JP2011069148A - 建物の構造 - Google Patents

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Hiroyuki Uetake
宏幸 植竹
Tomoyuki Inaba
知之 稲葉
Tsutomu Ito
務 伊藤
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Abstract

【課題】高層や超高層の建物内に無柱の広い空間を確保することができる。
【解決手段】建物の中心部を囲うように設けられた鉄筋コンクリート造のコアウォール11から構成されたコアチューブ架構2と、建物の外周部に設けられた鉄筋コンクリート柱3と第一の鉄骨梁4とから構成された外周ラーメン架構5と、コアチューブ架構2と外周ラーメン架構5との間に架設された第二の鉄骨梁6とを備える。鉄筋コンクリート柱3と第一の鉄骨梁4との仕口部は、第一の鉄骨梁4が鉄筋コンクリート柱3を貫通し、鉄筋コンクリート柱3を囲繞するように薄型鋼板の四角筒状のふさぎ板が設けられている。ふさぎ板の内側には、柱主筋およびあばら筋が配されて、コンクリートが打設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の構造に関し、特に、高層や超高層のオフィスビル等に適用できる建物の構造に関する。
従来、物販・物流施設や倉庫などの低層建物では、鉄筋コンクリート造の柱と鉄骨造の梁とからなる複合化構法が採用されている。この構法は、鉄筋コンクリート造の低コスト性と鉄骨造の短工期性というそれぞれの長所を組み合わせた構法である。また、構造的にも、柱には圧縮に強い鉄筋コンクリートを、梁には曲げに強い鉄骨を使うことにより、柱間を広くでき、広い無柱空間を確保することができる。
特許文献1によれば、拡径部を有するアンカー筋が梁の材軸方向の端面から突出し、柱と梁の仕口部に充填されるコンクリート内に埋設されている鉄筋コンクリート造の柱と鉄骨造の梁との接合構造が提案されている。
この鉄筋コンクリート造の柱と鉄骨造の梁の接合構造では、拡径部を有するアンカー筋を鉄骨梁の端面に突設し、柱と梁の仕口部に充填されるコンクリート内に当該アンカー筋を埋設させるので、施工性に優れ、短工期且つ低コストで物販・物流施設や倉庫などを建設することができる。
特開2006−144535号公報
しかしながら、従来の鉄筋コンクリート造の柱と鉄骨造の梁とからなる複合化構法は、低層建物において数多く採用されているが、高層建物においては構造的な理由から柱間を広くとることが難しく採用されることは無かった。そして、例えば、柱のスパンが20m程度のオフィスビルなどの高層建物や超高層建物では、鉄骨造やCFT(Concrete Filled Steel Tube)造となることがほとんどであり、近年の鉄骨材の価格高騰による建物の建設コストへの影響が大きかった。
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたもので、高層建物や超高層建物においても柱間を広くとることができて、施工性に優れ、短工期且つ低コストの建物の構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る建物の構造は、建物の中心部を囲うように設けられた鉄筋コンクリート造のコアウォールから構成されたコアチューブ架構と、前記建物の外周部に設けられた鉄筋コンクリート柱と第一の鉄骨梁とから構成された外周ラーメン架構と、前記コアチューブ架構と前記外周ラーメン架構との間に架設された第二の鉄骨梁とを備えることを特徴とする。
本発明では、建物の中心部を囲うように設けられた鉄筋コンクリート造のコアウォールから構成されたコアチューブ架構を備えることにより、コアチューブ架構が建物の軸力および水平力を負担し、建物の剛性を高めることができる。また、建物の外周部に設けられた鉄筋コンクリート柱と第一の鉄骨梁とから構成された外周ラーメン架構を備えることにより、鉄筋コンクリート柱が建物の軸力を負担し、第一の鉄骨梁が建物の水平力を負担することができる。
そして、コアチューブ架構と外周ラーメン架構とが建物の軸力と水平力を負担することにより、第二の鉄骨梁をロングスパン梁として架設する柱間を広くとることができるので、建物内に広い無柱空間を確保することができる。
また、本発明に係る建物の構造では、前記鉄筋コンクリート柱と前記第一の鉄骨梁との仕口部は、前記第一の鉄骨梁が前記鉄筋コンクリート柱を貫通していると共に、前記鉄筋コンクリート柱を囲繞するように鋼板が設けられていることを特徴とする。
本発明では、鉄筋コンクリート柱と第一の鉄骨梁との仕口部は、第一の鉄骨梁が鉄筋コンクリート柱を貫通していると共に、鉄筋コンクリート柱を囲繞するように鋼板が設けられていることにより、仕口部の耐力を高めることができると共に、仕口部を簡易な形状とすることができて建設工期と建設コストを縮減することができる。
また、本発明に係る建物の構造では、前記鉄筋コンクリート柱と前記第二の鉄骨梁との仕口部は、拡径部を有するアンカー筋が前記第二の鉄骨梁の軸方向の端面から突出し前記鉄筋コンクリート柱のコンクリート内に埋設されていることを特徴とする。
本発明では、鉄筋コンクリート柱と第二の鉄骨梁との仕口部は、拡径部を有するアンカー筋が第二の鉄骨梁の軸方向の端面から突出し鉄筋コンクリート柱のコンクリート内に埋設されていることにより、第二の鉄骨梁の端部の剛性を高めることができると共に第二の鉄骨梁のたわみや層間変形を小さくすることができて、第二の鉄骨梁をロングスパン梁とすることができ建物内に広い無柱空間を確保することができる。
また、第二の鉄骨梁の断面を小さくすることができ、更に空間を広くとることができると共に、第二の鉄骨梁の運搬や加工などが行いやすく施工性を向上させることができる。
また、本発明に係る建物の構造では、前記鉄筋コンクリート柱と前記第二の鉄骨梁との仕口部は、前記第二の鉄骨梁の端部側が鉄筋コンクリートに被覆され、前記鉄筋コンクリート柱および前記第二の鉄骨梁の端部側の鉄筋コンクリートをPC鋼材が貫通し、前記PC鋼材にプレストレスが導入されていることを特徴とする。
本発明では、鉄筋コンクリート柱と第二の鉄骨梁との仕口部は、第二の鉄骨梁の端部側が鉄筋コンクリートに被覆され、鉄筋コンクリート柱および第二の鉄骨梁の端部側の鉄筋コンクリートをPC鋼材が貫通し、前記PC鋼材にプレストレスが導入されていることにより、第二の鉄骨梁が鉄筋コンクリート柱と剛に接合され外周ラーメン架構とコアチューブ架構とを剛に接合することができると共に、接合を容易に行うことができ工期を短縮できてコストを削減することができる
また、本発明に係る建物の構造では、前記コアチューブ架構は複数の前記コアウォールから構成されていて、隣接する前記コアウォールの間には制震ダンパーとして機能する境界梁が設けられていることが好ましい。
本発明では、コアチューブ架構は複数のコアウォールから構成されていて、隣接するコアウォールの間には制震ダンパーとして機能する境界梁が設けられていることにより、地震時にコアチューブ架構に作用する地震エネルギーを境界梁が吸収し制震効果を発揮することができる。
また、本発明に係る建物の構造では、建物の中心部を囲うように設けられた鉄筋コンクリート造のコアウォールから構成されたコアチューブ架構と、前記建物の外周部に設けられた鉄筋コンクリート造の柱と梁とから構成された外周ラーメン架構と、前記コアチューブ架構と前記外周ラーメン架構との間に架設された鉄骨梁とを備え、前記鉄筋コンクリート柱と前記鉄骨梁との仕口部は、拡径部を有するアンカー筋が前記鉄骨梁の軸方向の端面から突出し前記鉄筋コンクリート柱のコンクリート内に埋設されていることを特徴とする。
本発明では、建物の中心部に設けられたコアチューブ架構と外周部に設けられた外周ラーメン架構のいずれも鉄筋コンクリート造としたので、それらの架構の剛性を適切に設定することでそれらの双方により軸力および水平力を分担して負担することができ、建物全体の構造安定性をバランス良く確保することができる。そして、コアチューブ架構と外周ラーメン架構とが建物の軸力と水平力を負担することにより、鉄骨梁をロングスパン梁として架設する柱間を広くとることができるので、建物内に広い無柱空間を確保することができる。
また、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との仕口部は、拡径部を有するアンカー筋が鉄骨梁の軸方向の端面から突出し鉄筋コンクリート柱のコンクリート内に埋設されていることにより、鉄骨梁の端部の剛性を高めることができると共に鉄骨梁のたわみや層間変形を小さくすることができる。
本発明によれば、建物にコアチューブ架構と外周ラーメン架構とを備えていて、コアチューブ架構と外周ラーメン架構とが建物の軸力と水平力とを負担することにより、第二の鉄骨梁をロングスパン梁とすることができて、高層ビルや超高層ビルにおいても建物内に広い無柱空間を確保することができる。
本発明の第一の実施の形態による建物の構造の一例を示す図で基準階の平面図である。 図1に示す建物の構造に備える仕口部の一例を示す斜視図である。 本発明の第二の実施の形態による建物の構造の一例を示す図で基準階の平面図である。 図3に示す建物の構造に備える鉄筋コンクリート柱と第二の鉄骨梁との接合部を示す図である。 図4に示す第二の鉄骨梁を示す斜視図である。 (a)は本発明の第三の実施の形態による建物の構造に備える鉄筋コンクリート柱と第二の鉄骨梁との接合部を示す図で(b)のA−A線断面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。 本発明の第二および第三の実施の形態による建物の構造の変形例を示す図で基準階の平面図である。
(第一の実施の形態)
以下、本発明の第一の実施の形態による建物の構造について、図1および図2に基づいて説明する。
図1に示すように、第一の実施の形態による建物の構造1は、例えば高さ100mほどのオフィスビルなどの高層ビルや超高層ビルの構造で、建物の中心部に設けられた鉄筋コンクリート造のコアチューブ架構2と、外周部に設けられた鉄筋コンクリート柱3と第一の鉄骨梁4とからなる外周ラーメン架構5と、コアチューブ架構2と外周ラーメン架構5との間に架設された第二の鉄骨梁6とから概略構成される。
コアチューブ架構2は、4枚の略L字型状のコアウォール11が各階に中心部を囲うように設けられていて、コアウォール11が全体として建物の最下階から最上階まで連続する角筒状をなしている。コアチューブ架構2は、それ自体で充分な剛性を有して建物に作用する軸力および水平力を有効に負担している。
同一階における各コアウォール11の間には、短スパンの鉄骨梁である境界梁12が設けられている。境界梁12は、各階に設けられていて、地震時にコアウォール11を変形または変位させる振動エネルギーを塑性変形することで吸収する制震ダンパーとして機能する。
このコアチューブ架構2は、内側がエレベータや階段等のコア部として使用され、外側が無柱大空間の事務室などの居室として使用される。隣り合うコアウォール11の間には開口部13が確保されていて、この開口部13は通路として使用される。
図2に示すように、外周ラーメン架構5は、鉄筋コンクリート柱3と第一の鉄骨梁4とから構成されていて、この仕口部21は、第一の鉄骨梁4が鉄筋コンクリート柱3を貫通し、鉄筋コンクリート柱3を囲繞するように薄型鋼板の四角筒状のふさぎ板22が設けられている構造である。
ふさぎ板22は仕口部21のせん断補強部材であり、例えば6mm程度の厚さの薄型鋼板である。
仕口部21は、柱主筋23がふさぎ板22の内側の四隅部に、それぞれ3本ずつ挿通されており、これらの柱主筋23を囲むようにあばら筋24が配されて、ふさぎ板22の内側には図示しないが、コンクリートが打設される。
外周ラーメン架構5は、鉄筋コンクリート柱3が主に建物に作用する軸力を負担し、第一の鉄骨梁4が水平地震力を負担しており、充分な剛性を有している。
そして、第一の実施の形態による建物の構造1では、図1に示すコアチューブ架構2と外周ラーメン架構5の双方が建物の軸力および水平力を分担して負担するように、双方の剛性を適切に設定する。これにより、建物は、建物全体の構造安定性をバランス良く確保することができ、優れた耐震性能を有するものとなる。なお、コアチューブ架構2と外周ラーメン架構5とによる水平地震力の分担は、建物の形態や規模等の諸条件を考慮して最適となるように決定すれば良いが、たとえば前者の負担を60%程度、後者の負担を40%程度とすることが考えられる。
そして、本構造では建物に作用する水平力はコアチューブ架構2と外周ラーメン架構5とが負担しているので、第二の鉄骨梁6は、建物に作用する水平力を負担しなくてもよいことになる。つまり、第二の鉄骨梁6は、コアチューブ架構2と外周ラーメン架構5との間に架設されてそれらを連結しているが、外周ラーメン架構5の一部を構成する必要はなく、単に床荷重を負担し得るように設ければ良いので、所定の引張耐力を有する形態とすればよく、断面形状を小さくしたり、ロングスパン梁としたりすることができる。
また、第二の鉄骨梁6は、コアチューブ架構2および外周ラーメン架構5に対する接合部をピン構造とすることができる。
外周ラーメン架構5に対する第二の鉄骨梁6の接合は、例えば、図2に示すように、ふさぎ板22に第二の鉄骨梁6を接合したり、図示しないが、ふさぎ板22に第二の鉄骨梁6を支持するブラケットを設けて、ブラケットに接合したりすればよい。
また、コアチューブ架構2に対する第二の鉄骨梁6の接合は、外周ラーメン架構5に対する接合と同様に、ふさぎ板を設置してこのふさぎ板に接合したり、ブラケットを設置してブラケットに接合したりすればよい。
次に、上述した第一の実施の形態による建物の構造1の作用について図面を用いて説明する。
図1に示すように、第一の実施の形態による建物の構造1は、コアチューブ架構2と外周ラーメン架構5とによって建物全体の構造安定性をバランス良く確保することができるので、コアチューブ架構2と外周ラーメン架構5との間に架設される第二の鉄骨梁6はロングスパン梁とすることができると共に断面形状を小さくすることができる。
また、コアチューブ架構2および外周ラーメン架構5に対する第二の鉄骨梁6の接合部はピン接合とすることができて、接合部の構造を簡略化することができる。
また、図2に示すように、外周ラーメン架構5は、仕口部21が第一の鉄骨梁4が鉄筋コンクリート柱3を貫通して、鉄筋コンクリート柱3を囲繞するように薄型鋼板の四角筒状のふさぎ板22が設けられていることにより、仕口部21の耐力を高めることができると共に、仕口部21の構造を簡略化することができる。
また、図1に示すように、同一階において各コアウォール11の間には、境界梁12が設けられていて、地震時には制震ダンパーとして機能するので、建物全体に対して優れた制震性能を付与することができる。
第一の実施の形態による建物の構造1によれば、第二の鉄骨梁6をロングスパンの梁とすることができるので、高層建物や超高層建物においても無柱の広い空間を確保することとができる効果を奏する。
また、従来の鉄骨造の建物と比べて鉄骨の量を減らすことができるので、建設コストを削減することができる。
また、仕口部21や、コアチューブ架構2および外周ラーメン架構5と第二の鉄骨梁6との接合部の構造を簡略化できるので、建設工期を短縮することができる。
次に、第二の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第一の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第一の実施の形態と異なる構成について説明する。
(第二の実施の形態)
図3に示すように、第二の実施の形態による建物の構造31では、H形鋼からなる第二の鉄骨梁36は、その両側または片側の端部36a側が鉄筋コンクリートで被覆されている。
図4に示すように、第二の鉄骨梁36の材軸方向の端面には鋼製のエンドプレート52が溶接されている。エンドプレート52には、端部に定着板55aを有するアンカー筋55が複数溶接されている。この定着板55aは、コアチューブ架構32のコアウォール41(図3参照)および外周ラーメン架構35の鉄筋コンクリート柱33に接合された際に、コアウォール41および鉄筋コンクリート柱33の断面のほぼ中心部まで達している。
第二の鉄骨梁36の端部36a側を覆っている鉄筋コンクリートは、矩形断面を有するハーフプレキャストコンクリート56である。
ハーフプレキャストコンクリート56の下部側には、梁主筋53が第二の鉄骨梁36の材軸方向に沿って配設されており、ハーフプレキャストコンクリート56の接合部に当接する端面から延出している。当該梁主筋53および第二の鉄骨梁36を取り囲むように、あばら筋54が配設されている。ハーフプレキャストコンクリート56上面からは、あばら筋54の上部側および第二の鉄骨梁36の上フランジ上面が露出している。ハーフプレキャストコンクリート56および第二の鉄骨梁36の上部には、床スラブの現場打ちコンクリートが打設され、あばら筋54は床スラブ内に埋設される。
また、図5に示すように、接合部に当接するハーフプレキャストコンクリート56の端面には、凹凸部56aが複数形成されている。凹凸部56aはシアコッターとして機能し、コアチューブ架構32および外周ラーメン架構35と第二の鉄骨梁36との接合部のせん断耐力の向上に寄与する。
一方、コアチューブ架構32および外周ラーメン架構35の鉄筋コンクリート柱33は、例えば、その上端が第二の鉄骨梁36の底面の位置に止められた場所打ちコンクリート柱あるいはプレキャストコンクリート柱である。ここで、プレキャストコンクリート柱とすれば、高品質な構造物を短工期で実現することができる。
外周ラーメン架構35の鉄筋コンクリート柱33には材軸方向に沿って柱主筋(図示省略)が配設されており、柱主筋には帯筋(図示省略)が巻かれている。
コアチューブ架構32および外周ラーメン架構35の鉄筋コンクリート柱33と第二の鉄骨梁36の接合部内にはコンクリートが充填され、第二の鉄骨梁36から突出するアンカー筋55が当該コンクリート内に埋設される。
外周ラーメン架構35の鉄筋コンクリート柱33と第一の鉄骨梁34との接合は、第二の鉄骨梁36と同様に、第一の鉄骨梁34にエンドプレートとアンカー筋とを備えて、アンカー筋を鉄筋コンクリート柱33のコンクリートに定着させて行ってもよい。
第二の実施形態による建物の構造31によれば、第二の鉄骨梁36は端部36a側が鉄筋コンクリート造で被覆されているので、第二の鉄骨梁26の剛性が高くなり、長期の撓みや地震時の層間変形を小さくすることができ、第二の鉄骨梁36をロングスパンとすることができて、高層建物や超高層建物においても無柱の広い空間を確保することができる効果を奏する。
また、第二の鉄骨梁36の材軸方向の端面にエンドプレート52が取り付けられて、このエンドプレートには定着板55aを有するアンカー筋55が溶接され、アンカー筋55がコアチューブ架構32および外周ラーメン架構35の鉄筋コンクリート柱33と第二の鉄骨梁36との接合部に充填されるコンクリート内に埋設させるので、従来行われている第二の鉄骨梁36のフランジに柱主筋を挿通させるための孔を穿設する作業が不要となり、第二の鉄骨梁36の加工作業が極めて容易となる。その結果、工期を短縮できてコストを削減することができる。
第三の実施の形態による建物の構造では、図6に示すように、H形鋼からなる第二の鉄骨梁66は、その両側または片側の端部66a側が鉄筋コンクリートで被覆されている。
第二の鉄骨梁66の端部66a側を覆っている鉄筋コンクリートは、矩形断面を有するプレキャスト部材76である。
プレキャスト部材76には、その下部側で第二の鉄骨梁66の下方に、梁主筋73が第二の鉄骨梁66の材軸方向に沿って配設されており、この梁主筋73および第二の鉄骨梁66を取り囲むように、あばら筋74と集中補強筋75が配設されている。
プレキャスト部材76は、コンクリート上面が第二の鉄骨梁66の上面と同じ高さに形成され、第二の鉄骨梁66の上方に配設された梁主筋73とあばら筋74の上部側はコンクリート上面から露出している。プレキャスト部材76および第二の鉄骨梁66の上部には床スラブの現場打ちコンクリートが打設され、露出している梁主筋73およびあばら筋74は床スラブ内に埋設される。
第二の鉄骨梁66と、外周ラーメン架構35の鉄筋コンクリート柱33またはコアチューブ架構32のコアウォール41とは、プレキャスト部材76と鉄筋コンクリート柱33またはコアウォール41とを第二の鉄骨梁66の材軸方向に貫通するPC鋼棒(PC鋼材)78などの緊張材を設置し、PC鋼材78にプレストレスを導入することで接合されている。プレキャスト部材76と、コアウォール41または鉄筋コンクリート柱33との間には目地モルタル77が充填されている。
外周ラーメン架構35の鉄筋コンクリート柱33と第一の鉄骨梁との接合は、第二の鉄骨梁66と同様に、第一の鉄骨梁34の端部にプレキャスト部材76を設けて、プレキャスト部材76と鉄筋コンクリート33とを貫通するPC鋼棒78にプレストレスを導入して行ってもよい。
第三の実施形態による建物の構造によれば、第二の鉄骨梁66は端部66a側にプレキャスト部材76が設けられているので、第二の鉄骨梁66の剛性が高くなり、長期の撓みや地震時の層間変形を小さくすることができ、第二の鉄骨梁66をロングスパンとすることができて、高層建物や超高層建物においても無柱の広い空間を確保することができる効果を奏する。
また、プレキャスト部材76は鉄筋コンクリート柱33またはコアウォール41とPC鋼棒78により接合されているので、第二の鉄骨梁66は外周ラーメン架構35とコアチューブ架構32とを剛に接合することができると共に、接合を容易に行うことができ工期を短縮できてコストを削減することができる。
以上、本発明による建物の構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、基準階の平面形状がほぼ正方形である高さが100m程のオフィスビルへの適用例であるが、本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、様々な規模、平面形状、用途の建物に広く適用できることはいうまでもなく、建物の規模や平面プラン、用途に応じて様々な設計的な変更や応用が可能である。
また、上記の実施の形態では、コアチューブ架構2を4枚のコアウォール11により構成して各コアウォール11の間に通路としての開口部13を確保するものとしたが、コアチューブ架構2の形態は実質的に筒状として必要位置に開口部を設けたものであれば良く、建物の平面プランに応じて適宜設計すれば良い。同様に外周ラーメン架構5のスパン割りや第一および第二の鉄骨梁4、6の架設位置等も任意に設計すれば良い。
また、上記の実施の形態では、各コアウォール11間に制震ダンパーとしての境界梁12を設けたが、必ずしもそうする必要はなく、制震ダンパーが不要であれば省略しても良いし、境界梁12に代えて、あるいはそれに加えて、他の形式の制震ダンパーをコアチューブ架構2や外周ラーメン架構5に組み込んだり任意の位置に設けたりしても勿論良い。建物全体あるいは地上階を免震装置により免震支持することも考えられる。
また、上記の第一の実施の形態では、コアチューブ架構2と外周ラーメン架構5との間に架設する第二の鉄骨梁6は実質的にピン接合することで充分ではあるが、それに限るものでもなく、敢えて剛接合としても差し支えない。
また、第二および第三の実施の形態では、外周ラーメン架構35は鉄筋コンクリート柱33と第一の鉄骨梁34とから構成されているが、図7に示すように、外周ラーメン架構65を鉄筋コンクリート柱63と鉄筋コンクリート梁64とから構成してもよく、建物の構造61は、この外周ラーメン架構65とコアチューブ架構32との間に第二の実施の形態による第二の鉄骨梁36または第三の実施の形態による第二の鉄骨梁66が架設された構成としてもよい。
このような構成とすることにより、この建物の構造61は第二または第三の実施の形態と同様の効果を奏する。また、外周ラーメン架構65が鉄筋コンクリート柱63と鉄筋コンクリート梁64とから構成されるので、施工性がよく、外周ラーメン架構35に鉄骨梁を使用する場合と比べて、鋼材の使用量が減りコストを削減することができる。
また、上記の第二の実施の形態では、第二の鉄骨梁36の端部側36aは鉄筋コンクリートで被覆されているが、第二の鉄骨梁36の両端部からアンカー筋55が突出している構成であれば、鉄筋コンクリートで被覆しなくてもよい。
1、31、61 建物の構造
2、32 コアチューブ架構
3、33、63 鉄筋コンクリート柱
4、34 第一の鉄骨梁
5、35、65 外周ラーメン架構
6、36、66 第二の鉄骨梁
11、41 コアウォール
12 境界梁
22 ふさぎ板
55 アンカー筋
55a 定着板(拡径部)
64 鉄筋コンクリート梁
78 PC鋼棒(PC鋼材)

Claims (6)

  1. 建物の中心部を囲うように設けられた鉄筋コンクリート造のコアウォールから構成されたコアチューブ架構と、
    前記建物の外周部に設けられた鉄筋コンクリート柱と第一の鉄骨梁とから構成された外周ラーメン架構と、
    前記コアチューブ架構と前記外周ラーメン架構との間に架設された第二の鉄骨梁とを備えることを特徴とする建物の構造。
  2. 前記鉄筋コンクリート柱と前記第一の鉄骨梁との仕口部は、前記第一の鉄骨梁が前記鉄筋コンクリート柱を貫通していると共に、前記鉄筋コンクリート柱を囲繞するように鋼板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物の構造。
  3. 前記鉄筋コンクリート柱と前記第二の鉄骨梁との仕口部は、拡径部を有するアンカー筋が前記第二の鉄骨梁の軸方向の端面から突出し前記鉄筋コンクリート柱のコンクリート内に埋設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の建物の構造。
  4. 前記鉄筋コンクリート柱と前記第二の鉄骨梁との仕口部は、前記第二の鉄骨梁の端部側が鉄筋コンクリートに被覆され、前記鉄筋コンクリート柱および前記第二の鉄骨梁の端部側の鉄筋コンクリートをPC鋼材が貫通し、前記PC鋼材にプレストレスが導入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の建物の構造。
  5. 前記コアチューブ架構は複数の前記コアウォールから構成されていて、隣接する前記コアウォールの間には制震ダンパーとして機能する境界梁が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の建物の構造。
  6. 建物の中心部を囲うように設けられた鉄筋コンクリート造のコアウォールから構成されたコアチューブ架構と、
    前記建物の外周部に設けられた鉄筋コンクリート造の柱と梁とから構成された外周ラーメン架構と、
    前記コアチューブ架構と前記外周ラーメン架構との間に架設された鉄骨梁とを備え、前記鉄筋コンクリート柱と前記鉄骨梁との仕口部は、拡径部を有するアンカー筋が前記鉄骨梁の軸方向の端面から突出し前記鉄筋コンクリート柱のコンクリート内に埋設されていることを特徴とする建物の構造。
JP2009222487A 2009-09-28 2009-09-28 建物の構造 Pending JP2011069148A (ja)

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