JP6192252B1

JP6192252B1 - 耐震構造部材

Info

Publication number: JP6192252B1
Application number: JP2017058441A
Authority: JP
Inventors: 藤本　隆司; 隆司藤本
Original assignee: 株式会社フジモト
Priority date: 2017-03-24
Filing date: 2017-03-24
Publication date: 2017-09-06
Anticipated expiration: 2037-03-24
Also published as: JP2018159255A

Abstract

【課題】繊維シートの劣化を防止し、各種形状に組み立てが可能で構造物の構築部材又は構築物の補強部材として利用可能な耐震構造部材を提供することを目的とする。【解決手段】耐震構造部材において、一対のＬ型鋼の直立部間に繊維シートを固定し、一対のＬ型鋼の水平部と押えプレート間に繊維シートを固定して形成される断面Ｔ字形部材を単独又は複数連結して構造物構築部材、又は構造物補強部材として用いることを特徴とする。【選択図】図１

Description

本発明は、構造物の構築部材又は補強部材に用いられる耐震構造部材に関する。

従来、構造物の補強構造として表面に繊維シートを配置して、構造物の引張強度と振動減衰性を向上させる耐震補強構造が提案されている。

特開２０１１−２６７８６号公報

しかしながら、従来の構造物の表面に繊維シートを配置する補強構造は、繊維シートが露出しているため、紫外線等で劣化し繊維シートの補強効果が低減するという問題を有していた。

本発明は、従来技術のもつ課題を解決する、繊維シートの劣化を防止し、各種形状に組み立てが可能で構造物の構築部材又は構築物の補強部材として利用可能な耐震構造部材を提供することを目的とする。

本発明の耐震構造部材は、前記課題を解決するために、一対のＬ型鋼の直立部間に繊維シートを固定し、一対のＬ型鋼の水平部と押えプレート間に繊維シートを固定して形成される断面Ｔ字形部材を単独か、断面Ｔ字形部材を複数連結するか、断面Ｔ字形部材の一部を切除して複数連結するかの内の少なくともいずれかを構造物構築部材、又は構造物補強部材として用いることを特徴とする。

また、本発明の耐震構造部材は、一対の断面Ｔ字形部材の端部が４５度の角度で切除され切除部同士を接するように配置し連結部材で連結しＬ字形部材とすることを特徴とする。

また、本発明の耐震構造部材は、一対の前記断面Ｔ字形部材の押えプレート同士を接するように配置し連結部材で連結し断面十字形部材とすることを特徴とする。

また、本発明の耐震構造部材は、前記断面Ｔ字形部材を構造物の表面に固定して構造物の補強部材とすることを特徴とする。

また、本発明の耐震構造部材は、前記Ｌ字形部材を構造物のコーナー部又は角部に固定して構造物の補強部材とすることを特徴とする。

また、本発明の耐震構造部材は、前記断面十字形部材を既存構造物と補強型枠との間に固化材を充填し一体化する構造物補強構造の軸方向補強部材とすることを特徴とする。

一対のＬ型鋼の水平部と押えプレート間に繊維シートを固定して形成される断面Ｔ字形部材を単独か、断面Ｔ字形部材を複数連結するか、断面Ｔ字形部材の一部を切除して複数連結するかの内の少なくともいずれかを構造物構築部材、又は構造物補強部材として用いることで、引張強度と振動エネルギー減衰性を向上させる繊維シートが周囲環境に露出することがなく、紫外線等による劣化が防止され長期間その性能を維持することが可能となり、構造物の構築部材、補強部材として耐震性、耐久性に優れた耐震構造部材とすることが可能となる。
一対の断面Ｔ字形部材の端部が４５度の角度で切除され切除部同士を接するように配置し連結部材で連結しＬ字形部材とすることで、構造物の枠構造の構築部材、構造物の角部、コーナー部の補強部材として耐震性、耐久性に優れた耐震構造部材とすることが可能となる。
一対の前記断面Ｔ字形部材の押えプレート同士を接するように配置し連結部材で連結し断面十字形部材とすることで、構造物の柱、梁等の構築部材、構造物の軸方向補強部材として耐震性、耐久性に優れた耐震構造部材とすることが可能となる。
断面Ｔ字形部材を構造物の表面に固定して構造物の補強部材とすることで、構造物への固定が容易で耐震性、耐久性に優れた構造物補強部材とすることが可能となる。
断面Ｌ字形部材を構造物のコーナー部又は角部に固定して構造物の補強部材とすることで、構造物のコーナー部又は角部への固定が容易で、構造物の耐震性及び耐久性を向上させる構造物補強部材とすることが可能となる。
断面十字形部材を既存構造物と補強型枠との間に固化材を充填し一体化する構造物補強構造の軸方向補強部材とすることで、構造物の曲げ耐力を向上することが可能となる。

本発明の実施形態を示す図である。（ａ）（ｂ）本発明の実施形態を示す図である。（ａ）（ｂ）本発明の実施形態を示す図である。本発明の実施形態を示す図である。本発明の実施形態を示す図である。本発明の実施形態を示す図である。本発明の実施形態を示す図である。本発明の実施形態を示す図である。

本発明の耐震構造部材の実施形態を図により説明する。図１、図２（ａ）（ｂ）は、繊維シートサンドイッチ耐震構造部材の基本形状である断面Ｔ字形部材を示す図である。

断面Ｔ字形部材１は、一対のＬ型鋼２の直立部２a間に繊維シート３がサンドイッチ状に接着剤を介して貼布される。また、一対のＬ型鋼板２の水平部２ｂと押えプレート4間に繊維シート３がサンドイッチ状に接着剤を介して貼布される。

Ｌ型鋼２は等辺のものでも不等辺のものでも良いが、直立部２aと水平部２ｂが直交する形状のものを用いる。繊維シート３としては、引張強度の大きいカーボン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアレート繊維等で形成される。

断面Ｔ字形部材１を構造物の構築部材又は構造物の補強部材として用いる場合、図５に示すように、繊維シート３をサンドイッチ状に配置した直立部２aと、繊維シート３をサンドイッチ状に配置した水平部２ｂと押えプレート４とを連結ボルト5で連結する。

このように形成された断面Ｔ字形部材１は、引張強度と振動エネルギー減衰性を向上させる繊維シート３が周囲環境に露出することがなく、紫外線等による劣化が防止される。また、一対のＬ型鋼2を連結ボルト５で強固に連結しているので曲げ耐力に優れた耐震構造部材になる。断面Ｔ字形部材１は、例えば、建築物の屋根構造の桟材等の構築部材として使用する。また、構造物の表面に固定し構造物補強部材として使用する。

図３（a）(b)は、一対の断面Ｔ字形部材１、１を連結してＬ字形部材６を形成する実施形態を示す図である。一対の断面Ｔ字部材１の端部を４５度の角度で切除し、一対の断面Ｔ字形部材１の切除部が接するように配置する。図３（a）に示す実施形態では、一対の断面Ｔ字形部材の繊維シート３をサンドイッチ状に配置した水平部２ｂと押えプレート４がL字形の外側直角角部に位置する。外側直角角部又は内側直角コーナー部にＬ字形連結プレート６を配置し、L字形連結プレート６と一対の断面Ｔ字形部材１の繊維シート３をサンドイッチ状に配置した水平部２ｂと押えプレート４を連結ボルト４で連結してL字形部材７を形成する。

図３（ｂ）に示す実施形態では、一対の断面Ｔ字部材１の端部を４５度の角度で切除し、一対の断面Ｔ字形部材１の切除部が接するように配置し、繊維シート３をサンドイッチ状に配置した水平部２ｂと押えプレート４がL字形の内側直角コーナー部に位置するように形成する。内側直角コーナー部又は外側直角角部にＬ字形連結プレート６を配置し、L字形連結プレート６と一対の断面Ｔ字形部材１の繊維シート３をサンドイッチ状に配置した水平部２ｂと押えプレート４を連結ボルト５で連結してL字形部材７を形成する。

このようにして形成されたＬ字形部材７は、例えば、構造物の枠構造の構築部材として使用する。また、Ｌ字形部材７は、後述する構造物の角部やコーナー部に固定し構造物補強部材として使用する。図３（a）(b)に示す実施形態のＬ字形部材７は使用状況に応じて選択使用する。Ｌ字形部材７は、引張強度と振動エネルギー減衰性を向上させる繊維シート３が周囲環境に露出することがなく、紫外線等による劣化が防止される。

図４は、一対の断面Ｔ字形部材１、１を連結して断面十字形部材８を形成する実施形態を示す図である。一対の断面Ｔ字形部材１の押えプレート４同士が接するように配置し、一対の断面Ｔ字形部材１の繊維シート３をサンドイッチ状に配置した水平部２ｂと押えプレート４を連結ボルト5で連結して断面十字形部材８を形成する。断面十字形部材を軸方向に長い部材として、構造物の柱，梁等の構造物構築部材、又は構造物の軸方向補強材として使用する。断面十字形部材８は、引張強度と振動エネルギー減衰性を向上させる繊維シート３が周囲環境に露出することがなく、紫外線等による劣化が防止され、曲げ耐力の高い構造物構築部材、構造物補強部材とすることが可能となる。

図６は、図３（ｂ）に示されるＬ字形部材７を角型鋼柱９の角部の補強部材として適用した実施形態を示す。図３（ｂ）に示されるＬ字形部材７の内側に位置する繊維シート３をサンドイッチ状に配置した水平部２ｂと押えプレート４が角型鋼柱９の4つの角部に接するように配置し、繊維シート３をサンドイッチ状に配置した水平部２ｂと押えプレート４を貫通する固定ボルト１０で角型鋼柱９に固定する。Ｌ字形部材７は、引張強度と振動エネルギー減衰性を向上させる繊維シート３が周囲環境に露出することがなく、紫外線等による劣化が防止されその性能を長期間維持できるので、耐震性、耐久性の高い補強部材として機能する。

図７は、図３（a）に示されるＬ字形部材７をコンクリート柱１１とコンクリート梁１２の交差部の補強部材として適用した実施形態を示す。図３（a）に示されるＬ字形部材７の外側に位置する繊維シート３をサンドイッチ状に配置した水平部２ｂと押えプレート４がコンクリート柱１１とコンクリート梁１２の交差部のコーナーに接するように配置し、繊維シート３をサンドイッチ状に配置した水平部２ｂと押えプレート４を貫通する固定ボルト１０でコンクリート梁１２に固定する。Ｌ字形部材７は、引張強度と振動エネルギー減衰性を向上させる繊維シート３が周囲環境に露出することがなく、紫外線等による劣化が防止されその性能を長期間維持できるので、耐震性、耐久性の高い補強部材として機能する。

図８は、Ｈ形鋼柱１３の補強構造に断面Ｔ字形部材１と断面十字形部材８を補強部材として適用した実施形態を示す。フランジ１３aとウェブ１３ｂからなるＨ形鋼柱１３のフランジ１３aの端部に型枠部材１４と補強プレート１５を固定ボルト１６で固定し、Ｈ形鋼柱１３と型枠部材１４で囲まれた空間にセメントモルタル等の固化材を充填し固化させ一体化するＨ形鋼柱１３の補強構造において、断面Ｔ字形部材１をウェブ１３ｂ表面に固定し、断面十字形部材８をコンクリートモルタル等の固化材が充填される空間に配置する。断面Ｔ字形部材１はＨ形鋼柱１３と固化材との一体化を促進し，かつＨ形鋼柱１３の剛性を高める補強部材として機能する。断面十字形部材８は、軸方向筋の代わりに配置され曲げ耐力を高める補強部材として機能する。断面Ｔ字形部材１と断面十字形部材８は、共に繊維シート３をサンドイッチ状に配置しているので、引張強度、振動エネルギー減衰性を向上させることが可能となる。

以上のように、本発明の繊維シートサンドイッチ耐震構造部材によれば、引張強度と振動エネルギー減衰性を向上させる繊維シートが周囲環境に露出することがなく、紫外線等による劣化が防止され長期間性能を維持することが可能で、構造物の構築部材、補強部材として耐震性、耐久性に優れた耐震構造部材とすることが可能となる。

１：断面T字形部材、２：Ｌ形鋼、2a：直立部、２ｂ：水平部、３：繊維シート、４：押えプレート、５：連結ボルト、６：L字形連結プレート、７：L字形部材、８：断面十字形部材、９：角型鋼柱、１０：固定ボルト、１１：コンクリート柱、１２：コンクリート梁、１３：Ｈ形鋼柱、１３a：フランジ、１３ｂ：ウェブ、１４：型枠部材、１５：補強プレート、１６：固定ボルト

Claims

一対のＬ型鋼の直立部間に繊維シートを固定し、一対のＬ型鋼の水平部と押えプレート間に繊維シートを固定して形成される断面Ｔ字形部材を単独か、断面Ｔ字形部材を複数連結するか、断面Ｔ字形部材の一部を切除して複数連結するかの内の少なくともいずれかを構造物構築部材、又は構造物補強部材として用いることを特徴とする耐震構造部材。
一対の断面Ｔ字形部材の端部が４５度の角度で切除され切除部同士を接するように配置し連結部材で連結しＬ字形部材とすることを特徴とする請求項１に記載の耐震構造部材。
一対の前記断面Ｔ字形部材の押えプレート同士を接するように配置し連結部材で連結し断面十字形部材とすることを特徴とする請求項１に記載の耐震構造部材。
前記断面Ｔ字形部材を構造物の表面に固定して構造物の補強部材とすることを特徴とする請求項１に記載の耐震構造部材。
前記Ｌ字形部材を構造物のコーナー部又は角部に固定して構造物の補強部材とすることを特徴とする請求項２に記載の耐震構造部材。
前記断面十字形部材を既存構造物と補強型枠との間に固化材を充填し一体化する構造物補強構造の軸方向補強部材とすることを特徴とする請求項３に記載の耐震構造部材。