JP6227452B2 - 壁柱構造 - Google Patents

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本発明は、壁柱構造に関する。
鉄筋コンクリート構造により建物を構築する場合において、室内の有効面積を広く確保することを目的として、柱の断面を長方形(扁平)にした壁柱を採用する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
長辺と短辺の比が比較的大きい長方形断面の壁柱100は、図7に示すように、同じ断面積の正方形断面の柱200と比較して、長辺方向に対する曲げ剛性が高く、断面せいが長いため、少ない主筋量で同等以上の曲げ耐力を確保することができる。
特開2013−57174号公報
長方形断面の壁柱100は、柱端部に主筋101の抜け出しによる回転変形が集中しやすく、圧壊ゾーンの幅(短辺)が小さい。
そのため、地震荷重等による大きな変形を受けた際には、図7の(b)に示すように、壁柱脚部および壁柱頭部の圧縮側の長辺方向端部のコンクリートに圧壊102等の損傷が生じやすくなる。
本発明は、前記の問題点を解決するものであり、壁柱脚部または壁柱頭部の損傷を抑制することを可能とした壁柱構造を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、第一の発明は、上下の構造部材と、前記上下の構造部材の間に立設された断面長方形の壁柱とを備える壁柱構造であって、前記壁柱の長辺方向端部に太径柱主筋が配筋されており、前記壁柱の上下両端面、または上端面もしくは下端面の長辺方向端部の少なくとも一端側と前記構造部材との間に隙間が形成されていて、前記太径柱主筋は前記隙間を貫通していることを特徴としている。
すなわち、第一の発明に係る壁柱構造は、壁柱の上端面と上側の構造部材との間および壁柱の下端面と下側の構造部材との間のうちの少なくとも一方に、隙間を備えるものである。そして、この隙間は、壁柱の長辺方向両端部のうちの少なくとも一方に形成されている。
また、第二の発明は、上下の構造部材と、前記上下の構造部材の間に立設された壁柱とを備える壁柱構造であって、前記壁柱は、断面長方形の第一の壁柱部と、前記第一の壁柱部と交差する断面長方形の第二の壁柱部とを有し、前記第一の壁柱部および前記第二の壁柱部の長辺方向端部に太径柱主筋が配筋されており、前記第一の壁柱部および前記第二の壁柱部の上下両端面、または上端面もしくは下端面の長辺方向端部と前記構造部材との間に隙間が形成されていて、前記太径柱主筋は前記隙間を貫通していることを特徴としている。
すなわち、第二の発明に係る壁柱構造は、壁柱の上端面と上側の構造部材および壁柱の下端面と下側の構造部材のうちの少なくとも一方において、第一の壁柱部および第二の壁柱部の長辺方向端部と構造部材との間に隙間を備えるものである。
かかる壁柱構造では、地震荷重等による大きな変形を受けた場合に、壁柱脚部または壁柱頭部の長辺方向端部に形成された隙間により当該変形を吸収する。したがって、本発明によれば、壁柱が圧壊等による損傷を受けることがない。
また、本発明によれば、壁柱の脚部または頭部に形成された隙間により地震時の変形エネルギーを吸収するため、制震装置等を別途設けるための手間や費用を低減することができる。
前記隙間に、前記太径柱主筋を被覆するコンクリートよりもヤング係数が小さい耐火材料を備えていれば、万が一火災等が生じた場合であっても、太径柱主筋の損傷を抑えることができる。
前記太径柱主筋に装着された上下一対の突起部材を備えていれば、壁柱の曲げによる圧縮・引張のひずみを太径柱主筋に集中させることができる。太径柱主筋に圧縮・引張のひずみが集中すると、太径柱主筋が早期に降伏するため、壁柱によるエネルギー吸収を効率的に行うことができる。
前記壁柱構造には、前記壁柱内または前記構造部材内の前記太径柱主筋の周囲に、拘束補強筋が配筋されていてもよい。この拘束補強筋は、壁柱の曲げによる圧縮・引張のひずみをより効率的に太径柱主筋に集中させることができる。
比較的壁厚が大きい壁柱の場合には、前記太径柱主筋を挟んで対向する一対の太径横補強筋を、前記壁柱の表面に沿って配筋してもよい。
かかる壁柱構造によれば、壁柱の脚部のコンクリートに局所的に生じる過大な応力を緩和するとともに、太径柱主筋からコンクリートへの応力伝達がよりスムーズになる。
本発明の壁柱構造によれば、壁柱脚部または壁柱頭部の損傷を抑制することが可能となる。
壁柱構造を備えた建物の平断面図である。 第一の実施形態に係る壁柱構造を示す立面図である。 (a)は第一の実施形態の壁柱構造の断面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)は(a)のY−Y断面図である。 第二の実施形態に係る壁柱構造を示す断面図である。 第三の実施形態に係る壁柱構造を示す平断面図である。 (a)は第四の実施形態に係る壁柱構造を示す平断面図であって、(b)および(c)は(a)の他の形態に係る壁柱構造を示す平断面図である。 (a)は従来の正方形断面の柱に地震荷重が作用した場合のイメージ図、(b)は従来の長方形断面の壁柱に地震荷重が作用した場合のイメージ図である。
本発明の実施形態に係る建物1は、図1に示すように、複数の壁柱2,2,…を備えている。
より具体的に、建物1は、建物1の外周面に沿って配設された断面長方形の壁柱2aと、エレベータコアEの四隅に配設された断面L字状の壁柱2bと、エレベータコアEの中間部に配設された断面T字状の壁柱2cと、建物1の平面中央部に配設された断面十字状の壁柱2dとを備えている。
<第一の実施形態>
第一の実施形態に係る壁柱構造10は、図2に示すように、壁柱2と床版3と梁4とを備えている。なお、以下では、断面長方形の壁柱2aを例に壁柱2の構成を説明する。
本実施形態の壁柱2aは、図1に示すように、建物10の外周に沿って所定の間隔をあけて多数配設されている。
なお、壁柱2aの配置や数は限定されるものではない。
壁柱2aは、鉄筋コンクリートにより構成されており、図2に示すように、梁4および床版3(上下の構造部材)により上下から挟まれた状態で立設している。
壁柱2aは、図3の(a)および(b)に示すように、断面長方形状のコンクリート部20と、壁柱2aの長辺方向端部にそれぞれ配筋された太径柱主筋21,21と、壁柱2aの水平断面長辺方向(壁幅方向)に沿って二列に配筋された複数の細径柱主筋22,22,…と、複数の細径柱主筋22,22,…を囲むように配筋された横補強筋23と、壁柱2aの水平断面短辺方向(壁厚方向)に沿って配筋された幅止め筋24,24,…とを備えている。
壁柱2aの下端面の長辺方向端部と床版3との間には、隙間11,11が形成されている。壁柱2aの下端面は、長辺方向の中央部が下向きに突出する凸字状を呈している。
壁柱2aの中央部(突出部分)を床版3に当接させることで、その両側(長辺方向端部)に隙間11,11が形成されている。
図2に示すように、壁柱2aの上端面の長辺方向端部と梁4との間にも、下端面と同様に隙間11,11が形成されている。壁柱2aの上端面は、長辺方向の中央部が上向きに突出する凸字状を呈している。
壁柱2aの中央部(突出部分)を梁4に当接させることで、その両側(長辺方向端部)に隙間11,11が形成されている。
隙間11の高さは、限定されるものではないが、本実施形態では太径鉄筋21の鉄筋径の1.5倍程度以下とする。
図2および図3の(a)に示すように、隙間11と壁柱2aの側面との角部および、隙間11と壁柱2aの突出部分との角部は、面取りされている。
なお、面取りは、必要に応じて行えばよい。
図2に示すように、隙間11には、耐火材料12が充填されている。耐火材料12を構成する材料は限定されないが、コンクリートのヤング係数の1/10程度の以下のヤング係数を備えた材料を使用する。
なお、本実施形態では隙間11を耐火材料12により充填する場合について説明したが、耐火材料12は太径主筋21の耐火対策になるものであれば,如何なるものを使用しても良い。例えば、鉄骨部材用の耐火塗料や耐火被覆材料を太径主筋21に塗布または被覆してもよい。
壁柱2aの長辺方向端部に配筋された太径柱主筋21は、隙間11を貫通している(図3の(a)参照)。
隙間11に露出した太径柱主筋21は、耐火材料12により被覆されている。
太径柱主筋21は、強軸方向(壁幅方向)の外力(地震荷重等)を負担する曲げ補強筋である。
太径柱主筋21は、細径柱主筋22に比べて、直径サイズが2倍以上、またはD22以上の太い径の鉄筋により構成されている。
太径柱主筋21は、壁柱2aの水平断面の短辺方向(壁厚方向)に隣り合う細径柱主筋22,22同士の間、かつ、壁柱断面の長辺方向(壁幅方向)で隣り合う細径柱主筋22,22同士の間に配筋されている。つまり、太径柱主筋21は、4本の細径柱主筋22,22,…の間のコアコンクリート部分に配筋されていて、コンクリート部20の短辺方向の中央部に配筋されているとともに、太径柱主筋21の被り厚さ方向(壁柱2の表面と直交する線と太径柱主筋21の軸心との間)に細径柱主筋22が配置されることがないように配筋されている。ただし、この細径柱主筋22は曲げ応力を伝達しないように、隙間位置を貫通していないため、太径柱主筋21の被り厚さ方向にあっても良い。
本実施形態では、壁柱2の両端部のそれぞれに、太径柱主筋21を1本ずつ配筋しているが、想定される地震力の大きさ、壁柱2の断面形状、太径柱主筋21の鉄筋径などの設計条件に応じて、太径柱主筋21を長辺方向端部に複数本ずつ配筋してもよい。
太径柱主筋21には、突起部材25,25が装着されている。
本実施形態の突起部材25は、ナットにより構成されていて、隙間11に面している。上下の突起部材25,25は隙間11を挟んで対向している。
なお、突起部材25を構成する材料は、太径柱主筋21の鉄筋径よりも大きな外形を有していれば限定されるものではなく、例えば、鋼板であってもよい。
壁柱2a内および床版3(梁4)内の太径柱主筋21の周囲には、拘束補強筋26,26が配筋されている。
本実施形態の拘束補強筋26は、いわゆるスパイラル筋により構成されている。
拘束補強筋26は、突起部材25に近接して配筋されている。
拘束補強筋26を配筋する範囲(太径柱主筋21の長さ方向の範囲)は、太径柱主筋21の鉄筋径の5倍程度以上が望ましい。また、拘束補強筋26を構成するスパイラル筋の内径(スパイラル筋により囲まれる平面積)は、突起部材25の外径(突起部材25の外形)よりも大きい。なお、拘束補強筋26の形状や鉄筋径等は限定されない。
細径柱主筋22,22,…は、二列配筋(ダブル配筋)されており、壁柱2aの表面から所定のコンクリート被り厚さを確保した位置に配筋されている。
壁柱2aの長辺方向中央部に配筋された細径柱主筋22,22,…は、壁柱2aと床版3(梁4)との間に跨って配筋されている。
横補強筋23は、壁柱2aの断面形状に応じて、矩形状に形成された、いわゆるフープ筋であって、主にせん断力を負担する。
横補強筋23は、壁柱2aの柱軸方向で、所定の間隔をあけて複数配筋されている。横補強筋23の鉄筋径等は適宜設定する。
幅止め筋24は、壁厚方向で隣合う細径柱主筋22,22を連結するものである。なお、幅止め筋24は、必要に応じて配筋すればよく、省略してもよい。また、幅止め筋24の鉄筋径等は適宜設定する。
本実施形態の壁柱構造10によれば、地震荷重等による大きな変形を受けた場合に、壁柱2の脚部の長辺方向端部に形成された隙間11により当該変形を吸収するため、壁柱2が圧壊等による損傷を受けることを防止できる。
壁柱2は、脚部に形成された隙間11により地震時の変形エネルギーを吸収するため、制震装置等を別途設けるための手間や費用を低減することができる。
また、太径柱主筋21は、隙間11内において耐火材料12により被覆されているため、万が一火災等が生じた場合であっても、太径柱主筋21の損傷を抑えることができる。
耐火材料12は、コンクリートよりもヤング係数の小さい材料により構成されているため、地震時等により隙間11の高さが変化した場合であっても、壁柱2の構造性に影響することがない。
隙間11の高さを太径柱主筋21の径の1.5倍程度以下の高さにすることで、隙間11内において太径柱主筋21が座屈することを防止することができる。
また、本実施形態の壁柱構造10は、隙間11のない壁柱構造と比較して、隙間11によって床版との設置面積が減少するため、太径柱主筋21の軸力負担割合が大きくなる。そのため、比較的小さな水平変形により太径柱主筋21が圧縮降伏しやすく、小変形時からエネルギー吸収性能が付与される。
同時に、コンクリート接地部では、曲げ抵抗時のコンクリート圧縮応力が軽減されるので、コンクリートの損傷を小さくする効果も得られる。
さらに、終局時には、圧縮側・引張側の太径柱主筋21,21が降伏していることから、圧縮引張の偶力で壁柱2の曲げ耐力がほぼ決定し、せん断耐力のアーチ機構分は圧縮側主筋の圧縮力で決定する。
したがって、壁柱2の設計においては、鉄筋の塑性域繰り返しによる応力割増を考慮したうえで、両太径柱主筋21,21による曲げ耐力と、圧縮側主筋量(圧縮力)で決まるアーチ機構によるせん断耐力を求め、せん断耐力の不足分を補うようにトラス機構を形成する横補強筋23の量を決定する。こうすることで、損傷が少なく、曲げ降伏先行型のエネルギー吸収性能に富んだ壁柱2を実現できる。
太径柱主筋21には、隙間11を挟んで上下一対の突起部材25,25が装着されているため、壁柱2の曲げによる圧縮・引張のひずみを太径柱主筋21に集中させることができる。太径柱主筋21に圧縮・引張のひずみを集中させると、太径柱主筋21が早期に降伏するため、壁柱2によるエネルギー吸収を効率的に行うことができる。
また、太径柱主筋21の周囲には、突起部材25に近接して拘束補強筋26が配筋されているため、太径柱主筋21とコンクリート20との付着性能が向上している。
こうすることで、太径柱主筋21に引張応力が生じた際に、太径柱主筋21がコンクリート20部から抜け出すことを防止することができる。太径柱主筋21の抜け出しを防止すれば、隙間11に引張ひずみを集中させて、より効率的に、壁柱2の曲げによる圧縮・引張のひずみを太径柱主筋21に集中させることができる。
また、拘束補強筋26の内径を突起部材25の外径よりも大きくしているため、太径柱主筋21に圧縮応力が作用した際に、突起部材25の周囲のコンクリート20に生じる支圧応力に対する補強としても拘束補強筋26が機能する。
本実施形態では、壁柱2の上端(頭部)および下端(脚部)にそれぞれ隙間11を形成するものとしたが、隙間11は、下端(脚部)または上端(頭部)のみに形成してもよい。
また、本実施形態では、壁柱2の長辺方向両端部に隙間11,11を形成するものとしたが、隙間11は、壁柱2の長辺方向の一方の端部のみに設けても良い。
<第二の実施形態>
第二の実施形態の壁柱構造10は、図4に示すように、壁柱2が、プレキャスト部材により構成されている点で、第一の実施形態と異なっている。
壁柱2には、隙間11に面して開口する鉄筋継手金物27が埋設されている。
一方、壁柱2が設置される床版3には、太径主筋21aが植設されている。
鉄筋継手金物27の一端(隙間11と反対側の端部)には、壁柱2内に配筋された太径柱主筋21が挿入されており、鉄筋継手金物27の他端(隙間11側の端部)には、床版3(梁4)から延設された太径主筋21aが挿入されている。
すなわち、鉄筋継手金物27は、壁柱2の太径柱主筋21と床版3の太径主筋21aを連結している。
壁柱2の細径柱主筋22,22,…の先端は、壁柱2内に納まっていて、床版3(梁4)に定着していない。
また、壁柱2と床版3(梁4)との接合面には、接合目地28が介設されている。なお、接合目地を構成する材料は限定されないが、例えばモルタル等を使用すればよい。
この他の第二の実施形態の壁柱構造10の詳細は、第一の実施形態の壁柱構造10と同様なため、詳細な説明は省略する。
第二の実施形態の壁柱構造10によれば、壁柱2にプレキャスト部材を使用しているため、施工期間の短縮化を図ることができる。
この他の第二の実施形態に係る壁柱構造10の作用効果は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
<第三の実施形態>
第三の実施形態では、図5に示すように、壁柱構造10の壁柱2の断面形状が比較的大きい場合について説明する。
本実施形態の壁柱2は、長辺方向両端部にそれぞれ太径柱主筋21が4本ずつ配筋されている。4本の太径柱主筋21,21,…は、拘束補強筋26により拘束されている。
なお、太径柱主筋21の本数は限定されない。
また、壁柱2の脚部には、細径柱主筋22の外周囲に配筋された横補強筋23に加えて、横補強筋23よりも鉄筋径が大きい太径横補強筋29,29が配筋されている。
本実施形態では、一対の太径横補強筋29,29が、壁柱2の長辺方向(表面)に沿って、太径柱主筋21,21,…を挟んで対向するように配筋されている。
なお、太径横補強筋29の鉄筋径や段数は限定されない。また、太径横補強筋29の端部に太径横補強筋29の断面形状よりも大きな形状の定着金物を取り付けることにより、コンクリート20を横拘束してもよい。
この他の第三の実施形態の壁柱構造10の詳細は、第一の実施形態の壁柱構造10と同様なため、詳細な説明は省略する。
本実施形態の壁柱構造10によれば、太径横補強筋29,29が壁部のせん断補強に寄与するとともに、コンクリート20に生じる局所的な応力を緩和する。
すなわち、太径柱主筋21,21,…に生じる大きな圧縮力や引張力によって隙間11の上下のコンクリート20には、局所的に過大な応力が生じるが、太径横補強筋29,29がこの応力を緩和する。
また、太径横補強筋29,29は、太径柱主筋21,21,…からコンクリート20への応力伝達にも寄与する。
壁柱2は、太径柱主筋21,21,…が複数本配筋されているため、壁柱2の脚部の曲げ抵抗力を向上されている。
この他の第三の実施形態に係る壁柱構造10の作用効果は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
<第四の実施形態>
第四の実施形態の壁柱構造10は、図6の(a)〜(c)に示すように、断面L字状、T字状、十字状の壁柱2b〜2dを有している点で、第一の実施形態の壁柱構造10と異なっている。
壁柱2b〜2dは、いずれも断面長方形の第一の壁柱部2Aと第一の壁柱部2Aと交差する断面長方形の第二の壁柱部2Bとを有している。
本実施形態の壁柱2bは、第一の壁柱部2Aと、第二の壁柱部2Bとにより、断面視L字状に形成されている。
第一の壁柱部2Aと第二の壁柱部2Bは、互いの長辺方向端部において、接続されている。
本実施形態では、第一の壁柱部2Aと第二の壁柱部2Bとが直交しているが、第一の壁柱部2Aと第二の壁柱部2Bとの角度は限定されない。
第一の壁柱部2Aおよび第二の壁柱部2Bの長辺方向端部には、太径柱主筋21が配筋されている。第一の壁柱部2Aと第二の壁柱部2Bの交差部(角部)に配筋された太径柱主筋21は、第一の壁柱部2Aおよび第二の壁柱部2Bに共通の鉄筋である。
すなわち、壁柱2bには、断面先端部に太径柱主筋21が配筋されており、計3本の太径柱主筋21,21,21が配筋されている。
また、第一の壁柱部2Aおよび第二の壁柱部2Bの下端面の長辺方向端部と床版3との間には、3本の太径柱主筋21,21,21に対応して3つの隙間11,11,11、が形成されている。
この他の第四の実施形態の壁柱構造10の詳細は、第一の実施形態の壁柱構造10と同様なため、詳細な説明は省略する。
なお、壁柱2は、第一の壁柱2Aおよび第二の壁柱部2Bは、必ずしもL字状に接続している必要はない。
例えば、図6の(b)に示す壁柱2cのように、第一の壁柱部2Aの長辺方向中央部に第二の壁柱部2Bが接続することにより、断面視T字状を呈していてもよい。
なお、壁柱2cの第一の壁柱部2Aは両端に太径柱主筋21が配筋されている。一方、第一の壁柱部2Aよりも短い第二の壁柱部2Bは、第一の壁柱部2Aから遠い側の端部に太径柱主筋21が配筋されている。
すなわち、壁柱2cには、断面先端部に太径柱主筋21が配筋されており、計3本の太径柱主筋21,21,21が配筋されている。
また、壁柱2cの第一の壁柱部2Aおよび第二の壁柱部2Bの下端面の長辺方向端部と床版3との間には、3本の太径柱主筋21,21,21に対応して3つの隙間11,11,11が形成されている。
また、図6の(c)に示す壁柱2dのように、第一の壁柱部2Aの長辺方向中央部において、第二の壁柱部2Bが交差することにより、断面視十字状を呈していてもよい。
なお、壁柱2dの第一の壁柱部2Aおよび第二の壁柱部2Bの両端には、太径柱主筋21が配筋されている。
すなわち、壁柱2dには、断面先端部に太径柱主筋21が配筋されており、計4本の太径柱主筋21,21,…が配筋されている。
また、壁柱2dの第一の壁柱部2Aおよび第二の壁柱部2Bの下端面の長辺方向端部と床版3との間には、4本の太径柱主筋21,21,…に対応して4つの隙間11,11,…が形成されている。
第四の実施形態に係る壁柱構造10によれば、壁柱2が、直交する2方向に対してエネルギー吸収能力を発揮する。
この他の第四の実施形態に係る壁柱構造10の作用効果は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、壁柱2の断面寸法や、太径柱主筋21および細径柱主筋22の鉄筋径は適宜設定すればよい。
また、コンクリート20としては、普通コンクリートの他、高強度コンクリートや繊維補強コンクリートを使用することで、壁柱のさらなる小断面化を図ってもよい。
また、上端に形成された隙間11と下端に形成された隙間11の形状は、必ずしも同一である必要はない。
また、突起部材25は必要に応じて形成すればよい。
同様に拘束補強筋26も必要に応じて配筋すればよい。
1 建物
10 壁柱構造
11 隙間
12 耐火材料
2 壁柱
2A 第一の壁柱部
2B 第二の壁柱部
20 コンクリート
21 太径柱主筋
22 細径柱主筋
25 突起部材
26 拘束補強筋
3 床版(構造部材)
4 梁(構造部材)

Claims (4)

  1. 上下の構造部材と、前記上下の構造部材の間に立設された断面長方形の壁柱と、を備える壁柱構造であって、
    前記壁柱の長辺方向端部に太径柱主筋が配筋されており、
    前記壁柱の上下両端面、または上端面もしくは下端面の長辺方向端部の少なくとも一端側と前記構造部材との間に隙間が形成されていて、
    前記太径柱主筋は、前記隙間を貫通していることを特徴とする、壁柱構造。
  2. 上下の構造部材と、前記上下の構造部材の間に立設された壁柱と、を備える壁柱構造であって、
    前記壁柱は、断面長方形の第一の壁柱部と、前記第一の壁柱部と交差する断面長方形の第二の壁柱部とを有し、
    前記第一の壁柱部および前記第二の壁柱部の長辺方向端部に太径柱主筋が配筋されており、
    前記第一の壁柱部および前記第二の壁柱部の上下両端面、または上端面もしくは下端面の長辺方向端部と前記構造部材との間に隙間が形成されていて、
    前記太径柱主筋は、前記隙間を貫通していることを特徴とする、壁柱構造。
  3. 前記隙間に、前記太径柱主筋を被覆するコンクリートよりもヤング係数が小さい耐火材料を備えていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の壁柱構造。
  4. 前記太径柱主筋は上下一対の突起部材を備えており、前記突起部材は前記隙間に面していることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の壁柱構造。
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