JP2019163594A - 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造 - Google Patents
鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019163594A JP2019163594A JP2018050617A JP2018050617A JP2019163594A JP 2019163594 A JP2019163594 A JP 2019163594A JP 2018050617 A JP2018050617 A JP 2018050617A JP 2018050617 A JP2018050617 A JP 2018050617A JP 2019163594 A JP2019163594 A JP 2019163594A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- joint
- column
- concrete
- reinforced concrete
- steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
Abstract
【解決手段】鉄筋コンクリート柱2と鉄骨梁3の混合構造は、鉄筋コンクリート柱2と鉄骨梁3が接合された柱梁接合部40を有し、柱梁接合部40は、鉄骨梁3の上下フランジ32a、32b間をふさぐふさぎ鋼板41、及びその内部に形成された接合本体部40Aと、接合本体部40Aの上方に形成される接合上端部40Bと、接合本体部40Aの下方に形成される接合下端部40Cと、で構成され、接合本体部40A、接合上端部40B、及び接合下端部40Cは、コンクリート24Jにより一体に構成され、柱梁接合部40のコンクリート強度は、鉄筋コンクリート柱2を形成するコンクリート強度に比べて、高強度である。
【選択図】図2
Description
特許文献1に開示されたような構成では、地震発生時等に大きな外力によって梁が撓み変形すると、梁の端部が柱に接合される部分において、梁の上下のフランジから柱を構成するコンクリートに上下方向の圧縮力が作用し、コンクリートが潰れて損傷する圧潰が生じる場合がある。また、柱と梁との接合部にせん断補強筋や鋼棒材が設けられていると、接合部へのコンクリートの充填性が低下する。
特許文献2に開示されたような構成では、柱梁接合部に鉄筋籠が設けられているため、コンクリート充填性が低下する。
特許文献3に開示されたような構成では、地震発生時等に大きな外力によって梁が撓み変形すると、梁の上下のフランジからコンクリート柱先打ち部に上下方向の圧縮力が作用し、圧潰が生じる場合がある。また、柱と梁との接合部にせん断補強筋が設けられていれば、接合部へのコンクリートの充填性が低下する。一方、柱と梁との接合部にせん断補強筋が設けられていない場合には、柱梁接合部におけるせん断耐力が不足する場合がある。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造は、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁が接合された柱梁接合部を有する鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造であって、前記柱梁接合部は、前記鉄骨梁の上下フランジ間をふさぐふさぎ鋼板、及びその内部に形成された接合本体部と、前記接合本体部の上方に形成される接合上端部と、前記接合本体部の下方に形成される接合下端部と、で構成され、前記接合本体部、前記接合上端部、及び前記接合下端部は、コンクリートにより一体に構成され、前記柱梁接合部のコンクリート強度は、前記鉄筋コンクリート柱を形成するコンクリート強度に比べて、高強度であることを特徴とする。
このような構成によれば、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁とが接合された柱梁接合部において、接合本体部、接合上端部、及び接合下端部のコンクリート強度を、鉄筋コンクリートを形成するコンクリート強度よりも高強度とすることで、特に、柱梁接合部のせん断強度やひびわれ発生強度を高めることができる。これにより、柱梁接合部に配するせん断補強筋の量を削減しながら、せん断耐力を確保することができる。
このようにせん断補強筋の量を削減できるため、接合本体部を貫通する柱主筋、及び梁主筋の其々の鉄筋間隔にあっては、コンクリートを形成する粗骨材が支障なく通り抜けていく十分な空き寸法が確保できるために、柱梁接合部におけるコンクリート充填性を高めることができる。
また、地震発生時には、RC柱や鉄骨梁に大きな外力が加わり、其々に変形が進むと、鉄骨梁の上下のフランジ面とその梁フランジの直下、及び直上のRC柱との間に、高い支圧力が作用することになるが、鉄骨梁のフランジを挟んだ接合本体部、及び接合上端部、接合下端部が高強度コンクリートで形成されていることで、鉄骨梁近傍のコンクリートに圧潰を発生させることなく、RC柱と鉄骨梁との間で外部荷重を伝達させることができる。
このような構成によれば、柱梁接合部を構成する接合本体部にせん断補強筋が配筋されていない。よって、柱梁接合部において、柱主筋と梁主筋が交差する接合本体部内にせん断補強筋が配筋されていないことで、柱梁接合部内でのコンクリートの充填性を高めることができる。
このような構成によれば、柱梁接合部にコンクリートを打設する際、ふさぎ鋼板が、柱梁接合部の周囲を覆う型枠として機能する。このふさぎ鋼板は、角筒形状体であり、その角部がR形状(曲面加工)であるので、角筒形状体の内部に充填される接合本体部のコンクリートは、角部が曲面加工されたふさぎ鋼板が筒状の樽のように機能して3軸応力状態で拘束されることになる。よって、コンクリートの圧縮強度は、材料本来の1軸強度を上回り、破壊強度に達するまで増加されるために、柱梁接合部のせん断耐力を高めることができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造を実施するための各形態を、図面に基づいて説明する。
図1に、本実施形態における鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造を適用した建物の部分立面図を示す。図2に、図1に示す建物における柱梁接合部の立断面図を示す。また、図3に、図2に示す柱梁接合部の水平断面図を示す。図4に、建物の外周部に位置する柱梁接合部の構成を示す水平断面図を示す。図5に、柱梁接合部の斜視図を示す。
図1に示されるように、建物1は、上下方向に延びる複数本の鉄筋コンクリート柱2と、建物1の各階において互いに隣り合う鉄筋コンクリート柱2間に架設された鉄骨梁3と、を備えている。鉄筋コンクリート柱2と鉄骨梁3とは、柱梁接合部40において互いに接合されている。
鉄筋コンクリート柱2は、互いに上下に位置する柱梁接合部40の間に、鉄筋コンクリート柱2の本体部に相当する上下方向に延びる柱状部2Cを有している。柱状部2Cは、柱主筋21とコンクリート24とに加えて、せん断補強筋22を備えている。せん断補強筋22は、上下方向に間隔をあけて複数本が設けられている。それぞれのせん断補強筋22は、柱主筋21を取り囲むように配筋されている。柱状部2Cにおいて、コンクリート24は、これら柱主筋21及びせん断補強筋22を埋設するように設けられている。
設計例では、例えば、鉄筋コンクリート柱2は呼び強度42N/mm2の普通強度コンクリートを使用したプレキャストコンクリート製であり、その鉄筋コンクリート柱2の形状及び外径寸法については、図3、4に示すように矩形形状で、外径寸法が900mm×900mmである。また、柱主筋21には異形鉄筋D35が12本均等に配置され、柱本体部には帯筋D16が100mm間隔で配筋されている。
鉄骨梁本体31は、水平面内に設けられた上部フランジ31aと、上部フランジ31aの下方に平行に設けられた下部フランジ31bと、鉛直面内に位置して上部フランジ31aと下部フランジ31bとを連結するように設けられたウェブ31cと、を一体に有している。鉄骨梁本体31の端部は、梁接合ブラケット32に、ジョイントプレート34を介して接合されている。
また、図4に示すように、鉄筋コンクリート柱2が、建物1の外周部に配置されるものである場合、建物1の外方を向く部分には、梁接合ブラケット32は、その先端部32sが後述するふさぎ鋼板41と同一位置となるよう設けられている。
図2に示すように、各梁接合ブラケット32は、水平面内に設けられた上部フランジ32aと、上部フランジ32aの下方に平行に設けられた下部フランジ32bと、鉛直面内に位置して上部フランジ32aと下部フランジ32bとを連結するように設けられたウェブ32cと、を一体に有している。
各ふさぎ鋼板41の第一面41a、第二面41bの端部は、図2に示すように鉄骨梁3を構成する梁接合ブラケット32の上部フランジ32aと下部フランジ32bとの間を塞ぐように設けられている。すなわち、ふさぎ鋼板41の第一面41a、第二面41bの端部は、梁接合ブラケット32の上部フランジ32aと下部フランジ32bとウェブ32cとに溶接されている。
また、ふさぎ鋼板41において、第一面41aと第二面41bとが交差する角部41cは、所定の曲率半径で湾曲して形成されている。
このような平面視略L字状のふさぎ鋼板41を、鉄筋コンクリート柱2から四方に延びる梁接合ブラケット32の間にそれぞれ設けることで、これらふさぎ鋼板41によって、平面視矩形で上下方向に延びる角筒形状体45が形成されている。
設計例では、例えば、ふさぎ鋼板41には溶接構造用圧延鋼材SM490Aを使用し、鋼板厚さは12mmで、角部41cにはR=10tの曲げ加工を行った後、柱梁接合部40の必要耐火性能を満足するように、当該ふさぎ鋼板41の表面に耐火被覆層を設けた。
接合本体部40Aは、ふさぎ鋼板41(角筒形状体45)の内部にコンクリート24Jが充填されることで形成されている。接合本体部40Aには、前記の柱主筋21が上下方向に延びて配筋されている。ここで、図3、図4に示されるように、柱主筋21は、鉄筋コンクリート柱2の外周部に、複数本配置されている。鉄筋コンクリート柱2の外周部に配置された柱主筋21は、互いに隣り合う梁接合ブラケット32同士の間に配置されている。図2に示されるように、接合本体部40Aにおいては、柱主筋21のみが設けられ、せん断補強筋は設けられていない。換言すると、ふさぎ鋼板41の内側の、梁接合ブラケット32の上部フランジ32aと下部フランジ32bとの間においては、せん断補強筋が設けられていない。
また、梁接合ブラケット32同士が交差する部分には、コンクリート打設時のエア抜き孔32hが、上部フランジ32aと下部フランジ32bとを貫通して形成されている。
接合下端部40Cは、接合本体部40Aの下方に設けられている。接合下端部40Cは、柱主筋21と、柱主筋21を取り囲むように設けられたせん断補強筋44と、柱梁接合部40のコンクリート24Jと一体に設けられたコンクリート24Lとによって形成されている。接合下端部40Cは、上下方向において、接合上端部40Bと同等の厚さを有している。
すなわち、柱梁接合部40では、接合本体部40Aの高さ分の間隔を空けて、接合下端部40C、及び接合上端部40Bに、柱主筋21を囲むようにせん断補強筋43,44が配筋されている。
接合下端部40C、及び接合上端部40Bに配筋されるせん断補強筋43,44は、鉄筋コンクリート柱2本体のせん断補強筋22の間隔よりも狭い間隔にて配筋される。または、せん断補強筋43,44を、鉄筋コンクリート柱2本体のせん断補強筋22に比べて、高強度鉄筋を使用する方法、或いは太径鉄筋を使用することも可能である。このようにすることで、接合下端部40C、または接合上端部40Bのコンクリートの拘束度を高めて、柱梁接合部40内のコンクリートの圧縮強度を増加されて、鉄骨梁3近傍でのコンクリートの圧潰を抑制する。
下部ふさぎ鋼板42は、接合下端部40Cのコンクリート24Lを覆うように、かつ、接合本体部40Aのふさぎ鋼板41が下方に延在するように、ふさぎ鋼板41に接合されて設けられている。
このように、下部ふさぎ鋼板42とふさぎ鋼板41とが一体となって、角筒形状体が形成されている。
また、接合上端部40Bに配筋するせん断補強筋43と、接合下端部40Cに配筋するせん断補強筋44の補強筋間隔は、柱状部の帯筋間隔より狭くし、最大間隔であっても100mm以下とし、80mmとした。また、接合上端部40B、及び接合下端部40Cは、鉄骨梁3のフランジ上面やフランジ下面に設けられる柱梁接合部40を構成する構造抵抗領域であり、施工性を考慮した一定ボリュームのコンクリート体をなす必要があり、接合上端部40Bや接合下端部40Cの最低高さは180mmとする。
ブレース50の端部は、ジョイントプレート51を介して柱梁接合部40に接合されている。ジョイントプレート51は、梁接合ブラケット32に溶接等によって接合されている。ジョイントプレート51は、その一部が、鉄筋コンクリート柱2のコンクリート24内に埋設され、残部が鉄筋コンクリート柱2の外側に露出して設けられている。
次に、上記したような柱梁接合部40の構築方法について説明する。
上記柱梁接合部の構築方法を示す図であり、鉄筋コンクリート柱の柱状部と柱主筋とを設けた状態を示す立断面図を図6に示す。上記柱梁接合部の構築方法を示す図であり、柱梁接合部に梁接合ブラケットを設けた状態を示す立断面図を図7に示す。
図6に示すように、柱梁接合部40を構築するに先立ち、鉄筋コンクリート柱2の柱状部2Cを構築しておく。なお、この柱状部2Cのコンクリート24は、現場打ちしても良いし、予めコンクリート24を成形したプレキャストコンクリート造としてもよい。
柱梁接合部40を構築するには、まず、柱状部2Cの頭部から上方に突出した柱主筋21に、せん断補強筋44を配筋する。さらに、柱主筋21に、ナット80を用いて梁支持部材81を取り付ける。
次いで、図7及び図5に示すように、梁支持部材81上に、平面視十字状の梁接合ブラケット32を載せる。このとき、互いに隣り合う梁接合ブラケット32間には、接合本体部40A、及び接合下端部40Cにふさぎ鋼板41、下部ふさぎ鋼板42を予め溶接しておく。続いて、次に、梁接合ブラケット32の上側に、接合上端部40Bのせん断補強筋43を配筋する。その後、ふさぎ鋼板41、下部ふさぎ鋼板42で囲まれた接合本体部40Aと接合下端部40C、及び図示されない型枠材で囲まれた接合上端部40Bに高強度コンクリートを打設する。
打設した高強度コンクリートが硬化し、所定の強度を発現することで、接合本体部40Aのコンクリート24J、接合上端部40Bのコンクリート24K、及び接合下端部40Cのコンクリート24Lが形成される。
上述したような鉄筋コンクリート柱2と鉄骨梁3の混合構造によれば、鉄筋コンクリート柱2と鉄骨梁3が接合された柱梁接合部40を有する鉄筋コンクリート柱2と鉄骨梁3の混合構造であって、柱梁接合部40は、鉄骨梁3の上下フランジ32a、32b間をふさぐふさぎ鋼板41、及びその内部に形成された接合本体部40Aと、接合本体部40Aの上方に形成される接合上端部40Bと、接合本体部40Aの下方に形成される接合下端部40Cと、で構成され、接合本体部40A、接合上端部40B、及び接合下端部40Cは、コンクリート24Jにより一体に構成され、柱梁接合部40のコンクリート24J、24K、24Lの強度は、鉄筋コンクリート柱2を形成するコンクリート24の強度に比べて、高強度である。
このような構成によれば、鉄筋コンクリート柱2と鉄骨梁3とが接合された柱梁接合部40において、接合本体部40A、接合上端部40B、及び接合下端部40Cのコンクリート24J、24K、24Lの強度を、鉄筋コンクリート柱2を形成するコンクリート24の強度よりも高強度とすることで、特に、柱梁接合部40のせん断強度やひびわれ発生強度を高めることができる。これにより、柱梁接合部40に配するせん断補強筋22の量を削減しながら、せん断耐力を確保することができる。
このようにせん断補強筋22の量を削減できるため、接合本体部40Aを貫通する柱主筋21、及び梁主筋の其々の鉄筋間隔にあっては、コンクリートを形成する粗骨材が支障なく通り抜けていく十分な空き寸法が確保できるために、柱梁接合部40におけるコンクリート充填性を高めることができる。
また、地震発生時には、鉄筋コンクリート柱2や鉄骨梁3に大きな外力が加わり、其々に変形が進むと、鉄骨梁3の上下のフランジ面とその梁フランジの直下、及び直上の鉄筋コンクリート柱との間に、高い支圧力が作用することになるが、鉄骨梁3のフランジを挟んだ接合本体部40A、及び接合上端部40B、接合下端部40Cが高強度コンクリートで形成されていることで、鉄骨梁3近傍のコンクリートに圧潰を発生させることなく、鉄筋コンクリート柱2と鉄骨梁3との間で外部荷重を伝達させることができる。
このような構成によれば、せん断補強筋43,44は、接合本体部40Aには配筋されていない。したがって、接合本体部40Aにおけるコンクリート充填性を向上させることができる。
このような構成によれば、柱梁接合部40にコンクリート24Jを打設する際、ふさぎ鋼板41が、柱梁接合部40の周囲を覆う型枠として機能する。このふさぎ鋼板41は、角筒形状体45であり、その角部41cがR形状(曲面加工)であるので、角筒形状体45の内部に充填される接合本体部40Aのコンクリートは、角部41cが曲面加工されたふさぎ鋼板41が筒状の樽のように機能して3軸応力状態で拘束されることになる。よって、コンクリートの圧縮強度は、材料本来の1軸強度を上回り、破壊強度に達するまで増加されるために、柱梁接合部40のせん断耐力を高めることができる。
このような構成によれば、接合下端部40Cのせん断耐力を向上させることができるとともに、柱梁接合部40構築する際の型枠としても使用することができるため、施工が容易である。
上記実施形態では、接合上端部40Bのコンクリート24K、及び接合下端部40Cのコンクリート24Lを、スラブ5の同等の厚さで設けたが、これに限らない。
実施例1においては、図8に示されるように、接合上端部40B’のコンクリート24K’、及び接合下端部40C’のコンクリート24L’は、柱梁接合部40’に接合されるブレース50のジョイントプレート51を覆うような厚さで設ける。
また、上記実施形態では、接合本体部40Aのコンクリート24J、接合上端部40Bのコンクリート24K、及び接合下端部40Cのコンクリート24Lを高強度コンクリートにより形成するようにした。
このような構成とすることで、上記実施形態で示したふさぎ鋼板41を用いた柱梁接合部40のように、ふさぎ鋼板41が外壁面に露出するのを抑えることができる。したがって、外観を損なったり、外壁を形成する壁パネルの設置の障害になるのを抑えることが可能となる。
なお、本発明の鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、高強度コンクリートに代えて、多孔性の鋼繊維を混入させた高強度鋼繊維コンクリート、または普通強度の鋼繊維コンクリートを用いることで、上述の実施形態においては、接合本体部にふさぎ鋼板を配置し、かつ接合上端部、及び接合下端部にせん断補強筋を設けたが、鋼繊維材がふさぎ鋼板やせん断補強筋に替わってコンクリートを拘束するために、少なくともどちらか一方のみを設ける場合であっても、所定のせん断耐力を確保可能なRC柱と鉄骨梁の混合構造を実現できる。なお、本発明では、前記高強度鋼繊維コンクリートは、呼び強度が45N/mm2を上回るコンクリートとし、前記普通強度の鋼繊維コンクリートは呼び強度が45N/mm2以下のコンクリートとして柱梁接合部に必要な所定性能を満足するように鋼繊維コンクリートの調合設計を行い、RC柱と鉄骨梁の混合構造を実現する。
設計例では、例えば、鋼繊維にDRAMIX(登録商標)を使用し、鋼繊維の容積重量当たりの体積混入率は0.2〜2.0%とする。体積混入率の下限値0.2%は、出願人による構造物を対象とした鋼繊維補強コンクリートを使用した部材性能に関する技術開発で得られた知見(例えば、特開2017−014864号公報)に基づいたものである。また、体積混入率の上限値2.0%は、技術文献(堀口 至ほか3名:微小鋼繊維補強コンクリートのコンシステンシーについて、日本コンクリート工学年次論文集、第26巻、No.1、pp.279〜284、2004年)の知見、及び出願人が技術開発を進めてきた中で、柱主筋と梁主筋が配筋されている柱梁接合部に、現場打設により体積混入率2.0%の鋼繊維補強コンクリートを充填するのは、施工が困難であるという観点から限界値に設定している。
この場合においては、柱梁接合部を構築する際に、図10に示されるように、梁接合ブラケット32の上下に、接合下端部40C、接合上端部40Bを形成するための型枠82、83を設置する。この後、型枠83、ふさぎ鋼板41、及び型枠82の内側に高強度コンクリートを打設することにより、接合下端部40C、接合本体部40A、及び接合上端部40Bを構築する。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
2 鉄筋コンクリート柱 40A 接合本体部
3 鉄骨梁 40B 接合上端部
5 スラブ 40C 接合下端部
21 柱主筋 41 ふさぎ鋼板
24 コンクリート 42 下部ふさぎ鋼板
24J、24K、24L コンクリート 41c 角部
32 梁接合ブラケット 43、44 せん断補強筋
32a 上部フランジ 45 角筒形状体
32b 下部フランジ 50 ブレース
32c ウェブ
Claims (3)
- 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁が接合された柱梁接合部を有する鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造であって、
前記柱梁接合部は、前記鉄骨梁の上下フランジ間をふさぐふさぎ鋼板、及びその内部に形成された接合本体部と、
前記接合本体部の上方に形成される接合上端部と、
前記接合本体部の下方に形成される接合下端部と、で構成され、
前記接合本体部、前記接合上端部、及び前記接合下端部は、コンクリートにより一体に構成され、
前記柱梁接合部のコンクリート強度は、前記鉄筋コンクリート柱を形成するコンクリート強度に比べて、高強度であることを特徴とする鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造。 - 前記柱梁接合部では、前記接合本体部にせん断補強筋が配筋されていないことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造。
- 前記ふさぎ鋼板は、前記鉄骨梁のウェブと、前記上下フランジの各々に溶接され、前記ふさぎ鋼板は角部が曲面加工された角筒形状体であることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018050617A JP7050542B2 (ja) | 2018-03-19 | 2018-03-19 | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造 |
JP2022052684A JP7270095B2 (ja) | 2018-03-19 | 2022-03-29 | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018050617A JP7050542B2 (ja) | 2018-03-19 | 2018-03-19 | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022052684A Division JP7270095B2 (ja) | 2018-03-19 | 2022-03-29 | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019163594A true JP2019163594A (ja) | 2019-09-26 |
JP7050542B2 JP7050542B2 (ja) | 2022-04-08 |
Family
ID=68064325
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018050617A Active JP7050542B2 (ja) | 2018-03-19 | 2018-03-19 | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7050542B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111945900A (zh) * | 2020-08-25 | 2020-11-17 | 长安大学 | 一种犬骨-蜂窝式组合扁梁连接节点 |
CN112049418A (zh) * | 2020-09-25 | 2020-12-08 | 中国华西企业有限公司 | 一种铝模墙角防漏浆机构 |
CN113389268A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-09-14 | 黑龙江松瑞科技有限公司 | 装配式钢筋砼框架免拆模壳组合连接体系及其施工方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07207755A (ja) * | 1994-01-24 | 1995-08-08 | Ando Kensetsu Kk | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との接合部構造 |
JP2011106108A (ja) * | 2009-11-13 | 2011-06-02 | Daiwa House Industry Co Ltd | Rcs造柱梁接合構造 |
JP2015145556A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-13 | 株式会社ダイナミックデザイン | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との混合構造骨組 |
-
2018
- 2018-03-19 JP JP2018050617A patent/JP7050542B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07207755A (ja) * | 1994-01-24 | 1995-08-08 | Ando Kensetsu Kk | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との接合部構造 |
JP2011106108A (ja) * | 2009-11-13 | 2011-06-02 | Daiwa House Industry Co Ltd | Rcs造柱梁接合構造 |
JP2015145556A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-13 | 株式会社ダイナミックデザイン | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との混合構造骨組 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111945900A (zh) * | 2020-08-25 | 2020-11-17 | 长安大学 | 一种犬骨-蜂窝式组合扁梁连接节点 |
CN112049418A (zh) * | 2020-09-25 | 2020-12-08 | 中国华西企业有限公司 | 一种铝模墙角防漏浆机构 |
CN113389268A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-09-14 | 黑龙江松瑞科技有限公司 | 装配式钢筋砼框架免拆模壳组合连接体系及其施工方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7050542B2 (ja) | 2022-04-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7041588B2 (ja) | スラブ支持構造 | |
JP2019163594A (ja) | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造 | |
JP6004558B1 (ja) | 構造物の耐震補強構造 | |
JP4943141B2 (ja) | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の仕口構造 | |
JP2010047910A (ja) | 合成梁、合成梁施工方法、及び耐火建築物 | |
JP4284056B2 (ja) | 非埋込み型柱脚の施工方法及びその非埋込み型柱脚構造 | |
JP2006336395A (ja) | 耐震壁及び同耐震壁の構築方法 | |
JP7118507B2 (ja) | 鉄骨鉄筋コンクリート造の壁柱建物構造 | |
JP6192252B1 (ja) | 耐震構造部材 | |
JP4414833B2 (ja) | 波形鋼板を用いた耐震壁 | |
JP7270095B2 (ja) | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の混合構造 | |
JP2011026811A (ja) | 既存建物の耐震補強方法 | |
JP2017082548A (ja) | コンクリート基礎接合部材及び杭構造 | |
JP2009257079A (ja) | 耐震構造物 | |
JP2007162255A (ja) | コンクリートブロックによる耐震補強工法 | |
JPH07207755A (ja) | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との接合部構造 | |
JP6832053B2 (ja) | 耐震補強構造 | |
JP5843419B2 (ja) | 偏心柱梁接合部を有する外周架構 | |
JP7529813B2 (ja) | 構造体とその施工方法 | |
JP7482801B2 (ja) | 柱梁架構 | |
JP2018013006A (ja) | ブレース接合構造 | |
JP2024070559A (ja) | 柱基礎構造の設計方法 | |
TWI579449B (zh) | 挫曲拘束支撐及具有其之承載構造物 | |
JP2021147809A (ja) | 鉄筋コンクリート部材 | |
JPH07331739A (ja) | 柱・梁接合構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210126 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20211208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211221 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220315 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220329 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7050542 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |