JP2001295496A - 既存のsrc造梁に対する粘性系制震壁の取付け構造および取付け方法 - Google Patents

既存のsrc造梁に対する粘性系制震壁の取付け構造および取付け方法

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JP2001295496A
JP2001295496A JP2000113004A JP2000113004A JP2001295496A JP 2001295496 A JP2001295496 A JP 2001295496A JP 2000113004 A JP2000113004 A JP 2000113004A JP 2000113004 A JP2000113004 A JP 2000113004A JP 2001295496 A JP2001295496 A JP 2001295496A
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anchor bolt
src
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flange
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English (en)
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Hidefumi Okumoto
英史 奥本
Yoshinori Takahashi
良典 高橋
Norio Sakuragawa
典男 櫻川
Akinobu Takahata
顯信 高畑
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Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存のSRC造梁に粘性系制震壁を取り付け
るにあたり、施工性が良く、しかも、粘性系制震壁の上
下幅をできるだけ長くとって、制震性能を向上し得る取
付け構造を提供する。 【解決手段】 既存のSRC造梁1の上に、梁鉄骨9の
上フランジ9aと梁主筋10との隙間に打設されたアン
カーボルト11と、当該アンカーボルトに螺合するナッ
ト12により、梁長手方向に沿った下部鉄骨フレーム6
を緊結し、上階のSRC造梁1には、梁コンクリートに
打設された樹脂アンカーボルト17と、当該樹脂アンカ
ーボルトに螺合するナット18とを介して、梁長手方向
に沿った上部鉄骨フレーム7を緊結し、粘性系制震壁2
の下部フランジを前記下部鉄骨フレームにボルト接合
し、粘性系制震壁の上部フランジを前記上部鉄骨フレー
ムにボルト接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存のSRC造梁
に対する粘性系制震壁の取付け構造および取付け方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】高粘度の粘性体が充填された外部鋼板
(粘性体容器)の間に、内部鋼板(抵抗板)が挿入され
て成る粘性系制震壁を上下の梁に取り付けて、既存の建
物の耐震性を向上させる場合、既存の建物がS造であれ
ば、梁鉄骨のフランジにボルト孔を開けるか、特平20
00−27486に見られるように、ボルト孔が形成さ
れたガセットプレートを梁鉄骨のフランジに溶接するこ
とにより、粘性系制震壁を容易に梁に取り付けることが
できるが、既存の建物がSRC造である場合には、梁コ
ンクリートの内部に梁鉄骨、梁鉄筋(梁主筋とスターラ
ップ)が埋設されているため、未解決な問題が多い。
【0003】例えば、既存のSRC造建物を鋼製耐震壁
で耐震補強する場合に用いられている鋼製耐震壁の取付
け方法を応用して、粘性系制震壁をSRC造梁に取り付
ける場合、図10に示すように、梁鉄骨aの上フランジ
bと梁主筋cとの隙間に頭付きあと施工アンカーdを打
設し、下面に頭付きスタッドeが溶接された鉄骨フレー
ムfを、頭付きスタッドeと頭付きあと施工アンカーd
とが互いに重なり合う状態に配置し、且つ、スパイラル
鉄筋gを配筋した状態で、鉄骨フレームfとSRC造梁
との隙間に無収縮モルタルiを圧入し、鉄骨フレームf
に粘性系制震壁jをボルト・ナットkで接合することに
なる。
【0004】しかしながら、これによる場合は、多くの
作業工数を要し、施工性が悪いばかりでなく、無収縮モ
ルタルiを頭付きスタッドeの長さ以上に厚くすること
が必要なため、鉄骨フレームfの高さHが高くなり、そ
の分、粘性系制震壁jの上下寸法が短くなり、制震性能
が低下するという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
留意してなされたものであって、第1の目的は、既存の
SRC造梁に粘性系制震壁を取り付けるにあたり、施工
性が良く、しかも、粘性系制震壁の上下幅をできるだけ
長くとって、制震性能を向上し得る取付け構造を提供す
ることにある。第2の目的は、施工性をより一層向上す
ることができ、取付け部の品質確保と構造耐力の確保が
容易な取付け構造および取付け方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明が講じた技術的手段は、次のとおりであ
る。即ち、請求項1に記載の発明による既存のSRC造
梁に対する粘性系制震壁の取付け構造は、既存のSRC
造梁の上に、梁鉄骨の上フランジと梁主筋との隙間に打
設されたアンカーボルトと、当該アンカーボルトに螺合
するナットにより、梁長手方向に沿った下部鉄骨フレー
ムを緊結し、上階のSRC造梁には、梁コンクリートに
打設されたアンカーボルトと、当該アンカーボルトに螺
合するナットとを介して、梁長手方向に沿った上部鉄骨
フレームを緊結し、粘性系制震壁の下部フランジを前記
下部鉄骨フレームにボルト接合し、粘性系制震壁の上部
フランジを前記上部鉄骨フレームにボルト接合してある
ことを特徴としている。
【0007】上記の構成によれば、既存のSRC造梁に
おける梁鉄骨の上フランジと梁主筋との隙間に打設され
たアンカーボルトと、それに螺合するナットによって、
下部鉄骨フレームを緊結するので、スパイラル筋の配筋
や大掛かりな型枠工事が不要で、施工性が良く、梁のコ
ンクリート上に無収縮モルタルを塗布するにしても、レ
ベル調整に必要な程度の薄いもので足り、下部鉄骨フレ
ームの高さを低くできるので、それだけ粘性系制震壁の
上下幅を広くして、制震性能を向上し得るのである。
【0008】請求項2に記載の発明による既存のSRC
造梁に対する粘性系制震壁の取付け構造は、既存のSR
C造梁の上に、梁鉄骨の上フランジに溶接され且つ周囲
に樹脂モルタル等の固結性グラウト材が充填されたアン
カーボルトと、当該アンカーボルトに螺合するナットに
より、梁長手方向に沿った下部鉄骨フレームを緊結し、
上階のSRC造梁には、梁コンクリートに打設されたア
ンカーボルトと、当該アンカーボルトに螺合するナット
とを介して、梁長手方向に沿った上部鉄骨フレームを緊
結し、粘性系制震壁の下部フランジを前記下部鉄骨フレ
ームにボルト接合し、粘性系制震壁の上部フランジを前
記上部鉄骨フレームにボルト接合してあることを特徴と
している。
【0009】請求項3に記載の発明による既存のSRC
造梁に対する粘性系制震壁の取付け方法は、既存のSR
C造梁の上面に梁鉄骨の上フランジに達する穴を穿設
し、穴底に露出させた梁鉄骨の上フランジにアンカーボ
ルトをスタッド溶接機等で溶接し、アンカーボルト周り
に樹脂モルタル等の固結性グラウト材を充填して、コン
クリートの穴を復旧した後、前記アンカーボルトと、当
該アンカーボルトに螺合するナットにより、梁長手方向
に沿った下部鉄骨フレームを前記SRC造梁に緊結する
一方、上階のSRC造梁の側面に横穴を穿設し、下面に
梁長手方向に沿った上部鉄骨フレームが固着された梁カ
バープレートを、前記横穴に打設された樹脂アンカーボ
ルトと、当該樹脂アンカーボルトに螺合するナットによ
り上階のSRC造梁に緊結し、しかる後、粘性系制震壁
の下部フランジを前記下部鉄骨フレームにボルト接合す
ると共に、粘性系制震壁の上部フランジを前記上部鉄骨
フレームにボルト接合することを特徴としている。
【0010】請求項2、3に記載の発明によれば、請求
項1に記載の発明による上記の利点に加えて次の利点が
ある。即ち、梁鉄骨の上フランジに達する穴を穿設し、
穴底に露出させた梁鉄骨の上フランジにアンカーボルト
を溶接するので、コンクリートのはつり量が少なくて、
樹脂モルタル等の固結性グラウト材による復旧が容易で
あるのみならず、梁のコンクリートを穿孔する際、コン
クリートに埋設されている主筋と梁鉄骨の上フランジと
の隙間を確認する必要がなく、上フランジの幅内でコン
クリートの穿孔位置を自由に選択できることになり、梁
鉄骨の埋設位置が設計上の位置から多少ずれていても、
アンカーボルトを所望位置に設置することが可能であ
り、施工性がより一層向上することになる。
【0011】また、アンカーボルトを穴底に露出させた
梁鉄骨の上フランジに溶接するので、使用するアンカー
ボルトの太さが主筋と梁鉄骨の上フランジとの隙間によ
って制限されず、太径のアンカーボルトを使用でき、取
付け部の構造耐力を確保することが容易であり、しか
も、アンカーボルトを梁鉄骨の上フランジに溶接するの
で、梁のコンクリートに穿設する穴が浅くて済むこと
と、太径のアンカーボルトを使用して、アンカーボルト
の使用本数を削減できることとが相まって、品質管理も
容易である。
【0012】
【発明の実施の形態】図1、図2、図5は、既存のSR
C造梁1に対する粘性系制震壁2の取付け構造の一例を
示し、図3と図4は、取付け方法を示す。粘性系制震壁
2は、既知構造のものであり、高粘度の粘性体3が充填
された外部鋼板(粘性体容器)4の間に、内部鋼板(抵
抗板)5が挿入されて成り、外部鋼板4の下端には下部
フランジ2aが形成され、内部鋼板5の上端には上部フ
ランジ2bが形成されている。6は梁長手方向に沿った
下部鉄骨フレーム、7は梁長手方向に沿った上部鉄骨フ
レームであり、これら6,7は、何れもスチフナー付き
の断面H状の鋼材によって構成されている。上部鉄骨フ
レーム7は、断面形状が上向きに開口するコ字状で、S
RC造梁1に下方から外嵌する鋼板製の梁カバープレー
ト8の下面に溶接等の手段により固着されている。
【0013】下部鉄骨フレーム6は、図3の(B)と図
5に示すように、SRC造梁1の上に、梁鉄骨9の上フ
ランジ9aと梁主筋10との隙間に適宜間隔で2列に打
設されたアンカーボルト11と、当該アンカーボルト1
1に螺合する二重のナット12により緊結されている。
13は梁のコンクリート、14はスターラップ、15は
樹脂モルタル等の固結性グラウト材、16はレベル調整
用の無収縮モルタルである。
【0014】上部鉄骨フレーム7は、予めそれと一体化
した梁カバープレート8を介して上階のSRC造梁1に
緊結されている。即ち、図4の(B)と図5に示すよう
に、上階のSRC造梁1には、梁の両側面に打設された
樹脂アンカーボルト(エポキシ樹脂等の接着剤19で固
定されたあと施工アンカーボルト)17と、当該樹脂ア
ンカーボルト17に螺合するナット18により、梁カバ
ープレート8が緊結され、梁カバープレート8の下面
に、予め上部鉄骨フレーム7が固着されている。
【0015】下部鉄骨フレーム6の上フランジ6aと上
部鉄骨フレーム7の下フランジ7aには、予め、粘性系
制震壁2の下部フランジ2aおよび上部フランジ2bの
ボルト孔と位置合わせしたボルト孔が形成され、下部鉄
骨フレーム6の下フランジ6bには、アンカーボルト1
1の位置を実測して穿孔されたボルト孔が形成されてい
る。また、梁カバープレート8の両側板部には、夫々、
樹脂アンカーボルト17が打設される横穴23(図4参
照)の位置を実測して穿孔されたボルト孔が形成されて
いる。
【0016】そして、下部鉄骨フレーム6および上部鉄
骨フレーム7の緊結後、下部鉄骨フレーム6と上部鉄骨
フレーム7との間に横方向から粘性系制震壁2を挿入し
て、図5に示すように、粘性系制震壁2の下部フランジ
2aを下部鉄骨フレーム6の上フランジ6aにボルト2
0接合すると共に、粘性系制震壁2の上部フランジ2b
を上部鉄骨フレーム7の下フランジ7aにボルト20接
合してある。図中の21はナットである。
【0017】下部鉄骨フレーム6の取付け手順は、次の
とおりである。即ち、図3の(A)に示すように、梁の
コンクリート13を梁鉄骨9の天端まではつり取って、
上フランジ9aおよび梁主筋10を露出させた後、上フ
ランジ9aと梁主筋10との隙間をドリル等で穿孔し、
必要個数の穴22を形成する。そして、図3の(B)に
示すように、前記穴22に、少なくとも上端側にネジ部
が形成されたアンカーボルト11を挿入し、アンカーボ
ルト11周り及びコンクリート13のはつった部分に樹
脂モルタル等の固結性グラウト材15を充填して、コン
クリート13及び穴22を復旧し、その上面にレベル調
整用の無収縮モルタル16を薄く塗布し、無収縮モルタ
ル16の硬化後、下部鉄骨フレーム6を載置して、その
下部フランジ2aを、アンカーボルト11に螺合するナ
ット12で締付け固定するのである。
【0018】上部鉄骨フレーム7の取付け手順は、次の
とおりである。即ち、図4の(A)に示すように、上階
のSRC造梁1の両側面をドリル等で穿孔して必要個数
の横穴23を形成した後、梁カバープレート8を下方か
らSRC造梁1に外嵌させ、この状態で、図4の(B)
に示すように、梁カバープレート8の両側板部に形成し
たボルト孔を通して、前記各横穴23に樹脂アンカーボ
ルト17を打設した後、当該樹脂アンカーボルト17に
螺合するナット18で締付け固定すると共に、梁カバー
プレート8とSRC造梁1との隙間にエポキシ樹脂等の
接着剤24を注入するのである。
【0019】上記の構成によれば、既存のSRC造梁1
における梁鉄骨9の上フランジ9aと梁主筋10との隙
間に打設されたアンカーボルト11と、それに螺合する
ナット12によって、下部鉄骨フレーム6を緊結するの
で、スパイラル筋の配筋や大掛かりな型枠工事が不要
で、施工性が良く、梁のコンクリート13上に塗布する
レベル調整用の無収縮モルタル16の厚さが薄くて済
み、下部鉄骨フレーム6の高さを低くできるので、それ
だけ粘性系制震壁2の上下幅を広くして、制震性能を向
上することが可能である。図示しないが、前記梁カバー
プレート8を省略し、上部鉄骨フレーム7を、直接、上
階のSRC造梁1に、梁コンクリート下面に打設した樹
脂アンカーボルト17と、当該樹脂アンカーボルト17
に螺合するナット18で締付け固定してもよい。
【0020】図6と図7は、既存のSRC造梁1に対す
る粘性系制震壁2の取付け構造の改良された一例を示
し、図8と図9は、取付け方法の特徴を示している。こ
の例では、上階のSRC造梁1に対する上部鉄骨フレー
ム7の取付け構造および取付け手順は、図1〜図5で説
明した例と同じであるが、下部鉄骨フレーム6の取付け
構造と取付け手順が改良されている。
【0021】即ち、図6、図7に示すように、上階のS
RC造梁1には、梁側面に打設された樹脂アンカーボル
ト17と、当該樹脂アンカーボルト17に螺合するナッ
ト18により、下面に梁長手方向に沿った上部鉄骨フレ
ーム7が固着された梁カバープレート8を緊結している
が、下部鉄骨フレーム6は、次のようにして、SRC造
梁1の上に、取り付けられている。
【0022】先ず、図8の(A)に示すように、既存の
SRC造梁1のコンクリート2上面をドリル等で穿孔し
て、梁鉄骨9の上フランジ9aに達する穴22を所望ピ
ッチで2列に穿設する。
【0023】そして、図8の(B)に示すように、穴底
に露出させた梁鉄骨9の上フランジ9aに、少なくとも
上端側にネジ部が形成されたアンカーボルト11をスタ
ッド溶接機(図示せず)で溶接する。尚、コンクリート
2の穴22は、スタッド溶接機によるアンカーボルト1
1の溶接が可能な範囲で、できるだけ小さく開け、除去
されるコンクリート量を少なくすることが望ましい。ま
た、アンカーボルト11の溶接に先立って、鉄骨面を研
磨したり、圧搾空気の噴出やバキューム等の清掃手段に
より、穴底のコンクリート破砕物を除去することが、ス
タッド溶接機に保持させたアンカーボルト11の先端と
上フランジ9a間でのアークの発生による溶接を良好に
行う上で望ましい。
【0024】次に、図9の(A)に示すように、アンカ
ーボルト11周りに樹脂モルタル等の固結性グラウト材
15を充填して、コンクリート2の穴22を復旧する。
この場合、穿孔によるコンクリート2のはつり量が少な
いため、固結性グラウト材15の充填量も少なくて済
み、容易かつ短時間で復旧できる。
【0025】しかる後、図9の(B)に示すように、コ
ンクリート2の上面にレベル調整用の無収縮モルタル1
6を薄く塗布し、無収縮モルタル16の硬化後、下部鉄
骨フレーム6を載置して、その下部フランジ2aを、ア
ンカーボルト11に螺合する二重のナット12で締付け
固定するのである。
【0026】これと相前後する適当な時点で、上部鉄骨
フレーム7が、図4の(A),(B)で示した手順によ
り緊結される。そして、下部鉄骨フレーム6および上部
鉄骨フレーム7の緊結後、下部鉄骨フレーム6と上部鉄
骨フレーム7との間に横方向から粘性系制震壁2を挿入
して、図6、図7に示すように、粘性系制震壁2の下部
フランジ2aを下部鉄骨フレーム6の上フランジ6aに
ボルト20接合すると共に、粘性系制震壁2の上部フラ
ンジ2bを上部鉄骨フレーム7の下フランジ7aにボル
ト20接合するのである。
【0027】上記の構成によれば、スパイラル筋の配筋
や大掛かりな型枠工事が不要で、施工性が良く、梁のコ
ンクリート13上に塗布するレベル調整用の無収縮モル
タル16の厚さが薄くて済み、下部鉄骨フレーム6の高
さを低くできるので、それだけ粘性系制震壁2の上下幅
を広くして、制震性能を向上することが可能であるとい
う利点に加えて、次の利点がある。即ち、既存のSRC
造梁1に埋設された梁鉄骨9の上フランジ9aに達する
穴22を穿設し、穴底に露出させた梁鉄骨9の上フラン
ジ9aにアンカーボルト11をスタッド溶接機で溶接す
るので、コンクリート13のはつり量や穴22を復旧す
る固結性グラウト材15の充填量が少なくて済むのみな
らず、梁のコンクリート13を穿孔する際、コンクリー
ト13に埋設されている梁主筋10と梁鉄骨9の上フラ
ンジ9aとの隙間を確認する必要がなく、上フランジ9
aの幅内でコンクリート13の穿孔位置を自由に選択で
きることになり、梁鉄骨9の埋設位置が設計上の位置か
ら多少ずれていても、アンカーボルト11を所望位置に
設置することが可能であり、施工性がより一層向上する
ことになる。
【0028】また、アンカーボルト11を穴底に露出さ
せた梁鉄骨9の上フランジ9aに溶接するので、使用す
るアンカーボルト11の太さが梁主筋10と梁鉄骨9の
上フランジ9aとの隙間によって制限されず、太径のア
ンカーボルト11を使用でき、既存のSRC造梁1と下
部鉄骨フレーム6との緊結部の構造耐力を確保すること
が容易である。しかも、アンカーボルト11を梁鉄骨9
の上フランジ9aに溶接により一体化するので、コンク
リート13に穿設する穴22が浅くて済むことと、太径
のアンカーボルト11を使用して、アンカーボルト11
の使用本数を削減できることとが相まって、品質管理も
容易である。
【0029】尚、図6、図7の例において、前記梁カバ
ープレート8を省略し、上部鉄骨フレーム7を、直接、
上階のSRC造梁1に、梁コンクリート下面に打設した
樹脂アンカーボルト17と、当該樹脂アンカーボルト1
7に螺合するナット18で締付け固定してもよい。ま
た、図1、図6に示した例では、何れも、下部鉄骨フレ
ーム6および上部鉄骨フレーム7の端部同士を柱状の縦
鉄骨フレーム25で連結して、これら6,7,25で矩
形の鉄骨枠を構成しているが、縦鉄骨フレーム25は省
略してもよい。
【0030】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、既存の
SRC造梁に粘性系制震壁を取り付けるにあたり、施工
性が良く、しかも、粘性系制震壁の上下幅をできるだけ
長くとって、制震性能を向上し得る取付け構造が得られ
ることになり、請求項2,3に記載の発明によれば、施
工性をより一層向上することができ、品質確保および構
造耐力の確保が容易である等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】既存のSRC造梁に対する粘性系制震壁の取付
け構造の一例を示す正面図である。
【図2】縦断側面図である。
【図3】下部鉄骨フレームの取付け手順を説明する要部
の縦断側面図である。
【図4】上部鉄骨フレームの取付け手順を説明する要部
の縦断側面図である。
【図5】粘性系制震壁の取付け構造を説明する要部の縦
断側面図である。
【図6】他の実施の形態を示す正面図である。
【図7】縦断側面図ある。
【図8】下部鉄骨フレームの取付け手順を説明する要部
の縦断側面図である。
【図9】下部鉄骨フレームの取付け手順を説明する要部
の縦断側面図である。
【図10】従来例を説明する要部の縦断側面図である。
【符号の説明】
1…SRC造梁、2…粘性系制震壁、6…下部鉄骨フレ
ーム、7…上部鉄骨フレーム、8…梁カバープレート、
9…梁鉄骨、9a…上フランジ、11…アンカーボル
ト。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 2/56 643 E04B 2/56 643A E04G 23/02 E04G 23/02 E F16F 9/10 F16F 9/10 15/02 15/02 F (72)発明者 櫻川 典男 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 高畑 顯信 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 Fターム(参考) 2E002 EB13 FA02 FA04 FB01 FB08 FB11 FB16 JA00 JA01 JA02 JB01 JB05 JB06 JB14 JB16 MA11 MA12 2E176 AA01 AA07 BB28 3J048 AA06 AC05 BE04 EA38 3J069 AA35 BB10 CC34 DD48

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存のSRC造梁の上に、梁鉄骨の上フ
    ランジと梁主筋との隙間に打設されたアンカーボルト
    と、当該アンカーボルトに螺合するナットにより、梁長
    手方向に沿った下部鉄骨フレームを緊結し、上階のSR
    C造梁には、梁コンクリートに打設されたアンカーボル
    トと、当該アンカーボルトに螺合するナットとを介し
    て、梁長手方向に沿った上部鉄骨フレームを緊結し、粘
    性系制震壁の下部フランジを前記下部鉄骨フレームにボ
    ルト接合し、粘性系制震壁の上部フランジを前記上部鉄
    骨フレームにボルト接合してあることを特徴とする既存
    のSRC造梁に対する粘性系制震壁の取付け構造。
  2. 【請求項2】 既存のSRC造梁の上に、梁鉄骨の上フ
    ランジに溶接され且つ周囲に樹脂モルタル等の固結性グ
    ラウト材が充填されたアンカーボルトと、当該アンカー
    ボルトに螺合するナットにより、梁長手方向に沿った下
    部鉄骨フレームを緊結し、上階のSRC造梁には、梁コ
    ンクリートに打設されたアンカーボルトと、当該アンカ
    ーボルトに螺合するナットとを介して、梁長手方向に沿
    った上部鉄骨フレームを緊結し、粘性系制震壁の下部フ
    ランジを前記下部鉄骨フレームにボルト接合し、粘性系
    制震壁の上部フランジを前記上部鉄骨フレームにボルト
    接合してあることを特徴とする既存のSRC造梁に対す
    る粘性系制震壁の取付け構造。
  3. 【請求項3】 既存のSRC造梁の上面に梁鉄骨の上フ
    ランジに達する穴を穿設し、穴底に露出させた梁鉄骨の
    上フランジにアンカーボルトをスタッド溶接機等で溶接
    し、アンカーボルト周りに樹脂モルタル等の固結性グラ
    ウト材を充填して、コンクリートの穴を復旧した後、前
    記アンカーボルトと、当該アンカーボルトに螺合するナ
    ットにより、梁長手方向に沿った下部鉄骨フレームを前
    記SRC造梁に緊結する一方、上階のSRC造梁の側面
    に横穴を穿設し、下面に梁長手方向に沿った上部鉄骨フ
    レームが固着された梁カバープレートを、前記横穴に打
    設された樹脂アンカーボルトと、当該樹脂アンカーボル
    トに螺合するナットにより上階のSRC造梁に緊結し、
    しかる後、粘性系制震壁の下部フランジを前記下部鉄骨
    フレームにボルト接合すると共に、粘性系制震壁の上部
    フランジを前記上部鉄骨フレームにボルト接合すること
    を特徴とする既存のSRC造梁に対する粘性系制震壁の
    取付け方法。
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