15によって既存柱1に固定されている。
上記固定ボルト15は、第1実施形態と同様に既存柱1に形成した貫通孔内で充填材7によって固定され、既存柱1の軸方向に間隔を保って複数設けられている。したがって、上記固定ボルト15は、補強部17,18を既存柱1に固定する機能とともに、柱のせん断補強筋としても機能する。
図4に示す参考例は、既存柱1に固定される補強部24を構成する補強枠体25の端部の形状が、図1に示す第1実施形態の補強枠体13と異なる補強構造である。
第1実施形態と同じ構成要素には、図1と同じ符号を用いそれぞれについての説明は省略する。以下には、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。
補強枠体25は鋼板などを断面コの字状にした部材で、対向する側面部の縦縁には、上記他の実施形態のような区画片を設けずに、縦縁側を挿入部25a,25bとしている。
一方、既存柱1の両側に連続する既存構造体である壁2には、既存柱1の軸方向に連続するスリット2a,2bを形成し、このスリット2a,2b内に上記補強枠体25の挿入部25a,25bを差し込んでいる。
このように、上記スリット2a,2bに挿入部25a,25bを挿入することによって、充填材7が補強枠体25の端部から外部へ漏れ出てしまうことを防止している。
なお、上記挿入部25a,25bは、スリット2a,2b内に挿入されているだけであるが、この参考例においても、固定ボルト15を設けているので、この固定ボルト15が補強枠体25の開きを抑制して、補強部24と既存柱1との一体化を実現している。
上記固定ボルト15を設ければ、補強枠体25が開く方向の圧力を、壁2に設けたスリット2a,2bが全面的に受けることがなく、壁2が破損することもない。
上記スリット2a,2bを設けずに、補強枠体25の端部を壁2に当接させた場合には、そのすき間から充填材7が漏れ出ないように、なんらかのシール部材を設ける必要があるが、この第4実施形態のように、挿入部25a,25bをスリット2a,2bに挿入すれば、シール部材やすき間の閉鎖作業を省略できる。
ただし、この参考例の補強構造は、壁2にスリット2a,2bを形成することが、可能な場合に限られる。スリットの形成によって壁2の強度が著しく下がってしまったり、たとえどんな小さなスリットでも形成してはならない特別な壁だったりした場合には、この構造は適用できない。
この参考例においても、補強部24内には、第1実施形態と同様に、既存の軸方向筋群A,B,C,Dと協働可能な位置に補強用軸方向筋14a,14b,14c,14dを配置している。
また、固定ボルト15がせん断補強筋として機能する点も第1実施形態同様である。
したがって、この参考例も、壁2の特定の面側を変更できないというような制約があったとしても、柱の総合的な耐力を向上させることができる構造である。
上記第1〜実施形態では、補強部と既存柱1とを固定ボルト15や固定ボルト23によって固定しているが、その固定方法は上記実施形態に限らない。
例えば、既存柱1を囲う補強枠体の両外側に取付片を設けて、この取付片をボルトなどで壁2に固定するようにしてもよい。また、図2に示す第2実施形態では、第1,2の補強枠体19,20において既存柱1の側面に沿った部分を延長して既存柱1の側面に直接固定するようにしてもよい。
1 既存柱
2 壁
2a,2b スリット
7 充填材
10 ナット
12 補強部
13 補強枠体
13d,13e 区画片
14a〜14d 補強用軸方向筋
15 固定ボルト
16 既存の軸方向筋
17,18 (第1,2の)補強部
19,20 補強枠体
19a,20a 区画片
21 補強部
22 補強枠体
22a,22b 区画片
23 固定ボルト
24 補強部
25 補強枠体
25a,25b 挿入部

Claims (5)

  1. 周囲に沿った内側に複数の軸方向筋が埋設された既存柱の補強構造であって、
    上記既存柱の外周から間隔を保って配置された補強枠体内に、グラウト材などの充填材を充填してなる1又は複数の補強部を上記既存柱に固定してなるとともに、
    上記補強部には、
    上記既存柱に埋設されている既存の軸方向筋のうち、第1の方向の曲げ耐力を発揮する軸方向筋からなる一対の第1の軸方向筋群のそれぞれと協働可能な位置に設けた第1の補強用軸方向筋と、
    上記既存の軸方向筋のうち、上記第1の方向と直交する方向である第2の方向の曲げ耐力を発揮する軸方向筋からなる一対の第2の軸方向筋群のそれぞれと協働可能な位置に設けた第2の補強用軸方向筋とが埋設された既存柱の補強構造。
  2. 上記補強部と上記既存柱とを同時に貫通し、その両端を上記補強枠体の外部に突出させた貫通ボルトが、上記既存柱の軸方向に所定の間隔を保って複数設けられた請求項1に記載の既存柱の補強構造。
  3. 上記補強枠体は、その縦縁に沿って既存柱側に向かって突出し、上記既存柱に連続する壁や窓枠などの既存構造体と上記補強部とを区画する区画片を備えた請求項1又は2に記載の既存柱の補強構造。
  4. 上記区画片の近傍には、上記区画片が突出する方向に沿って上記補強部及び上記補強枠体を貫通し、上記既存柱に固定された固定ボルトが設けられた請求項3に記載の既存柱の補強構造。
  5. 上記補強枠体は、既存柱の側面に連続する壁などの既存構造体に対向する縦縁側を挿入部とするとともに、
    上記既存構造体には、上記挿入部を挿入するための、既存柱の軸方向に連続するスリットを備え、
    上記スリットに上記補強枠体の挿入部を挿入した請求項1又は2に記載の既存柱の補強構造。
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