JP2003129676A - コンクリート躯体の補強方法 - Google Patents

コンクリート躯体の補強方法

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JP2003129676A
JP2003129676A JP2001322462A JP2001322462A JP2003129676A JP 2003129676 A JP2003129676 A JP 2003129676A JP 2001322462 A JP2001322462 A JP 2001322462A JP 2001322462 A JP2001322462 A JP 2001322462A JP 2003129676 A JP2003129676 A JP 2003129676A
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reinforcing
pillar
concrete panel
precast concrete
panel
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JP2001322462A
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Mitsuru Shibanuma
充 柴沼
Tatsuya Ueda
達哉 上田
Akikage Suzuki
顕彰 鈴木
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Maeda Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比して、施工性を向上させることが可
能となるコンクリート躯体の補強方法を提供すること。 【解決手段】 既設のコンクリート躯体のうち、床2に
付随する梁1に対して、内部にせん断補強筋3aが埋設
されたプレキャストコンクリートパネル3を、梁1の周
囲に、梁1との間に所定間隔の隙間4a、4bが保たれ
るようにして配設する。この際、せん断補強鋼材3a
を、梁1、あるいは、梁1が付随する床2に、鉄筋定着
用アンカーボルト6aによって定着させるとともに、プ
レキャストコンクリートパネル3を、梁1、あるいは、
梁1が付随する床2に、パネル支持用アンカーボルト5
によって支持させる。そして、梁1とプレキャストコン
クリートパネル3との間の隙間4a、4bに無収縮モル
タル8を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、RC造や
SRC造等の既設のコンクリート躯体を補強して、耐震
性能を向上させたり、経年劣化による耐力低下を回復さ
せたりするための、コンクリート躯体の補強方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建物が、現行の建築基準法以前の旧建築
基準法に基づいて構築されたものであり、大地震が発生
した際には崩壊等の危険性がある場合には、建物全体を
建て替えることなく、柱、梁等を新たな基準に基づいた
耐力を備えるように補強する工事が行われている。
【0003】従来、コンクリート躯体の補強方法として
は様々な方法が提案されており、例えば、既設の柱や梁
の周囲に炭素繊維シートや鋼鈑を接着する方法や、型枠
を施して配筋を行い、鉄筋コンクリートを増打ちする方
法等がある。しかしながら、炭素繊維シートによる補強
の場合には、炭素繊維の切断を防ぐために既存柱の四隅
を面取り加工したり、外側に面する炭素繊維の上から耐
火性能を確保するための工事を行う必要があった。ま
た、鋼鈑巻きによる補強の場合には、溶接のように火気
を用いる施工が可能な場所に限られていた。さらに、型
枠を施して配筋を行う方法の場合には、型枠の撤去作業
が必要であったり、コンクリートの打設に伴う汚れを除
去したりする作業が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
したような従来のコンクリート躯体の補強方法の有する
欠点を解決することが可能となる、コンクリート躯体の
補強方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、例えば図1〜図4に示すよ
うに、既設のコンクリート躯体のうち、柱または梁1に
対して補強を行うためのコンクリート躯体の補強方法で
あって、内部にせん断補強鋼材(せん断補強筋3a)が
埋設されたプレキャストコンクリートパネル3を、前記
柱または梁1の周囲に、該柱または梁1との間に所定間
隔の隙間4a、4bが保たれるようにして配設するとと
もに、前記柱または梁1と前記プレキャストコンクリー
トパネル3との間の隙間4a、4bに硬化性充填材(無
収縮モルタル8)を充填することを特徴としている。
【0006】請求項1記載の発明によれば、既設のコン
クリート躯体のうち、柱または梁の周囲に、内部にせん
断補強鋼材が埋設されたプレキャストコンクリートパネ
ルが、該柱または梁との間に所定間隔の隙間が保たれる
ようにして配設されるとともに、前記隙間には硬化性充
填材が充填される。
【0007】そして、硬化性充填材が硬化することで、
前記プレキャストコンクリートパネルと前記柱または梁
とが一体化する。この一体化した前記プレキャストコン
クリートパネルにおける、コンクリートおよびせん断補
強鋼材、さらに前記隙間における硬化性充填材によっ
て、前記柱または梁のせん断耐力が大きく向上する。こ
の際、プレキャストコンクリートパネルが外側に面する
ので、耐火性能が確保されるととともに美観を損なうこ
ともない。また、前記プレキャストコンクリートパネル
は、前記硬化性充填材を充填するための型枠をも兼ねる
ことになるので、型枠の撤去等の作業が省略される。
【0008】前記プレキャストコンクリートパネルを、
前記柱または梁の周囲に、該柱または梁との間に所定間
隔の隙間が保たれるようにして配設するには、例えば、
アンカーボルトやPC鋼棒等の支持材によって、前記柱
または梁、あるいは、前記柱が付随する壁または前記梁
が付随する床等に支持させればよい。この際、前記プレ
キャストコンクリートパネルに埋設されているせん断補
強鋼材を、前記柱または梁、あるいは、前記柱が付随す
る壁または前記梁が付随する床等に定着材で定着させ
る。
【0009】前記柱または梁としては、例えば、壁を付
随する柱または床を付随する梁であってもよいし、付随
しない柱や梁であってもよい。壁を付随しない柱や床を
付随しない梁を補強する場合には、該柱または梁を4方
から覆うようにしてプレキャストコンクリートパネルを
配設すればよい。
【0010】前記硬化性充填材を、前記柱または梁と前
記プレキャストコンクリートパネルとの間の隙間に充填
するには、例えば、該プレキャストコンクリートパネル
に所定の注入孔を形成しておき、この注入孔から硬化性
充填材を圧入すればよい。
【0011】前記硬化性充填材としては、例えば、無収
縮モルタルやポリマー系セメントがある。
【0012】請求項2記載の発明は、例えば図1〜図4
に示すように、請求項1記載のコンクリート躯体の補強
方法において、前記柱または梁1と前記プレキャストコ
ンクリートパネル3との間の隙間4bには、該柱または
梁1の軸方向となるように鉄筋(曲げ補強鉄筋7)を配
筋しておき、この鉄筋(曲げ補強鉄筋7)が埋設される
ようにして、前記硬化性充填材(無収縮モルタル8)を
充填することを特徴としている。
【0013】請求項2記載の発明によれば、前記柱また
は梁と前記プレキャストコンクリートパネルとの間の隙
間には、該柱または梁の軸方向となるように鉄筋が配筋
され、この鉄筋が埋設されるようにして前記硬化性充填
材が充填される。そして、前記硬化性充填材が硬化する
ことで、前記プレキャストコンクリートパネル、前記柱
または梁と前記鉄筋とが一体化し、この一体化した鉄筋
によって、前記柱または梁の曲げ耐力が大きく向上す
る。
【0014】請求項3記載の発明は、例えば図1、図2
に示すように、請求項1または2記載のコンクリート躯
体の補強方法において、前記プレキャストコンクリート
パネル3に埋設されているせん断補強鋼材(せん断補強
鋼材3a)を、前記柱または梁1、あるいは、該柱また
は梁1が付随するコンクリート躯体(床2)に、定着材
(鉄筋定着用アンカーボルト6a、6c、鉄筋定着用P
C鋼棒6b、6d)によって定着させることを特徴とし
ている。
【0015】請求項3記載の発明によれば、前記定着材
によって、前記プレキャストコンクリートパネルに埋設
されているせん断補強鋼材が、前記柱または梁、あるい
は、該柱または梁が付随するコンクリート躯体に、確実
に定着する。これにより、前記プレキャストコンクリー
トパネルと前記柱または梁とが、より確実に一体化す
る。したがって、前記コンクリートパネルにおけるコン
クリートおよびせん断補強鋼材、さらに前記隙間におけ
る硬化性充填材によって、前記柱または梁のせん断耐力
や曲げ耐力が、より確実に向上することになる。
【0016】前記定着材としては、例えば、アンカーボ
ルトやPC鋼棒等がある。
【0017】前記柱または梁が付随するコンクリート躯
体、とは、例えば、柱が付随する壁や梁が付随する床等
がある。
【0018】請求項4記載の発明は、例えば図3、図4
に示すように、請求項1〜3のいずれかに記載のコンク
リート躯体の補強方法において、前記プレキャストコン
クリートパネル3を、前記柱または梁1、あるいは、該
柱または梁1が付随するコンクリート躯体(床2)に、
支持材(パネル支持用アンカーボルト5)によって支持
させることを特徴としている。
【0019】請求項4記載の発明によれば、前記支持材
によって、前記プレキャストコンクリートパネルが、前
記柱または梁、あるいは、該柱または梁が付随するコン
クリート躯体に、確実に支持される。これにより、前記
プレキャストコンクリートパネルと前記柱または梁と
が、さらに確実に一体化する。したがって、前記コンク
リートパネルにおけるコンクリートおよびせん断補強鋼
材、さらに前記隙間における硬化性充填材によって、前
記柱や前記梁のせん断耐力や曲げ耐力が、さらに確実に
向上することになる。
【0020】前記支持材としては、例えば、アンカーボ
ルトやPC鋼棒等がある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して、本
発明に係るコンクリート躯体の補強方法の実施の形態例
について詳細に説明する。図1〜図4において、符号1
は、建物を構成している既設のコンクリート製の梁を示
し、この梁1は床2と一体に形成されている。
【0022】図1において、この梁1の外周には、該梁
1の側面1aおよび下面1bとの間に所定間隔の隙間4
a、4bが保たれるようにして、プレキャストコンクリ
ートパネル3が配設されている。このプレキャストコン
クリートパネル3は、工場等において、内部にせん断補
強筋3a(せん断補強鋼材)が埋設された状態で断面視
コ字状に形成されるものである。なお、前記せん断補強
筋3aの代わりとして鋼鋼が埋設されてもよい。
【0023】このプレキャストコンクリートパネル3の
側部3bおよび下部3cにおいては、外側からは梁1に
向けて、所定ピッチでパネル支持用アンカーボルト5
(支持材)が打ち込まれている。また、プレキャストコ
ンクリートパネル3の側部3bの上端部においては、外
側から梁1に向けて、所定ピッチで鉄筋定着用アンカー
ボルト6a(定着材)が打ち込まれている。なお、前記
鉄筋定着用アンカーボルト6aは、前記プレキャストコ
ンクリートパネル3に埋設されているせん断補強筋3a
に、必要に応じて図示しない鋼材等を介することによっ
て連続するように、かつ、前記梁1に対して必要な定着
が確保されるようにして配されている。
【0024】前記梁1の下面1bと、前記プレキャスト
コンクリートパネル3との間に形成される隙間4bに
は、梁1の軸方向となるように、所定ピッチで曲げ補強
鉄筋7(鉄筋)が配筋されている。そして、前記梁1の
側面1aおよび下面1bとの間に形成される所定間隔の
隙間4a、4bには、無収縮モルタル8(硬化性充填
材)が充填されている。この無収縮モルタル8を前記隙
間4a、4bに充填する方法としては、例えば、該プレ
キャストコンクリートパネル3に、図示しない所定の注
入孔を形成しておき、この注入孔から無収縮モルタル8
を圧入すればよい。なお、この無収縮モルタル8は、例
えば、ポリマー系セメント等でもよい。
【0025】以下に、施工手順を示す。先ず、梁1の表
面の清掃を行う。次に、梁1の外周に、該梁1の側面1
aおよび下面1bとの間に所定間隔の隙間4a、4bが
保たれるようにして、プレキャストコンクリートパネル
3を以下のようにして配設する。
【0026】すなわち、プレキャストコンクリートパネ
ル3に設けられた鉄筋定着用アンカーボルト6aやパネ
ル支持用アンカーボルト5のピッチに合うように、梁1
に、図示しない鉄筋定着用アンカーボルト挿入孔やパネ
ル支持用アンカーボルト挿入孔を形成する。そして、鉄
筋定着用アンカーボルト挿入孔やパネル支持用アンカー
ボルト挿入孔に硬化性の樹脂等を注入する。
【0027】次に、プレキャストコンクリートパネル3
を、その鉄筋定着用アンカーボルト6aやパネル支持用
アンカーボルト5を、梁1に形成された鉄筋定着用アン
カーボルト挿入孔やパネル支持用アンカーボルト挿入孔
に挿入することによって、梁1の外周に配設する。な
お、梁1の曲げ補強を行う場合には、プレキャストコン
クリートパネル3の下部3cの内面に、梁1の軸方向と
なるように曲げ補強鉄筋7を配しておく。そして、所定
期間養生を行い、樹脂を硬化させる。
【0028】次に、プレキャストコンクリートパネル3
に形成された注入孔から、無収縮モルタル8の充填を行
う。無収縮モルタル8が十分に充填されたかを確認する
には、例えば、プレキャストコンクリートパネル3の所
定箇所に、図示しない吹出口を形成しておき、前記注入
孔から充填された無収縮モルタル8が、前記吹出口から
溢れ出ることを確認すればよい。そして、所定期間養生
を行い、無収縮モルタル8を硬化させ、プレキャストコ
ンクリートパネル3と梁1とを一体化させる。
【0029】図2〜図4も、本発明に係るコンクリート
躯体の補強方法の実施の形態例を示す図である。図2〜
図4においては、図1に示す、前述した実施の形態例と
同一の構成の部分は、図1と同一の符号を付して説明を
省略し、相違点を中心に説明する。
【0030】図2においては、プレキャストコンクリー
トパネル3の両側部3b、3bの上端部の外側から梁1
を貫通するようにして、所定ピッチで鉄筋定着用PC鋼
棒6b(定着材)が打ち込まれている。なお、前記鉄筋
定着用PC鋼棒6bは、前記プレキャストコンクリート
パネル3に埋設されているせん断補強筋3aに、必要に
応じて図示しない鋼材等を介することによって連続する
ように、かつ、前記梁1に対して必要な定着が確保され
るようにして配されている点は、図1に示す例と同様で
ある。
【0031】図3においては、プレキャストコンクリー
トパネル3の両側部3b、3bの上端部から床2に向け
て、所定ピッチで鉄筋定着用アンカーボルト6c(定着
材)が打ち込まれている。なお、前記鉄筋定着用アンカ
ーボルト6cは、前記プレキャストコンクリートパネル
3に埋設されているせん断補強筋3aに、必要に応じて
図示しない鋼材等を介することによって連続するよう
に、かつ、前記梁1に対して必要な定着が確保されるよ
うにして配されている点は、図1に示す例と同様であ
る。
【0032】図4においては、プレキャストコンクリー
トパネル3の両側部3b、3bの上端部から床2を貫通
するようにして、所定ピッチで鉄筋定着用PC鋼棒6d
(定着材)が打ち込まれている。なお、前記鉄筋定着用
PC鋼棒6dは、前記プレキャストコンクリートパネル
3に埋設されているせん断補強筋3aに、必要に応じて
図示しない鋼材等を介することによって連続するよう
に、かつ、前記梁1に対して必要な定着が確保されるよ
うにして配されている点は、図1に示す例と同様であ
る。
【0033】なお、図3や図4に示すように、プレキャ
ストコンクリートパネル3に埋設されているせん断補強
筋3aを、前記鉄筋定着用アンカーボルト6cや前記鉄
筋定着用PC鋼棒6dによって床2に定着する方法は、
以下の場合において有効である。すなわち、前記梁1
の、図示しない梁1の上端主筋の存在により、図1や図
2に示す前記鉄筋定着用アンカーボルト6aや前記鉄筋
定着用PC鋼棒6bを該梁1に打ち込むことができない
場合である。この場合においても、前記鉄筋定着用アン
カーボルト6cや前記鉄筋定着用PC鋼棒6dによっ
て、前記せん断補強筋3aが、梁1が付随する床2に確
実に定着し、前記プレキャストコンクリートパネル3と
前記梁1とを、確実に一体化させることが可能である。
【0034】以上、本実施の形態によれば、以下に示す
ような効果が得られる。 床2に付随する梁1の周囲に、内部にせん断補強筋3
aが埋設されたプレキャストコンクリートパネル3が、
該梁1との間に所定間隔の隙間4a、4bが保たれるよ
うにして配設されるとともに、前記隙間4a、4bには
無収縮モルタル8が充填される。
【0035】そして、無収縮モルタル8が硬化すること
で、前記プレキャストコンクリートパネル3と前記梁1
とが一体化する。この一体化した前記プレキャストコン
クリートパネル3における、コンクリートおよびせん断
補強筋3a、さらに前記隙間4a、4bにおける無収縮
モルタル8によって、前記梁1のせん断耐力が大きく向
上するとともに、曲げ耐力も向上する。この際、プレキ
ャストコンクリートパネル3が外側に面するので、耐火
性能が確保されるととともに美観を損なうこともない。
また、前記プレキャストコンクリートパネル3は、前記
無収縮モルタル8を充填するための型枠をも兼ねること
になるので、型枠の撤去等の作業が省略される。
【0036】前記梁1と前記プレキャストコンクリー
トパネル3との間の隙間4bには、該梁1の軸方向とな
るように曲げ補強鉄筋7が配筋され、この曲げ補強鉄筋
7が埋設されるようにして前記無収縮モルタル8が充填
される。そして、前記無収縮モルタル8が硬化すること
で、前記プレキャストコンクリートパネル3、前記梁
1、前記曲げ補強鉄筋7、とが一体化し、この一体化し
た曲げ補強鉄筋7によって、前記梁1の曲げ耐力が大き
く向上する。
【0037】前記鉄筋定着用アンカーボルト6a、6
cや前記鉄筋定着用PC鋼棒6b、6dによって、前記
プレキャストコンクリートパネル3に埋設されているせ
ん断補強筋3aが、前記梁1、あるいは、前記梁1が付
随する床2に確実に定着する。これにより、前記プレキ
ャストコンクリートパネル3と前記梁1とが、より確実
に一体化する。したがって、前記プレキャストコンクリ
ートパネル3におけるコンクリートおよびせん断補強筋
3a、さらに前記隙間4a、4bにおける無収縮モルタ
ル8によって、前記梁1のせん断耐力や曲げ耐力が、よ
り確実に向上することになる。
【0038】前記パネル支持用アンカーボルト5によ
って、前記プレキャストコンクリートパネル3が、前記
梁1に確実に支持される。これにより、前記プレキャス
トコンクリートパネル3と前記梁1とが、さらに確実に
一体化する。したがって、前記プレキャストコンクリー
トパネル3におけるコンクリートおよびせん断補強筋3
a、さらに前記隙間4a、4bにおける無収縮モルタル
8によって、前記梁1のせん断耐力や曲げ耐力が、さら
に確実に向上することになる。
【0039】なお、本実施の形態においては、床2に付
随する梁1に対する補強について記載したが、例えば、
壁に付随する柱等においても、前記した方法とほぼ同様
な方法で補強を行うことができることは勿論である。
【0040】また、本実施の形態においては、床を付随
する梁について記載したが、床を付随しない梁であって
もよいことは勿論である。床を付随しない梁を補強する
場合には、該梁を4方から覆うようにしてプレキャスト
コンクリートパネル3を配設すればよい。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、前記柱ま
たは梁と一体化した前記プレキャストコンクリートパネ
ルにおける、コンクリートおよびせん断補強鋼材、さら
に前記隙間における硬化性充填材によって、前記柱また
は梁のせん断耐力が大きく向上するとともに、曲げ耐力
も向上する。この際、プレキャストコンクリートパネル
が外側に面するので、耐火性能が確保されるととともに
美観を損なうこともない。また、前記プレキャストコン
クリートパネルは、前記硬化性充填材を充填するための
型枠をも兼ねることになるので、型枠の撤去等の作業が
省略される。
【0042】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果が得られることは勿論のこと、前
記プレキャストコンクリートパネル、前記柱または梁と
一体化した鉄筋によって、前記柱または梁の曲げ耐力が
大きく向上する。
【0043】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の発明と同様の効果が得られることは勿論の
こと、前記定着材によって、前記プレキャストコンクリ
ートパネルと前記柱または梁とが、より確実に一体化す
る。したがって、前記コンクリートパネルにおけるコン
クリートおよびせん断補強鋼材、さらに前記隙間におけ
る硬化性充填材によって、前記柱または梁のせん断耐力
や曲げ耐力が、より確実に向上することになる。
【0044】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜
3のいずれかに記載の発明と同様の効果が得られること
は勿論のこと、前記支持材によって、前記プレキャスト
コンクリートパネルと前記柱または梁とが、より確実に
一体化する。したがって、前記コンクリートパネルにお
けるコンクリートおよびせん断補強鋼材、さらに前記隙
間における硬化性充填材によって、前記柱または梁のせ
ん断耐力や曲げ耐力が、より確実に向上することにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンクリート製の梁の補強方法の
実施の形態例を示す、該梁の軸方向の断面図である。
【図2】本発明に係るコンクリート製の梁の補強方法の
実施の形態例を示す、該梁の軸方向の断面図である。
【図3】本発明に係るコンクリート製の梁の補強方法の
実施の形態例を示す、該梁の軸方向の断面図である。
【図4】本発明に係るコンクリート製の梁の補強方法の
実施の形態例を示す、該梁の軸方向の断面図である。
【符号の説明】
1 梁 2 床 3 プレキャストコンクリートパネル 3a せん断補強筋(せん断補強鋼材) 4a 隙間 4b 隙間 5 支持材 6a 鉄筋定着用アンカーボルト(定着材) 6b 鉄筋定着用PC鋼棒(定着材) 6c 鉄筋定着用アンカーボルト(定着材) 6d 鉄筋定着用PC鋼棒(定着材) 7 曲げ補強鉄筋(鉄筋) 8 無収縮モルタル(硬化性充填材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 顕彰 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 Fターム(参考) 2E176 AA04 BB29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既設のコンクリート躯体のうち、柱または
    梁に対して補強を行うためのコンクリート躯体の補強方
    法であって、 内部にせん断補強鋼材が埋設されたプレキャストコンク
    リートパネルを、前記柱または梁の周囲に、該柱または
    梁との間に所定間隔の隙間が保たれるようにして配設す
    るとともに、 前記柱または梁と前記プレキャストコンクリートパネル
    との間の隙間に硬化性充填材を充填することを特徴とす
    るコンクリート躯体の補強方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のコンクリート躯体の補強方
    法において、 前記柱または梁と前記プレキャストコンクリートパネル
    との間の隙間には、該柱または梁の軸方向となるように
    鉄筋を配筋しておき、この鉄筋が埋設されるようにして
    前記硬化性充填材を充填することを特徴とするコンクリ
    ート躯体の補強方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のコンクリート躯体
    の補強方法において、 前記プレキャストコンクリートパネルに埋設されている
    せん断補強鋼材を、前記柱または梁、あるいは、該柱ま
    たは梁が付随するコンクリート躯体に、定着材によって
    定着させることを特徴とするコンクリート躯体の補強方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のコンクリ
    ート躯体の補強方法において、 前記プレキャストコンクリートパネルを、前記柱または
    梁、あるいは、該柱または梁が付随するコンクリート躯
    体に、支持材によって支持させることを特徴とするコン
    クリート躯体の補強方法。
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Cited By (8)

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